神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「おいコラばけものぉぉ!!!こっちだぁ!!!」
森の中に紫村の声が響く!ヤバい、猿があっちに向かおうとしてる!
「僕の方が弱いぞ……!!!殺しやすいぞぉーーー……!!」
「あ、あいつ何考えて……まさか、囮になる気か!?」
猿が紫村の方を向いた。逆に考えろ。これはチャンスだ!
「オラァ!!」
俺は猿の後頭部にさっきよりも威力を高めたパンチをお見舞いした。今度は猿にも効いたのか、よろけ倒れる。よし、これで紫村も大丈夫だ、と俺は思った。
しかし、
『ケーン!』
「な!?あれはナツメグを追っていた雉!?」
雉も紫村の声を聞き、こちらに戻ってきた!マズい、紫村救出に間に合わない!雉の嘴攻撃が紫村に襲いかかる!
「紫村ぁぁ……!」
「いしぃいいいいい……!!」
紫村は叫ぶ。すると、彼の方から光が発せられた!
『ケーン!』
……!?
次に俺が見たのは、嘴の壊れた雉だった!
雉はどこかに飛んで行ってしまう。俺は紫村がいた所をもう1度見た。そこにいたのは……
大きな石だった。
中央に顔がついている。
何アレ、超シュール。
「紫村、何それ?」「え……何コレぇ……?」
石になった紫村にも、どうしてこうなったのか理解できてないみたいだった。
もしかしてこれが『あじゃら』とかいうやつか?--
--……一方その頃、犬と対峙している丑三。
「明石……本当はお前に見て欲しいぞ!!!」
そう言うと丑三は、噛み付いてきた犬の上顎と下顎を掴む。かなりの力なのか、犬は口を閉じられない!
「俺がコイツに勝つところを!俺の勇姿を!!……でもそれは、今は叶わぬ夢……それでも俺は構わない……NDAAAH!!!」
丑三はそのまま犬の顔面を引き裂いていく!
「だって、後でいっぱい、褒めてもらうもんね!!」
そうやって余裕な丑三だったが、不意にその優勢が崩された。
犬の肩が盛り上がる。そして……新たに肩から犬の顔が2つ現れた!?
「
顎を抑えていた右腕を噛まれ、出血する丑三。しかし彼はその血を目潰しに使い、
「喰らえ……ロリソバ!!」
ローリングソバットをお見舞いする。が、
(
丑三は逃げを選択し、スケボーを抱えて走り出す。
(逃げ切れるか!?アレを相手に……!?いやいや
あれ……?
何で笑ってんの俺?
この感じ……あの時と同じだ……)
「激やばっ……」
生死の狭間だ。
「激ヤバびんびん丸ぅ!!!」
丑三が追いつかれ噛まれそうになった瞬間、辺りが暗くなった。
周りに見えるのは……星?
「ん?あれ?どこだここ……?……あ、もしかして俺、死んだ……?
あーなるほど……星になったんだ。星になれた♪」
辺りに広がる宇宙空間。その中に丑三と犬は浮かんでいた。数え切れないほどの星が1人と1匹を照らす。よく見ると、丑三自身も髪から身体から全てが輝いていた。
「いいね
犬は必死に手足を振るが、動けないようだ。丑三はスケボー……六手進一のスケボーに乗り、宇宙を滑る。
「プラネタリウムのお時間です。
まずはこの星をご覧ください。この儚くも美しく輝く1等星が--……六ちゃんです。
次は優しく強くひときわ周りを照らし続ける星。その名も、明石。
そして最後は、この2つの輝きに追いつかんとする未熟な新星。その星の名は……丑三清志郎」
宇宙空間の中で、3つの星が大きく、強く輝く。丑三はその真ん中に立った。
「この3つを総称して……
愛の大三角と言います」
3つの輝く星からそれぞれビームが放たれ、
犬の3つの首を粉砕した。
「プラネタリウム、『
ご鑑賞ありがとうございました」--
『2時間が経過しました。夜が来る前にクラスハウスに帰りましょう。繰り返します。2時間が経過しました』--
「ん……あれ……夢……?じゃないよな……」
丑三が現実世界で目覚めると、そこには犬の死体があった--
--そして金太郎チームは……
「え!?もう時間切れ!?まだあの子達も鬼も見つけてないのに!?」
「すまない、明石。私が吹っ飛ばしてしまったばかりに……」
ゼノヴィアが吹っ飛ばしてしまった、金太郎の服装の男の子を探しているうちに、2時間が経過してしまったのだった……
謎の力で犬を撃破!そして石になる紫村!
まだまだ『鬼退治』は、『あじゃら』は謎が多い!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!