【習作】ネギま世界にドラクエ系技能持ちで転生する話【テンプレ】   作:1ch

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▶ぼうけんをする
 ひょうじそくどをかえる
 ぼうけんのしょをつくる
 ぼうけんのしょをうつす
 ぼうけんのしょをけす

   1:アデル   Lv 99
 ▶ 2:エヴァ   Lv 27


レベル6

 ダーナという、私と同じ吸血鬼の真祖だという女によって『次元の狭間』に建つ城へと連れて来られて早7日。

 明け方、日も出て間もないこの時間にわざわざ起きているのは他でもない。──ダーナを、奴を殺すためだ。

 

 奴を殺すことが出来れば、卒業証書や免許皆伝が手に入り、予定を繰り上げて此処から出ることができる。らしい。さっさとやつを殺してこんな訳の分からん場所から出て行ってやる。

 

 奴が目を覚ますまで、まだ時間がある。この吸血鬼の身体は膂力も脚力も人間であった頃とは比べ物に成らないほど向上している。寝込みを襲えば奴の首をかっ切ることなど訳もないはずだ。

 

 

 

「──何だ……? そこのお前」

 

 突然背後に気配を感じて振り向く。其処に居たのは帯剣した旅姿の青年だった。

 

「見かけないガキだ。お前もあのババアに連れて来られた口か」

 

 ババアの小間使い……にしては帯剣しているし、そういった身形(みなり)の人間ではない。パッと見だが、中々の実力者だろう。

 あのババアは気紛れで不死者に稽古を付けていると言っていた。大方、私と同じようにあのババアによってこの『次元の狭間』へと連れて来られたのだろう。私には不死性を持たないただの人間に見えて多少気にはなるが、気にせずにダーナの首を狩りに行くことにする。

 

 ダーナの寝所までの道中、自分の背後に先程の青年が付いてきているのは気が付いていたが、邪魔をするつもりは無いようで話し掛けられることも一切なく無事目的地に着く。

 

「……今日こそ殺る! 覚悟!!」

 

 大降りのナイフを両手に構え、奴が鼾をかいて眠る寝所に向かって飛びかかる。普通の人間に対してならばこれだけで必殺の一撃になる。が、ナイフが首を切り裂くよりも早くダーナの瞼がカッと開き、右腕を掴まれる。

 左腕に持つナイフで追撃しようにも魔力によってか固定されてしまい動かすこともできない。そのまま拘束魔法で動きを完全に封じられてしまった。

 

「やれやれキティ、相変わらず芸がないね。何より美しくない」

 

「ぐっ……あッ……」

 

 拘束から抜け出すために身を捩れば、ダーナの右手が何かを操作するように動き、その度に私の左腕がギリギリと悲鳴を上げるように骨が軋む。

 

「いい加減用意してあげた服くらい着たらどうだい」

 

 何が用意した服だ……! 貴様が普段着ているような毳毳(けばけば)しい服ばかりではないか……! あんな派手で品の無い悪趣味な服なんぞ着られるか!

 そうやって心の中で悪態をつきつつも動けずにいると、ダーナが私の後ろにいた青年に気付く。

 

「……おや、あんたは確か…」

 

 その時、ダーナの周りに滞空していた時計盤から6時を告げる鐘の音が鳴り響く。ダーナは鐘の音が鳴り止むのを待ってから、私を魔力で拘束したまま地面に下ろし、旅姿の青年を紹介する。

 

「キティ、こいつはあんたより先にこの『次元の狭間』に来ていたアデル・アリアハン。あんたの兄弟子さ」

 

 私は貴様を師匠だなんて認めてない、直ぐに貴様を殺して此処から出ていってやる。

 しかし、兄弟子だと……? まだ此処に来てから長くは無いが、一度も見かけたことがない。

 私の怪訝そうな顔から疑問を読み取ったのか、ダーナが答える。

 

「こいつはちょっと特殊な場所で修行させていたからね。見かけなかったのも無理はない。修行していた場所については……まあ、何時かは作らせる予定だから楽しみにしているんだね」

 

 そう言ってダーナはアデルに向き直る。そのまま私を置いて何処かへ……おい、どこへ行く、この拘束を解いてからにしろ! 聞いているのか!? おい!

 




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