とある愚兄賢妹の物語 作:夜草
閑話 常盤台今昔物語
常盤台女子寮 詩歌と陽菜の部屋
「詩歌っち。下剋上だよ、下剋上」
朝の日課をしている詩歌を見て、陽菜が言った。
現在時刻は7時。
そして、今日は、ちょうど9時に常盤台中学入学式が始まる。
「今日からここに新入生がやってくるだろ? だからさ、あの寮監に1年前の雪辱を晴らして、誰がこの寮の支配者か、右も左も分からない新入生に叩き込んでやるんだよ」
何だかまた訳の分からない悪友の言葉に、呆れて、がくっと肩を落として脱力してしまう。
強者を見たら勝負を挑まずにはいられない彼女は1年前、ここの寮監に喧嘩を売って、華々しく散った経歴の持ち主。
あれから、彼女には大人しく従っていたようだが、内心では反骨精神がむくむくと、芽を出し、根を張り、花を咲かせるまで成長していたようだ。
「詩歌っち、聞いてる?」
「はい、聞いてますよ。少し、これをどうしようかと頭が痛いだけです」
「はっはっはー、心配はいらないよ。大丈夫。ウチらの友情パワーならあの鬼の寮監からも1本取れる」
「さて、鬼塚陽菜との同室解除の契約書はどこかな、と」
「え!? 何やってんの、詩歌っち!? 私と3年間、常盤台で頑張ろうね、ってあの時約束したじゃん! 私達2人で常盤台のてっぺんを取ろうって!」
「そんなの初めて聞きましたよ。というか、何で私が、陽菜さんに協力しなきゃいけないんですか? やるなら1人で死んでください」
「ひどっ!? 親友に対してその言葉は酷いよ! 普通、ここは固く握手を交わす所でしょ!!」
「えっと、鬼塚さん。この同室契約解除の契約書にサインを」
「え、呼び名がランクダウンしてんだけど。て、コレ本物!? 私達のあの熱い友情はどこへいった!?」
朝からハイテンション過ぎる陽菜だが、ルームメイトの辛辣な言葉がグサグサと突き刺さる。
おかげで、ようやくテンションメーターが±0に近くなったが、これ以上、追い詰めると泣きそうだからやめておこう。
閑話休題
「……で、陽菜さん。今日から先輩らしく威厳のある態度を取ろうとしているのは分かりますが、もう少し穏便な方法な考え付かなかったんですか? ただでさえ、問題児として、学校から目を付けられているのに。これ以上は、流石に私も庇いきれませんよ」
「ちゃんと感謝してるよ。詩歌っちがいなかったら、私、常盤台じゃやっていけなかった……」
しんみりと声のトーンを落とす。
ここ常盤台中学の入学条件は、最低でもLevel3以上。
今こそLevel4だが、詩歌と付き合う前はLevel0だった。
「それは陽菜さんの努力があったからこそ、芽吹いたものです。私はそのお手伝いをしたに過ぎません」
上条詩歌の<幻想投影>は、その力を感じ取り、理解し、投影する。
その力を、能力開発に用いるというのは効果的だった。
自分の何が悪いのかさえ分からない。
辛うじて、力を感じ取る事ができても、それをどのように演算して操ればいいのか、見当もつかなかった。
そうした悩みに、詩歌は的確に助言を与えて、導いてくれる。
「うん。だからさ、一緒に寮監をコテンパンにしてやろうよ」
前言撤回。
何故、こうなった。
ひょっとして間違った方向に誘導してしまったのか。
ピキッ、と笑顔を固まらせながら、詩歌は真剣に悩む。
「陽菜さん。今、私が誰に弟子入りしているか、覚えてますか?」
幼子に言い聞かすように、ゆっくりと、丁寧な口調。
馬鹿な子ほど可愛いとは思うが、流石に大馬鹿すぎると面倒は見切れない。
「え、寮監だろ? 詩歌っち、元々才能はある方だと思ってたけど、あの鬼の寮監の虎の穴を経験してからぐんっ、と強くなったね。流石、私の
