神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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『どきょうそう』!


第24話---昼食

『位置について、問題です♡

 

日本で1番最初にマンガが描かれたのは、江戸時代初期である--「○」か「×」か?

 

よーい……』パァン!

 

……マンガ……初めて創られたマンガ?僕はマンガはあまり読まないからわからないけど、そんなに昔からマンガはあったんだろうか?

 

とりあえず僕、木場祐斗は速すぎず遅すぎないペースを保って3位をキープしながら走っている。正解でも間違いでも良いから、とにかく前の人がゴールするの待ちだ。

前の人は走って行く。あのコースは……『○』に向かっている。そしてゴールテープを切り……身体が切れた。

正解は『×』だとわかった僕は、すぐにゴールに駆け込んだ。

 

「木場、お疲れ!」「祐斗先輩、お疲れ様です」

「ありがとう、2人とも」

匙君と小猫ちゃんが送ってくれる声援を受け止める。目の前で人が死ぬのに慣れてしまったのが、少し辛い。

 

1年生は結果、最初の影裏君以外皆生き残るという快挙を達成した。匙君も由良さんも桐生さんも、無事に正解のゴールを潜る事が出来た。同じ箱の坂東さんも、クリス君と共に生き残ったみたいだ。

 

同じ箱……そういえば、同じ箱で生き残った2人……上地君と松木さん、だったかな。彼らと、そして何より朱乃先輩……3人はどこに行ったんだろう?

……嫌な想像が頭に浮かんでくる。僕はそれを消そうと、自分の頬を軽く叩いた。

 

そして15分ほど時間が経ち、いよいよ最後の組になった。1年生がいないからある意味安心してみる事ができる、なんて思っていると、1年生の座席から1人立ち上がった。あれは……高畑君?

高畑君はそのまま誘われるようにゴールの先に向かっていき、そこでゴールした1人の女の子に話しかけている。その顔は真剣で、それでいてどこか泣きそうなほどに弱々しかった。

高畑君が話しかけた女の子の事を、同じ箱の秋元さんに聞いた。彼女は平井翔子さん……のそっくりさん。平井翔子さんは高畑君達と同じ1の箱の人で、『うらしまたろう』の選別で死んでしまったらしい。高畑君がかみまろを敵視する1番の理由が、その人の死の原因を作ったかららしい。

死人の復讐の為……そう考えた僕の頭の中に2人の男子の影が立つ。1人は、最愛の恋人を亡くした紅き龍。そして、もう1人は……

 

「……」

僕の隣に座る、初恋の相手を殺された黒い龍。

彼は、秋元さんの話を聞き、伏し目がちに下を向いた。

 

『次のプログラム、いっきまーーーす♡』

 

『どきょうそう』が全員終了して、プログラムがめくられた。次は『べんとう』と書かれてある?……1種目終わったら次は『べんとう』なんて、早くないかな?なんて思っていると、再びかみまろがサイコロの中から現れた。再び筆を手に取り、文字を付け加える!

 

そして決まった次のプログラム、その名も……『おべんとう』

特に何の捻りもなく、僕達は昼食を口にする事になった。

 

「……反応はありませんね、私達と実行委員会以外に人外はいない様です」「ありがとう、小猫ちゃん」

 

昼食時間、僕達は食べながらもこのくうかんを探る。今は、小猫ちゃんの仙術で人の気を調べ、僕達と同じ様な仲間になってくれそうな人外がいるか探しているけど……どうやら見当たらない様だ……

と、ここで小猫ちゃんが首を傾げる。

 

「……?上に人間の反応?」

その言葉に僕達は上を向く。そこにあるのは小さな(とは言っても人が数人は乗れるだろう)浮遊サイコロ。そしてその上にいるのは、フィギュアの『育子』。そして、この試練の元凶の2体だけ。人間は見当たらな……?

 

そこで何かが、僕の頭の中に引っかかった。

 

「……かみまろは、本当に『神』なのかな?」

その小さな呟きは隣にいる匙君や小猫ちゃんにも届かず、周りの喧騒に消されて行った--

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「あ〜〜〜〜〜……何かダルくなってきちゃったなぁもーーーーー……

次で一気に決めるか。あの『ぼうたおし』で」




*日本で初めてのマンガは、平安時代頃には描かれていたらしいですよ。詳しくはwikiで。

『どきょうそう』が呆気なく終了。次のプログラムの『おべんとう』も余裕。勝負は次の競技へと進む!

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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