僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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今回は、宣戦布告と明久の父親についての話です。
やっと謎の多い昭斗の謎が…


宣戦布告と明久の父親

「須川にはEクラスへの宣戦布告の死者になってもらう。開戦は午後からだ。無事大役を果たせ!!」

 

使者の字が変だったことにはツッコまないぞ

 

「……下位勢力の使者ってたいてい酷い目に遭うんじゃなかったか」

 

須川君の言うとおり、下位クラスからの宣戦布告は拒否できないため宣戦布告に来た人はその怒りのはけ口になるはずだ

 

「大丈夫だ。たかが学生の戦争ごっこでそんなことにはならない」

 

「本当か?」

 

「あぁ、俺の言うことを信じろ」

 

嘘だろうな。だって雄二が人を騙すときの顔をしている

 

「それにEクラスはイケメン好きが多いらしいから、お前が行けば―」

 

「よし、分かった」

 

雄二の言葉を最後まで聞かずにEクラスへと向かってしまった。

 

「―血祭りにあげられるはずだ」

 

雄二はしてやったりといった笑みを浮かべていた。

 

「雄二よ。お主、存外鬼畜じゃな。よりによって血の気の多いEクラスとは」

 

秀吉が雄二に歩み寄りながらそう声をかけた。でもあれは仕方がないと思うよ、だって

 

「あの覆面集団の指揮を執っていたのが須川だったからなその罰だ」

 

あの覆面集団(FFF団というらしい)の団長だったからね。

 

 

 

EクラスSide

 

ガラッ

 

勢いよくドアを開けて一人の男子生徒が入ってきた。他クラスの生徒が来る用事の見当がついたのか数人の男子生徒が自分の席から腰を上げる。

 

「Fクラスの須川亮だ。Fクラスの使者としてEクラスに宣戦布告に来た。開戦は午後からだ」

 

須川がそう告げるとEクラスの全男子生徒が襲ってきた。

 

『最下位クラスがなめてんじゃねぇぞ!!』

 

『補習のせいで部活の時間が減るじゃねぇか!!』

 

彼らにとっては、部活>>勉強、のようだ

 

ガスッ ボゴッ メキョッ

 

雄二の言った通り須川は血祭りにあげられた

 

Side end

 

 

 

「坂本ぉぉお!!騙したなぁぁ!!」

 

ボコボコにされた須川君が雄二に抗議するが

 

「何を言っているんだ。お前が俺の話を最後まで聞かないから悪いんだろ。俺はお前が行けば血祭りにあげられるって言おうとしたのに」

 

「なっ」

 

雄二の言った通りだ。話を最後まで聞かなかった須川君の責任だ。雄二の言い分は正論なので須川君はしぶしぶ自分の席へと戻った。

 

「さて、宣戦布告も済んだし、明久と秀吉、康太。あと藤崎と一輝は一緒に来てくれ。話があるから屋上で一緒に飯を食おう」

 

「「「「「(……)了解(じゃ)(です)」」」」」

 

雄二の言葉に頷いて僕達は屋上へと向かった

 

 

 

 

ガチャッ

 

雄二が屋上に通じるドアを開けると、春の日差しが差し込んできた。眠気を誘うような温かな日差しが気持ちいい。

 

「さてと、話はさっき話した試召戦争についてだが」

 

「あの、坂本君と明君は試召戦争について話してたんですか?」

 

僕と雄二が廊下で話していたのを知っていたからか明梨が雄二にそう尋ねた

 

「あぁ明久が藤崎のために『試召戦争がしたい』って言ってきたんでな」

 

「ちょっ雄二なにバラしてるんだよ」

 

そんなことを言ったら明梨のことが好きだってばれちゃうじゃないか

 

「本当、明君?」

 

「う、うん。また明梨が体調を崩したら大変だからね」

 

「そう…(やっぱり、明君はみんなにやさしいからなぁ)」

 

なんとか誤魔化せたみたいだけど明梨はなんか落ち込んでいる。どうしたんだろう

 

「(なんであれで気付かないんだ)」

 

「(明久も自覚したみたいだが関係は相変わらずか…)」

 

「(明梨も報われんのう)」

 

「(……鈍感)」

 

なんか雄二達が失礼なことを考えている気がする

 

「っとまぁそのことは置いといて本題に入る前に明久に聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

「僕の分かることなら答えるけど」

 

何を聞きたいんだろう

 

「お前の親父って何をやっているんだ?」

 

