今回はゲート前での場面です。
久しぶりに台本形式じゃなくしましたがどちらがいいんでしょうか?
分からないのでご意見ください
一輝Side
「ふぁ~あ、やっと着いたか」
「寝むそうだけど大丈夫?」
到着と同時に大欠伸をしたオレを心配して優子が声をかけてきた。道が混んでたから少しバスが遅れたので余計に疲れた。遅れたと言ってもまだオープン時間までは10分近くあってゆっくり行ってもオープン前には十分に間に合うが
「あぁ 大丈夫だ。興奮してたのか目が冴えちまって寝るのが遅かっただけだから」
正直言うと如月ハイランドのパンフを見て何をするか考えたりしてたのも原因かもな
「そうなんだ。無理はしないでね?」
優子が心配そうに俺の顔を見てきた
「心配しなくてもオレは割と自己管理はしっかりしてるから大丈夫だ」
「そう……」
オレが優子に心配かけまいと笑いかけると優子は赤くなって俯いてしまった。何か恥ずかしい事を言ったか?思い当たる事は無いが
「ん?一輝と木下姉じゃねぇか。こんなとこで何してんだ?」
「…優子と高瀬?」
気まずい空気になりオレと優子が互いに顔を逸らしていると後ろから声をかけられた
「なんだ雄二と霧島か、驚かせるなよ」
振り返ると雄二と霧島がいた。……腕を組みながら。やっぱこの二人は付き合いが長いだけあって、人目を気にせず堂々と付き合っているな
「代表と坂本君こそ、どうしたのかしら?」
優子は付き合っているとかデートとか言うのは恥ずかしいのか話を逸らそうとする
「…夫とデート」
「……だから夫じゃねぇって!!俺らは召喚大会の賞品のチケットを使いに来たんだよ。……そっちこそデートか?」
霧島のボケ?に突っ込んだ後に雄二がニヤニヤ顔でこちらに聞いてきた
「ふぇっ……(ポンッ)」
「あぁ、オレは彼女とデートに来たんだ」
オレは雄二の指摘に真っ赤になってしまった優子の肩を抱き寄せて雄二の質問に答えた
「…優子 おめでとう」
「あ、ありがとう 代表」
優子は霧島に祝福されて恥ずかしがりながらも嬉しそうに笑顔になる。やっぱ優子の笑顔は可愛いな
「ほぅ、いつから付き合っているんだ?」
雄二はニヤニヤしたまんま聞いてきた。面倒だから一気に話すか
「付き合い始めたのは清涼祭終わってすぐだよ。オレから優子に告ってOK貰ってそのまま付き合い始めたって感じだな」
「なるほどな。しかし知りあってひと月程度で付き合うとはな」
オレの説明に雄二は頷いた後に何か呆れたような目で見てくる
「そうか?別に好きなもん同士なんだから変でもないだろ」
優子の反応を見る限りお互いに最初の印象から割と好印象だったようだからな
「お互いに好きなのに何も発展しない奴もいるがな……」
あぁ……あのバカ久か
「まぁ1対2だから仕方ないんだろ……」
オレの知らない間に面倒な事になってて驚いたけどな
「はぁ、藤崎と久遠は苦労するだろうな」
雄二は溜め息をついてアキの性格に呆れる
「全くだな」
「そういやお前らはチケットどうしたんだ?」
オレが雄二の台詞に同意すると雄二が思い出したかのように聞いてきた。まぁ入手困難なチケットをどう手に入れたかは気になるか
「アキが透さんに頼んでくれたらしくってソレを貰ったんだよ」
「アイツは相当のお人よしだな。まぁ俺もそのおかげで助けられたんだけどな」
確かにアキは度が過ぎるほどのお人よしだな
「一輝君 そろそろ行きましょ」
「…雄二 私たちも」
俺らの話が一段落すると優子と霧島が声をかけてきた
「すまん。直ぐ行く」
「もうこんな時間か。少し急ぐぞ」
雄二の言葉を聞いて時計を確認するとオープン間近だった。ここから入場ゲートまでだとギリか
「話には聞いてたけどデカイな」
「そうね。プレオープンじゃなかったらかなり混みそうね」
オレの言葉に優子も頷き自分の意見を言う。たしかにこの広さなら集客効果は高いだろうな
「デカさは東○ドーム15個分らしいからな」
「…目玉になるようなアトラクションもたくさんある」
雄二の言葉に霧島が補足する。見事な連携だな
「いらっしゃいマセ!如月ハイランドへようこソ!」
オレらがゲート付近で感想を言っているとゲートの方から係員の青年が出てきて定番の挨拶をしてきた。その男は日本人でないのか若干訛りの混じった日本語で対応してきた。顔立ちはアジア系のようだが最近では向こうの人材を採用する企業も多いから日本人かどうかは分からない
「本日はプレオープンなのデスが、チケットはお持ちですカ?」
「あぁコレでいいんだろ?」
オレは持っているチケットを渡す
「拝見しマース。……はい、問題ありまセン。そちらの方々もお願いしマース」
オレのチケットを確認すると今度は雄二達のチケットを確認しようとする
「…はい」
霧島が係員にポケットから取り出したチケットを渡す
「拝見しマース」
係員はチケットを受け取って雄二と霧島の顔を見ると、笑顔のまま一瞬固まった
「…そのチケット使えないの……?」
霧島は係員の様子に顔を曇らせる
「イエイエ、そんなコトはないデスよ?デスが、ちょっとお待ちくだサーイ」
係員はそう言うと携帯電話を取り出し、オレらに背を向けてどこかに電話をし始めた
「――私だ。例の連中が来た。ウェディングシフトの用意を始めろ。確実に仕留める」
あぁ、そういえば雄二の持っているチケットって結婚させられるんだっけか。……透さんが止めたはずだが話が通っていないのか?
