神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
あんまり放っておいてもいけませんし。
第弐章が第壱章より圧倒的に多くなるのが分かっているので、少しずつ減らしていきます!
--俺達は今、食堂にいる。第一関門を終え、食事休憩中だ。そして俺達は、出席者の試練を食堂のモニターから生放送で見ている。
今、画面の中で、1人死んだ。
「あぁ!?あおや……ま……あぶ……」
「今死んだ方が青山?」
「バカ、違ぇよ!!生きてる方!!」
画面の中ではもう1人の少年--明石曰く、青山--が、大きなこけしの腕で大縄跳びしている。当たるとその部分が吹き飛ぶほどの硬さの縄に、絶対に引っかからない様にと、より慎重そうに跳び始めた。
カミが再び説明を続ける。
『--出席者達、「神の子」とYOU達「カミーズJr.」、あちらでも数名……こちらでも数名を選別した後にはですねー、デビューイベントとして……』
そう言うと、モニターの中の画像の配置が変わる。
『神の子』と、その選別者かみまろが上に、俺達とカミが下に来る構図になった。そして、その真ん中には『V.S.』の文字。
『「神の子」V.S.「カミーズJr.」を予定していますので、YOU達、戦っちゃいなよ』
戦う?出席者の生き残りと、戦う?つまり、殺し合う、ということか?生き残り……もしかしたら、朱乃さんや子猫ちゃん、木場達と……?
『要は学校に行ってる奴と行ってない奴、どっちが偉いかってこってす♪以上で説明はおわりです。アンダスターン?』
その言葉とともにモニターが消え、真っ暗になる。辺りはしんと静まりかえ--
「フザけんじゃねえ!!」
静まった空気を、明石の声が切り裂く。
「何で映像切ってんすか!?青山がまだ戦ってるでしょうが!!!」
仲間達--藤春と涙ちゃんが明石を止めるが、明石は黙らない。
「俺はあいつに会って……謝らなきゃいけない事があるんだよ……謝って、また一緒にサッカーすんだよ……だから死ねない……」
明石の表情が変わる。落ち着いた様な……それでいて何かを決心した様な表情になる。
「死ねない……死ねないんだ……俺は……絶対に生きてやる!!!」「そう思うのは皆、一緒です」「あ痛っ」
天然少女・涙ちゃんが明石にチョップして落ち着かせる。
「数名を選ぶ……か。つまり、それ以外はほぼ死ぬ、ってことか……ツラいな」
目の前にいる元浜の表情が曇る。そう、数名ということはここにいるほとんどが殺される、ということだ。せっかく、ここに来て仲良くなった人達とも、全員で生きては帰れない。そして、生きて帰ったとしても……
そんなことを考えていると、外から音が聞こえてきた。シャンシャンという小気味良い音。そしてまた放送が始まる。
『えー、給食の時間を長々と取ってしまったので、それでは、そろそろ次のオーディションに移りたいと思います。心地良い鈴の音が聞こえてきましたねー』
このシャンシャンという音は、鈴?どこかで聞いたことがある様な音だ……
『慌てないで!次に何が始まるのかワクワクするのもわかりますが。ゲーム性と遊び心を高めるために、少しシンキングタイムといきましょう。僕が先程、「しりとり」だと言ったのを覚えていますか?』
そういえば……まめまきが始まる前、くすだまを割るときにそう言ってた。
『YOU達の身に訪れた事をよく思い出してください。
「二宮金次郎尊徳」の突然の来訪、「くすだま」によるオーディションの幕開け、鬼を退治するための「まめまき」、そして「給食」。これらは次を示唆する大きなヒントなのです。この鈴の音が意味するのも……』
……さっぱりわからん。
「元浜、意味わかったか?」「ああ、何となくだが……これまでの試練のやる事が『しりとり』になってるってことじゃないか?」
言われてみて、カミが言ったことを頭の中で反復する。
「にのみやきんじろうそんとく」→「くすだま」→「まめまき」→「きゅうしょく」……
「ホントだ、しりとりになってる!スゴイですね!」
紫村が少し興奮した様に言う。
「じゃあ、次は何だろう?この鈴の音……それで最初が『く』?『く』……『く』……」
「『クラリネット』とか?なんか音してるし」「でもクラリネットってこんな音じゃないですよ?」
「『くるみ割り人形』?」「あの曲はこんな単調な曲じゃないです」
「わかった!『くすだま』だろ!」「『しりとり』は同じ言葉を2回使っちゃダメですよ」
おう……俺達3人の意見は全て紫村に潰されてしまったぜ……
俺達4人が考えていると、音はだんだんと近づいてきた。そして……
『どうやら着いた様ですね』
そんな放送が聞こえると、皆が窓の外を見始め、そして校舎の外に出だした。
「おい、あれ見ろ!!」「外だ、外!!」「何だ!?」
俺達も慌てて外に出る。シャンシャンという鈴の音が聞こえるのは……上?上を見上げるとそこにいたのは……
『ほほほーい、メリ〜 クリスマ〜〜〜ス だよ〜〜〜ん』
「「「「サンタさん!?」」」」
最初の文字『く』じゃないじゃん!
いよいよ次の試練が始まります。次の試練が何話位になるか、全く想像がつかない!できるだけ膨らませることができる様に頑張ります!今年は申年ですし。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!