長くなってしまいましたが、お付き合いください。
「ドアと壁をうまく使うんじゃ!!戦線を拡大させるでないぞ!!」
秀吉の指示が飛ぶ。9時になったためBクラス前から進軍を開始した。今回はBクラスを教室内に閉じ込めるのが目的だ。ただ姫路さんと明梨が戦線に参加しない、二人とも何かあったのだろうか
『後方出入り口押されている。だれか援軍を!!』
「姫路さん、後方をお願い」
「あ、そ、その…」
姫路さんはオロオロするばかりで召喚をしようとしない
「くっ明梨、お願い!!」
「あ、明君、その、ごめんなさい」
明梨は目に涙を浮かべながら僕に謝ってきた
「オレが出る、試獣召喚!!」
一輝が後方の援軍に行き余裕が出たので僕は明梨のもとに駆け寄る
「明梨、どうしたの?体調でも悪いの?」
見た限りは大丈夫そうだが何かあるのだろうか
「いや、そうじゃないんだけど、その、ゴメン明君」
一瞬Bクラスの方に目を向けたので僕がそっちを見ると根本君が可愛らしい手紙とキーホルダーをちらつかせていた。あのキーホルダーは前に僕がUFOキャッチャーで取ってあげたものだ、明梨がかなり嬉しそうにしてたから、よく覚えている。手紙の方は心当たりはないが姫路さんのだろう。明梨を泣かせるなんて根本め、カクゴシテオケヨ?
「明梨、安心しろ!!俺が何とかするから姫路と一緒に待機していろ」
そう言って俺は明梨の頭を撫でた
「あ、明君」
明梨は恥ずかしそうに俯く。まぁこの年で頭を撫でられるなんて恥ずかしいか
「一輝、話がある!!」
俺は戦線にいる一輝に近づき声をかけると一輝は近くの奴に任せ、こっちに来た
「アキ、話ってのはなんだ?」
俺の様子に気づいたのか一輝は理由も聞かずに俺の話を聞いてくれた
「あぁ実は・・・の・・・・を・・・・・して・・の・・・を・・・・・・・を有効にしてほしいんだ」
「なるほど、面白いな。しかしお前かなりキてるな」
「当たり前だろ?明梨を泣かせたんだ、あの屑には地獄を見せてやる」
「なら、オレはもういくぞ」
「頼むぞ、一輝」
「応!!」
さて次は
「雄二、話がある!!」
俺は教室に入ると同時に雄二に声をかける
「明久、話ってのはなんだ?」
雄二も俺の様子に気づいたのか話を聞いてくれた
「姫路と明梨を戦線から外してほしい」
「なるほど、しかし、二人の役目はどうする?」
「康太の分まで俺が引き受ける。あの屑には地獄を見せてやりたいんでな」
「わ、分かった。お前に任せる」
雄二は怯えながらも了解してくれた。そんなに俺の顔が怖いのか?阿修羅と般若、悪魔と閻魔を足したぐらいの怖さだと思うんだが
その4つのうち一つでも十分怖いのに足したら…(by作者
「Fクラス前線部隊は死にたくなかったら下がってろ!!」
俺は戦場に戻るとすぐにそう告げた
『『『『なっ、わ、分かりました~~~』』』』
前線部隊の連中は反論しようとしたが俺の顔を見た途端、すぐに引っ込んだ
「Fクラス吉井明久!!Bクラス前線部隊に勝負を挑む!!試獣召喚!!」
『くっ観察処分者が!!』
『なめてんじゃねぇぞ!!』
『『『『『『『『『『『『『『『試獣召喚!!』』』』』』』』』』』』』』』
Bクラス モブ15人 VS Fクラス 吉井明久
古典 平均200点 72点
『はっ所詮Fクラス点差が3倍もあるじゃないか』
なんか喚いているがどうでもいい
鷹式一刀流剣術 ― 鈴音天消 ―
チリン
どこからか鈴の音が鳴ると俺の召喚獣は敵の真後ろにいた。刀を抜いた姿で
Bクラス モブ15人
戦死
相手の召喚獣は一切の傷がない状態で戦死していた
『な、なんで無傷なのに!!』
『どうして戦死してんのよ』
面倒だが説明してやるか
「鈴音天消(りんねてんしょう)。切るもの、そのものにあらず。天に消える鈴の音のごとく、その魂を切り消さん」
要は物理的な攻撃じゃなく殺せる技だ。本当は幽霊や邪念を殺すためにある技なんだが召喚獣は幽霊みたいなもんだからな。さて、後は屑と取り巻きだけか
「そこの近衛部隊に勝負を仕掛ける。さっさと召喚しろ」
『『『『『『『くっ、試獣召喚!!』』』』』』』
Bクラス 近衛部隊7人 VS Fクラス 吉井明久
古典 平均230点 72点
ほう、流石に近衛部隊の点数は高いな。
俺は召喚獣に居合いの構えをとらせる
『くっ油断するな。相手の操作技術は並じゃないぞ!!』
