僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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遅くなってすみません。こんな時間なので感想の返信は後日まとめて返します。

それと、今回は区切りがいいところで切ったので短いです、重ね重ねすみません。


四日目 まだまだ続く合宿四日目

ガチャ

 

「ふぅ~、疲れた。」

 

「…………骨が折れる。」

 

「まったくじゃな。お陰で余計な時間を使ってしまったのじゃ。」

 

「あ、おかえり。3人とも疲れてるようだけどどうしたの?」

 

一輝と二人で暇をつぶしていると、僕らから10分ぐらい遅れて雄二達が帰ってきた。疲れている様子だけど、3階はE,Fクラスだから僕らの担当した階よりも成績は下で、3人ならそんな苦労するとは思えないんだけど……

 

「その様子だと、Fクラスの連中がしぶとかったのか?」

 

「ああ、一輝の言うとおりだ。アイツらは召喚獣がやられても対抗して来たからな。俺がのして、康太がスタンガンで気絶させて、秀吉が縛ってでなんとか退治して来たんだ。」

 

退治って……ゴキ●リじゃないんだから。

 

「……あの生命力は異常。」

 

「まったく、あの気概を少しは勉学にも回せばよいものを。」

 

秀吉の言う事ももっともだけど、彼らにそんな発想は無いんだろうな。

 

「話はそのぐらいにして、そろそろお風呂に行こうよ。時間も無くなっちゃうもん。」

 

「そうだな、優子達の入浴時間とか考えるとのんびりしてらんねえな。」

 

「ちょっと待ってろ。すぐ支度する。」

 

ガチャ

 

「おっ、部屋にいたか。探す手間が省けたな。」

 

雄二達がお風呂の準備をしているとドアを開けて照沼先生が入ってきた。何の用だろう?

 

「僕らに何か用ですか?」

 

「ああ、お前らのお陰で覗きは未遂で済んだから、礼を言いにな。」

 

「その事なら気にしないでくれ。オレらが勝手にやったことですから。」

 

一輝の言うとおり僕らが勝手に判断して、勝手に行動したんだから、わざわざお礼を言われるほどの事はしていない。

 

「まあ、そう言うな。お陰でAクラス以外の男子は特別補習室に詰め込まれてるしな。何かやりたいが、さすがに金品を渡すと問題になるだろうからコレをやるよ。」

 

そう言って照沼先生が投げてきたのは――

 

「鍵?」

 

――3本の鍵だった。ん? この形は見覚えがあるけど……それに2,4,5と数字がふってある。

 

「2、4、5番個室風呂の鍵だ。どう使うかは勝手にしろ。……丁度お前らも風呂はまだみたいだしな。」

 

バタン

 

照沼先生は部屋から出る直前に不穏な言葉を残していった。

 

「どう思う?」

 

照沼先生の言動の意味がいまいち理解できない僕はとりあえず皆の意見を聞く。

 

「普通に考えればオレらも個室風呂を利用しろって意味だと思うが。」

 

「問題のある男子は補習室と言っておったし警備は不要じゃからの。」

 

「…………ひさびさにのんびりできる。」

 

「確かにこの合宿は落ちつける日が無かったよね。」

 

初日から因縁つけられて模擬試召戦争したり、勉強中に因縁つけられたり……厄年かな?

 

「ああ、あの言い方、それに5つの風呂……俺らに翔子達と入れってことか?」

 

何やら唸っていた雄二が突然飛んでも無い結論を弾きだした。

 

「何を言い出すん――」

 

プシューーーッ

 

「「「「康太ーーーーっ!!」」」」

 

突拍子もない発言をした雄二にそれはない、と言おうと思った矢先、康太が赤いアーチを描いてしまい、僕らはそろって康太の名前を叫んでしまった。

 

         ◇

 

「……で? 雄二、君はなんであんな事言ったの?」

 

康太の止血と輸血を済ませ布団に横にした後、僕らは固まって話す。一輝の話だと効果が弱くなるからあの薬はなるべく使わない方がいいらしい。

 

「いや、スマン。考えるのに集中してて康太の事を忘れてた。」

 

「謝るのはもういいから、説明してよ。」

 

雄二は本当に申し訳なさそうにうなだれる。少し気持ちが分かるから心が痛い。

 

「ああ、普通に俺らの分も含めて個室風呂を用意したとして、女子で2つ、俺らで2つで十分なはずだ。翔子達も3人でも広いぐらいだって言っていたしな。」

 

「確かにのぅ。大浴場も3クラスで使っておったのに十分な広さじゃったのぅ。」

 

「うん。広かったね。銭湯とかでも見ない広さだよね。」

 

「言われてみれば、あと一つ風呂が余るな。」

 

雄二の言葉で僕らは雄二の発言の意図が何となく分かった。

 

「しかし、そうなると……」

 

「うん。康太は問題だよね。」

 

「個室風呂とはいえ血まみれにするのは問題じゃな。」

 

僕らは少し離れたところで布団に横になりながら輸血されている康太に視線を集める。あの康太なら一緒の空間で着替えることでさえ三途の川を渡りそうなのに、そのままお風呂に入るなんて考えたら……

 

「しかたねえな。抗体ができるからあんま使うのはよくねえが、賢者薬を飲ませるか。」

 

「まあ、翔子達が断る可能性もあるし、そうなれば普通に男女別に入れば問題ないだろ。」

 

「だな。まあ、優子もいるし普通に男女別ではいる事になるだろ。」

 

確かに、いくら恋人関係だと言っても一緒にお風呂に入るっていうのは……あったな、うん。日向が背中を流しに来た事があったね。でも、あれは一緒にお風呂に入るのとは別だし……

 

「とりあえず明梨たちの意見も聞かなくちゃいけないし、呼びに行こうか。」

 

「そうじゃな。康太も少しは落ち着いたようじゃしな。」

 




一区切りついたところで話を切ったので短くてすみません。


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