オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか?   作:シフシフ

27 / 91
☆難☆産☆(次の話が)


今回は息抜きみたいなものです。

いやぁ、ゴライアス戦の伏線を入れるためだけに考えたオリジナル・・・・・・ふっ、なかなかキツイぜ・・・。



27話「うーん、じゃあステイタスが欲しいです」

アイズは遠征の準備に勤しんでいた。五十階層までの地図はサポーターとして着いてきてくれる団員が持ってくれるらしい、らしいとついているのは彼女が滅界と言う技の練習に励んでおり、話しを少ししか聞いていなかったからだ。

 

「武器は、良し。ポーションも、良し。予備の剣も、良し。・・・・・・・・・ジャガ丸くんが、無い・・・・・・。」

 

アイズはすっと6000ヴァリスを持って立ち上がり、早朝の街へと繰り出す。しかし待つのだアイズよ、まだジャガ丸くんの店舗はやっていないぞ。とそんな感じな事がアイズの頭の中を過ぎり、アイズはガーン!と衝撃を受けつつも黄昏の館に戻ってくる。

 

アイズの荷物は少ない。それは彼女の武器が不壊属性(デュランダル)である事も関係しているのだが、アイズがダンジョンに持っていくものは剣と回復薬、そしてジャガ丸くんだけなのだ。ちなみにジャガ丸くんには行きのモチベーション維持用と帰りの御褒美用の二種類を選ぶ傾向があり、行きはジャガ丸くん小豆味、帰りはジャガ丸くん小豆味である。

 

「あっ!アイズ〜!えいっ!」

 

ショボーンとしょぼくれていたアイズにティオナが飛びつく。そのスピードたるや矢の如しであったがレベル6となったアイズは膝の動きだけでその勢いを殺し、どうしたの?と質問する。

 

「それはこっちのセリフだよ〜♪・・・なんか元気無さそうだけどどうしたの?」

 

そんなティオナにアイズはどう説明したものか考える、ジャガ丸くんを買いに行きたいのに売っている店舗がそもそも開いている時間では無い、この損失感をどう説明すれば良いのだろうか、アイズはそこで思考のジャガ丸海でサーフィンを始めた。

 

「・・・妖夢ちゃんの事?」

 

その様子をどう捉えたのかティオナは妖夢の名を口に出す。現在オラリオで最も話題となっているのは妖夢とエロスの2名だ。街ゆく人々はエロス連合とタケミカヅチファミリア、どちらが勝つか、単眼巨人と剣争乱舞のどちらが勝つか、とワイワイと話し合っている。ちなみに剣争乱舞とは未だ二つ名を持っていないレコードホルダーの妖夢にオラリオの人々が勝手につけた通り名の様な物だ。

 

「ししょー?」

 

アイズは困惑した。彼女の頭の中ではジャガ丸くんの波に乗っていたら急に妖夢が現れたのだから。しかし、妖夢の単語で噂話などがしっかりと引き出しから引き出され、戦争遊戯の事を言っているのだと導き出す。

はて、そんな話題の話だったか、そうアイズが思っている間にもティオナは心配そうな声色でアイズに抱きつく。

 

「妖夢ちゃんはさ・・・・・・家族を、亡くしちゃって、その時の記憶も無くて・・・・・・。やっと心を許せる人達を見つけて、なのにその家族が誘拐されて・・・。かわいそうだよ・・・・・・」

 

妖夢本人ではなく、そのスキルであるハルプから語られた情報。しかし、スキルであるからこそ遠慮せずそういった事が言えたのだろう。それら全てが本当ならば、妖夢の内心は一体どうなっているのか、それを考えただけでティオナは涙が溢れそうになる。

英雄譚を好み、そういった他者の気持ちになって物事を考える事の出来るティオナだからこそ、妖夢の心情を思いこうして泣いているのだ。

 

長い付き合いであるアイズにそれがわからない筈がなく、ティオナの手を握りしめ、安心させようと頷いてみせる。しかし、助ける訳には行かない、とアイズは考えていた。それを妖夢は望んでいないし、助けを求められた訳でもない。だから言うのだ。

 

「ししょーなら、大丈夫だよ?」

 

