神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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let's 影踏み!


第62話---誰?

『降りてこいコラぁぁ!!!ぶっ殺してやる、お前!!』

ビルのモニターに映っているのは、激昂している高畑 瞬!!あいつらはかみまろの事を知っていたのかいなかったのかはこの際いい。重要なのは、今モニターに映っている所に高畑がいる、という事だ!

「行くぞ、イッセー!」「おお!」

俺達は映っている場所に向かう。カミーズフォンにターゲットの場所が記されているから、迷わず行くことができた。

長い階段を登った先、すぐ近くに高畑はいた。周りにいるのは、カミから見せられた他の最初の神の子か?まぁいい。

彼らは皆、上……かみまろを向いている。今なら、踏める…!!

 

(………………今だ!!)

俺は高畑の影に突っ込む!それと同時に明石も突っ込んだ!

あと50cm……20cm……5cm……

 

踏んだ!!

(って……うおっ!?)

高畑の影に俺の身体が沈む!?またか!?

俺と明石はそのまま影に沈んだ。また周りは暗闇。しかし、その中で2つ、光が見えた。あれは……俺と明石のカミーズフォン!

『影の開通完了ダ!これで高畑 瞬の影は、最終決戦のドアとナル!準備は整ッタ!カミングスーン!』

準備が整った……か。本来なら俺達は、生き残った神の子達と戦うんだろうが、俺はわかった。神の子(あいつら)は敵じゃない。俺達と同じ理由で生きる、戦友なんだ。

高畑 瞬は本気でかみまろを殺そうとしてた。戦ってるのは、俺達だけじゃなかった!!神の子は敵じゃなく、共に戦う希望なんだ!!神の子(あっち)がかみまろを殺してくれるなら……カミーズJr.(こっち)はセイン・カミを殺せばいい!!それで全ては終わる……!!セイン・カミを殺せば!!

 

闇を抜け、クラスハウスに出る!そこに待っていたのは……

 

 

ボロボロの、カミ。

 

 

「「……は?」」

カミは血だらけで、腹部に大きなコンパスと三角定規が刺さっている。服を真っ赤に染めている血は足を伝って床に池を作っている。1番衝撃的なのは、口から頭の後ろに貫通しているえんぴつだ。どういう事だ……カミがもう死んでる……!?

カミが……目だけでこっちを向いた。まだ生きてる!?

「たひゅ……けて……抜いて……」

カミは喋りにくそうに、途切れ途切れに伝える。その後、再び上を向いて、話し始めた。

「ちきしょう……何でだよ……ちゃんと言われた通りにやったじゃん……本に書いてある通りにやったのにぃ……!?何で、こんな事……かみまろの命令でやったのぉ……!?

 

あ……やめて……

お姉ちゃ 『ドッ』

 

カミの顔面に、突如何かが降ってきた!?何だこれ……えんぴつ!?さっきカミの口を貫通していたえんぴつの、その更に10数倍はある極太のえんぴつが降ってきた!?

 

「かみまろはカンケーないの!アンタのゲームつまんないから、もぉ、マナがやっちゃうの!」

えんぴつの上から、声が聞こえる。俺がそちらを向くと、そこにいたのは、顔がへのへのもへじの巨大案山子!このえんぴつは、案山子の下半身だったのか!?

そして、その方に1人の少女が乗っている。

「……マナ?」

「私の名前だよ。

 

アシッド・マナだよ。ひひぃ♪」

幼い少女の様な見た目をした、異形。アシッド・マナと名乗った者は、更に続ける。

「つまんないから、マナと遊ぼ」

そしてマナは眼を見開く!その瞬間、俺の意識が、艮の時のように急激に遠のいた--

 

 

--ハッ!意識が戻った!俺は思わぬ不意打ちを避けきれなかった事に悔しがりながら、ゆっくりと眼を開ける。そこにいたのは、5人の男女。

「あ、気づいたみたいです」「さっさと起きろ」

 

目の前にいたのは……

 

囚人服の様なボーダーの服を上下で着た、メガネ男子。

大柄だが気弱そうな、前掛けを付けた男子。

ラインの入ったグラサンをかけた、片手にノートパソコンを抱えた男子。

そして!セーターの下に制服を身につけた、正統派美少女。

更に!肩出しセータースカートにハイソックスという出で立ちの、巨乳メガネ美女!両手でカチカチとゲームをしてる!

 

えっと……お前ら、誰?

 

 




影踏みは無事に終了、帰ったら無事じゃないカミ。

そして新たな試練!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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