神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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新しい『戯』!そして戦い!


第46話---バッチャジャラ

--鬼退治2日目。俺達はリビングに集まっていた。

「結局……俺達4人は発動させられなかった…新たに開花したのは光圀と福満、イッセーだけだな」

(あじゃら)』を発動すべく俺達は一晩色々試してみた。その結果2人(・・)が自分の『戯』を発動させられたようだ。

まずは光圀。

「YO、そこで見とけお前ら。これが俺の『戯』だ、オーライ?」

 

♪俺の『ライム』は極上『プライム』

 

♪韻踏んでく『なら』装填だTSU『RARA』

 

光圀が韻を踏むと、『COOL』と言う声と共に空中に氷が生まれる!

「喰らえ俺のライムする『戯』!!『ライマジャラ』だバーン!!」

その声と共に氷の弾丸が空中から噴射し、クラスハウスの壁へと突き刺さった!なかなか攻撃力の高そうな『戯』だ!

「おぉ!」「すげー!かっけぇ!」

 

「次は俺だ!!」

福満も位牌を掴み声に力を込める。

「降臨の呪文は……『ナンモナンモ』!!

 

ばっちゃんの守護(あじゃら)、『バッチャジャラ』!!」

福満の背後に、昨日と同じ死装束のおばあちゃんの姿が浮かぶ!やっぱりあれは『戯』だったのか!

ばっちゃん(これ)は俺のイメージを複写(トレース)する!つまり、俺が思い描けば……」

バッチャジャラが大きく振りかぶり、「うらぁ!!」という福満の声と共にクラスハウスの長机に攻撃した。長机は……真っ二つになっている!

 

「よし、次は俺だ!」

そう言うと俺は大げさにポーズを決める!イメージするのは空孫悟(そらまごさとる)の変身シーンだ!

 

「変身!」

その言葉と共に、俺の身体が赤い鎧に包まれる!

「これが俺の『戯』、『アーマジャラ』だ!」

周りからは歓声が上がる。……ゼノヴィア以外から。

「おい、イッセー。それは……」

俺は慌ててゼノヴィアに近づき、肩を組んでこっそりと話す。

(イッセー、それは『戯』じゃなくて『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』じゃないか?もしかして……部長の死のショックで自分の神滅具(ロンギヌス)まで忘れてしまったのか?)

(違うわ!ここで『戯』って言っておけば、いつでも堂々とこの姿で闘えるだろ!)

(ああ、なるほどね。確かにその通りだ。私の思考が至らなかったようだ、すまない)

 

ゼノヴィアの言った通り、俺の『戯』は『戯』じゃない。結局昨晩はいくら写真を眺めても、何も起こらなかった。その代わりに思いついたのが、この『偽・戯作戦』だ。こうすれば俺が変身しても、誰も疑問に思わないだろう。

 

「これがあれば……奴らにも勝てる!!行けんぞっ!!」

『ウォオオ!!』

 

『鬼退治の時間がやってきました。間もなく(ゲート)が開きます』

よっしゃあ、今度こそ桃太郎をぶっ倒してやる!--

 

〜金太郎チーム〜

 

鬼退治2日目が始まり、大江山の森の中、明石達6人は配置に着いていた。

『いやぁ昨日は調子が悪かったですわー、坊!!』『だー』

『今日こそ殺ったりましょー、坊!!』『あぃー』

 

「……待ち伏せ領域(エリア)に侵入。そっち行くで」

その言葉を聞き、明石達は動く。

『!?』『わ!!』

木の上から飛んだ明石が金太郎を捕まえ、首を絞める!

『なー!ゔー!!らーーー……めっ!!』

金太郎は強引に首絞めを振りほどくと、まさかりを明石の頬にお見舞いした!

『ははー、アホ丸出しが!飛んで火に入る夏の鬼じゃーい!!

 

……!!?なんやこれ……!?紙やん……!?』

金太郎が攻撃した明石は、溶けたように見えた後、バラバラの紙になって地面に落ちた。

 

『あぅ?あ「バッチャジャラぁ!!!」!?』

 

落ちる紙を眺めて首を傾げる金太郎。その不意を打ち、福満のバッチャジャラのパンチが金太郎にヒットする!

『囮……!?ハメられた!!坊ぉ!!「逃がすか」!』

金太郎の方に向かおうとしたペット(?)を、茂みから出てきた本物の明石が捕まえる!

「いけ、福満!!」「いける!!」「いてまえ!!」

 

「うぉおおお!!」『だー!』

まっすぐ近づいていく福満に対し、金太郎はまさかりにくっついた鎖分銅を投げてくる!鎖分銅は福満に絡みついた!

「くっ……何も、これしき!!

 

()()ジャラぁ!!」

バッチャジャラが福満に絡みついた鎖をぶっちぎる!そして!

 

「ナーンモ!!

 

ナンモぉぉおお!!!」

 

福満のイメージにより巨大化したバッチャジャラが金太郎の顔面を粉砕する!!

 

ゴキベキと鈍い音が響き、顔のへこんだ金太郎は仰向けに倒れた。そしてピクリとも動かない。

「お……おお……やった……俺…………」

 

「うぉおおおっしゃあああぁ!!やべーよすげーよ『戯』の力ぁあ!!」

「この試練、勝った!」「やったー!!」

 

興奮する一同。その中でただ1人、いや、1匹。

『坊……坊……』

ペット(?)だけが静かに震えていた。

 




金太郎を倒した明石達!幸先の良いスタートです。残りはペット(?)のみ!
桃太郎サイドはどうなっているか、それは次回!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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