大した根拠の無い、けれど確信をもった言葉。

 

「・・・・・・うん。でも助けなくていいのかな」

 

その言葉にアイズは答えない。返答に困った訳ではなく、ティオナなら答えにたどり着けるだろうと判断したからだ。

 

「ねぇアイズ。もし、もしもね?妖夢ちゃんが助けてって言ってきたら助けてあげたいの。」

 

アイズはティオナの言葉に強く頷いた。理由は幾つもある。エロスに奪われては今の師と弟子の関係が続かないかもと言う物も含まれている。だがそれよりも、自分に懐いてくれる子供を見捨てるなどと言う選択肢はそもそもアイズの中に存在しなかったのだ。

 

「信じて、みよう?」

「うん・・・わかった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?戦争遊戯だァ?」

 

ロキ・ファミリアのホーム『黄昏の館』で、ベートが驚きの声を発した。その声の大きさに思わずティオネは耳を塞ぎ、ティオナは目を回す。

 

「うっるさいわねこの駄犬!」

「アア?んだとこの馬鹿ゾネスが!」

 

ティオネのクレームに対し吠えるベート。なぜ会話が一瞬にして喧嘩へと発展するかは置いておき、ティオナが2人に呼びかける事で一旦静かになる・・・両者とも牙を剥き出しにしてグルル、フシャー!と唸っているが。

 

「しかもね?エロスファミリア合わせて三つのファミリアが手を組んでるみたいで・・・・・・妖夢ちゃんが欲しくて我慢が出来なかったってロキが言ってたんだけど・・・。」

 

ティオナの言葉にベートは顔を顰める。優秀な人材を見つけ、しかしそれが既に他のファミリアに入って居たとて、それを何らかの力で奪うのは神々の間において別段珍しくはない。金で買収される事だってある。

 

「チッ、雑魚共が・・・」

 

ベートが顔を顰めたのはそういった団員の引き抜きなどでは無い。個人の実力を重視する実力主義者のベートからすれば、数で押し潰そうと言うエロス達の考えが気に食わないだけなのだ。

 

「あの子、大丈夫かしらね?」

 

ティオネも腕を組みながら心配そうに呟く、ティオナもそれに続いて心配そうに唸る。

 

「知るか。少なくともアイツは数で囲まれた位で死ぬ奴じゃねぇ」

 

ぶっきらぼうに言ってのけるベートは妖夢に事象崩壊現象という現象を引き起こした無明三段突きによって脇腹を吹き飛ばされた事がある。既に万能薬によって後も残らずに治っている脇腹だが、「レベル2にデカイ一撃を貰った」と言う治せない傷をベートの心に残している。

 

しかし、それは同時にある種の妖夢に対する「信頼」をベートに与えているのだ。

 

「いくら油断してたつっても、俺に一撃入れた事に変わりはねぇ。もしも群れていきがってる雑魚どもに負けたなんて言いやがったら・・・・・・」

 

ベートはここから先は言うまでもないと言葉を切る。レベル5に重傷を負わせる者が、どうしてレベル1〜3の烏合の衆に負けようか。つまりベートはそう言いたいのだ。

 

「ふーん、ベートは信じてるんだね!私も信じてるよ!」

 

ベートの言葉にティオナが意外そうに感心の声を上げ、賛同する。ティオナやティオネはベートと仲が悪い訳では無い。少なくとも互いの実力は認め合い、チームとして行動を何年も共に出来る程には仲良しだ。

 

「ふふ、そうね。でもベートがそんな事言うなんて意外かも」

 

ティオネがそう声を発する時には既にベートは自室に向けて歩き始めており、2人はそれを見送る形となった。歩くベートの後ろ姿を見て、2人はある事に気が付く。しかし声にはせずに目配せで互いに確認しあい、小さく笑う。なぜならベートの尻尾が何時もより元気に振られていたからだ。本人は気づいているのかいないのか、2人の微笑みに見送られ、ベートは自室に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器も良し、研ぎ石でしっかり研いだし刃がぐらつく事も無い。防具も良し、しっかりと身にまとい少し動いて様子を確かめた。

 

おっす!俺だよ。今俺はいつも通りの格好でロキ・ファミリアに向かっている。理由は簡単だ、ベート達と戦って少しでも経験値を得るため、なんだか利用してる様で申し訳ないが後で何か手伝ったりして恩返しをさせてもらおう。

 

「こんにちは。門番さん」

 

俺は門番の人に挨拶をする。以前来た時と同じ人だった。門番の人は挨拶を返すと少し怪訝な顔をする。・・・あぁなるほど。多分俺が助けを求めに来たと思ってるんだな?

