神機使いだって人である   作:アルバード

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アルバード→ショート、アサルト、タワー


スバル→ショート、スナイパー、シールド




第3話 俺の必殺技

 

アルバード「ビバ☆謹慎解除!」

 

 

 

神機のメンテナンスが終わり、スイーパーブランをベースにしたクレイドル制服を着た白の獣が野に放たれた

 

 

 

 

ヒバリ『今回の任務はヴァジュラの討伐及び周辺の小型アラガミの掃討です』

 

 

 

スバル「了解、じゃあ始めようか」

 

 

 

アルバード「今日はこの四人でお仕事か」

 

 

 

出撃メンバーはスバル、アルバード、シエル、アリサの四名

 

 

 

スバル「俺とアルバードさんで遊撃、アリサさんとシエルで援護、状況に応じて遊撃に変更でいいかな?」

 

 

 

三人「了解」

 

 

アルバード「ま、そんなきつい相手でもねえだろ?死なない程度にやりますかねえ」

 

 

 

アリサ「無茶はしないでくださいね?」

 

 

 

アルバード「善処する」

 

 

 

スバル「シエル、背中は任せたよ」

 

 

 

シエル「絶対に守ってみせます!」

 

 

 

スバル「か…肩の力は抜いてこうね?」

 

 

 

アルバード「と、目標視認。さっさと終わらせようぜ…」

 

 

 

散開の合図と共に臨戦態勢に入る

 

 

 

 

 

 

小型の一掃はすぐに終わった

 

 

そして、戦闘の音を聞きつけた通りすがりのヴァジュラさんとの戦闘に入った

 

 

飛来する雷球をかい潜り、斬りつけていく

 

 

射線を開けるように後退し、銃撃の雨が打ちつける

 

 

 

銃撃が止むとトドメを刺そうとスバルが宙へ舞う

 

 

スバル「一応見せておきます、俺のブラッドアーツ!」

 

 

地に足を着けないまま踊るように連続してヴァジュラを斬り刻む

 

 

 

絶命と同時に捕食を行い、軽やかに地に戻った

 

 

 

スバル「うん、終わったかな」

 

 

 

シエル「隊長、お疲れ様です」

 

 

 

アリサ「ヒバリさん、ヘリの手配お願いします」

 

 

 

ヒバリ『了解しました、しばらくお待ちください』

 

 

 

 

帰投後、ミッションの報酬手続きを終えてラウンジで仕事後ティータイム

 

 

アルバード「で、ブラッドアーツってのはコツとかあんのか?」

 

 

スバル「コツ…ですか」

 

 

アルバード「なんかこう覚える時とかに『くっ…力が!?』みたいなのとかねえのか?」

 

 

スバル「想像が何だか厨…ゲフンゲフン。そうですね、みんな気が付いたら使えてたり、弾の挙動に違和感を感じたりはするみたいですけど」

 

 

アルバード「あんたの時はどうよ?」

 

 

 

スバル「初めて撃った時は無我夢中でした」

 

 

 

アルバード「まあ、難しい事考えるよりまずは色々やってみるか」

 

 

 

スバル「うん、頑張ろう」

 

 

 

時は流れ一週間後…

 

 

 

アルバード「一向に変化がねええええorz!!」

 

 

二人の仲も大分打ち解け、出動回数もかなりこなしたはずなのだが

 

 

喚起による血の目覚めはその兆しですら拝めずにいた

 

 

 

そんなある日

 

 

アルバード「なんか足りてねえのかな?」

 

 

スバル「そうですね、カノンさんもそこまでかかりませんでしたし」

 

 

アルバード「そんなバナナorz」

 

 

スバル「あ、でもどっかの誰かさんはぶん殴られて覚醒したような(チラっ」

 

 

 

アルバード「ワハハ、ぬかしおる。ヒバリ嬢、ミッションの発注頼めるか?」

 

 

 

ヒバリ「はい、少々お待ちください。…アリサさん!?どうかしましたか!?新手のアラガミ!?そんな…当該区域に他のオラクル反応は無かったはずなのに…!」

 

 

 

ヒバリは凄まじい剣幕で被害状況や他の隊への救援をいれた

 

 

 

アルバード「ヒバリ嬢、何があった?」

 

 

 

ヒバリ「はい、帰投準備に入っていたアリサさんと第一部隊三名がハンニバル神速種に奇襲を受けコウタ隊長が負傷。今近くの区域にいた神機使いに救援を出しました。全員生存していますが予断を許さない状況です」

 

 

 

アルバード「わかった、その救援俺も向かう」

 

 

 

スバル「俺も行かせてください」

 

 

ヒバリ「…みなさんをお願いします」

 

 

アルバード「必ず」

 

 

 

時は飛ばし、目的地上空

 

 

ヘリから廃墟と化した市街地を見下ろす

 

 

アルバード「交戦している…?」

 

 

先に到着したと思われる部隊がすでに交戦を始めていた

 

 

 

アルバード「遠くてよく見えねえな…、よっと」

 

 

 

スバル「えっ?」

 

 

 

パイロット「え?」

 

 

 

かなりの高度があるはずなのに神機を担いで飛び降りた飛び降りた

 

 

いくら神機使いとはいえかなり危険な行為だ

 

 

スバル「無茶苦茶だ…!すみません、そこのビルの上にお願いします!」

 

 

 

 

アルバード「お、見えてきた」

 

 

 

時を少し戻し地上の状況は…

 

