僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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Aクラス戦の1回戦です。


Aクラス戦①

Aクラスへ宣戦布告してから土日を挟み月曜日、僕らは最後の作戦会議をしていた

 

「さて、ついにAクラス戦まで来た。ここまで来れたのは皆のお陰だ。ありがとう」

 

「ど、どうしたのお礼なんて」

 

「そうだぞ、雄二らしくもない」

 

僕と一輝が雄二の素直なお礼の言葉に驚いていると

 

「確かに俺らしくないが、これは偽れざる俺の気持ちだ。ここまで来たからにはAクラスに勝ってFクラスの力を教師共に見せつけてやろうと思う」

 

『『『おぉーーっ俺らは最強じゃー』』』

 

どうやらE,D,Bクラスに勝ったのが自分たちの実力だと勘違いしているみたいだ。彼らは雄二の言葉を借りるなら『使い捨て装甲板』なのに

 

「それで、Aクラス戦は一騎打ちを7回行うことになったんだが、今からそのメンバーを発表する」

 

雄二の言葉にクラスが静かになる

 

「まずは代表の俺、そしてこのクラスの主戦力の姫路、藤崎だ」

 

「「が、頑張ります」」

 

二人は立ち上がり握りこぶしを作る

 

『『『『おぉーー彼女達ならばAクラスにも勝てるだろう!!』』』』

 

「次に保健体育の王者、康太!!」

 

「……(グッ)」

 

康太は立ち上がり親指を上げる。たぶん「俺に任せろ」と言いたいのだろう

 

『『『『『『ムッツリーニーーー』』』』』』

 

このバカどもはどんだけ『ムッツリーニ』を尊敬しているんだろう

 

「転校生なので知らないだろうが一輝の点数もAクラス並みだ」

 

「オレに任せろ!!」

 

やっぱり一輝は頼りになるなぁ

 

『『『『おぉーーーーー』』』』

 

Fクラスから感嘆の声が上がる

 

「そして、秀吉だ。秀吉は有名じゃないが古典に関してはAクラス上位並だ」

 

「わしに任せておくのじゃ」

 

秀吉も立ち上がりみんなを鼓舞する

 

『『『『『『『おぉーーーかわいい上に勉強もできるなんて』』』』』』』

 

なんか変な感想もあった気がするけど気にしない

 

「最後に」

 

雄二が言葉を区切ると島田さんの方をちらりと見る

 

「明久だ。お前の召喚技術と本気の点数を見せてやれ」

 

「ちょっなんで吉井なのよ!!ウチの方が点数高いじゃない」

 

「ほう、明久より点数が高いだと?なら数学は何点だ?」

 

「う、ウチは平均で170ぐらいとれるわよ」

 

「明久ならその倍はとれる。お前は論外だ!!」

 

「ウチが吉井より点数が悪いですって?」

 

「それにお前はEクラス戦ではすぐに負けて、Dクラス戦では途中から戦線を抜ける、Bクラス戦では偽情報に騙されて部隊を放り出したうえに人質になった。どう頼れって言うんだ?」

 

「うっ」

 

「対して明久はEクラス戦では代表を含む12人を戦死、Dクラス戦では一輝と一緒に代表までの血路を開いた、Bクラス戦では代表を含むクラスの戦力半分を戦死させた。操作技術だけでこれだけやったんだ。本気の点数が加わるとどうなるか」

 

「わ、わかったわよ!!吉井!!負けたら覚悟しておきなさいよ!!」

 

うわ、雄二に論破されたからって僕に八つ当たりだよ

 

 

 

 

 

 

 

―― Aクラス

 

「これよりAクラス対Fクラスの代表者による一騎打ちを行います。両クラスとも準備はいいですか?」

 

「あぁ問題ない」

 

「…大丈夫です」

 

今回の立ち会いは全教科の承認ができる学年主任でAクラス担任の高橋先生だ

 

「では、代表者は前に」

 

「秀吉、先に教科を選択してこい」

 

「分かったのじゃ、科目は古典でお願いするのじゃ」

 

「わかりました。古典、承認します」

 

秀吉が科目を選択すると高橋先生は頷いた

 

「あら、秀吉君が出るならAクラスからはあたしが出るわ」

 

