今回は全篇 一輝Sideです。あまりイチャついては無いですが、なんか新婚みたいな感じになってます。
それと、一輝が優子との約束を果たします。作者も忘れかけてましたが(汗
PS
この後「秀吉・紫織」「康太・愛子」「霧島夫妻」の3つの日常(休日)を書くんですが、順番が決まってないのでアンケートを取ります。
あくまで参考なのでアンケートの結果とは違うかもしれないですが
Prrrrrr Prrrrrr
オレは白金の腕輪のデバッグが済み明日が暇になったので優子に電話をかけている
ガチャ
『もしもし? 一輝君?』
「優子か? 悪りぃな、こんな時間に電話しちまって」
今は11時 電話をするにしては少し非常識な時間帯だ
『気にしないでいいわよ。アタシも起きていたし』
「もしかしてこんな時間まで勉強か?」
『いや、ちょっと趣味の本を読んでたら読み耽っちゃって……ところで、急に電話なんてどうかしたの? 今週末くらいまでは忙しいんでしょ?』
「それが思ったよりも早く終わったから明日が暇になったんで優子の予定でも聞いておこうと思ってな」
『そうなんだ。アタシは明日の予定は特にないわよ』
「そうか。じゃあ明日買い物でも行かないか?」
『いいわよ。じゃあまた明日ね』
「あぁ、駅前に10時でいいか?」
『そうね。それじゃ一輝君、おやすみ』
「おぅ、おやすみ。Have a good night.」
ガチャ
「ふぅ~。早く着きすぎたか?」
オレは駅前のベンチに腰掛けながら備え付けの時計に目をやる。今は8時50分、待ち合わせまでは1時間以上ある
「ま、彼女を待たせるわけにも行かねぇから仕方ねぇか」
そんな事を思いながら持参したメモ帳に今考えている腕輪の設計を書き始めた。学園長が作った白金の腕輪の応用でFクラス(馬鹿共)制圧用のものだ
「ゴメン一輝君。待ったかしら?」
オレが設計に集中してると優子が小走りでやってきた。時計を見たら9時半、いつの間にか30分以上経ってたみたいだ
「いや、オレが早く来すぎただけだ。それに時間まではまだ余裕があるしな」
「ありがと。……それは?」
優子はオレの持っているメモ帳を指さす
「学園長の作った白金の腕輪の応用品のアイディアだ」
「そんなのまで考えられるなんて一輝君ってスゴイわね」
「まぁ伊達に大学に行ってたわけじゃねぇからな。それよりも、そろそろ行かないか? 少し人通りも多くなってきたし」
「そうね。行きましょうか」
そう言うと優子はオレの腕に自分の腕を絡めてきた
「じゃあ、さっそく行くか」
「この後はどうする?」
あれから服屋や雑貨屋を見て回り、今は昼時。服屋で優子に『アタシに似合う服を選んで』と言われた時には困った、正直オレは見た目とかあまり気にした事は無いし服装だって基本実用性重視で動きやすいものを選ぶからだ。とはいっても彼女の頼みを無碍にするわけにもいかず自分の感性で優子に似合う服を選んだら喜んでくれたので何よりだ
「う~ん、お昼を食べてからはどうしようかしら。だいたい見たいとこは見て回ったのよね」
「そうか……そうだ。付き合う時に『料理を教えてやる』って言っただろ? 結局教えること出来てないし昼食ってから材料買って練習しないか?」
「え? いいの?」
「あぁ、オレも言っておきながらやらないってのは気分が悪りぃからな。忘れかけてたくせにデカいこと言えないが」
「じゃあ、お願いします」
「おう、じゃあ昼飯は……あそこでいいか?」
オレは軽く周りを見渡して近くのファストフード店を指さす。デートでファストフードってのは変な気もするが彼女に良い姿見せようとして変にカッコつけるのも間違ってる気がするしな
「えぇ、いいわよ。しっかりと教えて欲しいから早く済ませちゃいましょう」
「それで? 何作るんだ?」
「ん~? 一輝君は何を食べたい?」
帰り道でスーパーに夕飯の材料を買いに来てる
「そうだな……優子が作ったものなら何でもいいが、肉じゃがなんかどうだ? 家庭料理の定番だしちょうどいいんじゃないか?」
「そうね。確かにそれはいいかもね」
「そうなると材料はじゃがいもと人参、玉ねぎはいいとして肉はどうする?」
「えっ? 肉じゃがのお肉なら牛肉じゃないの?」
オレの問いに優子は驚いて聞き返してきた。優子の家だと牛肉を使うのか
「まぁ元はビーフシチューを日本で作ろうとしたのが始まりだから牛肉が多いのかもしれないが、家庭によって豚肉や鶏肉を使ったり、白滝を入れたりとか色々あるんだよ」
「へぇ~、一輝君ってホントに詳しいのね」
「それほどでもねぇよ。アメリカ(向こう)では両親が仕事で飯は自分で作ってたし日本(こっち)でも何度も作る機会があったからな、レシピを調べるうちに詳しくなったんだよ」
「一輝君のご両親って何の仕事をしてるの?」
「親父は……医者でお袋は看護師だ」
親父の職種は医者で問題ないよな? 今は病院に勤めているし
「なんでお父さんの仕事で言い淀んだのよ?」
「いや、親父は医師免許の他にも獣医師免許やら管理栄養士やら医療系の免許を多く持っていて、前は動物病院に勤めてたからな。なんて答えればいいのか迷ったんだ」
聞いた話だとアメリカで飛び級して獣医師免許取った後に日本で昭斗さん達と同じ大学の医学部に入り従兄弟の龍司さんと再会したらしいけど
「なんかスゴい人ね……」
「あぁ、オレはもう気にしない事にしてるがな……そんなことよりさっさと買い物済ませようぜ」
「確かお肉の話だったかしら……一輝君の家ではどうしてたの?」
「家は普通に牛肉と白滝を入れてたな」
そう言えばお袋の肉じゃが食ったのって1年ぐらい前か?
