神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
〜金太郎チーム〜
「ところで、金太郎っていうのはどんな話なんだ?」
ゼノヴィアが他のメンバーに質問する。
「えーっと……まさかり担いだ金太郎がクマと相撲する話?」「鬼退治と関係なくないか?」
「俺は鬼退治の話、知ってるな。うろ覚えでいいなら聞かせるけど」
というわけで、福満の話を聞く。
〜〜〜昔々、ある山近くの村で、一人の男の子が産まれました。その子はスクスクと成長し、熊と相撲を取れるくらいに強くなりました。「熊と!?子供ながらにして、熊と戦うとは、凄いやつだ……神器持ちか?」「いやこれあくまでも逸話だから!」
そして10歳を少し過ぎたある日、山の近くの峠で金太郎はお殿様と出会い、家来になりました。
金太郎、いや、お殿様から新しく名前をもらい改名した坂田金時は、お殿様の元で数々の手柄を立てました。
ある日、丹波国の大江山に人を食べる鬼が出ると聞き、金太郎改め金時は鬼を退治しに行きました。
金時は三日三晩鬼……『酒呑童子』と呼ばれる鬼と戦い、見事鬼を打ち取ったのです。
こうして大江山の周りの人々は喜び、金時は金太郎として昔話になる程名の知れる人になったのです〜〜〜
「なるほど、金太郎ね……まさかり担いだ金太郎……まさかりとは斧の様なものだったよな、ちょうどあんな風な」
ゼノヴィアが前を指差す。明石達もそちらを向くと、
『だーだー』『ここら辺にいるかもしらへんでっせ、坊!』
まさかりを担いで『金』のマークの入ったべべを着ている男の子が、ペット(?)と一緒に歩いてきているのが見えた。
「え……何あれ……?」「金太郎……の服装だよな」
『あ、坊!早速、鬼発見でっせ!!』
ペット(?)のその言葉に、明石達は身構える。まさか、もう近くに鬼が来てるのか?と辺りを注意深く見回す。
『だーだ……あい♪』
辺りを警戒していると、目の前の金太郎?はこちらにまさかりにくっついている鏈分銅を投げてきた。それは、福満の体の中心、胸と腹の間くらいにぶつかった!
「ゔっ!!?かはっ……」
「福満!?」
福満に気を取られている明石達の上から、更に金太郎?の追撃が襲う。金太郎は鏈に引っ張られる様に飛び、明石とやえの上にまさかりを振り下ろす--
「--エクス・デュランダル!」
その少し前に、明石達の上を剣が横薙ぎした。金太郎?は振り下ろそうとしていたまさかりでガードするも、まさかりは砕け、金太郎?自身も山の中へと吹っ飛んでいった。
『……坊?坊!?坊ぅ!?どこ吹っ飛んでますねん、坊っ!?』
ペット(?)は慌てて山の中へと駆けていった。
「何あれ?」「……わからん」
〜桃太郎チーム〜
『イヌゥ!!』
何かムキムキの二足歩行犬とメタボ体型の猿と空飛ぶマッチョマン雉がこっちに向かって来てるんですけど!?
『サレ』
猿の攻撃!その一撃を狙われた丑三は避ける!うわ、後ろの木が粉砕した!
「な……!?あんなん倒せっこなくね!?」「とりあえず2時間逃げ切る事だけ考えて!!バラバラに逃げるよ!!森の中でまく……!!」「OK!!」「わかりました!」
皆は逃げの一択を選んだ。そうだよな、こんなのに勝てる訳ねぇもん……神器あるならともかく。
『BOOST!』
……まだだ、まだ溜めないと。じゃあ、俺が囮もついでに買って出るか。
「1・2・散!!」
俺達はそれぞれ分かれる。あ、紫村が少し遅いか!まずい、犬に追いつかれる!猿も紫村の方へ、雉がナツメグの方へ行った。
俺は慌ててそっちに向かう。とりあえず犬をどこかにやらないと……!?
「BOW♪」
紫村を襲う為に飛び掛った犬は、丑三に阻まれた!丑三はそのまま犬に乗って一匹と一人で崖を落ちて行く!?
「丑三君!?」
紫村が驚く間も無く、猿が紫村を狙う。今度こそ俺が……
『BOOST!』「喰らえぇ!」
64倍パンチ!よし、顔面に入った!……が、吹っ飛ばない!猿、その場で耐える!マジで!?
「紫村、お前は逃げろ!」「くっそ……イッセー、俺も戦うぜ!オラァ!」
俺は紫村を逃がす為に猿と戦う。先に逃げたと思った光圀も木の棒を持って助けにきた!
紫村はこちらを見ながら走り出す。よし、それで良いんだ。
「光圀、俺は良いからナツメグのフォローに行ってやれよ!」「ナツメグは逃げられるかもしれないけど、こっちはもろ戦闘ムードじゃねぇか!ここで俺が助けに行ってお前が死んだら後味悪い!だから俺はこっちで戦う!」「!……OK。じゃあ、隙見て逃げるぞ!」「OK!」
こうして俺は、光圀と共に猿と対峙する。ジリジリと間隔を詰められる。その時、森の中に声が響いた。
「おいコラばけものぉぉお!!!こっちだぁ!!」
あれは……紫村ぁ!?
金太郎チームと桃太郎チームの温度差……哀れ、金太郎(まだ倒してませんが)
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!