【休止中】番長が異世界から来るそうですよ?   作:赤坂 通

23 / 30
書く環境が変わって本編がどうにもこうにも書けません
来年の三月頃まで待ってくださいお願いします···
本当に申し訳ない;;
本編十八話終了時点直後、SideRSといったところです
どうぞ


舞台裏RS劇場

 

―――<サウザンドアイズ>二一0五三八0外門支店、白夜叉の私室外。

 

番一が机を片付ける音を聴きながら扉の前で浮かぶラプラスの小悪魔、RSの姿があった。

 

「さてさて、鑑定が終わってからずっと見てはいましたが···ちょっと甘味を摘まみに、と目を離すべきではなかったと言うべきですね。何やら長井番一がやらかしたようですし」

 

そう小さく呟いてRSは小さな手で頭を掻く。

と、中から番一の声が扉に向けて掛けられた。

『ん?誰か今呼んだか』

『ええい!誰も呼んでおらんわ!早く片付けい!』

しかし即座に白夜叉に叱られ、すごすごと机の破片を片付ける音がした。

 

「さすがと言うべきか···恐るべき聴力ですね。犬並み、は言い過ぎですかね。っと離れなくては」

そう呟くが早いか、先程よりも更に小さな声で何かを唱え、RSの姿が消えた。

 

 

 

 

            *

 

 

 

―――数秒後、箱庭のどこか、上空。

 

そこには風に服を靡かせるRSの姿があった。

眼下に映る風景は箱庭東側外門のソレとはあまりにも違う。

 

「見つかるのも癪だと思い跳んだはいいものの、流石に遠くまで来すぎましたかね?」

そう呟いて虚空からティーセットを取り出す。

ティーセットはひとりでに動きRSの手の中へと運ばれた。

 

「さてさて、取り敢えず情報を纏めねば」

またしても何処からか紙束を取りだし、紅茶片手に眺め始めた。

 

 

と、今更だが彼女『ラプラスの小悪魔<RS>』について説明しておこう。

身長は大体7cm。白を基調として黒色の模様であしらったワンピースに、ゴーグルにも見える単眼。両の手足は黒い影のようなもので針の様に細く伸びている。髪は夜空を思い浮かべるような、黒。

 

服装や髪の色に違いはあれどほぼ全てのラプラスの小悪魔に共通する外見である。

だが彼女の言動は他のラプラスの小悪魔とは決定的に違う。

 

彼女<RS>は他のラプラスの小悪魔達に嫌われており、ほぼ絶縁状態であるということ。

ラプラスの大悪魔、ラプラスの小悪魔達が母さんと呼ぶ存在、に仕入れた情報を送りもせず、一人でその情報を溜め込んでいるということ。

ラプラスの悪魔のコミュニティから半ば脱退していること。

 

簡単に説明してしまえば『フリーランスのラプラスの小悪魔』というのが彼女の立場だろう。

なぜ許されるのかと聞かれれば、本家ラプラスの大悪魔をも超える情報量に、自分からは決して報酬を求めない姿、神軍ですら手玉にとる彼女についての噂が絶えず、RSのところへ白夜叉のように仕事を持ち込んでくる者がそこそこいるというのもそうだし、なによりラプラスの大悪魔が何故かその振る舞いを許しているからだ。

 

 

(とまぁ、私についてはもういいのですが···)

手に持っていた紙束を何処かへと消し、紅茶を少し飲んでため息を一つついた。

 

(何よりもまず言いたいことがひとつありますね)

 

 

 

「最初に作った報告書が雑すぎる!何ですかこれは。子供のお使いですか!?」

言うが早いか頭を抱えて呻き出した。紅茶の入ったティーカップは空で中でプカプカと浮いている。

 

「うぐぅ、我ながら酷い出来です···もうちょっと調べあげてから出すべきでした、というより即断即決で作った"アイツ"が悪···ゲフンゲフン、これは禁句でしたね」

 

頭を振って悩みだす。

 

「四代目箱庭番長、一代二代と情報は不自然といっていいほどに無く、辛うじて三代目のはありますが···もう数百年前のことですし、こうなってくると『カワイイ!』とかいって襲われるのを理由に逃げ回るべきではありませんでしたね」

その時の光景を思い出したのか一度身を震わせて続ける。

 

「四代目、長井番一について調べれば、なにかわかるのでしょうかね?今の時点ではやや情報不足が否めませんが。常人離れした身体能力、作っているのではと勘繰ってしまう謎の無知アピール、若干の情緒不安定···あれ?もしや彼は問題児というよりガイ···これは言うと色々な方面から確実に叱られますねゲフンゲフン」

 

RS以外誰も耳にしていないはずだけれども咳をして言葉を濁す。

 

「番長必殺シリーズとやらも存在するのでしょうし、そもそもあれギフトじゃないっぽいですし何でしょうねアレ」

悩み混むこと数分。RSはもう一度盛大にため息をついて結論を出した。

 

「直接本人に聞くのが手っ取り早いですね。こうしてはいられません。行きますか」

残っていた紅茶を飲み干し、ティーセットを消して、再び何か唱えて消えた。

 

後には紅茶の匂いを吹き消す、乾いた風だけが残った。

 

 

 

―――その数秒後、RSが番一を見失って、自らの失態嘆く、虚しい叫び声が響いた。




どうも赤坂です。生きてます。
前書きで言いたいことは大体言えたのでこっちではあんまり

と、もしかしたらちょこちょこっとこういう感じの投稿がされるかもしれませんしされないかもしれない、シュレディンガーの投稿に来年の三月頃までなります。

ではでは。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。