僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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今回は原作を読みながら、再構成しました。
島田に明久が変な言葉をかけたシーンは完全に変えました。
明久は10カ国くらいは喋れます。


Fクラスの環境と自己紹介

改めてFクラスを眺めてみると酷い有様だ。

ボロぞうきんのような覆面集団(クラスメイト)、40人ぐらいいたが全員(呻き)声が男だった。

設備はちゃぶ台と座布団か。まぁ最低クラスだから仕方ないか。

問題は…

 

 

 

 

一部以外腐っている畳、隙間風の入る割れた窓や壁、こんな衛生環境は教育機関として問題になるはずだ。

いくらあの学園長でもその辺の問題は理解してるはずだし……一応は学園長に直に報告しといた方がいいな。

 

「HRを始めますので席についてもらえますか?」

 

教室を眺めながら考え事をしていると後ろから覇気のない声をかけられたので振り返ると、寝癖のついた髪にヨレヨレのシャツを貧相な体に着た、いかにも冴えない風体のオジサンがいた。どうやらこのクラスの担任のようだ。

 

「は~い」

 

「うーっす」

 

「ふぁ~い」

 

僕達は返事をすると空いている席へとついた。ちなみに僕の席は廊下側からの2番目の一番後ろの席で廊下側には明梨、僕の前は一輝で、窓側に雄二だ。

 

「え~、おはようございます。二年F組担任の福原 慎(ふくはら しん)です。よろしくお願いします。」

 

福原先生は薄汚れヒビの入った黒板に名前を書こうとして、やめた。もしかして

 

「ねぇ雄二、先生が名前を書かなかったのって」

 

「あぁ教壇に立った時に見たが、どうやらチョークすらまともに支給されてないみたいだ」

 

やっぱり最低クラスとはいえ何かおかしい。学園長は誰かに設備の件は任せていたのか?明らかに問題だらけだ。まぁFクラス入りするようなバカは疑問にすら思わないようだが。早めに学園長には報告をしておくか。

 

「次に設備の確認をします。ちゃぶ台と座布団は支給されていますか。不備のある人は申し出てください」

 

『せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないです!』

 

「あー、はい。我慢してください」

 

『先生、俺のちゃぶ台の脚が折れています』

 

「木工ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」

 

まぁ最低クラスとなると設備の改修は無いんだろうな。方針だからこれは仕方のないことだ。こんな設備になりたくないんだったらもっと勉強をすればいいんだし。

 

『センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど』

 

「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」

 

やっぱり衛生環境がおかしいなこれは誰かが意図的にやっているようだな。雄二も何か考えている、たぶん僕と同じようなことだろう。

 

「では、廊下側の人から自己紹介をしてください」

 

そんなことを考えていると連絡することはもうないのか自己紹介の時間になったようだ。廊下側の一番前の生徒が立ち上がる。ん、あれは・・・

 

「木下 秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

やっぱり秀吉だ。秀吉もAクラスに行けるはずだけど、雄二が誘ったのかな。一見女子にも見えるほど小柄な体に女顔の童顔で髪も肩にかかる程度の長さに切りそろえられている。そのため、中学のころはよく女子と間違えられて困っていたっけ。その時に僕がいろいろとアドバイスをしたから今では男子に見られるようになった。髪は演劇のために短くしたくないそうなので髪型を工夫し、男らしく見せるために少し筋肉もついたからね。まぁ一部の女子に餓えたバカはまだ秀吉のことを女子として扱っているらしいけど。

 

『『『木下、俺と付き合ってくれ~!!!!』』』

 

「わしは男じゃ!!」

 

『『『バカな!!!』』』

 

うん、その一部のバカはこのクラスに集結しているようだ。秀吉が男だということに絶望しているのが40人以上いるよ。

 

『待て、木下は男だと言ったが、女でないとは言っていない。つまり、男でも女でもある第三の性別【秀吉】なんじゃないのか』

 

『きっと、そうだ。お前は天才だな』

 

いや、とんでもないバカだよ。だいたい第三の性別ってなんだよ、人間には2つしか性別は無いに決まっているじゃないか。漫画や小説の世界じゃないんだし、現実と虚構の区別もつかないバカなのか。

 

「じゃから、わしは女でも【秀吉】という性別でもなく男じゃ!!!」

 

『『『『なら、問題ないな!!!木下~付き合ってくれ~!!!』』』』

 

やっぱり、あの覆面集団はバカの集まりだな、秀吉の言葉が耳に入ってないよ。あ、秀吉は呆れながら席に着いた。うん、あのバカに理解させようとするのは無駄な努力だからその対応が一番だね。しかも、40人以上が全く同じ台詞を言うなんて。

 

「・・・・・・土屋 康太」

 

康太も雄二に誘われたのかな。秀吉もそうだけど康太はある教科のおかげでAクラス中堅程度の成績だからね。しかし、相変わらず無口だな。運動神経も良いし、結構モテそうなんだけど、やっぱりあの癖のせいか一部以外の女子には避けられているからね。しかし、最低クラスとなると男子ばっかで女子がいないのか、女子が明梨一人というのは居心地が悪いだろうな・・・

 

「――です。海外育ちで、日本語は会話はできるけど読み書きは苦手です。あ、でも英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味は―」

 

そんなことを考えていると女子の声が聞こえてきた。でもこの声は

 

「趣味は吉井明久を殴ることです☆」

 

やっぱり島田さんだ。なぜか僕に暴力を振るってくる野蛮な女子だ。女子とはいえ明梨はあまり彼女に近づかない方がいいだろう。なんど注意しても僕の話を聞かないからな、そろそろ体に教えた方がいいかもな。

 

「ちょっと、何無視してんのよ吉井!!あんたのことを言っているんだから反応しなさいよ!!」

 

何か言っているが置いておこう。彼女は島田美波。1年のころに彼女が日本語が良く分からないために暴言を吐いてしまっていたので、僕がなんとか誤解を解いてあげてから、やたらと僕を殴ってきたり、関節技を掛けてきたりする。あの誤解の解き方が悪かったのかな?僕は確かに彼女のドイツ語の言葉を正確に訳したはずなんだけど。ドイツ語は父さんの仕事に何度かついていくことがあったから覚えていたんだよね。他にも英・仏・露・中・伊語は日常会話程度ならできるんだよね。父さんは世界中に仕事に行っているし。

 

「島田さん。静かにしてください。今は自己紹介中です」

 

バンバン

 

先生が教卓を叩きながら島田さんの注意をするが

 

「先生!!あれは吉井が…」

 

ガラガラッ

 

島田さんが言い訳をしていると教卓が音を立てて崩れた。叩いただけで崩れる教卓って。

 

「あはは…」ケホッケホッ

 

明梨は苦笑いしながらも埃を吸い込んだのかせき込んでいた。やっぱすぐにでも設備を良くしないとな。となると雄二にアレをするように提案するかな。

 




タグにはアンチ島田と書いてますが、試験召喚戦争編が終わると余り出番は無い予定です。
あの暴力は殺意にしか見えないですね。
引き続きオリキャラの案を募集しています。よろしくお願いします。

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