神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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短いながらも投下!


第35話---連戦

「いけるぞ……そうだ!あの子の言うとおり!!50%は決して難しい数字じゃない……!!」

「何だか俺……いけそうな気がするッ!!」

皆の心に希望が戻ってきた!このまま皆でやえちゃんに続くんだ!

 

「はい次の人ぉー」『藤浪波留カモン』

次の挑戦者、藤浪波留ちゃんは「波留いきます!!!」と力強く言い、朝礼台の階段を堂々と登っていく。俺達は肩を組み挑戦者に声援を浴びせた。

『勝ーて!勝ーて!勝ーて!』

 

 

『ジャンケン……ポン』

パーを出した彼女は、そのまま血溜まりとなって消えた。俺達は一瞬怯んだが、すぐに気を取り直すように声援を続ける。

『次、元浜良太』

呼ばれた元浜は軽く肩を回すとゆっくりと階段を登っていく。カミの前に着くとあいつは、手首を絡めて指を交差させ、その手を自分の顔の正面に持っていく。あれは、福満がやっていた構えだ!

 

「……見えた!!」

 

『ジャンケン……ポン』

 

最後まで福満に習って元浜が出したのは「石ころのグー」、それに対しカミが出したのは……パーだった。

元浜は弾け飛ぶ。

「元浜ぁ!?」「も、元浜君!」

俺と紫村が叫んだ。元浜……ここまで頑張って生きてきたのに、ジャンケンで死ぬなんて……。俺は親友の死に動揺する。こんなにあっけなく死んでいくのか、と思ってしまった。

ジャンケンは元浜が死んでも続く。俺達は目元の涙を拭うと、再び応援を始めた。

『勝ーて!勝ーて!勝ーて!』

 

『次、間凛平』「よっしゃあ!行くぞ!」パァン!

 

『勝ーて!勝ーて!勝ーて!』

 

『次、末成浩樹』「勝つのは俺達だ!」パァン!

 

『勝ーて!勝ーて!勝ーて!』

 

『次、韮崎鐘』「よし、俺が決めてやる!」パァン!

 

『勝ーて!勝ーて!勝ーて!』

 

『次、小浜来々留』「やえちゃんや涙ちゃんに続くよ!」パァン!

 

『勝ーて!勝ー……』

 

「くぅ……」

だんだんと皆の声が小さくなってくる。そのうち1人が弱音を吐き出した。

「やっぱり無理なんだ……気合いだけじゃ何ともなんねぇ……意味……ないんだ……」

皆の空気がまた落ち込んでいく。そんな時……「パン!」と再び手を叩く音が聞こえた!

「バカみたいでもなんでもいい……これ以上黙って見てるだけなんて、俺にはできない……!!」

明石は涙を流しながらも、拍手を続ける。そうだ、希望を捨てた奴に幸運はやってこない!俺達が勝てると信じなくて、どうして勝てる!!やってやる!俺達ならいける!!

俺達は声援を続ける。その後も3人死んだが、俺達は声援を止めなかった。

 

「さぁ、このまま10連勝……いえ、全勝目指しますよ〜!」

そんな不吉な事を言うカミ。その横にいるカミ・ブリックは無機質な声で次の挑戦者を呼ぶ。

『次……星川芽衣』

 

「……」

芽衣ちゃんは静かに息を飲んでいる。

「一緒に生きよう芽衣ちゃん!」

明石が手をパン!と力強く叩く。俺達も明石のように手を叩き、彼女を勇気づける。

芽衣ちゃんはこっちを見てコクンと頷き、そして手を胸に当てる。

そのまま目を閉じ、芽衣ちゃんは前を向いた。しばらくすると彼女は再びこちらを向き、胸に置いていた手を開いた。

その手のひらの中には、1輪の花が見えた気がした。

 

「アカッシー

 

大好き」

そう言うと芽衣ちゃんは再び前を向き、顔だけこちらに向けて告げる。

「返事は2人が、生き残った時に教えてね」

 

そう言って芽衣ちゃんは、朝礼台へと登って行った。






今日から再び(ほぼ)毎日連続投稿が始まります!今日から明後日、1日あけて3連休、そして1日あけて2日間という流れにするつもりです!1日あけてのところも書くかも?

今回も読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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