神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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さぁ、そろそろ本格的に七×七不思議をスタートせねば!


第18話---マスとり

『ルール説明をするでー』

というわけで、七×七不思議の説明が始まる。

『アンタらには試練期間中、それぞれのBOXの中で暮らしてもらうねん』

確かに、部屋にはシャワーやベッドもあったし、カラオケのメニューには食事もあった。テレビとかの娯楽はないけれど、生活することはできそうだ。

『ルールは簡単。1日1回、チームごとに「七×七」=49マスの中から1マスを選んで、出現した「不思議」を校内で解決するだけや。これはさっき教えたやろ?「不思議」をクリアするとマスが自チームになり、マスとり完了。これを繰り返して16日後に1番多くマスを取ってたチームの勝ちや。わかりやすいやろ?要は陣取りゲームやな』

あれ?七×七だから日にちも7日間かと思ってたんだが……なんて思ってると、元浜が49不思議÷3チーム=16日余り1だろうと教えてくれた。なるほど、そういう事ね。余った1マスは花子さんのマスだろうか?

『ほな、にの達にチュートリアルをやってもらうでー。この「七×七不思議」をプレイする上で、大事なことは3つや。

1つ目は「プレイ人数」。選んだ「不思議」解決に挑めるのは1回につき3人までや。ランダムでウチがリーダーを選ぶから、そいつは強制参加やねん。あとの2人は相談して決めたらええ』

画面の中には10人くらいのにのが俺達が今いるようなカラオケボックスで寛いでいる。モニターににのの写真が映り、1体のにのが立ち上がった。リーダーと言われて偉そうにしてる『にの』の後ろで3人の『にの』がコントしてる。「俺行きたい」「俺も俺も」「じゃあ俺も!」「「どーぞどーぞ」」みたいなダチョウコントをやっているように見える。まぁ、声が無いから本当にそう言ってるのかはわからないけど。

とにかくこれでチームは決定した。

 

『2つ目は「アイテム」BOXの中には「不思議」をクリアするのに必要な「七つ道具」が置いてあるねん。「不思議」に挑むメンバーが1人1つだけ持っていけるで。よぉ考えて選びや』

「七つ道具?」

俺達が疑問に思っていると、涙ちゃんがある一点を指差した。

「これのことじゃない?」

カラオケルーム内の黒い棚を開けると、その中には確かに7つのアイテムが。

えっと……あるのは「日本刀」、「拳銃」、「手榴弾」、「大木槌」といった殺傷力の高そうなアイテム4つと、「ろうそく」、「マント」、「お札」?お札は封印とか動きを止めるとか考えられるけど、マントやろうそくの使い道はわからないな。それについての説明を求めたが、花子さんはそのまま説明を試練の方に進めてしまった。

『デンリクでマスを選択すると、その日のリーダーが決定する。残りの参加者2人を選ぶ。そんで使用するアイテムを選んだら、いよいよスタートや』

画面内の「にの」3人組はアイテムを持って校舎内へと入っていく。持って行ったアイテムは『日本刀』、『拳銃』、『大木槌』だ。

にの達がしばらく廊下を歩いていると、後ろから骸骨が!

『「不思議」が「いつ」「どこで」「どんなふうに」起こるかは、やってみてのお楽しみ。ただ、油断してると魂引っこ抜かれるから注意しいや』

 

にののうち1人は不意打ちに気づかず、そのまま骸骨に首をもぎ取られてしまった。しかし、ここでリーダーが骸骨を日本刀で斬りつけた!おお、カッコイイ!

骸骨は苦悶の表情を上げながら消滅していく。

『「不思議」の原因を打ち破ればクリア。その時点でマスが取れるねん。「不思議」の特性を読んで、有効な道具を使うのがクリアへの秘訣やね』

どうやらマスを選んだ時に、ヒント的なものが出るらしい。親切設定、ありがとうございます!