俺の様子を見て構えだす相手の召喚獣、だが、遅いな
鷹式一刀流剣術 居合 ― 七点抜刀 ―
俺は縮地で7体の召喚獣の正面に同時に現れると、同時に居合い切りをした
『なんなんだよ、この強さは!!』
『バケモンじゃねぇか』
『補習はいや~』
なんか喚いているが関係ない。俺は屑野郎に近づくと
「後はお前だけだ、根本。お前の罪を数えてやる」
「つ、罪だと?!お、俺が何をしたって言うんだ!!」
まだわからないのか
「なら、体に教えてやるよ!!試獣召喚!!」
「く、くそっ試獣召喚!!」
Bクラス 根本恭二 VS Fクラス 吉井明久
古典 242点 72点
「一つ、器物損壊。刑法261条、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」
そう言いながら根本の召喚獣の右足を切り飛ばす
「いってぇ、なんで俺にまで痛みが?!」
一輝は上手くやってくれたみたいだな
Bクラス 根本恭二 VS Fクラス 吉井明久
古典 195点 72点
俺の攻撃で点数が補正される
「二つ、窃盗。第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
今度は左腕を切り飛ばす
「がぁっう、腕がぁ」
Bクラス 根本恭二 VS Fクラス 吉井明久
古典 142点 72点
また補正される
「三つ、脅迫。第222条 。生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」
今度は右腕を切り落とす
「い、いってぇ。くそ何なんだよ!!」
Bクラス 根本恭二 VS Fクラス 吉井明久
古典 87点 72点
補正が加わる
「そして最後に 明梨を泣かせた罪だ(俺を怒らせた罪だ)」
なんか本音と建前が逆になってた気がするが、気にせずに根本の喉をかっ切った
Bクラス 根本恭二
戦死
「ぎゃぁぁぁああ!!いってぇぇぇえええ!!」
根本が喚いているが自業自得だから仕方ない
「さてと、戦後対談といこうか?負け組代表さん」
雄二がやってきていまだに放心状態の根本君に話しかける
「本来ならこの教室を明け渡してもらいお前らにEクラスの設備をプレゼントするんだが、お前らが条件を呑めば特別に免除してやる」
雄二の言葉に両クラスがどよめく
「落ち着け!!俺らの目標はAクラスだBクラスじゃない!!」
「…条件ってのはなんだ?」
やっと話せるようになった根本君が雄二に問いかける
「条件?それはお前だよ負け組代表さん」
「俺、だと?」
「ああ、お前には散々好き勝手やってもらったしな、正直去年から目障りだったんだよな」
「その上、今回の試召戦争で器物損壊に窃盗、脅迫と3つも犯罪行為を行ったんだから、当然だよね」
僕も雄二に賛同する
「Aクラスに行って、試召戦争の準備ができていると言って来い。ただし宣戦布告はするな。すると戦争は避けられないからな、あくまで準備と意思があるとだけ伝えてこい」
「…それだけでいいのか?」
「そうだな、それだけでも良いんだが…明久、お前が今回の功労者だからな、何か要求があれば言っても良いぞ」
う~ん、明梨のキーホルダーと姫路さんの手紙を取り返したいからな…そうだ
「今日のことを忘れないように『女装姿で』撮影会なんてどう?一生忘れられなくなると思うよ」
「ふ、ふざけんな。なんで俺がそんなことを!!」
『『Bクラス生徒全員で必ず実行させよう』』
『『『任せて!!必ずやらせるから!!』』』
『『『それだけで教室を守れるなら、やらない手は無いな!!』』』
「アキ、まだ怒っていたんだな。しかしアキに『召喚獣のシステムをハッキングして根本の召喚獣のフィードバックを有効にしてほしい』って言われた時には驚いたぜ」
「明梨を泣かせたんだから当然でしょ。あとハッキングの件ありがとうね」
その後、根本君はAクラスへ行き雄二の言ったことを伝えた後に空き教室で康太撮影による女装姿でのコスプレ撮影会を行った。その光景を見た人は暫く悪夢にうなされたとか。僕はすぐに根本君の制服を奪い、明梨のキーホルダーと姫路さんの手紙を取り戻した後に、根本君の制服をゴミ箱に入れといた。
やっとBクラス戦が終わりました。
手紙とキーホルダーのその後は次話のお楽しみです。