本当に弁明の余地もありません……。
あと、久々に書いてたので色々と文がおかしいところや誤字脱字があるかもなので、ご了承ください。
とりあえず、本編へどうぞ。
どうも、先日仕事増加という宣告と
そして今日は、武内さんに言われたうちの一つの仕事、レッスンに強制参加だ。
一つだけ言わせてもらいたい。なんでプロデューサーがレッスンに参加するんですかね?そこがわからない。
でも、言い渡されてそれを了承してしまったので、参加しないわけにはいかない。これでボイコットなんてしたら完全に仕事放棄だもんね。
そうと決まればまずは着替えだ。スポーツウェア?なんてものはないが、大学の体育の時間で使う用に買ってあるジャージがあったので、それを着用することにした。
でも、このプロダクションって基本的に女性のアイドルばかりだから男性用の更衣室ってないんだよね……。
…………執務室で着替えるしかないか。こんな時に誰かが訪ねてくるなんて、下手なイベント起きるわけがないし。
僕はそう心の中で笑いながら上着とワイシャツを脱ぎ、上半身がシャツ一枚になる。
さて、と。ジャージの上は確か今日持ってきたバックの中にあったはずなんだけど……。
その時、ガチャっと背後から音がした。次いで、バラバラとおそらく持っていたであろう書類を落とす音も。
錆びたロボットのように首を回すと、そこには驚きで目が見開き、脳の処理が追いついてないちひろさんだった。
…………一番見られたくない人に見られたーーーー!!
「いや、あの、ちひろさん、違うんですこれはーーー」
「わ、わわわかってます着替えようとしたことは。だって更衣室ないですもんねそうですよね、それでは失礼しますのでごゆっくりどうぞ!」
「ちょっと待ってごゆっくりってーーというか何勘違いして……ってもういない!?」
執務室から飛び出て廊下に首だけ出して周囲を見渡すが、すでにちひろさんの姿はなく、誰もいない廊下がただ広がっていた。
そんな状況で、僕は散らばった書類はどうすれば?やら後で謝らないとという考えより先に、頼むから変な噂は流さないでください……と祈るのであった。
これ以上不名誉な噂が立つのはこっちとしても嫌だからね……。本当に。
そんな祈りを込めつつ、僕は次は誰も入ってこないように執務室の鍵を閉めてジャージに着替えた。
最初から鍵閉めとけばよかった……。
☆♪♡♢
「おお、来たか蒼崎」
レッスン室に入ると、そこにはニヤリと意地悪そうに笑う忍さんと僕が入ってきたことを驚いた様子で見る、シンデレラプロジェクトの面々がいた。
「プロデューサーさん、どうかしたんですか?」
「……まぁ、ちょっと野暮用で」
「レッスンルームに野暮用で来る人なんてそうそういないと思うけど」
「確かにそうだにゃ。で、本当は何しに来たのPチャン?」
「いや、それが……」
僕の訪れで疑問符を浮かべているメンバーに説明しようとした途端、忍さんがパンッと手を叩き、それを遮る。
「はい注目!今回、蒼崎にはお前らのお手本役として来てもらった!」
『………お手本?』
「ちょっと待ってください一言も聞いてないですよそんなこと」
「だって言ってないし」
「……それ酷くないですか?」
「失礼な。策士と言ってくれ」
「そうだとしたらあなた相当横暴な策士だよ」
僕がジト目で返すも、全く気にしない風に振る舞う忍さん。この人、反省する気と謝る気ゼロだな……。
こうなった忍さんはどうやったとしても止まることはない。以前、信堂さんをレッスンに連れて来たのだが、その時もこんな感じだった。
一度信堂さんを踊らせて、それを見て何か感じるものがあったのか、一曲丸々完璧に踊れるようになるまで鬼のような特訓を強いられたのだ。あれ終わった後、信堂さんガチ泣きしてたしね。
まぁ、結局はというと、
「……僕レッスンに参加しなくてもいいですか?」
「「却下」」
「うんまぁ、忍さんはわかってましたけどどうして貴女が拒否するんですかね。美波さん?」
分かりきった質問をしたが、まさかプロジェクトのメンバーのうちの一人、新田美波さんに拒否されるとは思っていなかった。
そして、その美波さんは、それはもう清々しい笑顔で言い放った。
「だって、蒼崎君の踊ってるところ見て見たいんだもの♪」
そんなことだろうとは思いましたけどね!本当に予想を裏切ってくれませんね君達は……。
その美波さんの発言により、他のメンバーの子達もそういえばそうかも、と美波さんの発言に賛同する。
ここには僕の味方はいないのか。
「「「「いない(でしょ)」」」」
「久々だけどさ、心読むのやめてくれていいですかね?」
もう本当この子ら怖い……(涙)
特に、美波さん、凛、みく、杏の四人。この人達、何の気なしに人の心読んでくるからね。
「さて、それじゃあシンデレラプロジェクトの奴らのレッスンもひと段落したところだし、やるぞ蒼崎」
「…………やりたくないなぁ」
「なんか言ったか?」
「いえ何も」
最早やらないという選択肢がないんですが。というか、いつもどうしてこう厄介ごとに巻き込まれるんでしょうか。
トラブル体質じゃなかったはずなんだけど……。
でも、今更どうこう思ったところで仕方ない。これ以降、しないという選択肢が出てくるわけじゃないし。
「今回お前にやってもらうのはこの曲だ」
忍さんはCDプレイヤーにCDを差し込み再生する。
そこから流れてくるのは346プロを知る者なら必ず知っているだろうという曲、『お願いシンデレラ』だった。
……まさか、あれを踊れと?
