神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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話が進んで無い…


第10話---推理

--試練が始まる10分ほど前、私は自室を出て、会長達の部屋に向かっていた。同じ部屋の桐生は疲れが溜まったのか熟睡しているので、書き置きをしてから部屋を出た。

会長達の部屋は階が別だ。階段を上るのは、今の私にはつらいな〜などと年寄りじみたことを考えながら歩いていると、背後から声が聞こえた。

 

『お前……ひとりか? ともだち……いないか?』

私は後ろを振り向いた気がするが、そこから後は覚えてない。そして今、私は会長達の部屋にいる。

「仁村さん……」「留流子……あなたまで亡くなってしまうとは…」

会長達の部屋で目覚めて1番最初に私が見たのは、同じ試練を--学校での事件だけではなく、本当に色々な問題を--共に乗り越えてきた仲間、そのうちの1人の死体だった。

 

「な……留流子!?」

その声にこの部屋にいた会長と子猫ちゃんがこちらを振り返った。

「由良先輩、起きたんですか?」

「翼紗……あなたにはいくつか聴きたいことがあります」

 

そこからわたしは会長に色々なことを質問された。生年月日、好きな食べ物、最近の趣味、そして、初めて眷属になった日のこと……

たくさんの質問が終わると、会長は少しホッとしたような表情で、私に今の状況を説明してくれた。

 

「私がこけしになって現れた?そして私の仲間のこけしが留流子を殺した?」

「そうです。新しい試練は始まりました。留流子はその餌食となりました。もはや生徒会メンバーは、あなたとサジだけです。あなた達2人は、他の眷属……椿姫や桃、巴柄、憐耶、そして留流子の分まで……生きてください」

会長は私に、とても優しい声をかけてくれた。この、留流子を殺したこけしの仲間になっていた私に……

ん……?私はそもそも何で私はこけしになったんだ?

(『お前…ひとりか?ともだち……いないか?』)

あの声を聴いて振り返った時、私は何か見た様な……あれは何だったっけ……?

 

しばらく黙って思い出すのに集中する。会長は最初私に話しかけてきたが、私が何かしていると分かったのか、すぐに口をつぐんだ。

 

(……あれは、文字?『ん』……『が』……『ちょ』……?)

 

思い出した。私は今思い出したことを会長に、私の意見を踏まえて話した。

「こけしになった者は適当に選ばれたのではない…何者かによって強制的にこけしにさせられたのです!多分!私もここへ来る途中に、後ろから声をかけられ、その後の記憶がありません。ただ、他の人間をこけしにする能力を持つ者、それがいるのです!多分!」

「なるほど……」

「更にその能力者の名前?か何かを見る事が出来ました。『んがちょ』という名前だった気がします。そしてそいつは私にひとりか?と聴きました。そして私をこけしにして去って行きました。その能力者はきっと今も、1人ぼっちの人を見つける為に、外でうろついているはずです」

私がそこまで言うと、会長は私の予想を聴き、こう意見した。

「その元凶の能力者……いえ、話の特徴からしてこけしでしょう。そのこけしや、他のこけしがいるのは分かっていますが、ここでずっと待っていても、この試練は終わらないでしょう。私達はまだ、この試練のクリア条件も分かっていません。ここはこけし達に気をつけながら、外に出ましょう」

 

グレモリー眷属の小猫ちゃんが外の気配を読み、何もいないのを確認する。それを合図に、私たちは部屋の外へと踏み出した。




さあ、連続投稿も残すところあと1日です!
最後の最後まで頑張ります!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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