神さまの言うとおり 〜踊らされる悪魔達〜 【完結】   作:兵太郎

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第66話---無関係

「行けよ、バカ面。信じる仲間が困ってるじゃねーか。仲間の為に行けよ、ホラ」

「バカ面じゃねぇ、明石靖人だ!さっきからてめうお!!」

明石がバランスを崩しかけるが何とか持ち堪えた。何やってんだお前ら。

そんなことをしている時、上からまた音がした。

『Pーー』『PーーPーー』

何だあれ……鳥……ってうぉお!?

 

上に飛んでいた鳥がこちらに迫ってくる……ってデカっ!?全長5mは超えるぞ!

その鳥達は俺達の上空を飛んでいき、そのまま真ん中、案山子が立っている足場の上にとまると、案山子の足下を啄ばみ始めた?……あ。

よく見ると案山子の足下には、これまた超巨大な(鳥よりも大きい)ジャガイモが!なるほど、さっきの『ほった芋いじんなぁ』ってのはあれか!という事は、あそこにたどり着けばゴール!……ただ、このアルファベットのプレートって、踏んでいいものなのかな?

『ほった芋いじんなぁ』

案山子が更に告げる。今度は、両手を前に出し、そして片方の手を動かし始めた。足下の鳥を追い払っているんだろうか?

「そーか!わかりました、私!あの案山子……お芋を守ってたんですよ!!だから、あの鳥を追い払えばクリアですよきっと!!」

「仮にそうだとして、どうやって芋まで行くんだっつーの」「え、あ……それは……」

俺ならまとめて吹き飛ばせるかもだけど、場が混乱するから言わないでおこう。

 

「おい、何だこれ!『K』『P』以外に種類あんのかよ足場ぁ!?」「うぉ、マジじゃん!アルファベットじゃん全部!?」

「こんなん行けねー……てか、あの案山子、何?」「芋……?…意味不っしょ……」

ここで、俺達5人が集まっている所に、更に2人の男子……チャラそうな男子がやってきた。……あ、そうか。プレート全体が円状になってるから、中心の案山子に近づけば近づくほどプレイヤー同士の距離も近くなっていくんだ……

他の所にも人が4、5人の塊で数箇所集まっている。皆、アルファベットプレートに踏み込めず、立ち止まりひたすら案山子を眺めている。

 

「誰か行げっでぇ!!いづまでもこんな所さまっとれんっぺよぉ!?このまま24時間も無理だつー!!」

1人の男が叫ぶ!……ていうか訛りがスゴいな!しかも何あれヘルメット着けてるし、服には安全第一って書かれてるし、キャラ濃いな!

その少年……周りの奴からヘルメット通学って呼ばれてるあの男子は、周りの皆と揉めていた。

そこで、

「ジョニー、蹴る」

その少年の頭を、別の神の子……黒人?の男が蹴っ飛ばす!

ヘルメット通学はそのまま前に出て、アルファベット『A』のプレートを踏む!

……しかし、彼は落ちない!……あぁ!?だけどそれだけじゃ勢いを殺しきれなかったみたいで、別の足がそのまま別のプレートに向かってる!?……次のプレートを別の足で踏んだ!……だけど落ちない!ヘルメット通学はそのまま更に数歩プレートの上を進んだけど、落ちる気配は無い!という事はつまり……アルファベットの足場は踏める!ケンパのルールももうないみたいだ!

 

踏めるとわかった瞬間、一斉に中央に向かう奴がほとんどだったけど、俺はそうしなかった。周りの人がそうしなかったからだ。特に、東浜。あいつが真っ先に行かないって事は、何かあるんじゃないかと思ってしまい、俺は足を踏み出すのを躊躇した。

「あの手の動き……あ!皆、何番だった!?」

!?明石が急に隣に来たチャラい男子やヘルメット通学に質問を始めた!だけど意味不……

「最初のゴール地点に浮かび上がってきた番号だよ!俺達のは『3』だった!教えてくれ!クリアのヒントになるかもしれない!!」

それに対する返事は、左にいるチャラ男達は俺達と同じ『3』、その少し向こう側にいるヘルメット通学は『4』、ちょっと遠い所にいる男子は『5』のポーズをしてくれている。つまり時計回りで『3』・『4』・『5』……あ。そういうことか!

「明石さんマズイです!先に行った人達が、芋の所に着いちゃいます!」

天馬ちゃんがそういうが、俺はわかった。これは、芋はクリアに関係無い!

「ジョニー、跳べる」

 

さっきヘルメット通学を蹴った黒人……ジョニー?が、大ジャンプでジャガイモまでたどり着く!……しかし……

 

「ジョニークリア♪……あ痛……あ!?あぁ……!!やめろぉ……!?」

笑っていたジョニー。彼に巨大鳥が近づく。最初は、クリアの祝福をするものかと俺は思った。だが、鳥は食事の途中に現れた新しい獲物(・・)に攻撃を始めた!!

ジョニーはジャガイモに群がっていた鳥に全身を啄まれ、腕や足をもがれ、空を舞っていった。

だけど、それだけじゃ終わらなかった。

 

「あ……怒ってる!?鳥が怒ってるぅ!!」

食事を邪魔されて激昂したのか、鳥達は芋の足場の周りにいた人達を無差別に攻撃し始めた!ある人はジョニーと同じ様に全身を千切られ、ある人は体当たりをされて空に落とされ、ある人はそれを見て逃げようと焦り、足を踏み外しそのまま落ちていった。

先に行った奴ら……どれくらいいたんだろう……多分20人くらいか。彼らは残らず全滅した。

残ってるのはあと70人くらい……かな。

 

なるほど、芋は無関係……案山子の言ってる言葉の意味もこれでやっとわかった……

「わかったんだよ、案山子の言ってるコトの意味……アレは……

『掘った芋いじんな』じゃねぇ……『What time is it now?』だ!!」

 

……明石に先に言われた!?




確かに、『掘った芋いじんな』で『What time is it now?』に聞こえる……気がする。


〜〜☆祝・100話突破!☆〜〜
ちびちびとやっていたら、いつの間にか100話になってしまいました!!ここまで来れたのも皆さんが読んでくれているからです!これからも『ハイスクールD×D×神さまの言うとおり』、改め『神さまの言うとおり〜踊らされる悪魔達〜』をどうぞ、よろしくお願いしますm(_ _)m

今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!

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