「さて、これを踊ってもらうわけだが。なにか質問はあるか?」
「もっとほかの曲はなかったんですか」
「ない。というより、これ以外の曲を踊らせて、こいつらのためになると思うか?」
忍さんは端っこで休んでいる卯月達を指さしてジト目で告げる。いや、それは正論なんだけど素人に踊らせるというのもどうなのかと思うのですが。
「ということで、腹を決めてもらうぞ」
「………先に聞きます。拒否権はありま「ない」せめて言葉が終わるまで待ってくれませんかね……」
ため息をついて楓さんたちが踊っていた姿を思い出す。華やかな女の子だから映える踊りであり、可愛らしく見える振り付けのはずだ。それを僕のような男が踊ったらどうなるかは一目瞭然なんだけど……。
拒否権ないから踊らないなんてできないけどね!
「振り付けの確認はいるか?」
「……いえ、多分大丈夫だと思います。高垣さん達のを見たことがありますから」
「へぇ、大した自信じゃないか。見ただけで踊れるかも、とは。それじゃあ練習なしのぶっつけ本番といこうじゃないか」
忍さんは不敵に笑いながら、プレイヤーの再生ボタンを押し曲を流し始めた。
☆♪♡♢
「ぜぇ……はぁ……」
「まぁ、素人にしては頑張った方じゃないか?」
あれから『お願いシンデレラ』を3回、ダンス向けの曲を3曲ぶっ続けで踊った。僕は足やら腕やらにガタが来始めて息も絶え絶えにもかかわらず、忍さんは荒い息を一つも吐いておらず、全然平気そうだ。
流石トレーナーというだけはあると思う。やっぱり体力はかなりあるよね。
片や僕は一般大学生であり、多くの体力とか持ち合わせていない。加えて日頃はデスクワークなのだ。体力が増えるどころか衰える一方なのに、6曲分も踊れるとは……。
その代償としてかなりの体力と両手両足を犠牲にしたけどね……。さっきからプルプルと震えが止まらなくてつらい……。
当分は踊りたくないなぁ。忍さんのあの様子だとその願いも叶いそうにないけど。
「さてと……。さっきのを見てもらってわかった通り、お前らの技術はまだまだだ。最低でもこいつレベルになってもらわなくちゃ困る」
両手両膝をついて息を整えていると、忍さんは見学していたプロジェクトメンバーに話をし始めた。
僕、そんなに上手くないんだけどなぁ……。見様見真似だったし。
おそらく今からあの子達のレッスンを再開するはずだろう。となると、ここに僕がいるのは流石に邪魔なような気がする。
というか、レッスン中の女の子をまじまじと見る男ってのも絵面的にまずいだろうし。
加えて、多分だけど忍さんは踊ってるところを見せたいだけだったようだし。ここにいる必要はないよね!
未だプルプルと震える両足に鞭を打ち、僕は静かに、そして速やかにレッスンルームを後にした。
☆♪♡♢
「仕事が……手につかない……!」
震える足を動かして事務室まで戻って来たのはいいのだけど、駄目だこれは。
指が……動かないっ!
「事後の仕事のことまで考えてなかった……っていうか仕事増えてないですかね!?」
事務室を出た時にはそのになかったはずの紙束が、なぜかそこに置かれていた。無言で置くとか酷くないですかね……しかも書き置きもないし。
これ今日も遅くまで残業だよ、きっと。
「無駄な体力使ったから早く帰って寝たいんだけど……無理だよねこればかりは」
早々に諦めながら、僕は天井を仰いだ。
誰か、睡眠時間と休息をください………。
その後、レッスンが終わった卯月達に褒めちぎられたり、どうやったらああなれるのかと質問責めにあったのは、また別の話。
☆♪♡♢
蒼崎弘弥P一言報告
質問責めによって結局残業が決定し、帰りが遅くなったという理由で花梨に軽い関節技を決められて腕が数分動かなくなった。
一つだけ言わせてほしい……今日厄日すぎない……?
まず、ここまで遅れてしまった理由を……。
①構成と話の見直し
②受験期間への突入
③作者の怠惰
④大学での授業と試験
はい、主に③が原因です本当に申し訳ないです。今度はそんなに期間を開ける気はないので、できるだけ早めにしたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
では、次回もお楽しみに。