僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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今話で終わりにするつもりがある漫画の特装版についてるDVDを見て思いついてしまい1話分の追加をしてしまった。
暑さと疲れで執筆速度が遅くなっているのに余計な事をしてしまった。


水無月プールパーク らぶらぶスライダー

「ねえねえ、アレ乗ってみようヨ。」

 

工藤さんが指さした先には

 

「カップル限定スライダー?」

 

「らぶらぶスライダー……だと?」

 

雄二と一輝の言うとおりそこにはピンクのハートやらLOVEやら愛やらliefdeやらaimerやらさまざまな言語で『愛してる』などを意味する言葉で飾られたゲートに『【カップル限定】らぶらぶスライダー』と書かれていた。

 

「……彼氏が彼女を抱きしめるらしい。」

 

「それは良さそうね……」

 

霧島さんが案内図を見ながら言うと優子さんは頬を赤らめる。うん、考えただけで恥ずかしくなる。

 

「逆の方が楽しめそうだけど、面白そうね。」

 

神谷さんは何を想像したんだ? 逆……神谷さんが秀吉を抱きしめるのか? つまり、胸が当たる……ああ、なるほど。

 

「ならば明久達が一番じゃな。」

 

「え!? なんで!?」

 

「…………明久は2回滑る。連続というわけにもいかない。」

 

確かに康太の言うとおりだね。ウォータースライダーって滑るだけなのに結構疲れるよね。

 

「じゃ、じゃあ明梨、日向。どっちから滑る?」

 

「えっと……ヒナちゃん、先に滑ってきなよ。」

 

「私は後からでいいですから明梨ちゃんこそ、先にどうぞ。」

 

僕が聞くと二人はお互いに譲り合ってなかなか順番が決まらなくなってしまった。

 

「じゃあ、じゃんけんで決めよっか。このままじゃみんなを待たせちゃうし。」

 

「そうですね。それなら平等ですからね。」

 

お互いに納得したのか二人はじゃんけんをする。

 

「あちゃ~、負けちゃったか。ヒナちゃん楽しんできてね。」

 

「あ……じゃあ、明梨ちゃん、お先に。」

 

日向が勝った。

 

「じゃあ行こうか。日向。」

 

「よ、よろしくお願いします。」

 

日向は僕が差し伸べた手をおずおずと掴む。

 

「…………写真は任せろ。」

 

これは恥ずかしい姿を残されることになりそうだな……

 

         ◇

 

「では、彼氏さんはここに座ってください。」

 

スライダーの乗り口の所に行くと係のお姉さんが指示してきた。今日は人数を限定したセミオープンだったためか待ち時間が無く入口まで来れた。

 

「えっと……こうですか?」

 

「それでですね、彼女さんは彼氏さんの脚の間に座る感じです。」

 

「こ、こう……ですか?」

 

係員さんの指示に従ってスライダーのところに僕が座ってその間に日向が腰掛けた。こんなに密着するなんて恥ずかしいな。

 

「あとは彼氏さんが彼女さんを後ろから抱き締めてください。お腹を抱きしめる感じですね。」

 

「は、はい。日向、準備いい?」

 

「ど、どうぞ。」

 

僕は日向のお腹のあたりを抱きしめる。当たり前だけどさっきよりも体が密着して日向のすべすべの肌から体温まで伝わってくる。

 

「ふふっ(若くて初々しいカップルね。私も彼氏が欲しいな。)」

 

「え、えっと、もう大丈夫ですか?」

 

「はい、いってらっしゃい。」

 

係員さんが笑っているのが恥ずかしくなったので行っていいか尋ねると、背中を押されて滑り始めた。

 

バシャーン

 

しばらくスライダーを滑ると出口が見え、流されている間もしっかりと抱きしめていたので、僕は日向を抱きしめる形で水中へと飛び込んだ。

 

「へっ? あ、明久君!? な、何をしてるんですか!?」

 

「え? お姫様だっこ。」

 

ちょうど抱きしめていたので、そのままお姫様だっこをしてプールから上がる。

 

「あ、明久君。みなさんも見てますから、恥ずかしいです。」

 

あ。見てみると雄二達がこちらをニヤついた顔で見ていた。

 

パシャパシャ

 

康太はいつも通りものすごい連写をしていて、明梨は羨ましそうにこちらを見ていた。

 

         ☆

 

明久は俺達が見ているのに気付くと急に顔を赤くした。やっぱ、あいつの反応は面白れえな。

 

「よう、らぶらぶカップル。」

 

「見せつけてくれるじゃねえか。」

 