『そんで最後に、3つ目の大事なこと。プレイ時間は夜10時から朝5時までの7時間。一度外へ出たプレイヤー3人は、クリアするか時間切れまでBOXに戻ることができへんから注意や。その代わり時間切れになったらマスの敵を倒さんでも帰ることができるでー。

 

ルールは以上。あとは自分達で考えや。ほなさいなら』

最初に鳴った明るい音が再び響いた後、カラオケのモニターがまた暗転する。なるほど、楽しそうなルールじゃないか!普通の高校生ならいざ知らず、戦いに慣れている俺なら余裕だな!あとは他のBOXとの協力か……直接闘う系じゃなかったから協力はできるだろう。イリナ達もハラカイ達も協力要請はもうしてるから、この試練は楽勝だな!あとはマスを平等に調整しないと……

 

『「すなとり」を生き残った俺達なら勝てるよ!チームワークで生き残ろう皆!GOビーフ!』

明石がマイク越しに皆を扇動する。

「ふん、バカじゃないの?またアンタらと同じチームなんてウザいだけよ」

クール系ノーパン美女、夏川めぐ--通称ナツメグがそうハッキリと言い放つ。

「ナツメグ、あんたはなんていつもそう……」「でも、少し楽しみでもあるのは認めるわ」

ナツメグは表情を変えずに言う。心無しか頰が赤く見えるぞ、ツンデレかよ!いい!スゴくいい!

「素直に『このチームで良かった』って言えばいいじゃん!」

その言葉に涙ちゃんが突っかかる。涙ちゃんとナツメグは馬が合わないようだが、この16日間で仲良くなって欲しいなと思います!

「芽衣、ナツメグのその感じ好きになってきたなー」

芽衣ちゃんはナツメグをそんなに悪く思っていないみたいだ。

そういえば、チーム明石でずっと俺達と一緒なのは、涙ちゃんと芽衣ちゃんと明石、そして丑三の4人だけだ。明石や丑三と一緒なのは、心強い。こいつらには妙な爆発力があるからな!

「まーまー、とりあえずドリンクバー!皆何飲む?2種類混ぜる?」

凛平の質問に、真っ先に2人の女の子が答える。

「私、コーラね!」「あたしゃジンジャーエール一択だヨ!」

先に答えたのは小浜(こはま)来々留(くくる)ちゃん。健康的な小麦色の肌をした、カワイイ系の女の子だ。北山生き残りでは唯一の女子である。……まぁ、北山は女子が2人しかいなかったんだけどね!

後から答えたのは西野・スーザン・花。国際数学オリンピックアジア7位と言う肩書きを持っている。素直にスゴいと思う。俺じゃ悪魔の寿命全部使っても無理だろうな。これで見た目が良かったら完璧だったんだけど……世の中そこまで上手くはいかないみたいだ。残念。

 

 

しばらく談笑した後(丑三だけ刀を素振りしてたけど)、「不思議」を選ぶ事になった。早速の試練を前に、ナツメグと涙ちゃんがまたいがみ合ってる。お願いだから皆さん仲良くしてください!

プルルルルルル!!

「うぉ!」

急にカラオケルームに付いてる電話が鳴りだした。明石が取って話を聞くには、22時まで、今が21時50分だからあと10分以内にプレイする不思議を決めろ、という事らしい。

 

「涙たん、アンタの好きな番号でいいわ」とナツメグが言い、涙ちゃんが「不思議」を選ぶ。プレイする不思議の選択の画面にはヒントなんて無く、ただ1から49までの番号が書いてあるだけだ。

涙ちゃんは好きな数字だから、と22番を選び送信する。

すると、カラオケのモニターにまた絵が映った。

『「テケテケ・EVERY★騎士(ナイト)」不思議番号22』という文字と背後におどろおどろしい絵、そして左下に凶と書かれたお札が一枚貼ってある。

うわ、なんか画面だけ見たら今から曲が始まるみたいな感じ!本当にカラオケみたいだ!

そして、数秒してムービーが始まった--

 

 

 

 

 




これで一応チームすなとりのメンバー紹介は終わりました。さて、次回からは本格的に七×七不思議のスタートです!ただ、イッセー君が参加しないところはほとんど描写しないと思いますが…
最初に脱落するのは誰なのか!?もしくは誰も脱落しないのか!?(それは無いです)

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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