神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】 作:兵太郎
学校の敷地の一部、広いグラウンドには、大勢のギャラリーが集まり、闘いの始まりを不安そうに見守っている。
その観衆の真ん中には、15人の男女(女は1人だけだが)が立っている。
「お前らは、俺かプゥを戦闘不能にすればいい。俺達はお前らを殺しにいく。ルールはそれだけだ」
「ほら、どっちに殺されるか選びなよ。早くしねーと他の国が動き出しちまう」
サノヴァ・シックスの2人がそう言うと、残りの13人は2つに分かれる。9人がプゥに、もう4人が坊主頭の男と対峙した。
「戦闘不能ってのは、犯して足をガタガタにさせるって事でも良いんだよな」「ゲヘヘヘ、それは勝負って言わねぇな!!」
柄の悪そうな男達が幹部の1人、プゥに向かって挑発するが、プゥは髪をサッとすくと、
「おめぇらみたいなケツの青い奴らにイカされるほど、あたしもヤワじゃねぇんだよ」
と言って、鼻で笑った。
「じゃあ今から、公開処刑を始める。せいぜい反面教師として役に立つが良い」
そう言うと、坊主は空手の構えをしてその場に佇む。
「じゃあ始めるか……虐殺をよぉ!!」
そう言うとプゥは服の中に手を突っ込む!!そして中を数秒漁り、取り出したのは、
S&Wマグナム44+デザートイーグルの2丁拳銃!!
「派手に脳髄ぶちまけやがれやぁ!!」
その1言と共に、プゥはトリガーを弾く!銃弾が勢いよく飛び出し、9人を貫いた!!
「バーカ!女だから弱いと思ったか!お前らみたいな猿どもに負けるほど耄碌してねぇ……あ?」
9人を貫いた……はずの銃撃で、
問題はもう1人……倒れなかった男だ。
その男は、周りの他の男と比べるとひと回りもふた回りも小さく、かと言って筋肉の塊の様な男でもなかった。しかし、彼は銃撃を受けたにも関わらず、変わらずその場に立っていた。
「何だ、運良く他の奴が盾になってくれたか?寿命が延びて良かったな!あばよ!!」
そう言うとプゥは再び銃を撃った。今度は残りの玉3発全て。3つの弾丸が1人の男に襲いかかる!!
と、そこで男は左腕をブン、と振った。
「……こんな玉当たらねぇよ!!」
男は、いつの間にか左腕に装着している赤い籠手を上に掲げると、その籠手からバラバラと4つの弾丸を零した!!さすがのプゥも、それには少し驚いた。
「プゥ、何やってる。俺はもう仕留め終わったぞ。そっちも早く終わらせろ」
「……分かってるよ、
プゥはリリィの所へと戻っていく坊主……C・Bを横目で見ながら、拳銃を捨てる。今度は服の中から、鋭いナイフを2丁取り出した!
「お前は銃撃は効かなさそうだから、私のナイフで仕留めてやる!!」
そう言ってプゥは、ナイフを向けたまま男に迫り寄る!!狙いは心臓、そして喉!プゥのナイフがそれらに迫り--
男がその腕を掴んだ。
男はそのままプゥを上に投げ飛ばす!プゥは10mほど飛ばされたものの、猫の様に回転しながらスタッと衝撃を殺しつつ着地する。
「ち、面倒くせぇな。じゃあ次はこいつで「いや、これで終わりだ」!?」
男は、プゥに向かって宣言した。プゥはそれを聞いて激昂する!
「何だテメェ!!攻撃を止めたからっつって調子乗ってんじゃねぇぞ!!私にはまだまだいっぱい武器が……」
「いや、これで終わらせる!!この技で俺は数々の女の子を戦闘不能にしてきた!!喰らえ、俺の全身全霊をかけた超必殺技!!
『
その言葉と共に男……兵藤一誠の指がパチンと鳴らされ、
「んなぁ!?」
プゥの服が、粉々に弾け飛んだ!!
「ッ〜〜〜〜〜!!!」
プゥは全身を隠す様に押さえ、しゃがみ込んだ。それを見てイッセーはリリィの方を向き直し叫ぶ。
「これで俺の勝ちだ!!意見させてもらうぞ!!」
そう叫ぶイッセーの首を目掛けて、プゥが鉄はりを持って飛びかかる!!
(バッカ野郎め!!こちとら女なんてとっくに捨ててんだよ!!トドメを刺さなかった事を後悔しながら死げぼ!!」
飛びかかるプゥの腹に、イッセーの左腕が刺さる。その1撃を喰らって、プゥは意識を手放した。
「こんなのお見通し……って訳では無かったけど、筒抜けだったよ」
そう言うイッセーに、リリィと水色髪の♂♀マークが歩み寄っていく。
♂♀マークはプゥを抱えて、学校の方へと戻っていった。
イッセーはリリィと相対する。
目を合わせて数秒、リリィは小さく声を発する。
「……なるほど、お前も数々の戦いを潜ってきたということか」
リリィはそれだけ言うと、イッセーに自分についてくるよう促した--
次回は視点を離れ、月と星の話かな?
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!