そういって出てきたのは勝気なつり目をした神谷 紫織さん。長身に綺麗な亜麻色の長髪ストレートの女性で好きなものは秀吉の泣き顔らしい。よく秀吉をからかっているが時には演劇に関して秀吉にアドバイスなどもしているため秀吉と仲がいい

 

「神谷かのぅ、よろしく頼むのじゃ」

 

「ふふっ勝ったら何してもらおうかしら?」

 

秀吉はこの勝負負けられなくなったな、神谷さんのあの笑顔を見ると秀吉は泣くことになるだろうから

 

「ま、負けなければいいだけじゃ、試獣召喚!!」

 

「ふふっ可愛がってあげるわ、試獣召喚!!」

 

二人の掛け声に応じて二人をデフォルメした召喚獣が現れる。秀吉の召喚獣は袴姿に薙刀、腕には腕輪をつけている。対する神谷さんの召喚獣はTシャツに黒いジャケットを羽織ってホットパンツをはいている、靴はヒールのついた黒いブーツだ。武器は鞭を持っている

 

Fクラス 木下 秀吉  VS Aクラス 神谷 紫織

古典     457           320

 

「あら?秀吉君って古典が得意なのね、400点越えなんて」

 

神谷さんは驚いているが嬉しそうだ。……獲物を狙うハンターのように

 

 

 

秀吉Side

 

「わしの得意教科で負けるわけにはいかんのじゃ!!」

 

わしは召喚獣に突撃させ、薙刀を大きく振りかぶって振り下ろしたが

 

「そんな攻撃当たらないわよ。それっ!!」

 

神谷は大振りなわしの攻撃を避けて、わしの脛に鞭で脛に攻撃を加えると、わしの召喚獣は痛みからか涙目になる

 

「あら、召喚獣の泣き顔の方も可愛いわね」

 

どうやら神谷の標的はわしの召喚獣に変わったようじゃ

 

ビュンビュンビュンビュン

 

「くっこのっ」

 

神谷は鞭をしならせて召喚獣の脛や肝臓など痛みを強く感じる部位を狙い、わしは防ぐので手一杯じゃ。徐々に点数も減らされておる。

 

Fクラス 木下 秀吉  VS Aクラス 神谷 紫織

古典     214           320

 

「くっ仕方ないのじゃ」

 

わしは腕輪を使うために召喚獣を下がらせる。警戒しておるのか神谷は追撃はしない。するとわしの召喚獣の腕輪が強く光り、その光にわしの召喚獣は包み込まれる。そして出てきたときには

 

「あれ、僕の召喚獣の装備だ」

 

明久の召喚獣の装備をつけたわしの召喚獣が現れた

 

「それが、秀吉君の腕輪の能力?」

 

「そうじゃ、腕輪の能力まで知っておる召喚獣の装備を模倣するのじゃ」

 

あとはあの時の明久になりきるだけじゃ

 

「さてと、さっさと続きを始めようぜ」

 

わしはBクラス戦の時の明久の演技をする

 

「くっでも点数ならこっちの方がまだ有利よ」

 

そう言って神谷は鞭で攻撃をしてくるが

 

「遅い」

 

一刀流剣術 ― 鈴音天消 ―

 

チリン

 

どこからか鈴の音が鳴ると俺の召喚獣は神谷の真後ろにいた。刀を抜いた姿で

 

Aクラス 神谷 紫織

      戦死

 

「勝者‼Fクラス!!」

 

「鈴音天消(りんねてんしょう)。切るもの、そのものにあらず。天に消える鈴の音のごとく、その魂を切り消さん」

 

「あらら、負けちゃったわね。まぁ秀吉君に命令されるのも面白そうだしいいわ」

 

「ふぅ、やはりあの時の明久になりきるのは疲れるのじゃ」

 

やはり感情的になっておる者になりきるのは疲れる

 

Side out

 

 

 

神谷さんとの勝負を終え秀吉が帰ってくる。それにしても

 

「一度見ただけで鈴音天消をコピーするなんて流石秀吉だね」

 

「わしの唯一の特技じゃからのぅ。しかし明久の技とは雲泥の差であろう?」

 

「まぁアキはあの技の練習は毎日やっているからな」

 

まぁ剣術は1日もサボれないからね。すぐに鈍るし

 

「お疲れさん、秀吉。初戦で勝てたからこっちの士気が上がった」

 




とりあえず、1勝しました。
秀吉が何をさせるのかは戦後対談の時に、それまで楽しみにお待ち下さい。

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