 

ジュリウス『こちらブラッド隊のジュリウス・ヴィスコンティ、救援に来ました』

 

 

 

アリサ「救援感謝します、できる限りこちらもバックアップに向かいます」

 

 

 

ジュリウス『無理は禁物です、こちらの処理が終わるまで待っていてください』

 

 

 

アリサ「いえ、難しそうですね。場所を嗅ぎつけられたみたいです。退路確保のためハンニバルの誘導を行います。…この地点までお願いできますか」

 

 

 

ジュリウス『わかりました、すぐに向かいます』

 

 

通信が切れる

 

 

コウタ「わるい、迷惑かけちゃったな」

 

 

 

コウタは利き腕を負傷していて簡単な応急処置が施されている

 

 

 

アリサ「無茶なところがリーダーに似てきましたね、コウタ」

 

 

 

コウタ「行くのか?」

 

 

 

アリサは神機を握りしめ立ち上がった。かすかにハンニバルの足音が聞こえる

 

 

 

エリナ「アリサさん、わたしも行きます!」

 

 

 

アリサ「いえ、コウタを安全に移動させるために二人は残っていてください」

 

 

 

エミール「くっ、先輩とはいえ女性を一人戦場へ向かわせるなど…!」

 

 

 

コウタ「こういう時に使うもんだったっけな。アリサ、第一部隊隊員への命令覚えてるか?」

 

 

 

アリサ「『命令は三つ、死ぬな』」

 

 

 

コウタ「『死にそうになったら逃げろ』」

 

 

 

アリサ「『そんでもって隠れろ』」

 

 

 

コウタ「『運が良ければ不意を突いてぶっ殺せ』」

 

 

 

エリナ「あれ、それって四つじゃ」

 

 

 

コウタ「真面目なツッコミありがとう」

 

 

 

エリナ「でも…それでもダメな時は…?」

 

 

 

アリサ・コウタ「『生きる事から逃げるな』」

 

 

 

アリサ「では、行きます!」

 

 

 

それから、威嚇射撃を繰り返し注意を引くように目的の地点へと到着

 

 

 

ブラッド隊と合流し交戦を開始する

 

 

 

アリサ「やっぱりはやい…!」

 

 

 

ナナ「うう〜全然当たらないよー」

 

 

 

ギルバート「ブラッドアーツもまともにあたりゃしねえ…!」

 

 

 

リヴィ「小回りのきく攻撃も威力が足りない…」

 

 

 

シエル「流石に狙いが定まりません!」

 

 

 

ロミオ「あいつだったらこんなとき…」

 

 

 

一同は神速種に対して苦戦を強いられていた

 

 

 

アリサ「しまっ…!!」

 

 

 

変形の一瞬で不意に距離を詰められ、振り下ろされたハンニバルの右腕が確実にとらえたその瞬間

 

 

 

 

アルバード「おらよ!」

 

 

右腕は弾かれハンニバルの悲鳴にも似た叫び声をあげる

 

 

 

数秒経ってドスンと鈍い音を立ててハンニバルの角が落ちてきた

 

 

アルバード「あれ?頭斬り落とすつもりだったんだが、狙撃でずれたか…なっ!」

 

 

 

防げなければ後ろに立つアリサもろとも薙ぎ払っていたであろう尻尾の鞭をタワーシールドで受け止める

 

 

アルバード「アリサ、ちょっと下がってろ」

 

 

 

すかさず捕食形態でハンニバルの腹に噛み付く

 

 

 

アルバード「せええええのおおおお!!!」

 

 

 

地面に足をめり込ませながらもハンニバルを上空へと投げ飛ばす

 

 

 

アルバード「てめえの女に手ぇ出したんだ、タダで済むと思うなよ!!」

 

 

 

その場にいる全員がそれを目撃した

 

 

 

それは確かにブラッドアーツだった、しかしそれは今まで見たどのブラッドアーツよりも…

 

 

 

黒、漆黒のブラッドアーツだった

 

 

 

アルバード本人もちらりと手元を見て理解した

 

 

 

アルバード「これが俺の…丁度良い、名前を思い付いた。俺の必殺技パート1」

 

 

 

ハンニバルのボルカノピノムに似たそれをこう名付けた

 

 

 

アルバード「ブラック・レイジ!!!」

 

 

 

放たれた黒い槍は宙に舞うハンニバルを貫き空中で霧散した

 

 

ロミオ「すっげー…」

 

 

 

凄まじい出来事に周りは唖然としていた

 

 

スバル「凄いな、あれがあの人のブラッドアーツか。ヒバリさん目標の討伐を確認ヘリの手配をお願いします」

 

 

10キロ離れた地点のビルから様子を見ていたスバル

 

 

 

改めて第一部隊『元』隊長の強さを知った

 

 

アルバード「あー、ダメだもう寝る…」

 

 

 

糸が切れたかのように仰向けに倒れて眠ってしまう

 

 

 

アリサ「もう、リーダーは…また無茶して」

 

 

 

シエル「ジュリウス、隊長がヘリの手配を済ませたそうです」

 

 

 

ジュリウス「そうか、では他と合流し次第すぐに帰投ポイントへ向かおう」

 

 

 

 

第一部隊、ブラッド、クレイドル。どこの隊からも死者を出さず、さらにアルバードのブラッドアーツ習得を成し遂げ、無事に帰還した

 




スバル「出番が思ったより少なかったんだが


作者「反省はしている、後悔はしてない

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