僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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やっとの投稿です。お待たせして申し訳ありません。
お詫びと言っては何ですが今回はかなり長めになっていますのでお付き合いください。
イチャイチャってこんな感じでいいのか疑問ですが、イチャついています。
深夜に少しずつ書き加えていたのでかなり暴走してると思います。反省は……していません(キリッ)

プール回でのイベント(イチャつき)があまり思い浮かばなくて本気で悩んでいます。思いつかなかったら淡白な話になりそうですので、何かアイディアがあったら感想を送ってください。

それと、基本的にはどんな感想(カオスや無茶ぶりも可)にも返すつもりなのでドンドン感想を送ってください。

PS:軽いアンケートなのですが、この後の展開で
いつもの11人5組は
①名前で呼び合う(例:明久→愛子「愛子さん」)
②いままでどおりの呼び方(例:明久→愛子「工藤さん」)
どちらが良いでしょうか? この作品の時系列だと1ヶ月ほどの付き合いで交流も多いので名前呼びにしても違和感はないと思っているのですが


手料理と耳搔きと思い出

カチャカチャ

 

「いただきます」

 

「い、いただきます」

 

明梨と日向は料理や取り皿を並べると僕の両隣に座って手を合わせる。メニューはチャーハンとサラダ、それとスープだ。一人暮らしであまり買い置きは無いのにこれだけ作れる辺り二人は余り物とかの扱いも上手そうだ

 

「ちょっと待って、なんで僕のスプーンやフォークがないの!?」

 

これは何かの当てつけか?

 

「え、えっと……あ、あ~ん」

 

「うぇい?!」

 

僕がそんなことを考えていると明梨が顔を赤くしながらチャーハンを乗せたスプーンを僕の口元に持ってきたので、僕は素っ頓狂な声を出してしまった

 

「あれ? 明君ってこういうの嫌いだった?」

 

「いや、明梨と日向がしてくれることなら何だって嬉しいけど、突然だったから驚いただけだよ」

 

明梨が不安そうに聞いてきたので即答する

 

「じゃ、じゃあ改めて、あ~ん」

 

「うん、いただきます。あ~ん」

 

明梨がスプーンを差し出してきたので僕は口を開けてチャーハンを口に含む

 

「ど、どうかな? 美味しい?」

 

「うん。すごくおいしいよ」

 

嬉しさと恥ずかしさから味覚はあまり働いてないけど『美味しい』というのは分かった。明梨が食べさせてくれたというだけで100割増しぐらいに美味しかった

 

「明久君 サラダもどうぞ。あ、あ~ん」

 

日向も赤くなりながらサラダを勧めてきた

 

「う、うん。あ~ん」

 

「ど、どうですか?」

 

「とっても美味しいよ」

 

細かい味なんてわからないけど、彼女に食べさせてもらうということでこんなにも美味しくなるとは

 

その後も二人に(半強制的に)食べさせてもらい、嬉し恥ずかしい昼食は終わった

 

 

 

 

「ふぅ~。二人ともお疲れ様。それと手伝ってくれてありがとうね」

 

掃除をし終えてソファに腰をおろしながら手伝ってくれた二人に労いと感謝の言葉を述べる

 

「お疲れ様。手伝ったのはわたし達がしたんだから気にしないでよ」

 

「お疲れ様でした。お茶をどうぞ」

 

いつの間に淹れていたのか日向がお茶の入った湯呑を出してきた

 

「ありがとう日向」

 

「ヒナちゃん ありがとう」

 

ふぅ~。お茶を飲むと心がなごむな~

 

「あ、そうだ。明君 ちょっと横になって」

 

「横に? わかったよ」

 

明梨に言われるがままソファに横になると

 

ぽふっ

 

柔らかい感触が頭に伝わってきたので反射的に頭を上げようとすると

 

「あ、動かないで、耳掃除するから」

 

明梨に動きを制されてしまった。明梨の方に視線を向けるとその手にはいつの間にか耳かきが握られていた

 

「じゃあ、お願いします」

 

拒否する理由もないので大人しく従う事にする。彼女に膝枕で耳掻きしてもらうなんてラッキーイベント回避する理由も思い浮かばないけど

 

「はふぅ」

 

「ふふっ。明久君 気持ちよさそうですね」

 