「それはそれは、どうもありがとうございます。で、何でその私が、陽菜さんと一緒に師匠を倒さなくてはいけないんですか?」
「そんなの決まってんじゃん」
全く詩歌っちは分かってないな~、と陽菜は両肩をすくめ、今度は逆に詩歌に言い聞かせるように、
「いいかい。師匠を超えてこそ最大の師匠孝行だよ。でも、詩歌っち1人じゃまだまだ太刀打ちできそうにないから、この親友の私が協力してあげようという訳。詩歌っちは寮監に恩返しができて、私も鬱憤が晴らせる。一石二鳥のグットアイデアでしょ」
「わぁーー♪ なるほど! それは納得です」
詩歌はにっこりと両手を合わせて微笑む(ただし、目は全く笑っていなかった)。
陽菜はそれに気を良くしたのか、ふふん、と、
「でさ、今日、学生寮の歓迎会があるじゃん。だからさ、この覆面コスチュームに身を包んで、歓迎イベントの一環として、会の途中に殴りこんで2人で一気に寮監を仕留めるんだよ。それで、まずはフォーメーションなんだけど、私が………」
「はいはい。では、そろそろ時間ですので失礼しますね」
と、自信満々に寮監討伐計画を語っていた陽菜だが、詩歌は形だけで全く耳を傾けておらず、その間にとっとと準備を終わらせると支度を終わらせて、扉に手を掛けていた。
「え!? 待って、まだ話が――――って、待ってよ。置いてかないでぇ~」
外に出る直前に聞こえた台詞も、無視して詩歌はばったりと戸を閉めた。
道中
ぽかぽかとした陽気。
斜めにさす陽光からして、色が違う。
そして、青く澄み渡る空に、桃色の破片が舞っていた。
そう、桜である。
きっと近くの公園からここまで流れてきたのだろう。
きらめく春の光を浴びて、花弁はますます鮮やかに世界を染め上げる。
まるで、道行く学生達を祝福するかのように、春の光と風は実に楽しそうに吹き抜けていく。
……おそらく陽菜も、この春の陽気に思わず寝言を吐いてしまったのだ、と信じたい。
「本当に、綺麗」
入学式。
1年前、詩歌は新天地へ心を躍らせていた。
そして、今日、去年の自分と同じように新たな後輩達が、そして、妹のような幼馴染がここへやってくる。
これからの日々が非常に楽しみであると同時に、先輩として、姉として、ますます気が引き締められる。
「詩歌はいつも幸せそうだな」
隣で、同じ常盤台の制服を着た女子学生が口にした。
「ふふふ、だってこんなにも綺麗なんですよ」
「でも、詩歌のように感情豊かな子はそうそういない。覚えているかは分からないけど、去年の頃も、丁度この辺りで『本当に、綺麗』って言っていたよ」
と言いつつも、その女子生徒もこの桃色の花弁と、陽光の破片との、鮮やかなワルツに目を細める。
背は詩歌よりも少し高く、体型はすらりと細く、顔の輪郭は顎に向かってすっきりしている。
イタリア人とのハーフで、その長い髪は、白金のように鮮やかで、瞳は
常盤台中学の高嶺の花らしく気品漂う知的な顔立ちの美人だが、キツい印象は全くなく、かと言って、華やかすぎて逆に近寄りがたい印象もない、夜を照らす月明かりのように穏やかな雰囲気を身に纏っている。
彼女は、真浄アリサ。
上条詩歌の1つ上の先輩で、常盤台中学でも珍しい<原石>――天然の能力者でLevelは4。
父親が十字教の神父で、彼女もまた、この<学舎の園>ではやや排他的な宗教を中心とした『派閥』を作り上げた開拓者。
そして、一般的に無宗教の詩歌とも仲が良く、ある能力に関連する器具の共同開発者でもある。
「それで、今朝はどうしたんだ? 何やら騒がしかったけど」
