僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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新しいクラスでの明久達の日常…のはずが
試召戦争編はもうすぐ終わりです。

現在、活動報告にて清涼祭編の召喚獣の衣装を募集しています。ご協力お願いします。


新しいクラスと新たな火種

Aクラス戦の翌々日、僕らはいつも通り3人で登校していた。今日はFクラスの再振り分け試験の結果が出る日だ。1日で採点が終わる裏には高橋先生が人間とは思えないスピードで採点しているとか何とか、やはりあの先生は底が知れないな

 

「おはよう、吉井、藤崎、高瀬。今日も元気そうだな」

 

学校の校門につくと西村先生が小箱を抱えて立っていた。また手渡しするようだな

 

「「おはようございます。西村先生」」

 

「おはようございます。西村鉄人」

 

「高瀬、鉄人と呼ぶのは止めてくれ」

 

「えっオレは先生にぴったりだと思ったのですが」

 

「合っているかどうかではなく、ちゃんと敬意をもって接しろと―」

 

「大丈夫です。敬意を持って鉄人と呼んでいるので」

 

「そういう問題では…はぁもういい」

 

西村先生、お疲れ様です

 

「これがお前らの試験結果だ」

 

西村先生が僕らの名の書かれた封筒を差し出す。

 

「「「ありがとうございます」」」

 

僕らは封筒を開き中身を確認する

 

「3人とも流石だな。学年トップクラスだ。特に高瀬は学年最高得点だ」

 

 

吉井明久 Aクラス

 

藤崎明梨 Aクラス

 

高瀬一輝 Aクラス

 

 

一輝は流石だな。そうだちょっと聞いてみよう

 

「西村先生、他の人はどうなりました?」

 

「あんまり言うべきではないだろうが今回の結果には俺も少し呆れているんでな」

 

「へ?どんな結果だったんですか」

 

呆れるような結果?何だろう

 

「お前ら3人と坂本、木下弟、土屋の6人を除いて、全員が再度Fクラスだ」

 

僕達6人以外全員?あれ

 

「先生、姫路さんもFクラスなんですか?」

 

「あぁどうも無記名で出したらしい」

 

Fクラスの皆が好きって言ってたし、自分からFクラスに入れるようにしたのかな

 

「そうですか。つまり彼らは戦争中に勉強はしなかったんですね」

 

何度も補習室で勉強する時間はあったはずなんだが

 

「そうなるな。あいつらは懲りてないようだから特別に担任を俺に変えてもらった」

 

西村先生が担任とあっちゃあいつ等も自由にはできないだろうな

 

「じゃ、オレたちは新しいクラスに向かうんで」

 

「お前らもしっかりと勉学に励むんだぞ」

 

「「「はい」」」

 

 

 

 

―― Aクラス

 

しかし改めて見ても、この設備は異常だな

 

「アキ、ボケっとしてないで入るぞ」

 

「う、うん」

 

正直、観察処分者の僕がこのクラスに入るのは周りの目が気になるんだよね

 

ガラッ

 

僕の心配をよそに一輝がAクラスの扉を開けて入っていったので僕と明梨も続く

 

「あら、一輝君、明久君、明梨。やっぱり3人ともAクラスに入れたのね」

 

僕らが教室に入ると優子さんが話しかけてきた。このクラスで僕の事情を知っている人物の一人だから少し安心した

 

「まぁ今回は本気で試験を受けたからね」

 

「オレも久しぶりに本気で勉強したな」

 

「わたしも体調が万全だったからね」

 

僕らは軽く雑談をしていると

 

「お~っす、お前らはAクラスに来たようだな」

 

雄二がやってきた。ちょっとからかってやろうかな

 

「そうだね。雄二も奥さんと同じクラスになれてよかったね」

 

「あぁ、翔子と同じクラスになれてよかったよ」

 

あれ、反応が薄い

 

「明久、お前がからかってくるのは毎度のことだからな、いちいち反応しねぇよ」

 

ありゃ、面白かったのにな

 

「おはようなのじゃ」

 

「……おはよう」

 

秀吉と康太も来たみたいだ。僕らは軽く雑談しているとHRの時間が近くなったので自分の席についた。しかしこのシステムデスクはいくらするんだろう?