俺がプールサイドに歩いてきた明久に声をかけると一輝も声をかけた。

 

「なっ、ゆ、雄二、一輝。からかわないでよ!」

 

「じゃあ、翔子。俺達も行くか。」

 

「……うん。」

 

明久達が行った後にじゃんけんで順番を決めて、俺らが二番目に決まっていたので翔子と手を繋いで乗り口の方へと行く。

 

         ◇

 

「では、彼氏さんはここに座ってください。」

 

スライダーの乗り口に行くと女性スタッフが居て丁寧に説明してくれた。しかし、宣伝のためとはいえ客に対するスタッフの人数が多いな。お陰で待ち時間とかなく楽しめるがタダでここまで楽しめるのはかなり得だな。

 

「これでいいのか?」

 

「それでですね、彼女さんは彼氏さんの脚の間に座る感じです。」

 

「……わかった。」

 

スタッフに言われたとおりに翔子が俺の目の前に座る。付き合い始めてからくっつく機会は多くなったが水着でここまで密着するのははずいな。

 

「あとは彼氏さんが彼女さんを後ろから抱き締めてください。お腹を抱きしめる感じですね。」

 

「あ、ああ。」

 

俺はスタッフの言うとおりに翔子の腹のあたりを抱きしめる。翔子も恥ずかしいのか陶器のように透き通った首筋がほんのり赤くなっていた。

 

「はい、いってらっしゃい。」

 

「うおっ。翔子、ちゃんと掴まってろよ。」

 

「……大丈夫。一生離さない。」

 

「一生は困るだろ。いろいろと。」

 

スタッフに背中を押されたので離さないように抱きしめている腕に少し力を込める。

 

バシャーン

 

翔子も俺もしっかりと掴まっていたので離されることなく出口まで着いた。

 

「翔子。手を離してくれ。このままじゃ歩きづらい。」

 

「……抱っこ。」

 

「してやるから離せ。」

 

水から上がっても翔子が手を離さなかったので仕方なくお姫様だっこをしてやる。思った通り、明久がニヤついてこっちを見てやがる。

 

パシャパシャ

 

康太はあんなにシャッターを切って大丈夫なのか? データの容量にも限界があると思うんだが……

 

         ☆

 

「さすが熟年カップルは違うね。」

 

「堂々とした感じだな。」

 

「なっ!? 一輝まで何言いやがるんだ!!」

 

オレとアキがプールサイドに上がってきた雄二をからかうと真っ赤になった。やっぱ雄二の反応はおもしれえ。

 

「…………いい写真が撮れた。」

 

「相変わらず仲が良いのぅ。」

 

「一輝君、次はアタシたちだから行きましょ。」

 

「おう、エスコートさせてもらうぞ。」

 

         ◇

 

「では、彼氏さんはここに座ってください。(この子たちが終われば休憩ね。シングルの男でも探そうかな。)」

 

上に行くと女性の係員が乗り方を教えてきた。どうでもいいが、この人は大変だなカップルだけを相手にするって……

 

「それでですね、彼女さんは彼氏さんの脚の間に座る感じです。」

「じゃあ、失礼します。」

 

係員に言われて優子がオレの前に座る。恥ずかしいのか優子の首筋は赤くなっていた。

 

「あとは彼氏さんが彼女さんを後ろから抱き締めてください。お腹を抱きしめる感じですね。」

 

「これでいいですか?」

 

オレは係員に言われたように優子を後ろから抱き締める。優子ってこんなに華奢だったのか、見てるようでちゃんとは見てなかったんだな。

 

「はい、いってらっしゃい。」

 

係員に背中を押されてスタートする。オレは優子を離さないように腕に力を込める。

 

「ちょっと、一輝君。あんまり力入れないでよ!」

 

「ちゃんと掴まってないと危ないだろ? それと、喋っていると舌噛むぞ。」

 

「う~。」

 

優子はまだ何か言いたそうな感じだったが、スピードが上がってきたので大人しくなった。

 

バシャーン

 

しっかりと優子を抱きしめていたのでそのまま着水する。せっかくなのでオレもアキや雄二を見習って優子をお姫様だっこをすることにした。

 

「ちょっ、一輝君。恥ずかしいから止めてよ!」

 

「あんまり暴れるなよお姫様。」

 

「お、お姫様……」

 

暴れる優子に恥ずかしい台詞を言ったらおとなしくなった。やべえ、冷静になるとかなりハズいな。プールサイドにいるアキ達がこっち見てるし。

 

パシャパシャ

 

康太は相変わらずシャッターを切りまくっているし。

 




次話こそ終わらせよう。考えていたイベントを消化しないと……

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