「ああ、聞こえてたんですか。お恥ずかしい」
詩歌は頬を掻く。
アリサは、詩歌と陽菜の隣の部屋で、今朝の騒ぎも聞こえていたらしい。
いや、もしかすると“見えていた”のかもしれない。
「という事は、また鬼塚と喧嘩でもしたのか? 君達は本当に仲が良いな」
「いえ、喧嘩じゃないんですけど。意見の食い違いがありまして」
この落ち着いた大人の先輩を、ルームメイトは少しでも見習ってほしいと詩歌は思う。
「でも、最近、彼女、寂しそうだったよ。きっと、詩歌がこの頃構ってあげてなかったからじゃないかな?」
「そうでしょうか? 確かに、ここの所、陽菜さんと遊ぶ機会はありませんでしたけど」
詩歌が初めて、陽菜との肉弾戦による喧嘩で一本取って以来、放課後の付き合いはない。
だが、寂しいから、なんてそんな殊勝な態度を陽菜が取るとは思えない。
でも、アリサの言う通り、ここ最近、陽菜との付き合いが悪かったのも事実。
「わかりました。今日の放課後にでも誘ってみます」
「そうだね。それがいい。私は精々止めることしかできないし、常盤台でも彼女とまともにぶつかりあえるのは詩歌くらいしかいないのだから」
現時点で、最強の火炎系能力者の陽菜のパワーに匹敵するものはおらず、測定の時でも1人だけ個別に分けられている。
アリサも陽菜と同じLevel4だが、余り戦闘向きの能力ではなく、ぶつかり合って発散させる事は出来ない。
「それも今日までの話ですよ、アリサさん」
詩歌は絶対に揺るぎない自身に満ち溢れた笑みを浮かべる。
今日は入学式。
詩歌の自慢の妹がやってくる。
そして、それを見てアリサも悟ったのか、くすっ、と笑みを零す。
「そうか、今日から詩歌の幼馴染が常盤台にやってくるんだったな。学園都市最強の電撃姫の御坂美琴が」
今年、常盤台中学は学園都市に7人いるとされる能力者達の頂点、Level5が“2人”も獲得した。
これで常盤台中学も5本の指の中でもグッと格が上がるだろう。
その
Level1からLevel5になった努力家で、学園都市の教師達が、学生達のお手本としている能力者だ。
「ええ。ここ最近は反抗期なのか、中々『お姉ちゃん』とは呼んでくれなくなりましたけど、それでも私の可愛い妹ですからね! 今日はとっても楽しみです!」
そして、詩歌にとってみれば、ここに来る前から面倒を見ていた妹でもある。
先日も、美琴の母――美鈴から娘をよろしく頼む、とお願いされている。
小学校は別だったが、その分、中学校ではあれこれと世話を焼こう、と詩歌はメラメラと闘志を燃やしている。
「そうだな。私も楽しみだよ」
御坂美琴の噂は聞いていた。
他と比較できない、その圧倒的な能力の高さ故に人の輪の中に入る事の出来ない神童である、と。
神の愛は誰に対しても平等である、と父から教えられ、誰に対しても平等に接するという理念を掲げているアリサからすれば、孤立している美琴を可哀そうであると思っていたのだが、
「はい。美琴さんはちょっと気が強いかもしれないですけど、とっても優しくて良い子です」
その時の詩歌の顔はアリサの目から見て、本当に輝いていた。
あの神童を、本気で普通の女の子だ、と。
美琴以外にも、あの常盤台きっての問題児とも言える陽菜に対して真っ向からぶつかり合える。
『派閥』に何度か誘っても良い返事を得られた事はないが、きっと彼女のようなものこそ聖母だというのだろう。
だから、自分もあの時、彼女の顔から目が離せなかったのかもしれない。
「全く、詩歌はいつも幸せそうに笑うんだな」
「ふふふ、そういうアリサさんだって笑ってますよ」
