神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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ハイスクールD×D・DX2を買うとき、帯に神さまの言うとおりって書いてあって、少し動揺しました!
さあ、投下します。


第3話---神育課程

カミが指を鳴らすと、にの達が背負ってるゴミ箱を太鼓代わりに、ドラムロールを始める。そのリズムに合わせて、カミの頭上から大きな球体がゆっくりと降りてきた!

『それではYOU達に、最初の神育課程(カミキュラム)を発表しちゃいます』

 

球体には太い縄が1本付いていて、球体の下部分には薄く切れ目が入っている。あれはもしかして『くすだま』?えらくでかいけど……何が入ってるんだ?

カミがゴホン、と1回咳払いをして縄に手をかけながら告げる。

 

『さぁ、始めましょうか。まずは最初の神育課程は

 

「おーい、神さまー」

 

後ろの方から声が聞こえた。カミの口が止まり、にの達もゴミ箱叩きをやめる。

「ちょっとしつもーん」

そう言って手をあげるのは、細長い身体に腰まで届く長い髪を持った、全体から気怠げなオーラを放つ1人の男子。

何を考えているんだ?気分次第では殺されるかもしれないのに……そんな俺の心配など知らないと言うように、男子は声を紡ぐ。

 

「この状況とその話がマジなら、『カミの力』って何ですか?超能力?手品(インチキ)?俺、リアルに神になりたいんですけど」

「……はは、ヘイYOU。ヤル気マンパワーですね」

 

恐れ知らずのその態度をカミは彼を気に入ったのか、続きを促すように微笑む。凍る場の空気に、男子は構わず質問を続ける。

 

「卒業の条件は何ですか?生き残るってこと?だとしたら」

 

男はそういうと、ポケットから出したものを隣の男子の首に近づける。あれは、サバイバルナイフだ!

「ここにいる奴ら全員殺せば、俺は神になれるのですか?」

 

その瞬間、カミの周りの温度がサッ、と下がるのが、後ろの方で眺めている俺にもわかった。

 

『それは困ります。さっき言いましたよね?全ての決定権は僕にあると。その態度も含めてYOU達の一挙手一投足が卒業までの成績に反映されると思ってください……それに、皆死んでしまうとYOUは、ソロデビューってことになっちゃう……僕としては4・5人のユニットを考えてますから』

 

4・5人……?ここにいるのは、見渡した限りでは500は下らない。下手したら、1000人を超えるかもしれない。その中から、たったの……

生き残り枠のあまりの少なさに、俺は困惑する。そんな少ない枠に俺、松田、元浜、全員が入ることができるのか?

そして、そのために、他の奴らを蹴落としていいのか……?

 

俺は驚きと焦りを隠せない。

そもそも、今から何が始まるかもわからない。運動が比較的得意な松田ならいざ知らず、ヘタレ系男子元浜は運動は壊滅的だ。すぐに死んでしまうかもしれない。

 

どうすればいい。悪魔の駒を先に使って……いやいや、それは保険だ。考えろ、考えろ。

 

俺の思考を他所に、カミはわざとらしいほどの笑顔を浮かべる。

 

『でも、その信念(メンタル)は認めましょう。YOU……名前は?』

 

男は、退屈そうに応える。

丑三(うしみつ)清志郎(きよしろう)……世界が滅べばいいと星に願う、くだらない人間」

『GOOD GUY』

 

そんな謎の会話を聞きながら、思う。ここにいるのは学校を休んだ者達。その中には、不良や暴走族くずれなんかもいるはずだ。

丑三は今の会話を呑み込むと、余計なことはしなさそうだが……下手をすれば、俺達同士でも争いは起こる……

なかなか、一筋縄じゃいかないぞ…!

 

『他に質問はありませんか?なければ最後にです。YOU達は自ら選んでごみ箱学苑に入学したのですから、下手な甘えは捨ててください。YOU達は試されているのです。これは、人生を賭すべきカミのオーデション。さぁ、始めましょう!!』

 

にのの太鼓が一斉に1回、ドンっ、と強く叩く。

『“しりとり”スタートです!!』

「は、しりとり?」

 

くすだまが開く。中から煙が出てくる。煙の中には何かがいる!

「松田、元浜!ここは近すぎる!逃げろ!」

「えっ、おい、イッセー!あのくすだまの中身を確認しなくていいのかよ!」

松田と元浜の背を押す。奴らもひとまず俺に従い、グラウンドから離れていく。他の人達は前に何がいるか気になっているようで、松田と元浜はさっさと人波を抜けて行った。

 

それを見届け、前を向く。

無駄に多いスモークが、今にも晴れようとしている。

カミの後ろにいるのは、4つの影。そいつらが、姿を現す……

 

赤・青・黄色・茶色。それぞれ別の色の、派手派手しい肌。

その一部を覆う、虎柄のパンツ。

そして、全員の頭についた、牛のようなツノ。

 

「……鬼?」

 

 

何かが起こるのは間違いない。力を溜めろ。

『BOOST』という音が響く。倍化にかかる10秒が、驚くほど長く感じられる。

赤い鬼が、こちらに突撃してくる。身長は俺よりも高いが、痩せてる。その腕にデカい棍棒を持ち、胸には、『あったか〜い』の文字。

それを見てワッ、と蜘蛛の子を散らすように生徒達は逃げ去る。人がこっちにも押し寄せ、俺の動きも制限される……と、逃げ遅れた一人が、赤鬼に捕まる…!

 

棍棒でぶん殴るのかと思ってた。だから、腕の部分を狙ってドラゴンショットを打ち込む。

棍棒を持つ腕が吹き飛んだ。しかし、逆の手で赤鬼は生徒を抱擁する。

 

 

「あ……?あ、あ、あ、あ、………

 

 

超あぢいいいいいいいいいいい!!!!」

 

 

一瞬だ。

 

一瞬で、逃げ遅れた生徒は赤い炎に包まれる。

肉を焼く香ばしい臭いが充満し、彼は一瞬で炭になる。

 

これは…やばい!

 

 

周りにさらなる悲鳴が聞こえ、様子見していた奴らも逃げ出す。

それを追い、青い長身の鬼と黄色い小柄の鬼が俺とは逆側へと追っていく。あいつらもきっと、人間を殺す何かがある。だが…その前に。

 

 

「赤龍帝として、お前を放っておけるわきゃねぇな!!」

赤き鎧を見に纏い、赤鬼の腹に膝蹴りをかます!

 

 




さあ、欠席者編の試練が本格的にスタートしました!
ここらへんから神さまの言うとおり弐と異なる部分が出だします。タグに原作ブレイクって入れた方がいいかもなぁ、と思ってます。(あ、でも原作はあくまでハイスクールD×Dだった!)
今回も読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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