神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
三猿の魂は吸い取られ、学校内へと連れ去られる。もはや皮だけになった猿達を離した市松人形は、長い髪のまま言葉を続けた。
『ウチ、花子。アンタらにはこれからまず、3つのBOXに分かれてもらうねん』
花子……和式トイレの中から出てくる花子って言ったら、もしかして『トイレの花子さん』か!?有名な妖怪だ!今の猿への攻撃から見ても、凄く強いぞ、この妖怪!
しかし花子さんはこちらに敵意はないようで、ニッコリ笑って説明してくれている。彼女はこちらを殺しに来ないようで、ありがたい。
『「いすとり」合格の人はあの校舎の裏、「すなとり」の人はグラウンドの向こう側、「あやとり」の人は体育館の横にBOXを用意してあるから、そこでそれぞれの制服に着替えたら、また会おうね♪』
そう言うと、トイレの花子さんはトイレの中に再び潜ってしまった!……ああ、少しでも話したかったのに!
あとに残ったのは服のようにペラペラになった三猿達の抜け殻だけだった。
新たな試練の始まりに、騒めく俺達。そんな中、1人が大きな声を上げた。
「俺達は『あやとり』だから体育館だね!行こうかつげちゃん!みんな!!」
原 海だ。彼は柘植ちゃんの手を引っ張り、他のあやとりメンバーにアイコンタクトを取った。あやとりメンバーはなぜか慌てたように原海……ハラカイの後ろに着く。真っ先に行こうとするハラカイ。その背中に、明石が声をかけた。
「ハラカイ!!つげちゃん!!敵同士になっちゃうみたいだけど……何か生き残れる方法があればお互いに助け合おうね!」
その言葉にハラカイは「……ああ、モチのロンだよ」とニッコリ言う。そしてその目を見開いた。
「でも、戦うことになったら恨みっこナシだからね」
そう言って、ハラカイは何かを話したそうにしていた柘植ちゃんやあやとりメンバーを連れて先に行ってしまった。
あやとりメンバーが移動したことで、残ったすなとりといすとりのメンバーもBOXとやらに向かおうと言うことになった。いすとりの方から、アーシアがトテトテと近づいて来る。
「イッセーさん……今回は敵同士なんですね……」
悲しそうな顔で言うアーシア。俺は彼女を元気付けようと、言葉を探す。
「……ああ、だけどきっとみんな生き残る方法があるはずだ!俺はそれを探してみるよ」
アーシアは俺の言葉に、ホッとした様に頷いた。俺の言葉選びは間違っていなかったらしい。
「それじゃあね、イッセー君!またこの試練が終わった時に会いましょう!」「またな、イッセー!」
『いすとり』チームもBOXへと向かった。よし、俺達も行くか!
……そしてBOXに着いた。BOXの外観は真っ白で、入り口の上に大きな文字で『SUNATORI BOX』と書いてある。
「入るよ……」
明石が先頭を切って中に入る。その後に続いてみんな室内に入っていく。俺は1番最後に入る。中はどうなってるのか……!?これは……
カラオケBOX!?
「マイクもあるし……デンリクもあるよ?」
これは、たまに行くカラオケの部屋と変わらない、ホントにカラオケBOXだ。
「あ……!こっち来て皆!部屋がまだいっぱいあるよ!!」
芽衣ちゃんに言われて来てみると、確かに奥には部屋が人数分あった。部屋の扉にはそれぞれの名前が書いていて、中にはベッドや風呂、トイレもある。
「確認したところ、各自の部屋に制服があるな。とりあえずそれに着替えてもう1度カラオケルームに集合だ!」
南山のガタイのいい男がそう言った。顔が青ざめてるけど……どうした?トイレでも我慢してるのか?
自分の部屋を見つけると、俺は中に入ってまずベッドにダイブする。疲れた……ああ、眠ってしまいそうだぁ……っと、いかんいかん!眠ったらダメだ!制服に着替えて早くカラオケルームに行かないと!
「お待たせー」
女子が着替え終わって出てきた。長かったなぁ。
女子を待ってる間に、男子勢は簡単に自己紹介を済ませた。
南山のガタイのいい男は、
北山の双子の兄弟は
エリンギみたいな髪型をしている、
髪をきっちりと整えているのは、
もちろん、俺や元浜、紫村も自己紹介した。俺が「夢は俺のハーレムを創ることだ!!」って言ったら、意外とウケだ。ギャグで言ったつもりは無かったけどね!
『カミチャンネル♪』
このまま女子とも自己紹介の流れになるかと思ったら、カラオケのモニターが急に付き、明るい音楽が流れ出した。
画面中央に映るのは和式トイレ。その中から花子さんが勢いよく飛び出した!!
『ほんなら次の試練、「学校の七×七不思議」のルール説明をするでー』
……いよいよ、次の試練が始まりそうだぜ!
…話が進んでいない!正直これを16話にくっつけても良いような気もしてきました!
次回、ルール説明、女子紹介、そして1日目ですかね?
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!