遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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 今回は先にお礼をば。

誤字修正をしてくださったシゲポン☆様、シニカケキャスター様、ありがとうございます!

改めて見ると、結構な誤字量で自分に引いてます()

そして評価と感想、お気に入りをくださる皆様、いつもありがとうございます! お陰様でお気に入り700件……こんな(ネタ的な意味で)谷しかない小説が


潤「感動してるならさっさと書け」

作者(以下( ゚д゚))「アッハイ。あ、そうだ潤」

潤「あ? 何だよ亀更新野郎」

( ゚д゚)「今回『変わって』もらいますので」

潤「………………お前マジで言ってる?」

( ゚д゚)「一番バレない方法でしょーよ」

潤「死ね」

( ゚д゚)「ストレート!?」


セーラ「作者」

( ゚д゚)「はい、セーラさん」

セーラ「65%」

( ゚д゚)「大分下がりましたね、ありがとうございます。ブロッコリー食べます?」
セーラ「いただく」モグモグ

リサ「まだ半分を切っていないので、心配です……でも、ご主人様ならきっと……!」


第三話 ここまでする必要はあるけどねえよ

 ブリュッセルからオランダの首都、アムステルダム行きの電車内にて。

「律(りつ)ちゃん、エルくんちゃんから貰ってきたお菓子があるんだけど、いる?」

 

「……奪ってきた、の間違いじゃないの? まあ、いただくわ」

 

「文句言いながらも甘いものに目がないわね、律は」

 

 ……はいどうも、遠山潤です。皆さん予想してるとは思うけど、女装姿で逃走中ですたい(白目)

 

 普通に電車待ってたら、「よーしお着替えだー! ユーくんこれな!」と女装セットを渡され、女子二人にトイレに押し込められるとか……もう、何?(いつもの)

 

 格好だが、ナチスの拠点にいた時と同じものだったりする。俺が黒髪と黒いドレスを着込んだ目つきの鋭い少女、理子が白髪に白いドレス、赤いベレー帽を被った優しげな顔立ちの少女、リサは蒼い髪と切れ長の瞳を持つ、理知的な美人さんになっている。だから誰が分かるんだよ、このArc〇eaコスプレ。

 

 格好のせいで明らかに悪目立ちするから、個室付きの一等席に入り込んで食事休憩中だ。俺達逃亡中なんだよな(そうだよ)

 

 当然駅員さんには怪しまれたけど、理子の暗示(Not魔術、足が付くと面倒だからな)とリサの話術で誤魔化せたので、旅路は順調だ。俺? 女装(この格好)でトーク力なんか期待するなマジで(死んだ魚の目)。

 

 まあそんなこんなで電車は夜通し走っていき、特に襲撃もなくアムステルダムに到着。 寝ていたリサが謝ってきたが、ここまで怒涛の展開だったし、疲れて寝てしまうのも無理はないだろう。

「でも、律(潤のこと)も光(こう、理子のこと)も一睡もしてないのに、私だけ……」

 

「大丈夫だよ。私も律も、徹夜くらいでどうにかなる身体してないから!」

 

「徹夜の大半はあなたのアニメ鑑賞かゲームに付き合わされた結果だけどね」

 

 まあ妖刃達の襲撃に備えてたのもあるから、別に問題はない。

 

「それじゃあ、早速お部屋を借りないとね。どこがいいかなあ?」

 

「午前八時からやってる不動産屋なんてあるわけないでしょう。私はそれより、さっさと着替えたいのだけど」

 

「二人とも、ここには補給に立ち寄っただけよ」

 

「「ええー」」

 

「ワガママ言わないで、特に律」

 

「……え、私なの?」

 

 女装解除が定住地を探すよりダメって、どういうことよ(白目)

 

 

 そんなこんなで補給(九割食料品、というかお菓子)を済ませ、電車とバスを駆使して辿り着いたのは、かつて要塞都市であった田舎町、ブーダンジェ。アムステルダムに比べ人も少なく、静かな場所だ。

 

 気に入った、何より女装をしなくていいのが大きい(女子二人からはメタクソ抗議の声を上げられた、解せぬ)。

 

 リサが子供の頃に訪れたことがあるらしく、ここを選んだらしい。この辺りは俺も理子も拠点を持ってないし、大掛かりな組織の建物もない。よいチョイスだな、流石出来るメイド。

 

 なお、理子が「ロリリサ……これはこれで……!」とかほざいてたので、肘打ちで黙らせた。たまには落ち着けコノヤロー、ここは日本じゃねえんだぞ(そうじゃない)。

 

「……」

 

「ぬごごご……どしたの、ユーくん?」

 

「……いや、この後どうしようかと思ってな」

 

「? 女装リトライする?」

 

「それはない」

 

 ええー、と抗議の声を上げる理子を無視し、カプチーノで喉を潤す。多分、眉間にはシワが寄っているだろう。

 

「……どうしたものかね」

 

 拠点を探すリサを待つ間、俺は妖刃達に見つからない方法を思考する。……正確には、躊躇してるんだがな。

 

 

「わーひっろーい! 三人で住んでも余裕だねーくふふ」

 

「良い場所を見つけられました、これもご主人様のお陰です」

 

「いやなんもしてないから、リサが見つけてくれたんだよ。ありがとうな」

 

「ご主人様……本当に、ご主人様はお優しいです……リサの欲しい言葉をくださるのですから……」

 

「……あれ、理子置いてけぼり?」

 

「連鎖すると落ちてくるもんみたいなものだろ」

 