「どうしたの急に?」

 

突然僕の父さんがなにをしてるか聞いてくるなんて

 

「いや、朝、鉄人にあのクソ教師の処遇について聞いてみたら『吉井の父親が二度と職に就けないようにしたから安心しろ』って言われたんでな。そんな権力持っているのか?おまえの親父は」

 

鉄人というのは生徒の間での西村先生のあだ名だ。趣味がトライアスロンで年中半そでを着ているのがその由来らしい。

 

「いや僕も父さんの仕事については知らないんだよ。本人は『世界を平和にするただのサラリーマン』って言っているけど」

 

実際あの人は謎だらけだ。先週も家にWHOの人が来たし

 

 

 

 

~回想~

 

ピンポーン

 

僕が部屋でゲームをしていると突然玄関のチャイムが鳴った。誰だろう今日は特に約束は無かったはずだけど

 

「は~い」ガチャ

 

返事をしながらドアを開けると、スーツ姿の秘書のような女性が立っていた。僕の知らない人だけど誰だろう

 

「突然の訪問で失礼します。私はWHOのものですが、吉井昭人さんは御在宅でしょうか?」

 

「父なら今はいませんが急用ならば連絡しましょうか?」

 

今父さんは家にいない。急用ならば電話なりメールなりすべきだろう

 

「いえ、お気遣いなく。御在宅ならばお話を伺いたかっただけですので。ご帰宅なさいましたらよろしければこちらにご連絡いただけますか」

 

そう言って彼女は僕に名刺を渡してきた。ほんとにWHOの人間のようだ

 

「はぁ、分かりました。そう伝えときます」

 

「では、私はこれにて失礼します。お時間をとらせてしまい、申し訳ありませんでした」

 

彼女は丁寧にお辞儀をすると帰って行った

 

 

 

Prrrr Prrrr

 

ガチャ

 

『ん、明久かどうしたんだい?何か問題でも起こした?』

 

僕は一応父さんに連絡をすることにした

 

「僕が問題児みたいな言い方はやめてよ」

 

僕は観察処分者だけど問題児ではないのに

 

『ははっ、まぁ親にとっては子供の心配は普通のことだよ』

 

父さんの言うことはもっともだけどそんなこと話しても仕方ない。本題に入ろう

 

「ところで父さんは今どこにいるの飛行機の音が聞こえるけど」

 

さっきから飛行機のエンジン音が聞こえる空港にでもいるのかな?

 

『父さんは今エアフォースワンの中に居るんだよ』

 

エアフォースワン――アメリカ大統領専用の飛行機。一般人の乗れるものではない

 

うん。今の会話に変なところは無いはずだ。エアフォースワンってのは僕の聞き間違いだろう。

 

「で、父さんは今何をしているの?」

 

この質問でさっきの言葉が聞き間違いかどうかわかるだろう

 

『大統領と世界の平和について語り合っているところだよ』

 

おかしい

 

「どうして、あんたは大統領と平和について話なんかできるんだよ!!」

 

『それは、父さんの仕事が世界を平和にするためだからだよ』

 

だめだ、『なぜできるのか』と聞いたのに『なぜしてるのか』という回答が来た

 

~回想end~

 

 

 

 

いつも父さんに仕事に関することを聞いても、適切な回答をしてくれないからな。あの時もひたすら無駄な時間を過ごしてしまったよ

 

「……『世界を平和に』…….明久、お前の父親の名前は?」

 

康太が何かに引っ掛かったのか父さんの名前を聞いてきた

 

「えっ、昭斗だよ。吉井昭斗」

 

「……やはりか」

 

「どうしたんだ、康太」

 

何か父さんのことを聞いたことでもあるのかな

 

「……10年ほど前に米ロの全面核戦争の危機を救った日本人がいるという噂を聞いたことがある」

 

「まさかっ」

 

雄二も気付いたみたいだ

 

「……あぁその男の名は“Akito Yoshii” というらしい。たぶん同一人物」

 

「まぁ昭斗さんならそのぐらいできるだろうな」

 

「うん。昭斗さんなら出来そうね」

 

一輝と明梨は納得している。まぁ父さんの体力はすごいからね。蛇のコードネームを持つエージェント並みのこと出来てもおかしくは無いけど

 




昭斗の謎が少し分かり、さらに謎が深まりました。
昭斗については作者である自分も何者なのか把握できません。
引き続きオリキャラの募集をしています。ご協力お願いします。

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