太陽のように温かく、月のように穏やかに、少女達が笑い合うだけで、その風景は銀幕の1シーンのようだ。
しかし。
「お―――ぅおおおおおぉぉおっ!?」
その後ろから、いや、真上から
「詩歌っち受け止めて~~~っ!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『……アリサさん、大丈夫ですか?』
『ああ、大丈夫だ。それよりも……』
『詩歌っち酷いよ! 私を受け止めてくれたと思ったら、そのまま投げ飛ばすなんて!』
『あのねぇ、陽菜さん。朝っぱらから余計なエネルギーを使わせないでください』
『詩歌っちが悪いんだよ! 私を置いてったりするから! まだ話してる途中だったのに!』
『あんなくだらない計画に耳を傾ける筈がないでしょう。って言うか、アレは本気だったんですか!?』
『本気も本気。ほら、ちゃんと覆面もここに。ウチらの友情タッグなら寮監も倒せる』
『どうやら、余程強く頭を打ったようですね。もう1度、投げ飛ばしてあげますからこっちへ来て下さい』
『はっ! 詩歌っちは結構強くなったけど、まだまだ私には届かないよ――――っと、真浄先輩、おはようございます』
『おはよう、鬼塚。君は相変わらず騒がしいな』
遠くで、常盤台中学の制服を着た女子学生達が騒いでいる。
今日から自分の『先輩』となる人達だ。
燃え盛る炎のように荒々しい先輩。
天上に浮かぶ月のように全てを見通している先輩。
そして、全てを包み込む太陽のような先輩。
「うふふ、これは学校生活が楽しみねぇ」
少女は、にやり、と。
とても上品極まるの笑みを浮かべるとその場を立ち去った。
常盤台中学
常盤台中学。
学園都市名門校、5本の指の1つ。
最低でもLevel3以上という厳しい基準をクリアした者達が集うこの学び舎の格は高く、無事に卒業すれば、その時点で世界に通用する人材だと認められる。
今日は、その将来、世界を担うであろう卵達がここの一員となる入学式。
さらに、今年はLevel5が2人も入学するため、例年よりも一層、厳粛な儀式と化していた。
そして、これから始まるのは……
『新入生代表の言葉。新入生代表、御坂美琴』
「はいっ!」
アナウンスが流れ、名前を呼ばれた御坂美琴は勢いよく立ち上がると、背筋を真っ直ぐに伸ばしながら壇上へ昇っていく。
教壇の前に立ち、一礼すると、そこから全校生徒の顔を見渡すと、幼馴染――上条詩歌と視線が合う。
(詩歌さん……)
詩歌は美琴の雄姿を見て、微笑むと小さく頷く。
美琴はそれを万感の思いで見つめていた。
彼女は『一緒の学校に通いたい』という自分との約束を守って、この常盤台中学へと進学し、自分がやってくるまでの1年間待っていてくれた。
だから、この常盤台中学がどんなに厳しい試験であろうと落ちるなんて許されなかった。
そのため、この1年、美琴は己の才を磨き続けた。
結果、学校からはより一層孤立してしまったが、無事、トップで試験を突破し、『新入生代表』としてこの場に立つ事になった。
今、ここにいる全員は代表を務める美琴の言葉が待っている。
しかし、美琴は、一呼吸だけ、この感動を呑み込む為に間を置いた。
ここにいる誰よりも尊敬する姉の前で、涙を零して恥を晒す訳にはいかない。
心配させないよう、堂々と、この任を務める。
「新入生代表。御坂美琴―――――」
常盤台女子寮 食堂
格式高い常盤台女子寮の大食堂のあちこちで、何百人もの女子生徒が歓談に興じ、その様子を寮監が遠くから見守っている。
中央は新入生歓迎会用に、広く空けられ、壁際にはビュッフェ形式の料理が華麗に銀食器で飾った食卓に並べられ、上品な香りを立ている。
