神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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名前の所は読み飛ばしてもらって構いません。



第20話---神の子

ーーイッセー君とゼノヴィアさんと再び別れ、彼らがまた行方不明になってから数日が過ぎた、そんな日の昼間。新しい神の子誕生の瞬間を見る、という趣旨のテレビ、何の気なしにつけたその番組の画面に、僕達は釘付けになっている。

「……やっぱりイッセー君だよ!」「間違いありません!」

僕達はTVを見ながら、興奮する。今は108人目、最後の神の子誕生に世間が湧き上がり、全チャンネルでその特集を放送している。その中でとあるチャンネルが、現在の渋谷の様子を映していた……その画面の中に、彼がいる。

 

カメラに映っているのは、薄青い髪をした男の子。カメラに向かってタンカを切っている。そして、その後ろに彼がいる。

 

「渋谷……皆さん、渋谷に向かいますわよ!」「「はい!!」」

僕達はTVの電源を落とすと立ち上がり、玄関に向かう。

ーーつもりだった。

 

ブツッと、TVの電源が急についた。

最初は家にいる誰かがつけたのかと思ったけど、机の上に置いたリモコンの周りにも、さっきまで見ていたTVの周りにも誰もいない。

 

嫌な予感が身体を駆け巡った僕は、靴を履き始めた朱乃さん達を呼び戻した。無論、TVから目を離さずに。

 

砂嵐が数秒続いた後、画面がはっきりとした。そこに映ったのは……長髪で裸の男。男はピースサインを画面に映しながら、こう言った。

 

『どーも、神小路(かみのこうじ)かみまろです』

 

かみまろ……神?

何だ、あいつは?恐らくどこの神話系態にも属していないだろう……

と、ここで画面が切り替わる。TVに映し出されたのは、1人の少年……あれは、TVで見たことがある。確か……

 

最初の神の子の1人、高畑 瞬。

 

『降りてこいコラぁあ!!ぶっ殺してやる、お前!!』

 

その言葉にかみまろも一瞬黙ったが、『おー怖』とだけ告げて話を続けた。

『とりあえず俺が、今世紀の神です。生き残った奴、君達が新世紀の神です。

まず、1の箱……天谷 武…高畑 瞬…秋元いちか…真田ユキオ…秋本クリストファー健人……』

ここでかみまろは1度息を吐き、そして息を切らさずひたすらに名前を読み上げる。3分、5分…途中で漢字の読みなんかを確認したりもして、約10分。

『ー-以上、317名。

第1の箱の君達は、サイコロが「1」だから1年生。その他の人は、今すぐ立方体(キューブ)を参照』

 

その言葉が終わった直後、突然空中に白い何かが現れる。それはヒラリと一回転し、僕達一人一人の手元に収まった。

「!……これは…?」「……ゼッケン、みたいです」

 

小猫ちゃんが言うとおり、落ちてきた物は『1ねん 木場』『1ねん 姫島』などと描かれたゼッケンだった。

 

『明日、午前7時半。皆、それぞれのサイコロ前集合です。動きやすい格好で来る事。その際、そのゼッケンをつけてくるのを忘れない事。

 

……あ…それとあと、弁当持参……以上…神小路かみまろでした……

 

解散』

 

僕達は、しばらく立ったまま動けなかった。僕は脳裏に、イッセー君がこの前別れた時に言っていた最後の言葉を思い出した。

『まだ終わってないんだ、お前らも気をつけろよ!生き残れよ!』

 

「また、始まるのか……」

僕達は皆、力無く地面に座り込んだ。




317人の名前を写すのは、超大変だという事がわかりました……キツい……(※読むのもめんどくさいので消しました)
次回は欠席者……だと思います。

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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