 

「大丈夫です。助けを求めに来た訳では無いですから。ベート達に会いに来ただけですよ。」

 

アドバイスを貰いに。そう付け加えニコリと笑う。作り笑いは苦手だがこう言った場面では必要だと思ったので少し練習したのだ。そのせいでタケが心配したのはいつもの事。

 

「ははは、わかった。じゃあ聞いてくるから少しそこの奴と待っててくれ」

 

と門番の人(男)は門番の人(女)を指差し館の中へ入っていく。

 

「そこの奴だなんて失礼しちゃうわ?ねぇ」

 

少し拗ねている門番の人にそうですねと返事をし、少し笑う。・・・・・・・・・もうダメかもわからんね。千草と2日間も既に会っていないんだ、これは所謂禁断症状って奴かもしれない。

 

「おーい?妖夢ちゃん?ロキ様が入っていいってさ」

 

門番に言われてハッとする、わかりましたと答え門番に続いて黄昏の館の中に入った。向かう先はロキの場所だ、この前ベートの部屋にハルプモードで押し入った事がタケにバレて次からはロキに声をかけてから入るように言われたのだ。

 

ロキの部屋はこの館の天辺にある、だから階段を登って行くわけなんだけど、登ってる途中にロキとの約束を思い出す。1日なら好きに俺を使って良いよって約束だ。たしかエロス倒したらとかそんな時期だった気がするからまだ平気かな?

・・・・・・戦争遊戯まで残された時間は今日を入れて3日、その間にどれだけステイタスを上げることが出来るかが勝負を有利に導く筈だ。命や桜花も後から来るからそれも伝えなくては。

 

コンコン、とドアをノックする。

 

「ロキ?妖夢です。入ってもいいですか?」

「おお!来た来た!もちろんや!入ってきーや!」

 

うわ、扉越しにわかるテンションの高さ。ロキはロキなんだなぁ。扉を開けようとしたら勝手に開いた。「みょん?」と口からこぼれる。ドアノブから目を上げると物凄い近くにロキの顔が。

 

「みょん!?」

 

ひぃぃ!?びっくりした・・・・・・。

 

「なんや、緊張してるんか?ウシシ、妖夢たんでも緊張するんやなぁ?」

 

何故か手をワキワキしながらニマニマしながらロキがゆっくりと迫る。何してるんだろうか、ロキは。まぁいいや取り敢えず部屋に入ろう。

 

「なんやと!?」

 

スルリとロキの脇を抜ける。どういう訳か捕まえようとして来たが様々な歩法を扱える俺を捕まえることはできない。

 

「あの・・・・・・何してるんですか?」

 

首を傾げながらロキに聞く。ロキが「なんでもないで」と少ししょんぼりしながらも自分のベットの上であぐらをかいた。

 

「んで、妖夢たんは何しに来たん?」

 

ロキが酒瓶に手を伸ばしつつそう聞いてくる。

 

「私はベート達に私達の模擬戦の相手になって貰いたくて来ました。タケがまずはロキに挨拶をするんだぞ、と言っていたのでまずはロキに会いに来ました。」

 

ふーん、とロキが頷き「いいで」と笑って答えてくれる。俺は嬉しくなって飛び跳ねたくなる気持ちを抑え、ありがとうございますと頭を下げる。すると

 

「ありがとうございますのギューは無いんか?オラリオでは常識やで?」

 

初めて聞いたぞそんなの。と内心は冷静にツッコミを入れたものの、肉体とは正直な物でバッと駆け出しロキに抱きつく。それにしてもオラリオにそんな常識があったとは驚いた。

 

「ありがとうございますロキ!!」

「・・・・・・もう、死んでもええわ・・・。」

「ダメですよ!戦争遊戯が終わったらまた来ますから!」

「うんうん、せやな。ウチ生きるで。そして妖夢たんをぐひひ」

 