 

「これよりHRを始めます」

 

Aクラス担任の高橋先生は教室に入ってくるとHRを始めた

 

「まず始めに、昨日行われたFクラスの再振り分け試験によりAクラスに入った人たちの自己紹介から始めましょう。最初は元Fクラス代表の坂本君お願いします」

 

「はい。俺は元Fクラス代表の坂本雄二だ。趣味は鍛錬、特技はスポーツ全般と料理だ。あと『なんでAクラスに観察処分者がいるんだ』と思っている奴がいるかもしれないが、明久は教師の手伝いをしたくて自ら観察処分者になったんだ成績や授業態度には問題はない」

 

「坂本君の言うとおり吉井君は志願して観察処分者になりました。彼の成績や授業態度は模範的なものです」

 

雄二の言葉に高橋先生も同意してくれた。模範的と言われるのは恥ずかしいが

 

『そうだったのか』

 

『誤解してたわ』

 

『自分から志願なんて、むしろ見習うべきだな』

 

高橋先生の言葉にAクラスのみんなも納得してくれたようだ。これなら普通に過ごせるな

 

「では、話に上がった吉井君。自己紹介をお願いします」

 

「はい。え~と僕の名前は有名だと思いますけど、吉井明久です。趣味は鍛錬と料理、特技は武道を含めたスポーツ全般です」

 

僕は無難に自己紹介を終える。その後4人の自己紹介が終わると

 

ガラッ

 

Aクラスのドアが乱暴に開けられた

 

「吉井!!なんでアンタがこんなとこにいんのよ!!」

 

髪を逆立てそうな勢いの島田さんがいた

 

「なんでって昨日の振り分け試験でAクラス並みの点数をとったからだよ」

 

なんでそんな当たり前のことを聞くんだろう

 

「嘘おっしゃい。どうせカンニングでもしたんでしょ」

 

「島田さん、我々教師がそのような行為を見逃すとでも思っているんですか?」

 

普通の先生ならともかく、あの時は西村先生と高橋先生がFクラス全員を監視していたから無理だろう。それ以前に誰のカンニングをすればここに来れるのだろうか。あの時僕の周りはFクラスレベルの人間しかいなかったのに

 

「っつ、で、でも吉井がFクラス以外に入れるわけ…」

 

「島田さん、君がどう思おうと僕がAクラスなのは事実だよ」

 

すでに決定したことだ、いちゃもんをつけられても仕方ない

 

「な、ならウチたちFクラスはAクラスに試召戦争を仕掛けるわ!!」

 

「島田、そういうのは代表と相談すべきじゃないか?」

 

雄二の意見ももっともだ

 

「ウチがFクラスの代表だから問題ないわよ!!」

 

姫路さんは無得点だし、Fクラスじゃ点数の高い方だからそうなのだろうな

 

「…わかった。開戦は午後からでいい?」

 

霧島さんがそういった。まぁ下位クラスから布告されたら断れないしね

 

「それでいいわよ!!吉井覚悟しときなさい!!」

 

島田さんは捨て台詞を言うとAクラスを去っていった。ドアを開けっ放しにして

 

「ったく、島田の奴、常識がねぇのか?」

 

雄二がドアを閉めてからそんなことを呟く

 

「まぁFクラスの人に常識を求めるのは間違いだと思うよ」

 

「全くだ」

 

一輝も同じ意見のようだな。やっぱり気が合うよね

 

「まぁそれは置いといて。翔子、作戦はどうする?俺も協力するか?」

 

雄二はそう言うけど

 

「作戦なんていらないよ。僕と…一輝、手伝ってくれる?」

 

「アキの頼みなら付き合うぜ」

 

「ありがと。なら、みんなに迷惑をかけたくないし僕と一輝で終わらせるよ。みんなは自習でもしてて」

 

島田さんの目的は僕だけみたいだし、迷惑はかけたくないからね

 

「あれは島田の方が問題で、明久には非がない気がするんだが、俺も手を貸すが何かないか?」

 

「まぁ原因は僕だからね。雄二は代表の霧島さんを守っていて、奇襲なんて考えつかないだろうけど一応ね」

 

雄二と言う指揮官を失ったFクラスなら姫路さんぐらいしか気にする戦力はないけど

 

「そう言うなら俺は翔子の守りに徹するか」

 

「うん、みんな本当に迷惑をかけちゃってごめん」

 

僕はAクラスのみんなに頭を下げた

 

『吉井が気にすることじゃないだろ』

 

『そうよ、島田さんがおかしいんだから』

 

『それなのに俺達に気を使うなんて』

 

ほんとAクラスのみんなは優しいな

 

 

 

 

―― Fクラス ――

 

Other Side

 

「みんな聞きなさい!!」

 

島田はAクラスから戻ると教壇に立ち怒鳴る

 

『なんだ?今ゲームがいいところなんだが』

 

『今は自習だし寝たいんだが』

 

どうやらFクラスには勉強しようという殊勝な人間はいないようだ。当然と言えば当然だが

 

「さっきAクラスに行ったら坂本と吉井と土屋と高瀬がAクラスの女子とイチャついていたわよ!!」

 

島田はFクラスの連中を戦争に参加させるために嘘の情報を流す

 

『『『『『あいつ等は異端者か!!異端者には死の鉄槌を!!』』』』』

 

島田の発言に覆面集団が現れる

 

「ふふふ、吉井君、きちんとオハナシしてもらいますよ」

 

怪しい煙の出ている弁当箱(?)の横で姫路は黒いオーラを出している

 

Side out

 




次回は最後の試召戦争です。この後は、清涼祭の予定です。

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