神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

38 / 171
久しぶりに、欠席者の方の投稿!
あんまり放っておいてもいけませんし。
第弐章が第壱章より圧倒的に多くなるのが分かっているので、少しずつ減らしていきます!


第7話---しりとり

--俺達は今、食堂にいる。第一関門を終え、食事休憩中だ。そして俺達は、出席者の試練を食堂のモニターから生放送で見ている。

 

今、画面の中で、1人死んだ。

 

「あぁ!?あおや……ま……あぶ……」

「今死んだ方が青山?」

「バカ、違ぇよ!!生きてる方!!」

 

画面の中ではもう1人の少年--明石曰く、青山--が、大きなこけしの腕で大縄跳びしている。当たるとその部分が吹き飛ぶほどの硬さの縄に、絶対に引っかからない様にと、より慎重そうに跳び始めた。

 

カミが再び説明を続ける。

『--出席者達、「神の子」とYOU達「カミーズJr.」、あちらでも数名……こちらでも数名を選別した後にはですねー、デビューイベントとして……』

そう言うと、モニターの中の画像の配置が変わる。

『神の子』と、その選別者かみまろが上に、俺達とカミが下に来る構図になった。そして、その真ん中には『V.S.』の文字。

『「神の子」V.S.「カミーズJr.」を予定していますので、YOU達、戦っちゃいなよ』

 

戦う?出席者の生き残りと、戦う?つまり、殺し合う、ということか?生き残り……もしかしたら、朱乃さんや子猫ちゃん、木場達と……?

『要は学校に行ってる奴と行ってない奴、どっちが偉いかってこってす♪以上で説明はおわりです。アンダスターン?』

その言葉とともにモニターが消え、真っ暗になる。辺りはしんと静まりかえ--

 

「フザけんじゃねえ!!」

 

静まった空気を、明石の声が切り裂く。

「何で映像切ってんすか!?青山がまだ戦ってるでしょうが!!!」

仲間達--藤春と涙ちゃんが明石を止めるが、明石は黙らない。

「俺はあいつに会って……謝らなきゃいけない事があるんだよ……謝って、また一緒にサッカーすんだよ……だから死ねない……」

明石の表情が変わる。落ち着いた様な……それでいて何かを決心した様な表情になる。

「死ねない……死ねないんだ……俺は……絶対に生きてやる!!!」「そう思うのは皆、一緒です」「あ痛っ」

天然少女・涙ちゃんが明石にチョップして落ち着かせる。

 

「数名を選ぶ……か。つまり、それ以外はほぼ死ぬ、ってことか……ツラいな」

目の前にいる元浜の表情が曇る。そう、数名ということはここにいるほとんどが殺される、ということだ。せっかく、ここに来て仲良くなった人達とも、全員で生きては帰れない。そして、生きて帰ったとしても……

そんなことを考えていると、外から音が聞こえてきた。シャンシャンという小気味良い音。そしてまた放送が始まる。

『えー、給食の時間を長々と取ってしまったので、それでは、そろそろ次のオーディションに移りたいと思います。心地良い鈴の音が聞こえてきましたねー』

このシャンシャンという音は、鈴?どこかで聞いたことがある様な音だ……

『慌てないで!次に何が始まるのかワクワクするのもわかりますが。ゲーム性と遊び心を高めるために、少しシンキングタイムといきましょう。僕が先程、「しりとり」だと言ったのを覚えていますか?』

そういえば……まめまきが始まる前、くすだまを割るときにそう言ってた。

『YOU達の身に訪れた事をよく思い出してください。

「二宮金次郎尊徳」の突然の来訪、「くすだま」によるオーディションの幕開け、鬼を退治するための「まめまき」、そして「給食」。これらは次を示唆する大きなヒントなのです。この鈴の音が意味するのも……』

……さっぱりわからん。

「元浜、意味わかったか?」「ああ、何となくだが……これまでの試練のやる事が『しりとり』になってるってことじゃないか?」

言われてみて、カミが言ったことを頭の中で反復する。

「にのみやきんじろうそんとく」→「くすだま」→「まめまき」→「きゅうしょく」……

「ホントだ、しりとりになってる!スゴイですね!」

紫村が少し興奮した様に言う。

「じゃあ、次は何だろう?この鈴の音……それで最初が『く』?『く』……『く』……」

 

「『クラリネット』とか?なんか音してるし」「でもクラリネットってこんな音じゃないですよ?」

「『くるみ割り人形』?」「あの曲はこんな単調な曲じゃないです」

「わかった!『くすだま』だろ!」「『しりとり』は同じ言葉を2回使っちゃダメですよ」

おう……俺達3人の意見は全て紫村に潰されてしまったぜ……

 

俺達4人が考えていると、音はだんだんと近づいてきた。そして……

『どうやら着いた様ですね』

そんな放送が聞こえると、皆が窓の外を見始め、そして校舎の外に出だした。

「おい、あれ見ろ!!」「外だ、外!!」「何だ!?」

 

俺達も慌てて外に出る。シャンシャンという鈴の音が聞こえるのは……上?上を見上げるとそこにいたのは……

 

『ほほほーい、メリ〜 クリスマ〜〜〜ス だよ〜〜〜ん』

 

「「「「サンタさん!?」」」」

最初の文字『く』じゃないじゃん!

 




いよいよ次の試練が始まります。次の試練が何話位になるか、全く想像がつかない!できるだけ膨らませることができる様に頑張ります!今年は申年ですし。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。