神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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それぞれの戦況が大きく動く!


第47話---ライマジャラ

〜桃太郎チーム〜

 

「……いないな……」

鬼ヶ島の森の中、そこで早1時間。昨日は開始数秒で現れた桃太郎達が全然出てこない。

「犬の死にビビって逃げたのか?『サレ』!!」

木の上から何かがこちらに向かってきた!俺と丑三が前転し、残りが後ろに逃げると、俺達がいた場所には拳によるクレーターができていた!うお、やっぱり強いぞ、コイツ!

 

「……俺に任せな、メーン♪」

光圀は体勢を立て直すと、猿と向き合う。

「アーユーレディ?短気な(タンキー)お猿ちゃん(モンキーベイビー)?」

 

『サレ』

猿の肩が盛り上がる。そしてそこから……手が更に2本生えた!

猿は光圀に飛びかかる!だけど光圀には『戯』がある!

 

「お!!すげー、手ぇ4本じゃん!!

 

でも時代遅れの『クソザル文明』♪てめぇはここで『くたばる運命』♪

『冥土の土産(みやげ)』に『冷度の調べ』だ!

光圀プレゼンツヒウィゴーナウ!!

 

1&2&3&4(for) you!!」

 

光圀のライムによって出てきたつららが猿の4本の腕を木の幹にはりつけにする!

「よし!いくぜTODOME!!」

光圀はマイクを強く握りしめ、空気を大きく吸い……

 

『ケーン!!』

あ、あれは!

『猿っ、1人じゃ何もできねんだなぁお前はよぉ』

桃太郎が雉に乗ってやってきた!

「HA!まとめて仕留めてやんYO!」と息巻く光圀の言葉に耳を貸さず、桃太郎は腰につけている袋を掴み、中を漁る!

『食え』

桃太郎はその袋の中の物を猿に向かって投げる!猿ははりつけのまま口を開け、それが来るのを待っている!

 

「オラァ!!」

まぁ、食べさせる訳ないけど。

俺は拳で桃太郎が投げた物を粉砕した!

「突然出てきた『助太刀(すけだち)』♪猿と仲良し『友達』?

だけど結局『もうじき』♪纏めて俺の、『戯』の『餌食』!」

光圀は更に4発のつららを放つ!今度は桃太郎の方に飛んでったつららは雉の右翼、そして桃太郎の持っていた袋に命中した!

『……ちっ、「奇火団子(きびだんご)」がほとんど潰れたか。お供は常に3体にしときたいのに、このままじゃ1体になっちまうじゃねえか……雉を使っとくか』

そう言うと桃太郎は腰に下げた別の袋を手に持つ。中から取り出した物を、今度は雉に食わせた!

『ほれ、機美団子(きびだんご)だ』

食べた雉は、身体を変形させる!鳥頭にムキムキな身体という見た目からロボットのような機械的な姿に変身した!

()ぃ』

短めの掛け声と共に、雉の翼だったところから出てきたのは……大量のミサイル!

 

「な、」「やべ、」

ドォンと音が響く。視界が悪い。

「み、みんな無事か!?」

俺がそう聞くが反応は無い。その代わり、2つの影が爆煙から飛び出す。

「丑三!?」

意識を失った風に見える丑三が、雉に連れ去られていく!まずい!と思ったその時、

「やめろぉ!離せぇ!!」「!?紫村!?」

紫村が丑三を連れて行かせまいと、胴を掴む!だがしかし……

 

「あぁあああ!!」『ケーン!』

紫村ごと雉は丑三を連れ去ってしまった!

 

『ほれ、最後の奇火団子(きびだんご)だ。食え』

『サレ』

ボワァ!と猿の腕が燃え盛る!目を離した隙に、猿の強化時間を与えてしまったか!?

何かを食べた猿はそのまま全身から炎を出し、『ライマジャラ』のつららを溶かした!

「へ……ヘイYO!

『絶体絶命』♪『ヤッバイですねー』♪

苦し紛れの『リリック』♪

きっとサルへと『届っく』♪メーン!!」

どうにか無事だったらしい光圀がもう一度つららを放つが、効果が無い!つららが炎で溶けてしまった!!

「……に「逃げろ光圀!!」!」

あ、あれは!?炎の中にナツメグが見える!

 

「私達も後でクラスハウス戻るから!!生きんのよ光圀!」

ナツメグの後ろには……桃太郎が!

『おいおいよそ見かよ。やっちまいな』

その言葉と共に猿の口から炎が吐き出され、ナツメグはそれに飲まれていった……

「……くぅ!!すまねぇ……みんな……!!」

光圀は炎を背にして走り出した。それでいい。今の光圀じゃ助けるどころか死んでしまうだけだ。

 

ただ、俺はどうすればいいんだ!?

俺はおそらくどちらかを助けられる。ただ!

ナツメグと丑三&紫村、どちらを助ければいいんだ!?

 

 

〜金太郎チーム〜

 

『坊……坊!』「うべっ!?」

『よくも坊を!!よくも坊をォ……!!』

ペット(?)は明石の顔を蹴り飛ばすと、金太郎の仇である福満の方に向かう。

 

「おいおい正気か?俺のバッチャジャラを見て、まだ向かってこようとはねぇ……」

その時、明石は寒気を感じた。

「!?……福満!早くそいつを倒せ!」

福満は足の裏でペットを押さえつけている。

『坊ォ!!』と泣く声に向かい福満は自信満々に告げる。

「そんなに好きなら、坊んとこ、今すぐ送ってヤブ!!」

奇妙な声と共に福満は横に吹っ飛び、そのまま森の奥に消えていった。しかしそれはペットのせいでは無い。

 

「!?ゼノヴィアさん!?何を!」

「福満を回収して逃げるぞ!」

そう言うと福満にタックルをはなったゼノヴィアは福満を追って森の奥に入っていった。明石達も、倒れているペットを振り返って見ながらも、ゼノヴィアの後を追う。

 

『坊ォ……!坊ォ……!ゔぉぉお!ヴォオオオ!!』

20mほど離れた時、森の外からそんな声が聞こえ。

 

森の木の高さを超える程の大きな熊が慟哭している光景が、明石の目に映った--

 

 

 




金太郎チーム、ペットの巨大化で戦いは更に激しく!

そして桃太郎チーム。イッセー君は果たしてどっちを選ぶのか!そして連れ去られた丑三と紫村、炎に包まれたナツメグは無事なのか、光圀は無事に逃げ延びたのか!
そして、イッセー君達の『戯』は発動するのか!?

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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