「おいコラ、なんだその不穏当な会話は」
雄二が係員の肩を掴んで聞く
「「(…)ウェディングシフト?」」
優子と霧島は如月グループの企みを知らないからか疑問符を浮かべている
「気にしないデくだサーイ。コッチの話デース」
取り繕ったように元の雰囲気に戻る係員。面倒な質問を流すための演技か。……雄二 詰んだかもな
「アンタ、さっき電話で流暢に日本語を話してなかったか?」
「オーウ、ニホンゴむつかしくてワカりまセーン」
わざとらしく肩をすくめる係員。見てるだけでムカつくな、たぶん雄二はもっとムカついてるだろうな
「ところで、そのウェディングシフトの詳細について聞こうか?」
雄二はなんとか怒りを抑えて詳細について聞く。まぁ結婚しない程度なら問題ないだろうな
「トッテモ豪華なおもてナシさせていただきマース」
全く具体性のない答えが返ってきたな
「俺は詳細と言ったんだが?具体的にはどんなもてなしだ?」
「それはお楽シみデース」
「それなら、そのウェディングシフトとやらはいらないぞ」
「そこをナントカお願いしマース」
「詳細が言えないなら不要だ」
「この通りデース」
「なんで詳細が言えないんだ?後ろめたいことでもあるのか?」
「…………断ればアナタの実家に腐ったザリガニを送りマース」
「やめろっ!そんなことをされたら我が家は食中毒で大変な事になってしまう!」
いったい雄二の家の台所事情ってどうなっているんだ?
「そんなことをすれば君の一族郎党がみんな路頭に迷うことになるよ?」
エセ外国人が雄二に脅迫めいた台詞を吐いたら、後ろから明るい茶髪の青年が現れて、エセ外国人の肩を抱いてそう告げる
「じょ、冗談デース。ウェディングシフトは写真撮影の後にウェディング体験をしてイタだいて、その後に結婚してもらいマース」
Prrrrr Prrrr
係員が説明を終えると同時に係員の携帯電話が鳴る
「ちょっと失礼しマース」
係員は電話に出るために少し離れたとこに行く
「君達は木下優子ちゃんと坂本夫婦だね?」
エセ関西人を脅迫?した青年が優子達の方を向いて聞いてきた
「え、えぇアタシは木下優子です」
優子は少し警戒しながらも答え
「…はい」
「ちょっと待て翔子!夫婦じゃねぇ!それとアンタは誰だ!」
お~雄二の突っ込みが激しいな
「おっと、申し遅れたね。僕は吉井昭斗 明久の父親だよ。いつも息子が世話になっているね」
昭人さんは思いだしたかのように自己紹介をする
「お久しぶりです。昭斗さん、どうしてここにいるんですか?」
「お、一輝君 久しぶり。仕事が一段落したし話が通っているか確認に来たんだよ」
確認に来てなかったら雄二は結婚してたな。……問題は無いけど
「明久の親父だって?」
「…若い」
「明梨のお父さんもそうだけど、いくつなのよ……」
雄二達は昭斗さんの見た目に驚いている。……確か40過ぎだよな?
「ははは、嬉しいことを言ってくれるね。お世辞でも嬉しいよ」
いや、お世辞ではないんだが
「お待たせしました。先程は失礼しました。社長からお客様がご希望されたプランのみ実行するよう言われましたので、先ほどあげた中からご希望を仰ってください」
やっと話が通ったみたいだな。しかし、さっきの態度とのギャップがすごいな
「じゃあ写真撮影とウェディング体験だけ頼む」
「畏まりました。カメラの用意があるので少々お待ち下さい」
雄二の言葉を聞いて係員はどこかへ消えた
「もう問題ないみたいだし僕は帰るね」
「ありがとうございました!」
昭斗さんが帰ると言うと雄二が昭人さんに礼を言った
「気にしなくていいよ。4人ともお幸せにね!」
そう言って昭斗さんは去って行った
「じゃあオレらも行くか 優子」
「そうね。二人の邪魔するのも悪いし」
優子もオレの意見に賛成のようだ。初デートだし二人きりになりたいってのもあるのかもな
「そうか。じゃ、そっちもお幸せにな」
「…またね 優子 高瀬」
オレらは雄二達と別れて中へと入った
Side out
次のプール編は学校のプールにしようかプール施設にしようか迷っているんですが、どちらがいいでしょうか?展開はあまり変わらないと思いますが。
学校の場合は観察処分者の仕事として、プール施設の場合は福引きの景品にでもしようかと思っています