僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまってすみません。
今回は前話の後の話になります。
これからは週一程度の更新になるかもしれません


清涼祭 その後2

ガチャ

 

秀吉が去ってすぐに屋上の扉が開いた。そういえば誰かがいたんだっけ

 

「あ、屋上にいたのって一輝と優子さんだったのか」

 

僕がドアの方を向くと一輝と優子さんがいた

 

一「ん?アキか、チケット サンキュな」

 

「僕は透さんに頼んだだけで何もしてないけどね」

 

一輝がチケットのお礼を言ってきたが今回は僕は何もしてないから苦笑しながら返事をする

 

優「それでも明久君が頼んでくれなかったらチケット貰えなかったし、ありがとね」

 

優子さんまでお礼を言ってきたので僕は気恥しくなり頬を掻く

 

「どういたしまして。それよりも、二人ともおめでとう」

 

これ以上謙遜するのもあれなので僕は返事をしてから、二人を祝福する。…………だって二人が手をつないでいるんだもん

 

優「へ?…………(ポンッ)」

 

優子さんは僕に指摘されて気付いたのか茹でダコのように真っ赤になってしまった

 

一「い、いや、待て、アキ。これは、そうじゃなくて……(照れてる優子も可愛いな)」

 

一輝まで動揺してどもっている。それと優子さんの顔に見惚れているな

 

「一輝、慌て過ぎだよ。別に隠すことでもないし」

 

一「そうだったな。まさかいきなり言われると思わなかったからな。アキはこんなとこで何してたんだ?」

 

「えっと……屋上にでも行こうかと思ったら誰かの気配を感じたからここで暇つぶししてたんだよ」

 

秀吉の相談に乗っていたのは一応隠しておく。本人の許可とかもないしね

 

一「……そうか」

 

一輝は僕がテキトーな事を言っているのに気づいたようだが深く追求はしてこなかった

 

「ところで一輝は屋上で何してたの?」

 

なんとなくは分かるが気まずい空気をリセットしたいから聞いてみた

 

一「あ~、オレが優子に告ったんだよ。一応結果を言うと付き合うことになった」

 

一輝は恥ずかしそうにそっぽを向きながら答える。へぇ~一輝から告白したんだ。てっきり優子さんからかと思ったけど

 

一「じゃあ俺らはもう帰るわ。お~い、優子~。帰るぞ~」

 

優「ふぇっ?あ、そうね。そろそろ帰らないと」

 

一輝が優子さんの肩を軽くゆすると優子さんは我に返って返事をした

 

一「じゃあな、アキ。また明日」

 

優「さよなら、明久君。また明日ね」

 

「うん、またね。一輝、優子さん」

 

僕らは別れの挨拶を交わして分かれた

 

 

 

 

「あれ?明梨に日向、二人ともまだ残っていたの?」

 

僕が教室に戻ると教室には明梨と日向だけが残っていて他の人は見当たらなかった

 

明「うん。明君と一緒に帰ろうと思ったからね」

 

日「明久君の荷物も残っていたので待っていたんです」

 

「そうだったんだ。ゴメンね二人とも、待たせちゃったよね」

 

待っているとは思わなかったので僕は屋上で少し風に当たっていた。あのまま教室に戻っていたら一輝と優子さんの邪魔になりそうだったからね

 

明「気にしないでよ明君」

 

日「そうですよ。私たちが勝手に待っていたんですから」

 

二人はそう言うけど待たせちゃったのは事実だしな。う~ん…………

 

「そうだ。待たせちゃったお詫びに公園にあるクレープ屋さんのクレープを奢るよ」

 

最近、帰り道にある公園にクレープ屋さんができたのを思い出した。確かあそこはよく下校中の女子中高生が買ってるのを見るから美味しいはずだ

 

明「だから気にしないでいいって。それにあそこのクレープって結構高いし」

 

日「そうですよ。朝だってお化け屋敷の入場料を払ってもらいましたし」

 

「まぁまぁ二人とも遠慮しないで。もうこんな時間だし早く帰ろうよ」

 

僕は反論する二人を軽くあしらって鞄を持って教室を出る。二人に言葉で勝てる気がしなかったからな

 

明「あ、ちょっと待ってよ、明君」

 

日「待って下さい、明久君」

 

僕が廊下で足を止めて待っていると二人が慌てて教室から出てきた

 

