神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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平日投稿!

……何気にあの人(?)が初登場です!


第38話---相棒

「あ……ああ…………」

ミツバは声にならない声を上げる。萌美ちゃんは絶叫する。2人ともその場に崩れ落ち、涙を落とす。

信仰していたものが無くなると、人はこんなに脆いのか……!

 

そんな状態でジャンケン……心理戦に勝てる訳もなく、萌美ちゃんは手も出せず散っていった。…いや、もしかしたら、イリナのいない世界に絶望して、生きる意味を無くしたから、なのかもしれない。

ミツバはイリナと同じくチョキを出し、カミのグーに敗れた。

その後、更に1人がジャンケンに負けた。

 

「にゃは♪」

 

カミは不敵に笑う。

「強い意志を持った者が、者こそが多く死んでいく。これだからジャンケンは面白い♪」

 

『次、石田暁天』

「ぐっ……くっそおおおおお!!」

石田君は恐怖を言葉で押し殺し、朝礼台を上っていく。

 

……いよいよ、次だ。

俺も足が震える。これまでの試練の中で、今が1番死と隣り合わせだと感じる。

 

『まめまき』は全く脅威を感じなかった。『すなとり』も自分にできることのみをやっていたから、ヒヤヒヤさせられる事は有っても自分が死ぬだろうと考える事はなかった。『七×七不思議』では、結局3日目の艮の能力に初見で掛かっただけで、それ以外は何もなかった。

 

だけど、この試練は違う。敗北率50%。負けた瞬間俺は死ぬ。ここまで死を近くに感じた試練は今までなかった。ここに来て、俺は初めて思った。

 

生きたい。

 

最初に死んでしまったリアスやギャー助、レイヴェルの分も、『すなとり』で死んでしまった松田の分も、ジャンケンで死んだ元浜やアーシア、イリナの分も、生きたい。

 

そして……まだ生き残ってる奴らに、会いたい。

朱乃さんや子猫ちゃん、木場に会いたい。

 

だけど、身体は震えている。戦いたくない、逃げたいと言っているように見えた。

 

『……怖いのか?相棒』

!!

『やはりお前も、死が怖いか?』

不意に、試練が始まってから一度も話しかけてこなかった相棒が、こちらに話しかけてくる。

(バカ野郎、俺は2回も死を経験してんだよ。今さら死ぬ位で怖がるか!)

俺がそう言うと、ドライグは笑う。

『痩せ我慢はよせ。怖いのは罪ではない。俺も長い時の間に色々な者とコンビを組んだが、皆死ぬ時は恐怖が心を支配していた。どれだけ長年戦場に身を置いた戦士でもそうだ。それを戦いを始めてから1年も経っていないお前が、克服できる訳がないだろう。たとえ、何回か死んだことがあったとしても』

 

(じゃあ……俺はこの恐怖をどうすればいい?)

その問いにドライグは答える。

 

『受け容れろ!そうすればお前は決して負けない!』

俺は相棒の言ったことを信じることにした。

 

ジャンケンが始まり、石田君は爆ぜた。

俺は心臓の動きが速くなるのを感じた。

『次、兵藤一誠』

名前を呼ばれる。俺は一歩一歩先があるかを確かめるように、ゆっくりと朝礼台を上った。

「さあて、あと4人!全勝して綺麗に終わらせますよ!」

カミのそのセリフに、俺は噛み付く。

「今からは俺達が全勝してやるよ!」

そう言うとカミはニヤリと笑い、小馬鹿にしたように「できると良いですね〜」と笑った。

 

『さーいしょーは、グー』

 

俺は何を出せば良いんだ?その問いに俺は自答する。

俺が1番好きな形は……

『ジャン、ケン……』

おっぱいを包み込めるほどの包容力を持った……

 

『ポン』

 

……パーだ!!

 

俺はカミの手を確認する。カミが出しているのは……

 

「……ちっ!くそ、負けましたか」

……グー!

『兵藤一誠、生キル』

 

「や、やった!やったぞ!」

こうして俺は、7人目の『カミーズJr.』になった-




ジャンケンもいよいよあと3人!あと2話位で終わりそうです!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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