神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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本日2つ目の投下!やっとあいつらが出せます!


第9話---選択

「で、どうする」「「「うーん……」」」

ここは男棟の大広間。布団が敷かれていて、みんなそこでくつろいで談笑している。俺達は風呂に入ってさっぱりすると、布団が4つ並んでいる所を確保し、そこに集まった。

「1番やる事が分かりやすいのは『いすとり』だよなぁ」

「『あやとり』は小学校の時よくやりましたね」

「『すなとり』も子供の頃友達と遊んでたよ」

俺以外の3人も今回の試練の内容を経験したことはあるみたいだ。俺も全部やった事あるけど。

「やっぱりさ、俺達全員生き残る為には生存確率が1番高い所に行った方が良くないか?」

「「「うーん」」」

提案してみてもやはりみんな「うん」とは言わない。自分の運命を決めるんだから、迷って当然だ。

「……でもここでずっと悩んでても仕方ないしな。そうだ、多数決で決めようぜ!」

結局俺達は、運命を直感に委ねることにした。

 

 

『ん〜?お前らも選んだのか?』

「ああ、俺達4人は……『すなとり』で!」

多数決の結果はすな2、いす1、あや1になった。生存確率が1番高い方がいいという俺の意見に、松田が乗っかってきた形だ。『あやとり』を選んだ元浜も『いすとり』を選んだ紫村もこの結果に従った。

「さぁ、受験票も受け取ったし、今日は歯みがきして寝るか」

ゆっくりと布団に入る。他の3人は入ってすぐに寝てしまった。俺も目を閉じる。久しぶりに横になった気がした。実際にはまだ、あの日から1日も経っていないのに、俺の頭では処理できないことが多すぎて、何年もの時間が経ったようにすら思えたのだった。

「お疲れ様、ゆっくり休めよ」

言い聞かせて、力を抜いた--

 

 

 

--次の日、朝10時。

『さぁ、時間だよーん』

チャイムが辺りに鳴り響く。俺達は昨日の睡眠で体力を回復し、準備万端だ!

『104名全員揃ってるね。「三猿(さんざる)」カモン』

そう言うと、サンタの前にあった大きなクリスマスプレゼントが開いた。中からは3体の猿!それぞれ口、耳、目を隠している。あれは日光東照宮にある三猿と同じポーズだ!

『こいつらがお前らの次の試験の試験官(マスターズ)、カワイイ三猿だよーん』

「あ、意外と可愛いですね『お前ら、整列しろコラァアアア!!ぶっ殺すぞおらぁあ!!』ひいいい!」

耳を抑えている猿、聞か猿がサルのように甲高い声で俺達に命令してきた!すると見猿も同様にキーキーと喚く!

--言わ猿もなんか言おうとしてるっぽいけど口を閉じてるせいで何も言えず、ただ揺れている。ちょっと可愛い。

『「すなとり」の奴、ここぉお!!』

そう言ってる見猿の前に『すなとり』の選択者が集まる。あ、チーム明石は全員はいないけど、明石とか丑三とか涙ちゃんとかいる!

原海と柘植ちゃんは『あやとり』、藤春とミツバは『いすとり』に行くらしく、ここでお別れだ。皆、絶対に生き残ろうな!!

 

「ひええぇ、イッセー君、あのお猿さん、怖いですぅ〜〜……」

「大丈夫だ、しっかりしろ紫村」

泣きついてきた紫村を宥める。よく見たら可愛いとこもあると言ってやったが、紫村は猿に嫌なイメージを付けたくないようで、目を手で隠して出来るだけあいつらを見ないようにしていた。見猿ならぬ見紫村だ。

 

そんな紫村を引っ張って目的地に行く道の途中、廊下で明石の仲間の1人、少し幼い感じの雰囲気をした、しかしグラマーの体型の星川芽衣ちゃんが何か騒ぎ出した。

「え…ちょっと待って、あそこに並んでる4人……『100Y.A』じゃない?」

?びゃくや?

「元浜知ってる?」「いや?初耳だ」

アイドルなんかのトップチャートに詳しい元浜は、しかし彼らについて知らないようだ。松田と俺は元からそういうのには詳しくない。

 

「紫村知ってるか?」「え?知らないんですか、イッセー君達は」

 

紫村曰く『100Y.A』というのは高校生男子4人のアイドルグループで、最近売り出し中の期待の若手アイドルらしい。メンバー全員が神の名前を模し、ファン達を僕と読んでるとかなんとか……何か丑三が凄い毒吐いてたが、良いぞもっとやれと思いました、まる。

 

その中の1人、モーセと言うらしいイケメンがこんな事を言い出した。

「昨日の試練で使わなかったこれ、この『豆』猿に喰らわす」

……殺されるぞと思った。しかし、声には出さない。馬鹿な行動の巻き添えはごめんだ。多分他の人も同じ様な事を考えていると眼を見て分かった。特に俺達の後ろにいた黒髪巨乳の女の子なんて、凍える様な眼で彼らを見ていた。超コワい。

 

そんなことを俺達に思われていると知ってか知らずか、アイドル様は豆を猿にぶつける。すると猿は目を抑えていた手を降ろし、止まった。

 

……え、マジで?効いたの?

「あれ、効いた?死んだ!?」「おははは、ちょっと観てこいよモーセ!!」

モーセ死んだか確かめに向かう。

「おいおいマジ!?クリアじゃね?俺、天才?ふはは……おわっ!!?うわぁあああ!!?」

 

驚愕するモーセ。その胸に『ドッ』という重い音とともに、見猿の両手の突きが刺さる。見猿が肉を掻き分けるように手を広げると、モーセはその身体を真っ二つに割られた!

 

『「整列」だと言っただろう』

そう言うと見猿はこっちを向いた。その目は他の猿と違って、くり抜かれたかの様に目玉が無く、額にあるしわの量から確実に怒っている事が伺えた。

『もう試練は始まってるんだからよぉ』

 




イッセー君達が選んだのは『すなとり』!紫村君も今回は『すなとり』です。原作は違うんですがね……
やっと三猿を出せました!今年は申年なので早いうちに出しておきたかったんですよね〜。
今回は結局、「イッセー達の選択」「カワイイ三猿」「リア充割れる」の3本でした。来週は出席者の方を終わらせたいかなと思っているので、欠席者編の続きは再来週でしょうかね。

今回も読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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