僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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暴走召喚獣編の本編に入りました。
では、本編の方どうぞ。


作戦会議と作戦開始(10時35分ごろ後書き追加)

「それじゃ、具体的な説明に入るが、コレは観察処分者である吉井にしかできない仕事だよ。他の召喚獣は使い物にならないからね。」

 

「それで? 俺らは何をすればいいんだ?」

 

「観察処分者の物理干渉を利用して、通気口から入ってもらうからね。そのサポートをして欲しいのさね。」

 

「それじゃあ、中の様子が分からないんじゃないですか?」

 

「その辺は康太にでも頼んでカメラを用意してもらえば良いだろ。」

 

「…………呼んだか?」

 

一輝が康太の名を出した途端、天井から康太がふってきた。なんでそんな所に居たんだろう

 

「康太、召喚獣が持てるようなカメラと、その映像を確認できるディスプレイ、……出来ればヘッドマウントタイプのは用意できるか?」

 

「…………教室に戻れば準備できる。」

 

「じゃあ、頼む。」

 

「…………了解。」

 

康太は頷くと、また天井に消えた。なんで普通にドアから出ていかないんだろう?

 

「ところで学園長、システムとセキュリティについて聞きたいんだが。いいか?」

 

「別に構わないさね。」

 

「随分と大人しかったけど、どうかしたの? 雄二。」

 

学園長と一輝が話しあうのを見て、僕はさっきから口を挟まないでいる雄二に話しかける。雄二の性格ならいろいろ聞きそうなものなんだけどな。

 

「いや、今回は俺は門外漢だからな。一輝の方が得意だろ? こういうのは。」

 

「なるほどね。」

 

雄二の言葉に納得がいったので、話しあっている二人に視線を戻す。話してる内容はよく分からないが、機械関係に強い一輝に任せればいいか。

 

         ◇

 

「アキ、雄二。教室に戻るぞ。」

 

「もう話は良いのか?」

 

「あぁ、大体の見当と策は決まったからな。優子たちや康太たちの力も借りる予定だ。」

 

「明梨や日向にも協力してもらうの?」

 

「そうだ、詳しい話はメンツが集まってから話す。だから、呼びに行くぞ。」

 

「分かった。」

 

一輝に促されて、僕と雄二は学園長室から出る。

 

         ◇

 

「それじゃ、それぞれの役割を説明するぞ。」

 

個人用のディスプレイと壁面に大型のディスプレイが設置された会議室で、大型ディスプレイの前に立って一輝が説明をする。

 

「まずは、オレと康太はシステム室の入口にある認証装置から侵入してシステムの権限を奪う。これに関しては防犯システムが作動してるから手間と時間がかかるだろう。」

 

大型ディスプレイにシステム室の入口と認証システムの拡大画像が表示される。

 

「優子と工藤にはオレと康太のサポートを頼みたいんだがいいか?」

 

「分かったわ。」

 

「モチロンOKだよ。」

 

優子さんと工藤さんが頷くのを確認して、話を進める。

 

「次にメインとなるアキの方だが、教師が作るフィールドは暴走状態で正常な動作ができないから、雄二の白金の腕輪でフィールドを作成してもらう。」

 

一輝が雄二の方へ視線を向けると、雄二は黙って頷いた。

 

「白金の腕輪の効果範囲を考えると、システム室の入り口付近でやってもらう事になる。アキの召喚獣にはカメラを持たせて、アキがヘッドマウントディスプレイをつけて操作する形になるが、」

 

一輝はそこで一度話を止めて、大型ディスプレイの映像を切り替える。

 

「召喚獣の位置を把握できるシステムとマップは、この部屋と学園長室にしか存在してない。その上、システムの権限を奪われてるから移行する事ができない。」

 

大型ディスプレイに映されたのは通気口のものと思われる地図だった。

 

「だから、久遠と明梨にはここに居てアキのナビとサポートを頼む。」

 

僕との相性とかも考えてくれてるんだろうな。二人なら安心して任せられるよ。

 

「秀吉と神谷は状況に応じて他のサポートを頼む。最初はここで明梨と久遠の手伝いをしてくれ。」

 

「承知したのじゃ。」

 

「分かったわ。」

 

「そんじゃ、皐月スパリゾートのフリーパスと、ついでに学園を守るために頑張ろうぜ。」

 

「ちょっと! 目的の優先順位がおかしくなってるよ。」

 

一輝の発言に思わず突っ込んでしまう。

 

「いいじゃねえかちょっとぐらい。Take things easy.(気楽に行こうぜ。)」

 

         ◇

 

「明久、準備は良いか?」

 

「僕は大丈夫だよ。明梨、日向、そっちはどう?」

 

『準備OKだよ。』

 

『いつでも大丈夫です。』

 

