僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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来週(8/3)から教習所に通う都合で更新が遅くなるかもしれません。
今週中に何話か書く予定ですがどうなるかわかりません。

週一話は更新するつもりですので勘弁してください。


学力強化合宿編
脅迫状と合宿前


ガサッ

 

「ん? 何だこれ? ……手紙?」

 

朝いつも通りに明梨と日向と一緒に登校して、下駄箱から上靴を取り出そうとしたら音がした。不思議に思って奥に手を突っ込むとピンク色の封筒が出てきた。

 

「明君それって……」

 

「ラブレター……ですか?」

 

横から覗き込むようにして二人が聞いてきた。二人とも少し不安そうな顔色だな、僕が告白を受けるって思っているのかな?

 

「う~ん、確かにそんな風に見えるけど違うと思うよ。それと、もしラブレターだとしても断るからそんな悲しそうな顔しないでよ。」

 

そう言って僕は二人の頭を撫でると二人は恥ずかしいのか顔を赤くする。確かに一見するとラブレターにも見えるが、なんでだろう、何か嫌な予感がする。それに嫌な予感ほど当たるんだよね。

 

「手紙の確認もしたいから、早く教室に行こうか。」

 

「そうだね。ここにいても仕方ないし。」

 

「のんびりしていてHRに遅れたら大変ですからね。」

 

二人は恥ずかしかったのかそそくさと階段の方へと行ってしまった。

 

「やっぱり可愛いな。」

 

僕はそんな二人の行動に頬を緩ませながら二人の後を追って教室へと向かった。

 

         ◇

 

ビリッ

 

教室に着いて席に着くと僕は封を破って中身を取り出す。その内容は――

 

『あなたの秘密を握っています♡

Fクラスに近づかないこと。

 もしこの忠告を受け入れなければ同封した写真を学校新聞に載せます。』

 

なんで嫌な予感って当たるんだろうか? しかしFクラスに近づかない、なら簡単だな。でも同封した写真って何だろう?

 

カサッ

 

そう思って封筒の中を探ると一回り小さい封筒が入っていた。僕は誰も見ていないのを確認してから中身を確認する。一枚目は……

 

『僕の女装写真(メイド服)』

 

こんな服を着た覚えは無かったので、よく見てみると服の影と髪の影の向きが違うので合成であることが分かった。なんだ合成写真で脅しなら何とかなりそうだな。二枚目は……

 

『僕の女装写真(チャイナ服)』

 

脅迫犯は女装好きなのかな? この写真も合成写真だな。さてと、次で最後か……

 

『僕が明梨と日向の胸に手を当てて倒れこんでいる写真(清涼祭)』

 

な、な、な、なんであの時の写真が!? それになんで一枚だけ合成じゃないの!? 

 

「おーっすアキ。朝っぱらから顔色が悪いがどうした?」

 

ササッ

 

「Quoi de neuf?  Ce n'est pas grave (どうしたの? 何も問題ないよ。)」

 

一輝に声をかけられたので慌てて脅迫状を隠して何事も無かったように振る舞う。

 

「何があったか知らないがフランス語になっているぞ。……それで、何があったんだ?」

 

一輝が肩を組んで小声で訊いてきた。気を使ってくれたんだろう。

 

「実はこんなものが……」

 

隠し通せるとも思えないので素直に脅迫状を渡す。

 

「なるほどな……この条件なら楽だがこれだけで済むとは思えないな。一応康太と協力して犯人を――」

 

「一輝!! ちょうどいい所に! 助けてくれ!!」

 

一輝が何か言おうとしたところで雄二が教室に入るなり駆け寄ってきた。手に僕のとこに来た手紙と同じ模様の封筒を持って。

 

「なるほど、大体は分かった。雄二も脅迫されたんだろ?」

 

「も、ってことは他に入るのか? とりあえず何とかしてくれ。そうしないと俺は恥ずかしさで死にそうだ。」

 

一体何で脅迫されているんだろうか? いや、傷を抉ることになりそうだから黙っておこう。

 

「アキのとこにも来たからな。康太と協力して犯人を探して元のデータは消しとくから安心しろ。」

 

「助かる。しかしそう簡単に見つかるのか?」

 

「条件は絞られているからな。データ消すためにも雄二の脅迫材料を教えてくれるか?」

 

「実は翔子とキスをしている写真が十数枚……」

 

確かにキスシーンを不特定多数の人間に見られたら恥ずかしいよね……

 

「なるほどな……わかった。探しておく。」

 

「ありがとう、それとよろしくね。康太にもありがとうって伝えといて。」

 

「マジで助かった。今度何か奢るぞ。」

 

「気にすんなよ。ダチが困ってたら助けるのは当然だろ?」

 

一輝は面と向かってお礼を言われたのが恥ずかしかったのかそそくさと自分の席へと戻った。

 

         ◇

 

「来週に行われる『学力強化合宿』ですが、だいたいはこのしおりに記載されている通りです。Aクラスの皆さんは問題ないと思いますが学習道具を忘れないようにしてください。基本的には自習となりますので重点的に学習するのも、バランス良く全体的に学習するのも効果的です。それと各クラスによって集合場所と時間が異なりますので注意してください。――」

 

う~んAクラスってなるとリムジンバスってところかな?

 

「Aクラスは自宅から専属のハイヤーでの集合となりますので持物を整理して自宅で待っていてください。」

 

は? 全員分のハイヤー? いくらかかるの?

 

「すいません。友達と一緒に行くのはダメでしょうか?」

 

僕は明梨と日向と3人で行きたいんだけどな……

 

「Aクラスの待遇を他に示す目的もありますので許可できません。」

 

「なら数人の為にバスを用意したりするので代用はできないか?」

 

雄二が手を挙げて高橋先生に尋ねる。なるほど、それなら十分に特別扱いだね。

 

「私には判断できませんので学園長に伺ってみます。」

 

「お手数掛けてすみません。」

 

「Aクラスは出来るだけ要望に答えるクラスですので気にしないでください。他に何か要望のある人はいますか? いないようですね。それでは今日も一日勉学に励んでください。」

 

高橋先生の一言でSHRは終わりを告げた。

 

         ◇

 

「学園長に伺ったところ私が引率するという条件で許可が出ましたのでバスで合宿上に行きたい方は挙手をお願いします。」

 

休み時間の内に相談していたのでいつものメンバー11人が手をあげる。

 

「バスで行く方は吉井君、坂本君、木下君、土屋君、高瀬君、藤崎さん、久遠さん、霧島さん、神谷さん、工藤さん、木下さん、以上でよろしいでしょうか?」

 

高橋先生が確認のために教室を見渡す。

 

「いないようですね。では先程の11名は来週の月曜日朝8時に学園の正門前に集合してください。他の皆さんも朝8時までには準備を済ませて自宅で待機してください。」

 

高橋先生の言葉にクラスのみんなが返事をすると解散になった。

 




やっと合宿編に入りました。



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