蒼穹のファフナー~ファフナーに選ばれなかった男の戦い~   作:naomi

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第三十一話 「甦る存在」

「よーしこっちだついてこい…今だマークジーベン」

 

「了解」

 

第2次蒼穹作戦の真っ只中、俺は愛機セイバーと共に竜宮島の空を飛んでいた。

 

「マークジーベンフォローサンキュウ 」

 

「セイバーへ、マークドライツェンのフォローをお願いします」

 

「了解」(遠見はファフナーに乗ると凄く淡々とした口調になるな…)

 

指定されたポイントではマークドライツェンが敵に囲まれていた。すぐにミサイルを撃ち込むと、攻撃されたフェストゥムはこちらを向いた。

 

「さぁ、来い」

 

スピード全開でその場所を立ち去る。たまらずフェストゥムは追いかけようとしたが、すぐにマークドライツェンに攻撃された。

 

「援護感謝する。セイバー」

 

「おう…どうしたカノン」

 

「ヤツが来た」

 

(彼が来ました)

 

アイツの声に反応し周囲を見渡すとヤツがいた。

 

「マーク…ニヒト」

 

最大の敵は圧倒的な破壊力を見せていた。

 

マークジーベンが直ぐに迎撃に向かうがやられてしまった。すぐにマークニヒトのもとへ向かい攻撃するが。此方には見向きもしない。側を通り過ぎる時に感じた殺気

 

(やはり通常兵器は意味無しか。ハッ、マズイ)

 

急上昇して回避を試みたが、マークニヒトが苦しみ出し墜落したので事なきを得た

 

「どうしたんだマークニヒトは」

 

(彼の中で葛藤があるようです)

 

(葛藤…)

 

(それが動きに躊躇いを生んでいます)

 

墜落したマークニヒトにマークドライツェンが接近し攻撃を仕掛ける。

 

ルガーランスを壊され激しい殴打の連続を浴びるマークドライツェン。抵抗虚しく膝から崩れ落ちる。

 

マークニヒトは破壊したルガーランスを同化し自分用のルガーランスを生み出した。

 

マークニヒトの攻撃が動けないマークドライツェンを襲う

 

「避けろカノン」

 

間一髪でマークフュンフが防御した。

 

(あれは確か陣内さんの恋人堂馬舞さんの弟広登君か、やるな)

 

マークフュンフが防御で耐えている隙にファフナーが1機マークニヒトに突撃する。

 

(あれはマークフィアー…春日井甲洋)

 

マークフィアーが必死に島からマークニヒトを突き放すが、バラバラにされてしまった。

 

再び島に降りたつマークニヒト。バラバラにしたマークフィアーにとどめの一撃を放とうとしたその時

 

マークニヒトが発光しだした。もがくマークニヒト、眩い光と共に発光体が目が追いつかない早さで戦場を駆ける。

 

徐々に形が表れる発光体マークニヒトを空へ抱えだした時に姿を見せた。

 

「マークザイン…還ってきたか一騎」

 

「亮介」

 

焦り声の溝口さんの通信が入る。

 

「敵のミールが島を同化しようと動き出した。今マークフュンフがカバーしているが身動きがとれん。マークフュンフに近づく敵を退けろ」

 

急いで巨大な円柱が見える場所まで急行すると身動きの取れないマークフュンフにフェストゥムが群がる。

 

「どうすれば…」

 

(私がやりましょう)

 

ふと聞こえたアイツの声に反応すると激しい同化現象に襲われた。必死に耐えていると俺が近くを通過するとフェストゥムが徐々に距離を取り出した。

 

(俺…いやアイツの力に怯えているのか。よし)

 

俺は同化現象に耐えながらマークフュンフに近づくフェストゥムの周りを跳び回った。俺の身体も限界が近づき出した頃。島を乗っ取ろうとしたミールの円柱が粉々に砕けた

 

「皆、良くやった攻撃部隊から作戦成功の連絡が来た。一段落だ」

 

溝口さんの労いの言葉が通信から聞こえる。俺は力を使い過ぎたためか意識を失いかけた。それに気づいた外部から遠隔操作で墜落することなく着陸出来た。安堵の空気が流れる竜宮島しかし喜びも束の間であった。CDCから衝撃の通信が入る。

 

「人類軍の爆撃機が接近。こちらへミサイルの発射を確認」

 

奈落の底に落とされたかのような絶望的な状況。誰もが悲観していたところで驚くべき光景が目に入った。

 

「さっきまで戦っていたフェストゥム達が自分達を犠牲にして、島を護った」

 

(貴方達の希望の声が届いたようですね)

 

「でも爆風が島に…これはベルシールドかこれなでにない強力なシールドだ」

 

(新しいミールが乗り越えたようです)

 

間一髪のところで竜宮島の新たなコアが成長期を乗り越え島を護った。

 

ここ暫く覆っていた不気味な雲が晴れ、久しぶりの蒼い空が姿を魅せた。

 

「終わったのか…彼らとの戦いが」

 

久しぶりに見る蒼い空は眩しかった。遠くから俺を呼び誰かが走ってくる。

 

「恵」

 

力強く抱きしめられる

 

「無事で良かった。あの船どこかいくの」

 

目を向けると対峙していたフェストゥムの船がどこかへ旅立とうとしていた。

 

「また戦うことになるのかな」

 

「どうだろうな。でも美羽ちゃんがアイツらに伝えたことがしっかりと伝わったならきっと大丈夫だろう」

 

「うん。そうだね、あっ太陽が」

 

擬装鏡面が展開され太陽の位置が変わる。竜宮島を壊滅寸前に追い込んだ戦いは、新たな希望を芽生えさせ幕を閉じた。


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