神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
ーーイッセー君とゼノヴィアさんと再び別れ、彼らがまた行方不明になってから数日が過ぎた、そんな日の昼間。新しい神の子誕生の瞬間を見る、という趣旨のテレビ、何の気なしにつけたその番組の画面に、僕達は釘付けになっている。
「……やっぱりイッセー君だよ!」「間違いありません!」
僕達はTVを見ながら、興奮する。今は108人目、最後の神の子誕生に世間が湧き上がり、全チャンネルでその特集を放送している。その中でとあるチャンネルが、現在の渋谷の様子を映していた……その画面の中に、彼がいる。
カメラに映っているのは、薄青い髪をした男の子。カメラに向かってタンカを切っている。そして、その後ろに彼がいる。
「渋谷……皆さん、渋谷に向かいますわよ!」「「はい!!」」
僕達はTVの電源を落とすと立ち上がり、玄関に向かう。
ーーつもりだった。
ブツッと、TVの電源が急についた。
最初は家にいる誰かがつけたのかと思ったけど、机の上に置いたリモコンの周りにも、さっきまで見ていたTVの周りにも誰もいない。
嫌な予感が身体を駆け巡った僕は、靴を履き始めた朱乃さん達を呼び戻した。無論、TVから目を離さずに。
砂嵐が数秒続いた後、画面がはっきりとした。そこに映ったのは……長髪で裸の男。男はピースサインを画面に映しながら、こう言った。
『どーも、
かみまろ……神?
何だ、あいつは?恐らくどこの神話系態にも属していないだろう……
と、ここで画面が切り替わる。TVに映し出されたのは、1人の少年……あれは、TVで見たことがある。確か……
最初の神の子の1人、高畑 瞬。
『降りてこいコラぁあ!!ぶっ殺してやる、お前!!』
その言葉にかみまろも一瞬黙ったが、『おー怖』とだけ告げて話を続けた。
『とりあえず俺が、今世紀の神です。生き残った奴、君達が新世紀の神です。
まず、1の箱……天谷 武…高畑 瞬…秋元いちか…真田ユキオ…秋本クリストファー健人……』
ここでかみまろは1度息を吐き、そして息を切らさずひたすらに名前を読み上げる。3分、5分…途中で漢字の読みなんかを確認したりもして、約10分。
『ー-以上、317名。
第1の箱の君達は、サイコロが「1」だから1年生。その他の人は、今すぐ
その言葉が終わった直後、突然空中に白い何かが現れる。それはヒラリと一回転し、僕達一人一人の手元に収まった。
「!……これは…?」「……ゼッケン、みたいです」
小猫ちゃんが言うとおり、落ちてきた物は『1ねん 木場』『1ねん 姫島』などと描かれたゼッケンだった。
『明日、午前7時半。皆、それぞれのサイコロ前集合です。動きやすい格好で来る事。その際、そのゼッケンをつけてくるのを忘れない事。
……あ…それとあと、弁当持参……以上…神小路かみまろでした……
解散』
僕達は、しばらく立ったまま動けなかった。僕は脳裏に、イッセー君がこの前別れた時に言っていた最後の言葉を思い出した。
『まだ終わってないんだ、お前らも気をつけろよ!生き残れよ!』
「また、始まるのか……」
僕達は皆、力無く地面に座り込んだ。
317人の名前を写すのは、超大変だという事がわかりました……キツい……(※読むのもめんどくさいので消しました)
次回は欠席者……だと思います。
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!