思わず息が漏れたのを日向に指摘されてすごく恥ずかしくなる

 

「えっと……どうかな? 気持ちいい?」

 

明梨が確認してくる

 

「極上の気持ちよさです」

 

「そうなんだ。よかった」

 

明梨は少し安心したような声を出す

 

 

「よしっ、これでこっち側は終わりだね。反対側はヒナちゃんお願いね」

 

しばらく耳搔きしてから明梨は日向に耳かきを渡す

 

「はい。じゃ、じゃあ、明久君 どうぞ」

 

「う、うん」

 

僕は日向の太腿に頭をうずめる。さっきは膝枕するなんて思ってもなかったから自然とできたけど膝枕されると分かっていてするのは恥ずかしいな

 

「じゃあ、失礼します」

 

「うん。よろしく」

 

僕が返事をすると日向は耳搔きし始める

 

「どうですか?」

 

「うん。極上の気持ちよさだよ」

 

他人に耳搔きしてもらう事がこんなにも気持ちいことだったとは。僕は気持ちよさからゆっくりと意識を手放した

 

Side out

 

 

明梨Side

 

すぅすぅ……

 

「ふふっ、寝ちゃいましたね」

 

「こうやって寝顔を見てると昔の明君の面影が残ってるのがわかるなぁ」

 

わたしは昔の明君の顔を思い出してしまった。だって明君の寝顔が子供の寝顔みたいなんだもん

 

「確かにどこかあどけなさがある感じがしますね。昔の明久君ってどんな感じだったんですか?」

 

明君の寝顔を見ながらヒナちゃんが思い出したかのように聞いてくる。そういえば、あんまり昔の話はしたことなかったなぁ

 

「どんなって言われると表現するのは難しいけど……性格は今と変わらないかな」

 

「『今と変わらない』ですか……」

 

ヒナちゃんはいまいち分からないといった様子で聞き返してきた

 

「うん。『自分のことは二の次で他人の為に一所懸命な所』とか」

 

「確かに明久君って自分のことは気にしてない感じですよね」

 

明君は昔から自分の体のことも考えないで無理ばっかしていて心配ばっかりしてたよ

 

「そうだ。昔の写真なら家にあるから取ってこようか?」

 

「でも、勝手に明久君の写真を見るのは……」

 

ヒナちゃんってこういう時遠慮深いよね

 

「じゃあ、明君が起きてから皆で見ようか」

 

「そうですね。それなら」

 

「明君も寝ちゃっているし晩御飯の材料でも買いに行こうか」

 

「明久君の寝顔を見ていたいですが、あまり遅くなると大変ですし、行きましょうか」

 

わたし達はまだ眠っている明君にタオルケットをかけて、お父さんから預かった鍵でドアを閉めてから買い物へと向かった

 

Side out

 

 

 

 

明久Side

 

カタ カタッ

 

「うぅん?」

 

僕は何かの物音で目を覚ます。あれ? いつの間に寝ていたんだ? 確か日向に耳搔きをしてもらって……そうだ。耳搔きの気持ちよさで寝ちゃったんだった

 

「あ! 明久君 目が覚めたんですね」

 

僕が目覚めたのに日向が気づいたようだ。日向の手元を見てみると食器類を手にしているからもう夕飯時のようだ。だいぶ寝てしまったみたいだな

 

「うん。だいぶ寝ちゃったみたいだね。夕御飯の支度が終わってるみたいだけど、食材ってあったっけ?」

 

商店街の特売日を考えてあまり買いだめは無かったはずだし、昼ごはんもあったからあまり残っていないはずだけど

 

「ううん。ヒナちゃんと二人で買い物に行って来たんだよ」

 

明梨が料理を手にキッチンから出てきた。二人でって

 

「大丈夫だった? ナンパとかされなかった?」

 

「ふふっ。心配し過ぎですよ明久君」

 

「いや、二人の可愛さを考えたら心配するのは彼氏として当然だよ」

 

一人でも目を引く美少女なのにそんな娘が二人で歩いていたら

 

「そんなに心配なら明君の彼女だって分かるように首輪でもつけようか?」

 

「∇∑∝∀∂∆な∫∮εν?!?!?!!」

 

「お、落ち着いてください明久君。日本語が不自由になってますよ」

 