そして、所々に、白く清潔なクロスのかかった丸テーブルが並べられ、高価なグラスに入れられたソフトドリンクが用意されている。
と、その一角で、
「――――美琴さん、立派でしたよ~~!!」
ぎゅうううううっ~~、と。
可愛い自慢の幼馴染の顔をその豊満な胸に埋める。
「し、詩歌さん!? やめてください!」
「駄目です! ここ最近、美琴さんから『お姉ちゃん』って、言ってもらえなくて寂しかったんだから! それを埋め合わせするまでは、ずっとこのままです!」
「ちょ、私、もう小学生じゃないんですからこういうのは…!?」
「悲しいです。美琴さんが反抗期になるなんて。このままだとあまりの寂しさに凍えてしまいそうです。温めてください」
何て無茶な、と美琴は思うが詩歌の為すがままにされてしまう。
入学式での新入生代表としての凛とした面影はなく、人の輪の中に入れない神童というような雰囲気はなく、今の美琴は本当にただの女の子だった。
今も詩歌に猫っ可愛がりされて照れ隠しで暴れているが、猫でいえば甘噛み程度でしかない。
そこへ、くすくす、と苦笑しながら、近づいてくる足音。
「その辺にしておきなさい、詩歌」
歩いてきたのは、真浄アリサ。
おかげで、詩歌の拘束が緩んだものの他人に見られたのが恥ずかしいのか、ますます美琴はうろたえる。
詩歌はそんな事にお構いなく、
「紹介します。真浄アリサさん、私が常盤台中学に入った時、大変お世話になった先輩です」
「私はただルールやマナー、この学園の流儀を教えただけで、逆に詩歌には世話になっていると思うけどね」
未だに美琴の顔が赤いが、気を使ったのか、その事に気づかぬ振りをし、微笑を浮かべる。
「初めまして、詩歌の幼馴染の御坂美琴さんだね。君の話は良く聞いてる」
華麗な、と形容できそうな一礼をして、美琴に手を差し出し、握手する。
「はい、よろしくお願いします、真浄先輩」
美琴も幾分か落ち着きを取り戻したのか、彼女に合わせて礼をする。
そして、顔を上げて気付く。
アリサの瞳。
深く呑み込まれそうな蒼氷色。
美琴が今まで見てきたどんな青よりも鮮やかで、深みのある色だった。
それに、思わず、
「きれい……」
ポツリ、と声を漏らす。
アリサは美琴の視線にあるものに気付き、くすり、と笑みを零す。
「同じ反応をするんだな。昔、詩歌もそう言って……ふふっ、互いにお見合いになったまま固まってしまったよ」
固まる?
一体、どういう事?
美琴は頭を捻る。
詩歌もその時の事を思い出したのか、声を押し殺しながら笑い始め、次第に2人の笑いは大きくなり、終いには腹を抱えて笑った。
「それってどういう事ですか?」
と、その時――――
「寮監! 今日こそは昨年の雪辱を晴らさせてもらう!」
――――<鬼火>――鬼塚陽菜、降臨。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日1日だけだが、寮内で能力の使用が解禁される。
新入生達が、その能力を発揮させることで親睦を深め易くするためだ。
そして、それと同時に、常盤台中学に来る前はエリートだった新入生達に、先輩達との格の差を思い知らせる為。
つまり、これからの学園生活を円滑にするために一夜限り、無礼講が許されるのだ。
「んー、今後の為にぃ、色々と戦力分析しときたいなぁー」
Level5――黄金新人の内の1人、<心理掌握>――食蜂操祈は妖艶に微笑みながら持ち歩いているバックからリモコンを取り出すと、
「今日は無礼講~♪ だ・か・ら――――ちょっとくらいハメを外しても構わないよねぇ?」
つづく