神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

8 / 171
タイトルそのまんま、ですね。
ついに主人公参戦!…ではないですが、主人公登場です。


第7話---主人公

「…ふぅ」

ふぅ……。

俺、兵藤一誠は今日、学園をサボって親友の松田の家に来ている。今日は年に1度の、ムフフなビデオ鑑賞会だ!最近は悪魔の仕事にいろいろな敵にと大変で、エロどころじゃ無かったし!

それに、こいつらとも全然遊べて無いしな……

 

おっと、しみったれちまった。らしくない。賢者モードにでも入ったかな?

時計を確認するともう朝の10時半、こっちは昨日から興奮しっぱなしで、体力を使っちゃってお腹が空いた。

「おい松田、元浜。今からちょっとコンビニでも行って、飯でも買おうぜ」

「そうだな、そろそろ飯が欲しいところだ」

 

俺達は軽くシャワーを浴び、服を着替えて外に出た。

「おい、あれ見ろよ!」

しばらくして、元浜が少し興奮した声で上を向いて言う。俺も松田もそれに釣られて上を向いた。

空はまだ明るいというのに、流れ星が見える。それも1つではなく、数えきれないくらい沢山……まるで流星群を見ているようだ!

松田も流星群を見て叫ぶ!

「おお、すげぇ!流れ星じゃねえか!しかも多っ!こんな昼間に流れ星を見るとは、ついてるな!これは、俺にもうすぐ彼女が出来るってことの前触れか!?」

 

『そりゃー、ないな』

「んだとコラぁ!」

そこから先は軽い殴りあいになった。日頃食らっているような拳では無く、軽いじゃれあい程度のパンチだった。

いつのまにか、流れ星は全て落ちてしまった。

 

--30分後。

「行きに見た流れ星、綺麗だったよなー。あーあ、あんなケンカしてる間に流れ星に彼女くださいって3回唱えときゃ良かったぜ」

『はっ、その手があったか⁉︎』

「おい、元浜はともかくイッセー!お前は彼女持ちだろうがうらやましい!」

などと馬鹿なことを言いながら行きと違う道で帰路に着く。

「ハッ、もうすぐ学園だ!気をつけて行動するんだ!先公に見つかったら終わりだぞ!」

「俺はロスヴァイセちゃんになら見つかってもいいなぁ」

「俺も俺も」

「おいおい、どうせ捕まったら生徒指導室で野郎にみっちりと……うん?」

学園の中で救急車とパトカーのサイレンが聞こえる。何かあったのか?

「おい、ちょっと学園寄ってみようぜ!」

「は?何言ってんだイッセー…ってちょっと待て!」

何か嫌な予感がした。何かはわからないが、変に心臓が鳴っている。

学園内に入ると、音のした通り、パトカーや救急車が大量にいた。体育館の方でざわざわと声がしている。俺は体育館前にいる警察らしき人に話しかけようとして、声を失った。

体育館は半壊し、しかも血まみれだ。体育館の中からは、超大きい招き猫が顔を出してる。招き猫の手も血で濡れていて、所々焦げ目や濡れた箇所が見える。

そして、その中から、俺のよく知っている奴らが出てきた。救急車に乗っていくのは、駒王(くおう)学園の悪魔の仲間達の姿だった。

「お、おい!小猫ちゃん、木場、朱乃さん!どうしたんだ、何が起こった!」

彼女らは俺の声に反応し振り返ると、眼を見開き、その眼から涙を零した。

「イッセー君、君は生きていたのか!」「先輩!」

生きていた?そんなことを言われても何のことかさっぱりわからない。

「な、何があった。そういえばアーシアは?ゼノヴィアとかイリナとかレイヴェルとか……ギャー助とかロスヴァイセさんとかアザゼル先生とかは?」

尋ねても、彼女達は何も答えない。ただ、顔を暗くしただけだ。

「そ、それじゃあ、部長は……リアスは⁉︎」

その問いに朱乃さんが、枯れた声で答えてくれた。

「リアスは……彼女は私達の教室にいますわ、ただ……うっ、あああああ!?」

朱乃さんが急に叫び出した!?それを見ていた救急隊員が慌てて彼女達を救急車の中に押し込んだ。俺は、後ろで体育館を見て唖然としている松田と元浜を置いて、教室塔に入っていく。

 

階段がひたすら長く感じる。なぜか途中で息切れをした。昨日の夜に体力を使い果たしたか?さっきケンカしたせいか?それとも……身体が先に進みたくないと言ってるのか?

そんなことを考えながら階段を1段飛ばしで登る。3階に着いた。朱乃さん、そして最愛の彼女のクラスに向かう。

 

リアスのクラス、そこにあったのは沢山の死体。

そしてその中に彼女はゆったりと寝かされていた。

最初、俺は何が目の前にあるのか分からず、彼女に必死に近づき、抱きしめた。彼女の身体はただひたすら、冷たかった。よく見ると、彼女の素敵なおっぱいの間には、拳1個分くらいの穴があった。

「うそ……だろ、リアス、ハハ、そうだ、これはウソだ!俺は騙されないぞ!ハハ……」

現実逃避をいくらしたって、俺の腕の中の彼女はピクリとも動かず、一言も発しない。

俺は腕の中の彼女をさらに強く抱きしめ、雄叫ぶように激しく声をあげて泣いた-

 




イッセー君、初登場にしていきなりの大ダメージ。
このイッセー君は果たして大丈夫なのか?書いていて自分でも不安になってます。匙くんみたいに覚醒してくれることを祈るしかない!ていうか、そうするしかない!

次回から新章突入!ただし、壱章も続く!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。