「あはは。明君 冗談なのにとりみだし過ぎだよ」

 

明梨はいたずらに成功した子供のような笑みを浮かべていた

 

「ご飯の準備もできたから明君も席について」

 

僕は明梨の言葉に従って席に着いた。しかし、首輪はナシだけど婚約したことだし二人に指輪でもプレゼントしようかな? アルバイトでもして自分のお金でプレゼントできればいいけど

 

 

 

 

「へ? アルバム?」

 

「うん。ヒナちゃんは昔のこと知らないからみんなで昔の写真を見ようって話になったんだけど」

 

「明久君が嫌なら見なくてもいいんですが……」

 

夕飯を食べていると昔の写真の話になった

 

「別に嫌ってわけじゃないけど、面白いものでもないと思うよ?」

 

「そういう理由で見たいんじゃないと思うよ」

 

「私も昔の明久君を知りたいんです」

 

ん? つまり自分だけ知らないから疎外感みたいのを感じているのかな?

 

「わかったよ。じゃあ食べ終わったらアルバムを探すよ」

 

「それとは別の話なんだけど……」

 

「あの……明久君って今週末の土曜日って暇ですか?」

 

明梨と日向がもじもじしながら週末の予定を聞いてきた

 

「う~ん……特に遊びの予定とかは入ってないけど。それがどうかしたの?」

 

「実は商店街で福引きがあって2等が当たったんだよ」

 

「2等ってすごいね!! 何が当たったの?」

 

「これです」

 

日向が差しだしてきたのは

 

「『水無月プールパーク セミオープンチケット』?」

 

如月グループと並ぶ規模の水無月グループが今度オープンさせる複合型のプール施設のセミオープンチケットだった。確か日本最長のウォータースライダーや様々な波を再現できる波のプール、一周2kmの流れるプールなど大規模な施設があるらしい

 

「うん。そのチケットが4枚当たったんだよ」

 

明梨が同じチケットを3枚出してきた

 

「それで、明久君と3人で行きたいんですけど……」

 

「勿論いいよ。断る理由もないしね」

 

それを聞いた二人は笑顔になって、また夕食を食べ始めた

 

 

 

 

「っと。あった、あった」

 

夕食後、一段落してから本棚を探しているとアルバムを見つけた

 

「うわぁ~。懐かしいね」

 

「小さいの頃の明久君って可愛いですね」

 

「今でも可愛い時あるけどね」

 

「二人とも、『可愛い』は男にとって褒め言葉ではないと思うけど」

 

僕は二人の言葉に少しショックを受けた。可愛いなんて思われてたなんて

 

「でも、明君の寝顔は可愛かったよ」

 

「そうですね。赤ちゃんみたいでしたよ」

 

そう言って日向はケータイの画面を僕に見せてきた

 

「寝顔撮られたの?!」

 

「あ、嫌だったのなら消しますけど」

 

「消さなくていいから、悲しそうな顔しないでよ」

 

僕の反応を見て日向は残念そうな表情を浮かべたので日向の案を却下した。まぁ寝顔の一枚くらいなら良いか

 

「あ、コレって明君がヒーローショーで悪役を倒しちゃった時のだ」

 

アルバムを捲って出てきたのは7歳くらいの時に近所であったヒーローショーの時のものだった

 

「え?! あの時の子って明久君だったんですか!?」

 

「日向もこのとき居たの?」

 

「はい。家の近所だったので行ったんですけど、呼ばれた男の子が悪役の人を倒した時は驚きましたよ」

 

あの時は張り切っていて勢いで倒しちゃったからなぁ

 

「あの時には普通に明君は強かったからね」

 

あの時には『無銘道場』に通っていたし相手の力を利用すれば大人相手でも勝てたからなぁ。その後も思い出を話しながら3人でアルバムを見ていった

 

 

 

 

「ふぅ~。後は寝るだけか……」

 

僕はシャワーを浴びながら今日のことを振り返っていた。二人が泊まると言いだしたときはどうなるかと思ったけど後は寝るだけだし二人には僕と姉さんのベッドを使ってもらって僕はソファででも寝れば問題ないな

 

「あ、あの、明久君」

 

「日向? どうかしたの?」

 

