神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
「……あー、もう何なんだよこいつらぁ!ラップしたり言い逃げしたりよぉ!誰が快楽虐殺者だ!誰がわがままっ子だ!ゴミくず共が!!」
巴、柘植ちゃん、アーシアの3人に馬鹿にされ、ついにカミがキレた!
「はい次!!お前だ!!ドブス!!」
その後、次だった里見ミカから始まり、3人がジャンケンに負けた。そのうち1人は、カミの気迫にビビって手を出せなかった様だ。
そして、次の挑戦者の名前が呼ばれる。
『次、紫村影丸』
紫村はその肩を大きく震わせる。身体もガタガタと震えている。無理もない……前の奴らが3連敗した後だ。怖くなって当然だ。
……と思っていたら、紫村はこっちを向いて、息を大きく吸い、叫んだ!
「イッセー君、明石君!他の皆も!皆で一緒に生き残りましょう!僕、勝ちますから!皆も続いてください!」
……!!
紫村はそう言うと、階段を上っていく。それに対し、3人倒して気持ちも落ち着いてきたらしいカミは、楽しそうに言う。
「参加者中最も弱い
その悪運が本物かどうか……量る時が来ましたよ」
『セット』という声が周りに響く。
「紫村、勝てよ!」
俺は紫村に言う。あいつは横目でこちらを見て、頷いた。もう、足の震えも止まっていた。
『さーいしょーは、グー。ジャン、ケン……
……ポン』
カミはパー。紫村は………チョキだ!!
「や……やった!やりましたよ!」
紫村はこっちを向いて歓声を上げる。俺は紫村にガッツポーズをすると、あいつもこっちに手を振った。次第にその身体が浮き始める。
「イッセー君!皆!上で待ってますよ!」
そう言って紫村は、天へと昇って行った。辺りにまた勝利ムードが戻ってくる。
「……さぁ、次は私ね!」
そう言うと次の挑戦者、紫藤イリナは、自分から階段を上っていく。
「エンジェル、頑張ってください!」「エンジェル、勝って!」
順番が来ていない2人……木村萌美ちゃんとミツバが甲高い声援を送る。その表情は、イリナが勝つことを確信しているかの様だ。
……と、そこで片方の声援が止まる。彼女はハッ、とした表情となり、声を止めた。
「……?どうしたの、ミツバちゃん?」
萌美ちゃんが急に応援を止めたミツバに声をかける。その声に、ミツバは震えた。
「……男の子が空を飛んだ後にエンジェルが階段を上る。応援が止んだ時に声をかけてくる仲間…ここまで全てが同じ……次のエンジェルの台詞は……『「皆、私も絶対に勝つわ!」』、ああっ!?」
ミツバはイリナが言うセリフを、1文字も間違わずに言った。ミツバは……未来が見えてるのか?
「ミツバ……もしかして、坤の予知夢の内容が来てるのか?」
明石が言う。明石に聞いたところ、3日目に戦った(?)坤の能力は、『未来を見せる』ことで、今ミツバは過去に見た内容をもう一度見ているんじゃないか、ということだった。
『セット、さーいしょーはグー。ジャン、ケン……ポン』
出した手はカミもイリナもパー。あいこだ!
「あ…あああ、やっぱり……ここであいこなら、次は……」
ミツバは弱々しい声を出す。身体は震えて、汗がダラダラと流れていた。
「……イリナ!負けるなっ!」
俺は思わず声に出す。嫌な予感が止まらなかったからだ。
……そして、こういう時の『嫌な予感』は、よく当たるものだった……
『あーいこーで……しょ♪』
イリナが出したのはチョキ、それに対しカミの手は、
ギュッと握られていた。
カミはニンマリと笑顔を作り
朝礼台の上で血が飛散した。
……残りあと8人、いよいよ『こぶし』の試練も終わりが近づいて来ました!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!