僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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明久の日常風景です。
まだ本編には入ってないですね。


もう一人の幼馴染

明久Side

 

Pipipipi Pipipipi

 

「もぅ朝か…」

 

目覚ましの電子音と共に僕は目を覚ました。

現在時刻は午前3:30。こんな時間に起きる人なんて…あ、僕の知り合いはほとんど起きてるや。

 

「今日からまた道場に行けるな」

 

僕は5歳のころから『無銘道場』に通っている。昨日までは龍司さんに「明久を驚かせたいから始業式の日まで自主錬ね」と言われたのでマンションの1階にある父さんが作った家族用のジムで自主錬をしていた。でも父さんはなんでこんなスポーツジム顔負けの設備を整えられたのだろうと毎日のように思うが考えたら負けだと自分に言い聞かせた。だってあの人は「僕は普通のサラリーマンだよ」って言いながら大統領と話をするくらいだ。ほんと何者なのか息子の僕ですら分からないよ。

そんなことを考えている間に僕は着替えを済ませて道場へと向かった。え、朝ご飯はまだだよ。食べた後にあれはさすがにきついから水を少し飲んだだけだ。

 

「おはようございます。師範<せんせい>」

 

「おはよう。明久」

 

AM4:00 僕は道場に入ると同時に龍司さんに挨拶をした。しかし、道場に小さなクレーターがあるのに気づいた。

 

「龍司さん、また投げてきたんですか」

 

僕が呆れながらそう聞くと、龍司さんは

 

「あぁ、またあの爺さんだ」

 

とこちらも呆れながら返事をした。

 

「龍馬さんもそろそろ他の方法考えればいいのに…」

 

「まぁ、善意だから拒否もできないしな・・・」

 

ハァ

 

僕と龍司さんが同時に溜め息をついた。龍馬さんとは龍司さんのおじいさんで、この道場の2代前の主だ。もう90歳近くなのに素手で大陸間弾道ミサイル並みの飛距離で物を投げるすごいお爺さんだ。

 

「っと、明久にはこれだな。進級祝いだそうだ」

 

そう言って龍司さんは懐から出したものを僕に渡してきた。

 

「あ、ありがとうございます。これは…ボールペン?」

 

『明久君へ』と書かれた手紙とボールペンだった。

とりあえずボールペンの芯を出そうと押してみると、

 

バァン(ボールペンから銃弾が出る音)

 

サッ(銃弾を龍司さんがかわす音)

 

「あっぶねぇ。あの爺さん何考えてんだ!」

 

うん、やっぱり龍馬さんの常識はどこかずれてる。日本の高校生にボールペン型の銃を送ってくるなんて。

ただ1mも離れてないのにあの銃弾を避ける龍司さんも相変わらずだな。

 

「明久、ちゃんと手紙を読んでから扱ってくれ」

 

「はい、すみませんでした」

 

正直龍馬さんが普通のものを送ってくるはずないんだった。ただ毎回銃だの日本刀だのサバイバルナイフだの送ってくる人が突然ボールペンなんか送ってきたら「改心したのかな?」って思っちゃうじゃん。

手紙を読んでみたら「明久君が携帯しやすいような銃を選んだよ」とだけ書いてあった。なんの気遣いですか・・・

 

「そういえば、僕が驚くことって何ですか?」

 

僕が話を龍馬さんのことから逸らすと龍司さんもそのこと思い出したらしく、奥の部屋に僕を連れてった。

 

「彼が帰ってきたんだよ」

 

そう言ってドアを開けると、そこには僕のライバルの幼馴染がいた。

 

「一輝!!久しぶり」

 

「おうアキ!!ほんと久しぶりだな」

 

彼の名前は高瀬一輝。僕のライバルで親友だ。す

 

「いつから日本に戻ってたの?」

 

僕が最初に疑問に思ったことを一輝に聞いてみた。一輝は親の仕事の都合でアメリカに留学してたからだ。

 

「振り分け試験の前日だ。オレも文月学園に通うから、またよろしくな!!」

 

「うん!!よろしく一輝!!」

 

また一輝と一緒に学校生活を送れると知って僕はとても嬉しかった。

 

それから僕は一輝と一緒に組み手をすることになった。前は一輝には全く歯が立たなかったが向こうではあまり鍛えられなかったらしく、なんとか五分の戦いができた。

 

AM 7:00

 

「明君、龍司さん おはようございます。」

 

明梨が道場に入ってきて、挨拶をした。もう7時か、一輝との勝負は時間を忘れるな。

 

「おはよう明梨」

 

「おはよう明梨ちゃん」

 

「はよぅ明梨。あと久しぶり」

 

「えっ一輝君?」

 

明梨も一輝が帰ってきていることを知らなかったらしく驚いていた。

 

「あぁ最近こっちに戻ってきたんだ。」

 

「そうなんだ。久しぶりだね。」

 

明梨も一輝が帰ってきたのが嬉しいのか笑顔で挨拶をした。やっぱり明梨の笑顔は可愛いな。

 

「っと明梨ちゃんが来たってことはもうご飯の時間か」

 

龍司さんの言葉で時間のことを思い出した。いつも僕はここで朝練をしてから、明梨が作ってきたお弁当を3人で食べている。明梨が来ると朝ご飯って感じだ。

 

「んじゃ俺はコンビニで何か買ってくるわ」

 

龍司さんがそう言って出て行こうとしたが明梨が止めた。

 

「えっ、いつも多めに作ってきてるんで、一人分くらい大丈夫ですよ。」

 

「いいっていいって。久しぶりの再会なんだし飯食いながら、若い奴だけで話しな。オジサンはちょっと買い物ついでに散歩してくっから」

 

そういうと龍司さんは出て行ってしまった。

 

「若い者同士って。あの人も見た目はかなり若いよな」

 

一輝の一言に僕らは同意した。なぜだか知らないがあの人は会ったときから年をとっていない。いや年はとっているんだけど見た目が変わらない。まぁ僕の周りには大学生くらいに見えるオジサンは多いから驚かないけど。

 

その後僕たちは、三人で一輝が留学している間の出来事や昔の思い出を話しながら明梨の作ったお弁当を食べた。

 




本当はこの後振り分け結果まで書こうと思ったのですが、長くなりそうなので分けました。
あの教師は多分次回に処分が判明します。

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