抱きついた後すぐ様部屋を飛び出していたので最後の方でロキが何か言っていた気がするが、まぁいい。今は少しでもステイタスが欲しいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「「「お願いしますっ!」」」

 

ベート達の前で、妖夢、命、桜花が頭を下げる。場所は何時ぞやの訓練場だ。

 

「・・・うん。わかった。」

 

アイズが頷き訓練用の武器を取りに倉庫に行こうとするが、それを妖夢達が止める。どうやら実戦形式が良いようだ。

 

「ったく・・・・・・いいかテメェら、俺達はもう直ぐ遠征に行かなきゃならねぇ。まぁ軽い遠征だから直ぐに帰ってくるが・・・・・・何時までだ?」

 

「戦争遊戯が始まるのは2日後です。今日を入れて3日。その間に少しでも強くなっておきたいんです!」

 

妖夢が真剣な目で訴えかける。ロキからの許可も得たと言う妖夢を無碍に扱う事も出来ない。ベートは仕方なく、と言った風を装い妖夢の前で屈み目を合わせる。

 

「仕方ねぇ、やってやるよ。・・・・・・言っとくが負けたら承知しねぇぞ?」

 

そう言って妖夢の頭にポンと手を乗せ撫でる。すると妖夢は顔を輝かせついさっきロキから教わった「ありがとうございますのギュー」を実行した。

 

「ありがとうございますベート!」

「ぬぉ!?何やってんだテメェは!」

 

え?ロキから教わったオラリオ流の感謝の表し方ですよ?と首を傾げる妖夢を見た彼らのロキに対するヘイトが上がったのは言うまでもない。

 

そうして模擬戦闘は始まった。ベートやアイズ達が防御に周り、妖夢や桜花達が攻撃をする。しかし勿論隙を晒せば鋭い反撃が飛んでくる。

この日は日が暮れるまでひたすらに模擬戦が続いた。しかし、ベート達はダンジョンに遠征に行くために、つぎの日は模擬戦に付き合えない事も、途中から現れ見学していたフィンに妖夢達は告げられる。

 

「ハァ・・・ハァ。わかりました、ありがとうございます。」

 

息切れを起こす妖夢、しかし、キチンと礼をする事を忘れない。命も何とかついてきたものの、今は地面にへたり込んでいる。桜花は意地になってるのかまだ立っているが疲労の色が濃い。

 

「ハァ―ハァ・・・。おいこの糞ガキ・・・流石に、殺す気で来るのは、どうなんだよ・・・・・・。」

 

ベートが息切れを起こし、汗だくになっている。アイズやティオナ達も少なく無い切り傷を全身につけ疲労している。

 

「す、すみませ、ん。少し、いや結構八つ当たりしちゃいました」

 

妖夢の増える斬撃や純粋に速過ぎる斬撃は流石の第一級級冒険者でも対処するのに大変な苦労をした様だ。

 

「ししょー・・・・・・うん、何か、掴めた気がする。」

 

アイズがグッと拳を握り、よしっ。と何やら意気込み立ち上がる。

 

「あ・・・・・・あの。そっちに、ジャガ丸、君買ってあります」

 

疲労のせいか座り込んでしまった妖夢は土産にジャガ丸君小豆味を買ってきた事を思い出し指指す。アイズがハッとした表情になる。どうやらジャガ丸君を買いに行っていない事を思い出したらしい。テクテクと歩いてジャガ丸君に誘われていくアイズはピタッと立ち止まり振り返る。

 

「ししょー、ありがとう、ございます?」

「アイズ復活速いよ〜、うぅ疲れたぁ!」

「本当に、疲れたわ。でもこれなら平気そうね。」

 

負けてしまうかも、と言う懸念はどうやら彼女らから無くなった様で、皆安心した様な表情になる。しかし、万が一がある為に、決して油断はしない。妖夢は3人に微笑みながらも内心戦意を高める。

 

 

 

 

