神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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第24話---悪夢

--夕暮れの公園。

町外れにある公園だ。人気がなく、俺ら以外に人はいなかった。

いつの間にか夕麻(ゆうま)ちゃんは、噴水の前へ。

「今日は楽しかったね」

噴水をバックに微笑む夕麻ちゃん。

くーっ!なんてかわいいんだ。ちくしょう、バックの夕暮れ太陽がいい演出になってるぜ。

 

「ねぇ、イッセー君」「なんだい、夕麻ちゃん」

「私たちの記念すべき初デートってことで、ひとつ、私のお願い聞いてくれる?」

来た、これ。来ましたよ!これはアレだ!アレ以外にあり得ない!

口の臭い!よし!心の準備!うーん!バクバク心臓なってるぅぅ!

「な、何かな、お、お願いって」

あああああ。声が上ずってる。バカな妄想してるってバレちまう!

しかし、夕麻ちゃんは俺に微笑んでくれるだけだ。

そして、はっきりと俺に向かって言った。

 

「死んでくれないかな」

 

……聞き間違いだ、そう思ったから訊き返したんだよ。

でも--

「死んでくれないかな」

また、はっきりと俺に言った。笑いながら。

 

夕麻ちゃんの背中から黒い翼が生えた。バサバサっと羽ばたきをすると、黒い羽が宙を舞い、俺の足元に落ちた。

 

 

「楽しかったわ。あなたと過ごしたわずかな日々。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだった」

夕麻ちゃんの声は、なんとも冷たい。

 

ブゥン。ゲームの起動音よりも重たい音が空気を揺らす。

耳鳴りに等しい音を立てながら、それは夕麻ちゃんの手に現れた。

1本の槍のようなもの。

光ってる?光が結集しているような……つうか、槍じゃねぇか、アレ。

ヒュッ。

風切り音。そして、すぐに鈍い音がする。

ドン!

俺の腹に何かが触れた……と思ったとき、夕麻ちゃんの持っていた光の槍が俺の腹を貫いていた--

 

 

……はっ!

あれ?夢……?何で俺は、夕麻ちゃん……レイナーレの事を……

「ゔ……おえええぇ…………」

吐いた。気持ち悪い……どうしたんだ?ここはどこだ?校舎内?

……あれ、俺は今大事な事に気づいてしまったぞ。

服がない。俺の着ていた服が無くなってる!

やばい、俺のドラゴンが丸見えじゃねぇか!何か隠すもの!

俺は教室のガラスを割ると中のカーテンを取り、下半身に巻きつけた。ターザンのような服装になったと言う事だな。

「……あ、そうだ!明石と涙ちゃん!」

そうだ、あいつらを忘れてた!俺はそのことを思い出し、すぐに彼らを探しに向かう--

 

 

--その頃、明石。

 

「エンジェルを信じ、主を信じる者は救われるのよ!」

ミツバは明石に力説する。ミツバの隣に立つのは、ゼノヴィアとイリナ……いや、『天使(エンジェル)・イリナ』だ。

イリナは、ニコニコと明石の方を向いていたが、その表情が変わった。

「何だ、あいつ!」「ミツバちゃん、前、気をつけて!」

そう言われて、ミツバはそちらを向く。

直後、明石の後ろから『明ェェェェエ!!!』と言う声が聞こえ……ミツバが消えた。

「ミツバちゃん!?」「ミツバ!?……消えた?あいつの仕業か!?」

いち度転移させられた明石は、(また艮か!?)と思い、横眼でそちらを見る。そこにいたのは艮とは別の妖怪だった。

(口に模様……しまった!)

 

口の模様を見てしまった為、明石は再び転送される。

明石もまた、夢を見る。

 

手のひらを染める真っ赤な血、その中で弱々しい声が聞こえる。

『……かしくん……明石君……』

声をした方を向く。視界に映ったのは、血まみれの……持田(もちだ)(るい)

『あなたに会えて……私は幸せでした……』

(え……!?)

 

『生きて明石君……』 (何これ……!?涙ちゃん!?どうしたの……?)

『生きて……』 (何言ってんの?涙ちゃん……!?)

 

『ゴメンね……もっと一緒に……いたかった……』

 

(嫌だよ、そんな……!?涙ちゃん……!!!)

 

血溜まりの中に横たわる彼女を遠くに見ながら、悪夢は終わりを告げた。

 




…話が全く進んでない!

『自由登校のルシファー』を読んでいて、この作品で殺しちゃった人(悪魔)が出てきて、『ヤベッ!』って少し思いました。まぁ、仕方ないよね…

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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