システム室の扉の前に立つ僕はインカムからの確認の声を聞き、気を引き締める。

隣ではすでに一輝と康太が入口の認証装置とケーブルで繋がったノートパソコンを操作している。一輝にいたっては二台を操作しているのに一台当たりが康太以上のスピードなのは驚きだ。

 

『悪いが……頼んだよ。』

 

「はっ。安心して見ていやがれ。起動(アウェイクン)!」

 

「試獣召喚!!」

 

雄二が起動ワードを唱えると、いつものように召喚フィールドが展開される。それを確認して僕の召喚獣を呼び出す。

 

「それじゃ、コレを持たせて……と。」

 

呼び出した召喚獣にカメラを持たせ、僕はヘッドマウントディスプレイを装着する。

 

「よし、ちゃんと映像が届いているな。それじゃ、よろしくね。」

 

『明君の召喚獣の位置が確認できたよ。』

 

『まずは、まっすぐ進んでください。』

 

「了解。」

 

召喚獣を通気口の高さまで持ち上げて、通気口の中へと入れ、指示に従って召喚獣を操作する。

 

(やっぱり、視界が狭いのと、客観的に見れないのは戦闘じゃ不利になりそうだな。)

 

「ん?」

 

『明君、正面から4体の召喚獣が来るから気をつけて。』

 

目の前の空間に魔法陣が浮かんだと同時に、明梨から通信が入った。なるほど、暴走っていっても防衛本能見たいのがあるのかな。

 

日本史

Eクラス 村上 美和 67点

     谷中 伸一 61点   VS   吉井 明久 683点

     豊本 美鈴 72点

     長田 源策 58点

 

『後ろからも3体来ます。注意してください。』

 

「まずは前のを倒す!」

 

狭い通気口で挟まれるのは危ないので、僕は正面の4体に向かって突っ込ませ、左から二番目の召喚獣に前宙の要領で踵落としを脳天に当て、刀で右隣の召喚獣の首をはねて、その勢いのまま前に行き振り向く。

 

Eクラス 村上 美和   67点

     谷中 伸一   戦死

     豊本 美鈴   戦死        Aクラス

     長田 源策   58点   VS   吉井 明久 653点

Dクラス 笹島 圭吾   92点

     阿僧田 孝造 123点

     鈴木 一郎   98点

 

召喚獣の様子がよく見えなくて、着地に失敗したせいで少し点数が減った。

 

『明久君、大丈夫ですか?』

 

「うん。問題ない……よっと。」

 

日向から通信が入ったタイミングで突っ込んできた召喚獣の脚を引っ掛けて、転ばせた後に胸を貫く。

 

Dクラス 笹島 圭吾 戦死

 

「こっちからも行かせてもらおうかな。」

 

僕は残る4体の召喚獣に向かって、走らせて、それに対応して振り下ろした剣を避けて、面打ちをする。

 

「痛っ……」

 

倒した召喚獣の後ろに居た、別の召喚獣が振り下ろした棍棒のフィードバックで肩に痛みが走る。

 

Eクラス  長田 源策   戦死   VS Aクラス  吉井 明久 607点

 

『明君!? 大丈夫!?』

 

「心配いらないよ。ちょっと油断しちゃっただけだから。」

 

『気をつけてね。』

 

(明梨と日向を心配させないためにも、注意して真剣にやらなくっちゃな。)

 

僕はさらに気を引き締めて、残る3体の召喚獣と対峙する。

 

「君たちに恨みは無いけど、ここは通してもらうよ。」

 

刀を投げさせて、奥に居た無防備な召喚獣を戦死させると同時に、相手の棍棒を奪い残る二体を思いっきり吹き飛ばす。

 

Eクラス 村上 美和   戦死

Dクラス 阿僧田 孝造  戦死

     鈴木 一郎   戦死

 

「ふぅ~。これでひとまず安心かな?」

 

『うん。近くに他の召喚獣の反応は無いよ。』

 

『あと5mほど進んだら右に曲がってください。』

 

「わかったよ。」

 

日向に指示されたとおりに、迷路のような通気口を召喚獣に歩かせる。

 




明久以外の出番は余り無さそうですね。

感想・コメント・誤字報告・指摘などありましたら、お気軽にどうぞ。お待ちしております。

――某所・停学中の文月学園二年所属のとある男子の部屋―-

「戦死者は補習~!」

「て、鉄人!? なんでウチに!? しかも戦死者って何!?」

「西村先生と呼ばんか! 戦死者とは召喚獣の点数が0点になった者の事だ。」

「俺は召喚獣を出してないのに何で――」

「口答えするな! 後が閊えてるから行くぞ。」

「鬼の補習は嫌ーーっ!」

――――――――――――――

こんなことがあったとか、なかったとか。

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