「じゃあ、帰ろうか」

 

僕達はそのまま帰宅の途に着いた

 

 

 

 

「あ、そういえば聞いてなかったけど、二人は一緒に如月ハイランドに行ってくれる?」

 

公園の近くまで来て僕は二人に聞き忘れていたことを聞いてみた

 

明「もちろんだよ。あそこは行きたかったしね」

 

日「私も行きますよ。色んなアトラクションがあるらしいですし楽しみです」

 

二人は快諾してくれた。よかった~、断られないか不安だったんだよね

 

「行くのは……再来週の日曜日で良いかな?」

 

僕はチケットのプレオープン期間を見ながら二人に尋ねる

 

明「うん。大丈夫だよ」

 

日「特に予定もないから大丈夫です」

 

二人とも予定は無いみたいだ

 

「あ、まだ開いてるみたいだね。なんでも好きなの頼んでいいよ。ちゃんと僕が払うから」

 

公園に着いたので中に入ってみるとクレープの移動販売車が目に入った。よかった、まだやっているみたいだ

 

明「だから気にしなくっていいって言っているのに」

 

「まぁまぁ、ひとの厚意は受けとっとくもんだよ。それに再来週付き合ってもらうんだから、そのお礼ってことで」

 

あんまり厚意を無碍にするのはいいことじゃないからね。その後の関係も気まずくなったりするし

 

日「わかりました。じゃあお言葉に甘えさせてもらいますね」

 

「じゃあ行こっか…………すいませ~ん」

 

二人の了解も得たので僕らはクレープ屋さんの所へ行って声をかける

 

店「いらっしゃい。何にしますか?」

 

「二人は何にする?」

 

中から顔を出したのは30代中盤ぐらいのバンダナをして顎ひげを生やしているオジサンだった

 

明「う~ん……じゃあストロベリーチョコ生クリームを下さい」

 

日「私はブルーベリー生クリームをお願いします」

 

「じゃあ、その二つをお願いします」

 

店「はいよっ、ストロベリーチョコクリームとブルーベリークリームね。お代は2800円だな」

 

「じゃあ、3000円でお願いします」

 

店「まいどありっ。ちょっと待ってな」

 

僕は二人が決めると店員さんに注文を告げて料金を払う

 

明「えっ?明君はいいの?!」

 

「うん。甘い物の気分でもないしね」

 

正直言うとクレープの値段が予想以上に高かったんだよね。1個1500円ぐらいするから3個も頼むと僕の主食が水になりかねない

 

店「ほいっ、こっちがストロベリーでこっちがブルーベリーだ」

 

「あ、どうも。はい、二人とも」

 

店員さんがクレープを渡してきたので受け取って二人に渡す

 

明「ありがとう、明君」

 

日「じゃあ、いただきます、明久君」

 

二人は僕にお礼を言うと僕らは近くのベンチに座り二人はクレープを食べ始める

 

明「あ、このクレープ美味しい」

 

日「そうですね。クリームもちょうどいい甘さですし」

 

二人はクレープを食べると美味しさからか笑顔になる。二人の笑顔が見れるならあの料金も高くないな

 

明「ねぇ、明君も食べる?」

 

僕が二人の顔を見てるそんなことを考えていると明梨がクレープを僕の方に向けて聞いてきた

 

「え?!いいの?」

 

明「うん。ちょっと大きいし」

 

日「あ、私のも良ければどうぞ。なんか明久君に悪いですし」

 

僕が聞き返すと日向までクレープを差し出してきた

 

「じゃあ、一口だけもらうね」

 

僕はまず明梨の方のクレープを一口かじる。生クリームは甘さ控えめでイチゴの酸味が程よいアクセントになっている

 

「うん。おいしいね」

 

日「明久君、私のもどうぞ」

 

「ありがとね」

 

日向がクレープを差し出してきたので一口貰う。こちらもブルーベリーの酸味で甘みがありながらもすっきりとした味わいになっている

 

「日向の方も美味しいよ。二人ともありがとね」

 

あれ?……今のって間接キスになるんじゃないか?……意識し出したら急に恥ずかしくなってきた。その後は恥ずかしさから僕はあまり口を開かなかった。二人もあまり喋らなかったから僕らの帰り道は静かだった

 




次回からは『如月ハイランド編』になる予定です。
GWあたりに過去編の日向編を書く予定です。

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