模擬戦が終了した後も、妖夢は訓練場で武器を振っていた。イメージを構築し、それに沿って剣を振る。妖夢から少し離れた壁には刀、片手剣、両手剣などの様々な武器が掛けられている。妖夢はそれらを手に取ってはそれぞれ型に沿って振る事をを繰り返す。これらは途中からやって来て見学していた猿師が買って来た物だ。猿師の独断で買われたそれらは千草が選ぶものよりも幾らか劣る物の、それなりの性能はあった。よく武器を壊す妖夢殿は沢山持ってた方が良いでごザル、との事だ。

 

黙々と武器を身体に馴染ませていく妖夢をフィンやロキ、アイズは見学していた。

 

「・・・・・・綺麗だ。振り方に無駄がない。武器によって重心も重さも振り方も違うのに、これはすごいな」

 

フィンは妖夢を賞賛する。ロキもそれに同意の意を表し頷く。アイズがコクリと頷く。

 

「どれだけ武器を振ったらああ成れんのやろうな?」

「さて、僕にもわからないよ。・・・まるで体の1部だね。」

「フィンやてそうやろう?」

「ハハハ、僕なんてまだまださ。さっきの戦いもこっそり見てたんだけど桜花君の槍さばきは目を見張る物があるよ」

 

へー、と答えるロキ。彼女はどうやら桜花には余り興味がないらしい。いや、ロキの場合は美少女好きなだけかも知れないが。アイズはコクリと頷く。

 

「なぁなぁ、命たんはどうやったん?」

「んー、彼女は・・・・・・迷いがあるね。いや、焦ってるのかな?他の二人も焦っているけど、命ちゃんは焦りが動きに出てるよ」

「そうかー、まぁ、それが普通やと思うけどなー。」

 

3人はそうやって会話をしながら妖夢の鍛錬を見学し続ける。後1時間もすればタケミカヅチが妖夢達を迎えに来る筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっ!はっ!・・・あ、俺っす。妖夢です。今は両手剣を振っております。両手剣は止めない様に動かし続ける事がコツだ。1対多数の戦いで最も有効的と考えられていたとか。重いしリーチ長いし動かし続けるなら隙も少ない。アニメとかだと溜め斬りみたいな必殺技が多いけど、神の恩恵とか何かで相当身体能力上げてないとワンテンポ送れるから一般的な兵士は真似しちゃ駄目だぞ?止まっちゃうし。俺との約束だ!

 

「なーなー、妖夢たん。両手剣で何か技は無いんか?」

「およ?」

 

なんだなんだ?ロキとフィン居たのか、全く気が付かなかったぜ。

 

「両手剣の技ですか・・・。色々と有りますが・・・一応燕返しもこの剣で出来ますよ、初動が遅いですし、円運動が刀と勝手が違うので難しいですが。」

 

刀で使う技を他の武器で再現するってのは中々難しい、西洋剣を使う技を刀で再現するのも難しいのだ。そもそも振り方も特徴も全く違うしね。両手剣での燕返しは正確には「出来ない事も無い」って感じだ。両手剣って言うとSAOの技とかあるなぁ。

 

「ほーー、すごいなぁ。じゃあオリジナルの技とかあるんか?」

 

へ?オリジナル?・・・・・・・・・か、考えたことも無かったぜ。そもそも技の数々を完全に再現出来ていない状況で新しい技に浮気だなんて出来ない!とはいえ魅力的な提案だ。戦争遊戯が終わったら完全再現出来ているいくつかの技を改良してみるのも良いかもしれない。

 

「残念ですがオリジナルの技は無いんです、今は知っている技を扱えるように成るので精一杯ですから。」

 

そうかそうか、とロキは頷き俺の頭を撫でる。うむ、なんだか子供扱いされているが仕方ないな、俺、子供だし。ん、タケが来たっぽい?