「じゃあ一輝君の家の作り方を教えてくれる?」
「ん? 家のでいいのか?」
普通は自分の家の作り方でやるもんだと思うんだが
「一輝君は家の味を知らないでしょ? それに家の味だったら後でママに教わるからいいわよ」
「そうなると買うものは――」
オレはお袋の肉じゃがを思い出しながら材料を籠へと入れていった
優子の家に着いてから直ぐに肉じゃが作りへと取りかかった。秀吉は神谷と出かけているらしい
「次はコンソメを加えてから少し煮てから味付けだな」
「コンソメ? だし汁じゃないの?」
「あんま出汁の素とか無かったからな。簡単な代用品だとコンソメが良いんだよ」
遠出をすれば日本食材やとかもあったけど親父もお袋も忙しくって買いに行く暇がなかったからな
「それにしても手際いいな。ホントに料理下手なのか?」
オレは鍋にコンソメを入れている優子を見ながら思った事を口にする
「さすがに今のままじゃマズイって思ってから練習したからね」
「ふぅ~ん。短期間にしてはかなりの腕な気がするが、っと煮えてきたから醤油と砂糖で味付けしてくれ。煮物の場合は煮汁を飛ばすから少し薄味にすることに気をつけろよ」
優子はオレの指示を聞くと味見しながら味を整え始めた
「このぐらいでどうかしら?」
「おっバッチリだ」
優子が小皿に煮汁をよそって渡してきたので味を確かめてから親指を上げる
「後は煮汁が少なくなるまで煮て最後に隠し味でバターを入れれば終わりだ」
「仕上げにもバターを入れるのね」
「あぁ、バターを入れるとコクが増すからな」
「ふぅ~ご馳走さん。美味かったぞ」
肉じゃがを作った後に味見という事もあって夕飯を一緒に食べた。優子によると両親は共働きで夕食は基本秀吉と二人で喰うらしい
「お粗末さまでした。味はどうだった? 一輝君の家の味に近かったかしら?」
「あぁ久しぶりにお袋の味が楽しめた気がしたよ。ありがとな」
オレは優子に礼を言うと優子の肩を抱き寄せる、優子もオレの意図に気付いたのか目を閉じ、二人の距離が段々と縮まり
ガチャ
「ただいま帰ったのじゃ~」
ガタン
玄関を開ける音と秀吉の声が聞こえてオレ達は直ぐに距離を取って椅子に座りなおす。付き合っている事は知られているがそういう行為を見られるのには抵抗がある
ガチャ
「姉上~、遅くなっ、邪魔してすまなかったのじゃ!! わしは外に出ていくのじゃ!!」バタン タタタッ
秀吉はリビングのドアを開けると同時にオレの存在に気付いて直ぐに外へ出ていった
「あんの愚弟(ひでよし)め~。久しぶりにヤラないといけないみたいね」
優子はオレの知らない黒いオーラを纏っている。正直ハンパ無く怖い
「まぁ秀吉だって悪気があったわけじゃないんだしさ」
「悪気がなくっても許せないわ」
かなりキレてるな。仕方ない
チュッ
「これで許してくれないか? 怒ってると可愛い顔が台無しだ」
オレは優子に口づけして軽く頭を撫でた
「ふぇっ? ちょっ、何が?!」
「じゃあな。晩飯ご馳走さん。それとまた明日学校で」
オレは恥ずかしくなり混乱してる優子に早口で別れを告げ優子の家から出た
『ちょっと一輝君!!』
優子の声が聞こえたが戻るのは怖いな
ピロリン
お、メールだ
From 優子
To 高瀬 一輝
Title 明日
Text 覚えてなさい!!
ははは、明日学校休もうかな?
基本的にはどんな感想(カオスや無茶ぶりも可)にも返すつもりなのでドンドン感想を送ってください。
PS:軽いアンケートなのですが、この後の展開で
いつもの11人5組は
①名前で呼び合う(例:明久→愛子「愛子さん」)
②いままでどおりの呼び方(例:明久→愛子「工藤さん」)
どちらが良いでしょうか? この作品の時系列だと1ヶ月ほどの付き合いで交流も多いので名前呼びにしても違和感はないと思っているのですが