一日目は明久達に休憩がなかったので作りました。
三角関係なのでトライアングルデートと名づけましたがあっているのか分かりません。
ピンポーン
?『は~い』ガチャ
僕が日向の家の呼び鈴を鳴らすと返事をしながら制服姿の日向が出てきた
「おはよう日向」
明「おはようヒナちゃん」
昨日の帰り道に3人で登校する約束をしたので明梨と迎えに来た。昨日は何もなかったけど心配だからね
日「おはようございます。明久君、明梨ちゃん」
「その様子だとちゃんと眠れたみたいだね」
日向の顔色もいいし昨日のことは気にしてないようだな。よかった
明「明君、心配し過ぎだよ。女の子は明君が思っているほど弱くないよ」
幼馴染からのありがたい言葉が心に響くよ。明梨を迎えに行った時も色々と聞いて呆れられちゃったしな。しかし二人ともすごいね、誘拐なんてされたのに気にしてないように見えるもん。ただ僕としては二人を心配するのは当たり前のことなんだよね
「分かっているけど、あんなことがあったんだから心配するのは当然だと思うよ」
その後は普通に登校した。何もなかったのが逆に不気味な感じがするな
雄「さて、今日で清涼祭も終わりだ。昨日は色々とトラブルがあったから休憩のとれていない奴がいたら手を挙げてくれ。出来るだけシフトを調整するからな」
雄二の言葉に手を上げたのは明梨と日向、霧島さん、優子さん、神谷さん、工藤さんの6人だった
雄「ん?一輝と康太、秀吉はいいのか?」
一「オレは調べ物しに抜けたからな」
康「……同じく」
秀「それを言うならばお主らの方こそ大会の時以外店におったじゃろぅ」
あまり気にしていなかったが僕と雄二は教室と大会の会場しか行ってなかったな
雄「そうか…なら今名前が挙がった5人と手を挙げた6人は11時半まで休憩だ。さすがに昼時は店にいてもらいたいからな。今日のシフトを貼っておくから各自確認してくれ」
11時半か清涼祭は8時半から開始だから3時間休憩できるな。召喚大会の決勝戦は1時からだからそれまでは喫茶店の方も手伝えるな
明「あの、明君」
そんなことを考えていると明梨に声をかけられたので振り返ると明梨と日向がいた
「二人ともどうしたの?」
日「明久君はこの後どうするんですか?」
この後か…急に出来た休みだからな……
「特に決めていないけど…二人は?」
明「明君がいいなら3人で回りたいんだけど…どうかな?」
僕としては断る理由は無いな。二人と一緒にいられるし………昨日のこともあって心配なのもあるからね
「お供させてもらうよ。よろしくね二人とも」
明「うん。よろしくね、明君」
日「よろしくおねがいします、明久君」
結局いつもの3人で回ることになった。昨日は色々とあったから今日はのんびりと回れるといいな
「どこから回ろっか。二人はどこか行きたいところある?」
僕はパンフレットを見ながら二人に尋ねる
明「う~ん。わたしは喫茶店や召喚大会に力を入れていたからなぁ…」
日「私もあまり気にしてなかったです……明久君はどこかないんですか?」
僕も気にしてなかったからな…他のクラスか……
「そうだ、龍兄のクラスに行ってみない?」
知り合いのクラスって龍兄のクラスぐらいだからな…Fクラスに行くと大変なことになりそうだし……
明「龍彦さんのクラス?」
日「たしか3-Aでしたよね。何をやっているんですか?」
そういえば確認してなかったな。僕はパンフレットを開く。Aクラスは最初のページに見開きのカラーで載っているからわかりやすいな。写真とかも貼ってあるし。え?Fクラスはどうかって?………文字だけがパンフレットの端っこに載っているよ。…こんなとこでも格差があるんだね
「え~と、『迷路風お化け屋敷』だって。二人とも大丈夫?」
二人はお化けとかが苦手だった気がするけど
明「う、うん。大丈夫だよ…(文化祭のだしそんなに怖くは無いよね)」
日「は、はい。…頑張ります(明久君と一緒なら…)」
『頑張る』って無理しなくてもいいのに…
「二人とも無理はしないでね。他にも出し物はあるんだし」
二人が『大丈夫』と言うので仕方なく3-Aに向かうことにした