 

「おーい、桜花ー、命ー、妖夢ー!そろそろ帰るぞー!」「拙者は!?」「お、猿師居たのか。じゃあ帰るぞ」「拙者は拙者の扱いに哀哭を禁じ得ない」

 

アハハ、猿師は本当に元気だな、あれで45歳とは思えない。俺ははーいと返事をして走り出すが、ロキにお礼を言っていない事を思い出しUターン、ロキに抱き着いてお礼をした後、フィンにも同じく礼をしようとしたらとてつもない殺気を感じ、再びUターン。タケの所に逃げるように駆け出す。女とはモンスターよりも恐ろしいのだと、俺はこの時知識だけでなく実体験で知ったのだ。

 

 

 

 

 

 

ホームに帰って来た俺達は早速ご飯の支度を始める、何時もなら賑やかなこの時間は緊張と静寂に包まれている。むむむ、やっぱり好きじゃないなこの雰囲気は。悲しいし、食欲も失せるってもんさ。何か話しをしたいな、何か話題は無いだろうか・・・・・・。

 

「タケ?・・・・・・最近何かいい事って有りましたっけ?」

 

おおぃ、重いよマイボデイ。このタイミングで聞く事じゃないよ。

 

「最近か・・・・・・いや、特に」

 

ですよねー、うわー、何か更に嫌な空気になっちゃったよ俺泣きそう。うわ、やばいぞ体が反応したぞ、これは泣いてしまうパターンですか!?

 

「・・・・・・・・・泣いてるのか?」

 

くっ!おのれ天然ジゴロ!こういう時だけ敏感に反応するのかっ!普段なら気が付かないだろ多分!

 

「こういう時は、気が付くんですね、ヒッグ、普段なら、気が付かないのに・・・ウゥ。」

 

あ、そこ言います?言っちゃいますか。実際タケの前で泣いた事なんて多分1、2回しか無いぞ、タケのお尻ペンペンは痛かったなぁ。

 

「・・・・・・・・・今まで、気が付かなかったのか?俺は。妖夢が泣いていたのに?」

 

ん?いや、気が付いてたぞ?だってタケに尻叩かれて泣いてたし。それで気が付かないならお前は変態だタケミカヅチよ。

 

「悪かった。・・・当然かも知れないな。お前の過去に何があったかは俺にはわからないが・・・・・・俺でそれを埋め合わせる事が少しでも出来るように、俺は努力するよ。」

 

う、うわ、すごい真剣な顔で仰ってらっしゃる。現実逃避しなければ惚れる所だったぜ流石は天然ジゴロ。まぁ流石に惚れるのは嘘だけど。

 

「タケ・・・」

 

え、何この雰囲気、何が始まるんです?こんな人目のある台所で、一体何が始まるんですか!?

 

「なんだ?欲しいものが有るなら言ってくれ」

 

・・・・・・ふぅ、助かったぜ。ええと欲しいものね?欲しいもの。うんうん、早い所話しの起動を逸らさねば。

 

「うーん、じゃあステイタスが欲しいです」

「ハハハ、それは妖夢の努力次第だな」

「ですよねー。」

 

 

 

 

 

「ま、まさか妖夢殿は・・・・・・!そんなぁ、私では・・・ぐ、しかし、いや、でも、うぅ・・・」

 

1人勘違いを起こしている人もいるが気にしてはいけない。




【ベート】

U・д・U「ほんとにやんだろな?」

妖夢「はい!お願いします!」

U・д・U「・・・・・・」

妖夢「ロキにはキチンと了承を得ました!命と桜花も一緒です!」

ティオナ「いよっーし!頑張ろっか!」

アイズ「ししょーの技を、盗む(`・ω・´)」

U´・Д・`U「お、おう。じゃあやるか。」


妖夢「行きます!燕返しっ!」

(U ゚д゚)「いきなりかよっ!?」

アイズ「ーー!」

U・д・U「アイズナイスカバー!」

妖夢「九頭龍閃っ!」

(´°Д°`U)「さらに増えやがった!?」

ティオナ、ティオネ、アイズ「っ!?」

※全員で固まってギリギリガードしています。

妖夢「―零閃!」ハルプ『零閃!』

ティオナ「ふぇあ!?」

妖夢「牙突・六刃」ハルプ「牙突壱式!」命「牙突壱式!」桜花「牙突弐式」

(U^ω^)ビキビキ「こ、こいつらぁ・・・!好きなだけ技ぶっぱなしてくるだけじゃねぇかああああ!」

こんな感じのが丸1日続いたのだと思われます。


遅れてごめんなさいー!


追記

挿絵載せときますねー。くまみこのトレースです。


【挿絵表示】


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。