神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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昨日は更新出来ずにすいません!少し野暮用でして…
さぁ、投稿です!


第29話---協力

「--でもさ、協力っつったって勝つのは1チームだけだろ?どうすんだよ?」

凛平は明石に問う。

「『七×七不思議』終了時……つまり16日目終了時点でマスの数を同点にするんだ。そして、引き分けに持ち込む。そうすれば皆生き残れる」

その言葉に、今度はハラカイと一緒にいた柘植ちゃん……豆まきの時から明石の仲間だった柘植まさみちゃんが、隈取りを拭き取りながら重ねて問う。

「……だども、そんな都合よくいぐか?リバーシ・ルールでは先に取るか後に取るかでマスの変わり方も全然違っちまうし……最終日に同点にするなんて難しすぎるっぺ」

「それも大丈夫だよ、ウチにはスージーがいる。どこをどの順番で取ればいいか、彼女なら計算してくれるはずだ「でも、それはマスを『思った通りに取れたら』の話だろ?紫藤達『いすとり』チームもいるって事忘れてるぞ明石」

丑三の言葉にハッとなる明石。確かに彼はイリナ達の事を忘れていた、が。

 

「話は聞かせてもらったわ!」

とうっ、という掛け声と共に、話題の紫藤イリナが窓から入ってきた。

「私達『いすとり』チームも、あなた達の案に賛成よ!全員で協力して、残り12日、全員で生き残りましょう!」

その言葉の直後に辺りにいすとりBOXのマス取りクリアのアナウンスが流れ、2人の女の子が明石達の後ろの方から歩いてくる。

「解決したぞ、イリナ」「エンジェル♡」

「お疲れ様、2人とも」

そうにこやかに仲間を労う彼女に、明石は疑問に思っていた事を伝える。

「なぁ……あんた『エンジェル』って呼ばれてるけど、何でだ?趣味か?」

その言葉に、イリナは「そうか、ダーリン……イッセー君は仲間達に自分の事を教えていないのね……」と明石に聞こえない様に呟くと、明石に「趣味……そう、趣味みたいなものよ!」とはぐらかした。

「趣味って……この前会った時のミツバは、宗教に入ったみたいだったぞ!もしかして、洗脳とか催眠とか使ってるんじゃ--

 

『ドゥーユーノウ あのメモリー♪

忘れないよ メロディー♪』

不意に床から音がする。明石達が慌ててそちらに視線を向けると、床に水溜まりの様なものが出来ており、そこから1人の少年が出てこようとしていた。

「あー泣いたわー。2クール24話ぶっ通しで観ちゃったよ」

 

(カミ……!?)

 

床から突然現れたのは、セイン=カミだった。その登場に、明石は驚きながらも考える。

(眼の前に……カミがいる……

俺達をこんな理不尽な目に合わせた張本人……セイン=カミ!!

コイツは今……何をしている?)

彼は今、自分の観ていたアニメの内容を、熱心に説明……布教している。

(もしかして……油断してる……!?)

 

「……だから、明日からルール変更です。解決した『不思議』はどのチームのものだろうと関係なく……クリアしたチームのマスになります。今までは他チームの不思議は解決しても自分達のチームのマスにならなかったですけど……アミンを観て不憫に思えてきて……あ〜また泣けてくる……」

 

(今なら……殺れるんじゃないか……?セイン=カミを!!

 

千載一遇のチャンス……!!ノコノコと現れやがった……

 

そうだ……コイツさえいなくなれば……全部終わる!!)

 

近くに武器が無いか探す明石。その目に最初に映ったのは、今にも鞘から取り出されようとしている刀だった。

 

 

「タッチダゥーン!!」

 

凛平が抜いた日本刀で、カミを斬りつける!!

カミはマトモにその攻撃を喰らい、首を落とす。カミの首はゴロンゴロンと廊下を転がる。

 

「どーだコノヤロクソバカヤロウ!!これで終わりだろバーカバーカ!!俺達の勝ちだ!うぉおおおおおおお「もぉ〜、まだ話してるんですけど?」

 

一瞬、辺りの空気が凍った。

 

「だから嫌なんだよこういう役割はさぁ!!こんなしょうもない星っ!!アニメ文化が無かったら滅ぼしてっぞバッキャロー!!」

首だけになってもなお、カミは喋り続ける。その眼から光線が放たれ、凛平のいた場所を通過した。

「り、凛平!?」

 

「……避けられたか。このガキが「まぁまぁ、カミさん落ち着いてください!これは……そう、戯れ!ファンへの握手会みたいなものよ!偉大なるカミさんに触れたくなったのよ、きっと!ちょっとおいたが過ぎたけど、そこは寛大な心で許してあげて欲しいと思うの!ね、カミさんは寛大だから、ね?」

 

イリナがカミを落ち着かせる。その背後には……凛平を抱えた青髪の女がいた。この女は、超スピードで凛平をビームから救出した様だ。

 

「ちっ。あー語る気失せた。寛大な僕は戻ります。一応もっかい言っとくけど、明日からルール変更。『不思議』は早い者勝ち、解決したチームのものになります。そういう事なんでよろしく……」

そう言いながらカミの胴体は頭を手に取ると、自分の首にくっつけた。しかし、その首は元あった場所とズレていて、それが明石達の恐怖を増加させた。

 

「……あの〜、寛大ついでに1つ質問しても?」

イリナは更にカミに話しかける。

「何?手っ取り早く」

「もし仮にこの『七×七不思議』16日間終了時……全チームマスの数が同点だった場合は……引き分けとなり全員生き残りになるのかしら?」

その言葉にカミは答える。

「マスは全部で49あります。3チームが16日間プレイすると、成否関係なく48マス埋まります。だから絶対1マス余ります。同点の場合はその最後の1マスに隠された不思議に、残った全員で挑んでもらいます。ちなみに相手は……

 

私です。

 

 

どのみち最終的な試練合格者は4〜5名ですよ。バーイ」

そうしてカミは「戻って劇場版のDVD観よーっと♪」と言いながら、出てきた時と同じく水溜まりの様なものを出現させ、その中に沈んでいなくなってしまった。

 

「……はぁ〜、怖かった〜。おしっこ漏らすかと思ったわ」

カミが完全にいなくなると、イリナは力を抜いて尻もちをついた。後ろにいたゼノヴィアも、凛平を寝かせながら額にかいた冷や汗を拭う。

「あ……ありがとう、凛平を助けてくれて」

その言葉に、イリナは首を振る。

「良いのよ、お礼なんて。皆で協力して16日間生き残ろうって約束したじゃない?その約束を守っただけよ」

 

こうして波乱の4日目は幕を閉じる。明石達の『すなとり』、ハラカイ達の『あやとり』、イリナ達の『いすとり』はこれ以降、3チーム協力して試練をクリアしていった。

 

そして、最後の1日が始まろうとしていた。

 




4日目以降は全カット!原作も結構カットされているので、そこら辺はご容赦ください。『いすとり』チームも協力するのなら、原作よりもスムーズにいくはずですしね。

昨日書けなかった分は、明日書こうと思います。遅れてすいません、ホント。

次回、16日目。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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