龍「お、明久に明梨ちゃんに日向ちゃん、いらっしゃい」
僕らが3-Aに着くと龍兄が受付をしていた
「おはよう龍兄。3人分お願い」
入場料は一人300円なので僕は千円札を一枚渡す
龍「はいよ。じゃあお釣り100円な」
明「明君、自分の分くらい自分で払うから」
日「そうですよ」
龍兄がお釣りを渡してくると明梨と日向が自分で払うと言ってきたが
龍「はいはい。明久は二人にカッコつけたいんだからそう言うことは言わないで、甘えちゃえ!!」
龍兄がそんなことを言って二人を止めた。って何をいっているんだこの人は……確かにあっているけど
「た、龍兄?!な、何を言っているの?!」
龍「まぁ『男は女の前ではカッコつけたい』ってことだよ」
僕の台詞をスルーして龍兄が話を締める
明「そう言うなら…」
日「お言葉に甘えさせてもらいます」
龍兄の言葉で二人も納得してくれたみたいだけど…うん、気にしないことにしよう
龍「じゃあ、3人とも楽しんでね」
バタン
龍兄はそんなことを言いながら僕らの背中を押して中に入れて扉を閉めた。中は外からの光が遮られていて壁が見えるぐらいの明るさしかない。さすがに本格的だな、壁もしっかりとしているし3年も業者が工事したのかな
「じゃあ行こうか」
明・日「「…う、うん(は、はい)……」」
やっぱり怖いようだな二人とも僕の服の裾を掴んで隠れるようにしているし
「無理なら言ってね、リタイアもあるみたいだし」
このお化け屋敷は非常口があって怖い人はそこからリタイアできるらしい
明「…だ、だいじょうぶだよ。……たぶん…」
日「…まだ何もないですし……」
これは限界が近そうだな……とはいえ二人が頑張っているんだから前に進むかな
そう思って僕を先頭に少し進むと
ガタガタ…….
日「きゃあっ」
突然壁が揺れて日向が驚いて僕の腕に抱きついてきた…柔らかい感触が腕に当たっているが気にしないようにしよう。……意識すると理性を保てなくなりそうだからな
ヒュン ピタッ
明・日「「きゃあっ」」
ヒヤッとしたものが飛んで来て二人が同時に悲鳴を上げた。明梨は日向と反対側の腕に抱きついてきて、日向は抱きつく力を強くしてきたので胸の感触が…やばい『何か他のことを考えないと』と思い目を凝らして飛んできた物を見ると糸で吊るされたこんにゃくだった
「明梨、日向、無理しないで出ようか?」
これ以上は僕の理性が…と思ったのだが
明「だ、だいじょぶ…」
日「ら、らいひょうぶです」
日向は舌まわってないし……うん。二人とも出る気はないみたいだし、煩悩を払おう。色即是空、空即是色.....
ガラッ
瑠「ありがとうございました~」
出口の扉をあけると瑠璃姉が出迎えてくれた。しかし『迷路風』と言うだけはあるな……何度か迷いかけたからな
瑠「なんだ明久君か…」
客が僕だと気付いてから何故か僕の方を見てニヤつく瑠璃姉。…なんか嫌な予感がする
瑠「両手に華とはやるねぇ~色男」
両手に華?その言葉に僕は自分の両腕を見ると右に明梨が、左に日向が抱きついていた。…意識し出したら恥ずかしくなってきた
明・日「「ひゃっ」」
二人は自分の状況に気付いたのか飛び上がりそうな勢いで僕から離れ顔を赤らめて俯いている。…恥ずかしかったんだろうな
「瑠璃姉、からかわないでよ!!」
瑠「ゴメンね~。そっちの二人は明梨ちゃんと日向ちゃんかな?」
僕の言葉を軽く流して、二人について聞いてきた
明「あ、はい、藤崎明梨です」
日「久遠日向です。え~と」
瑠「私は柳浦瑠璃香よ、瑠璃香でいいわ。あ、コレわたしの連絡先ね。何かあったらお姉さんに相談してね。…恋愛のこととか(ぼそっ)」
明・日「「あ、ありがとうございます」」
瑠璃香さんは二人にメモを渡してそう言った。最後に二人の耳元で何か言ったようだが何だろう?言った途端に二人の顔が赤くなったんだけど…
そのあとは3人で出店を回りながら軽く腹ごしらえをしてクラスに戻った。……やっぱり二人と一緒にいると楽しいな
ちょっと龍兄と瑠璃姉を出してみました。
…次に出るとしたら召喚獣のお化け化の回だと思います。