神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
第弐ノ0.5話---魔王
冥界--そこは悪魔達と堕天使達の住む世界。
その悪魔領は、4人の悪魔によって統治されていた。
「じゃあ、これでけって〜、ってことで良い訳ね☆」
現・魔王の1人であるセラフォルー・レヴィアタン。魔王少女という渾名にふさわしい魔法少女のコスプレをしている。
「ふぅ、きちんと決まって良かったね〜」
現・魔王の1人であるファルビウム・アスモデウス。仕事のほとんどを眷属に丸投げしている彼だが、今日は珍しく働いたようだ。
「なんとも面白いものができたじゃないか、これならまず問題ないだろう」
現・魔王の1人であるアジュカ・ベルゼブブ。すべての事象を方程式で捉えることができる彼が見ても、この『何か』は面白いものであるらしい。
「それではこれで決定だ。アジュカ、セラフォルー、ファルビウム。このことは絶対に他言無用だぞ」
現・魔王、ルシファーの名を冠するサーゼクス・ルシファー。グレモリー家の魔力と、バアル家の滅びの力を持った魔王筆頭は告げる。
「この……『乳龍帝おっぱいドラゴン』の新・オープニング曲は!アザゼルにもらった歌詞の情報も外部に漏れていないかは心配だが……」
乳龍帝おっぱいドラゴンとは!赤龍帝兵藤一誠をモデルにして造られた特撮ヒーロー番組で、視聴率が50%を超える大ヒットを記録した超人気番組である!もうすぐ2クール目に突入するため、魔王達は新しいオープニングを考えていたのだっ!
冥界は平和だった--その時までは。
「皆様、大変です!堕天使達が攻めて来ました!」
知らせを持ってきたのはサーゼクスの妻にして『女王』のグレイフィア。彼女のその一言に全員が驚愕した。
「馬鹿な、アザゼルが裏切るはずがない!どういうことだ!」
「それが……現在堕天使達の指揮を執っているのは、しばらく前にコキュートスに封印した、コカビエルのようです」
その言葉に魔王達はざわつく。コカビエルが外に出ているという事は、彼を逃がした者がいるということだ。
「さらに堕天使達は謎の兵器を多く使っており、その一撃一撃に確実な殺傷能力が備わっています。現在、中級・上級悪魔で対処しているものの、それも限界が近いかと……」
サーゼクスはアザゼルに連絡をしようとしたが、連絡するための魔法は使えなかった。
『現在この一帯でケータイ電話、スマートフォン、魔法での連絡は禁止しておりま〜す!残念でしたぁ〜!あひゃひゃ!』
魔法の外から声が聞こえる。どこか懐かしく、そして忌々しい声。
「これは、
禍の団、無限の龍オーフィスを首領としたはぐれ者達の集まりで、その中には我々魔王の融和体制に反発して去った者達もいる。そのトップにして先代魔王の息子、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー、通称リリン。今の声は彼のものだ!
この襲撃に禍の団が噛んでいる、そう理解したと同時に、魔王達にさらなる悲報が届く。
「大変です、魔王様がた!旧魔王派の残党が冥界各地で発起し、ルシファードに攻めてきています!」
まずい、これは一刻の猶予もない!そう思った魔王達は自分の眷属と共に外に出た。4方向に分かれ、それぞれの暴徒を抑えようとした。
この時、天界でもコカビエル率いる堕天使達による攻撃が起き、ミカエル達も他勢力と連絡の取れないまま、敵の排除に当たっていた。この一大事の陰で人間界に起こっている出来事に気付かないまま……
魔王様達の視点でしたー。
コカビエルさん再登場です!彼らの役目は、冥界、そして天界を攻撃すること!これで人間界と冥界天界との連絡手段を潰したことに!これで魔王も大天使も人間界に手出しできなくなりました……まぁ、直接の行き来はできなくもないですが、人間界を構っている暇が無くなりました。
次回からは人間界の話になります。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!