日向の声が聞こえたのでシャワーを止めて用を聞く

 

「あ、あの、その……」

 

「ん? 何かあったの?」

 

「お、お背中、流しましょうか?」

 

ガシャーン

 

日向の爆弾発言で僕はコケてしまった

 

「あ、明久君?! だ、大丈夫ですか?」

 

まぁ、あんな音をたてたら心配するのも当然か

 

「大丈夫だよ。それより突然どうしたの?」

 

僕は体を起こしながらドアの向こうの日向に問いかける

 

「何か明久君のお役に立てることがしたかったんですが……ダメですか?」

 

「じゃあ、日向の厚意に甘えさせてもらうよ」

 

正直言うと今日はもう理性の限界が近いが折角の機会だしと思って許諾してしまう

 

「し、失礼します」

 

「よ、よろしく」

 

僕は日向の恰好を見て、すぐに日向に背を向けて椅子に座る。バスタオル1枚のせいか胸が強調されていて……これ以上は理性が崩壊しそうだ

 

「明久君の背中って大きいですね」

 

「そ、そうかな?」

 

僕って小柄な方だからそんな風に言われることってないからな。雄二なら別だろうけど

 

「あっ、この傷……」

 

日向は労わるように僕の腰のあたりに手を当てる。僕が日向を助けた時にできた傷のあたりだ

 

「私に関わらなければ、明久君が怪我をすることもなかったのに……」

 

日向は悔やんでるような暗い声を出す

 

「日向……『気にしないで』ってのは無理かもしれないけど、僕はあの日のことは後悔してないよ。もし、あそこで日向のことに気付いていなければ何が起こってたか知らなかったし、日向に出会う事もなかったかもしれないからね」

 

僕は自分の素直な気持ちを日向に伝える。あの日のことに日向が負い目を感じる必要もないし、あの時気付かないで後から知っていたら僕は後悔していただろう

 

「……ふふっ、明久君はどこまでいっても明久君なんですね」

 

日向は静かに僕の言葉を聞いた後に微笑した

 

「その『どこまでいっても僕』ってのはどういう意味?」

 

少しバカにされているような言い方が気になったので聞いてみた

 

「どこまでもお人よしで、他人想いで、誰よりも優しいって意味ですよ」

 

そんな風に思われてたなんて知らなかったな

 

「そんな大したことした覚えは無いんだけどね、僕としては自己満足でやっていることだし」

 

「それでも明久君に助けてもらってる人は多いんですよ」

 

「そんなもんなの?」

 

「そういうものなんです。背中お流ししますね」

 

日向がそう言うならそうなのかな? 助けた覚えはあんまりないんだけど

 

「私は出ますのでゆっくり体を温めてくださいね」

 

「うん。ありがとうね日向」

 

「こちらこそありがとうございました。お陰で気持ちが楽になりました」

 

 

 

 

「それじゃあ、二人は僕と姉さんが使ってるベッドを使ってね」

 

「明久君はどこで寝るんですか?」

 

「僕はソファで寝るから」

 

「それじゃ体に悪いから一緒に寝ようよ」

 

「い、いくらなんでも男女が一緒に寝るっていうのは問題があるよ」

 

主に僕の理性とか

 

「付き合っているんだし問題ないでしょ?」

 

「いや、付き合っているといっても僕の理性にも限界が……」

 

「あ、明久君になら何をされても大丈夫です……」

 

「わたしも明君になら……」

 

二人ともそう言いながら頬を押さえて赤くなってしまう

 

 

 

……僕は無力だ

 

結局、二人のお願い(上目づかい+涙目)に屈してしまい、僕のベッドには僕を中心に右側に明梨が、左側に日向が寝ている。ダブルサイズ(先週、如月ハイランドから帰るとシングルサイズから変わっていた)とはいえ3人で寝るには少しきついので密着する形になっている

 

 

 

 

そして、話は前話(第61話 眼福と本音)に戻る。その後の展開は読者の想像に任せます(※R18な行為は一切行っておりません)

 




感想には全部返信するつもりなのでお気軽に感想を下さい。
それと、この後は一輝と優子、霧島夫妻、康太と愛子、秀吉と紫織の休日を書くのですこし日常編が続きます。
次話は土日で書いて月曜までには投稿するのでお待ちください

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