「おじゃま〇よ扱い!? ふざけろー理子ともイチャイチャしろーユーくんリサー!」

 

「ひゃっ!? り、リサもですか理子様!?」

 

「くふふふ、相変わらずいいもの持ってますなあ」

 

 理子が背後から抱き着いて、リサの柔らかい身体を堪能しているのは非常に百合百合しい光景だ。俺がお邪魔なんじゃないかね。

 

「オイケガさせるなよ理子、もししたら」

 

「くふふ、ユーくん程度の情熱では理子を止め「ホームズ姉妹にチクる」すいませんでしたあ!!」

 

 土下座とは潔いな、情けないけど(←間違いなく同じ反応するやつ)。

 

「とりあえず、俺は着替えてくるから」

 

「撮影は任せろバリバリー! ユキちゃんとめーちゃんにもバッチリデータを送るよ!」

 

「ご主人様、お手伝いします!」

 

「ちげーよ覗くなって言いたかったんだ。大人しく待ってろ特にそこの変態」

 

 二人揃って(´・ω・`)顔するなっての、野郎の裸なんか見てどうするんだ。

 というか理子はどこにそのデカいカメラ隠してたんだか。亜空間じゃなくて服の中から出てきたよなそれ。

 

「……はあ。やりたくねえなあ」

 

 これ自発的にやるとか、ある意味女装よりあれなんだけどな。……まあ、背に腹は代えられないかあ。無意味に死にたくはないし。

 

 

 はーい、りこりんこと峰理子ですよー……テンション低い? 当たり前じゃん! ツッコミ枠のアリアんも(割と)常識枠のユキちゃんもいない今この時がチャンスだったのに! 扉一枚隔てた先に(理子にとっての)ユートピアが待ってるのにいい!! 

 

 超複雑で固い結界とか張られたら、覗くことすらできないじゃん! ああああんまりだよ!!

 

 ……とまあ、脳内暴走しつつ大人しく(?)待ってるりこりんなのです。なえるわー……

 

「うーむ、ユーくん遅いなー……」

 

「ご主人様、まさか昨夜の戦闘の傷が……?」

 

「残ってるかもしれないね! よしリサ、ここは突入をーー」

 

「何バカなことを言っているのですか、あなたは」

 

「ーーほえ?」

 

 残念ながら突入は叶わなかったが、出てきたのは予想外の人物ーー腰まで届く赤味の混じった紫の髪、側頭部に短い三つ編み、切れ長の赤い瞳、ほっそりした腕とウエストに反して、制服のような落ち着いた色合いの服に包まれた豊満なバスト。膝上のミニスカートとニーソックスに包まれた絶対領域から見えるおみ足は、非常に柔らかそうでむっちりとした蠱惑的なーー」

 

「途中から口に出てますよ」

 

「総評、誰だこの白人とモンゴロイド系のいいところを詰め込んだすごい美人!? ありがとうございます!」

 

「……」

 

 ありがたやーと拝んでいたら、ゴミを見るような眼で見下された。残念だったな、理子にとってはそれもご褒美だ(ドヤァ)

 

「え、えっと、どなた様でしょうか? というか、ご主人様は? ご主人様はどこですか!?」

 

「……まあ、いきなりこんな姿で現れたら、驚きますよね。すいませんリサ、『潤の時点で』あなたには説明しておくべきでした」

 

「「?」」

 二人して首を傾げる。この美人さんは突然何を言っているのかな? 女装したユーくんなら魔力とか魂の形で分かるしーー

 

「ん? んん? いや魔力のパターンは違うけど、この魂を反転させた感じーーハッ!?」

 

 理子は今、恐ろしく素晴らしい事実に気付いてしまった。まさかユーくん、

 

「TS、だと……!?」

 

「察しが良くて助かります、理子。その単語は些か不本意ですが。

 私は潤の『陰』の部分ーー分かりやすく言うなら、『女性部分の人格』を基礎として肉体を変えたーー何をしているんですか、あなたは」

 

「いや、立派なものをお持ちなもので、つい」

 この感触と質感、ひょっとしてユキちゃんやリサに匹て「キュベレイ!?」こぶしが外にも内にも響いてクッソ痛い!?

 

「おおおおお、こっちのユーくんは容赦ねえですわ……」

 

「あなたのセクハラが度を越してるんですよ」

 

「だが理子はひかな「刻みますよ」こわ!?」

 

「ご、ご主人様? 本当に、ご主人様なのですか?」

 

「はい、あなたの主ですよ、リサ。証拠代わりに、中野でデートをした話でもしましょうか?」

 

「あ、いえ! そこまで言っていただければ、リサは信じられます!

 それにしてもーーヘルモーイ! ご主人様は女性になられたら、美しいのですね!」

 

「分かるよリサ、めっちゃ美人でりこりんも惑わされるとこだったぜ……」

 

「男でも変わらないでしょう、あなたは」

 

「否定できないネ!」

 

 また冷たい目を向けられる、何か癖になりそう(手遅れ)

 

「……何も言いませんよ。とにかく、準備ができるまではこの姿で過ごします。妖刃には男性体の魔力パターンを把握されてますから」

 

「かしこまりました、ご主人様。女性としての生活でお困りのことがあれば、なんなりとリサにお申し付けください」

「というか事前に教えてくれれば混乱しなくて済んだんじゃない? あと、記憶とかはユーくんのものと変わらないんだよね?」

 

「ええ、記憶も経験も共有していますので、支障はありません。言わなかったのは、男性体が最後までなるのを躊躇していたからかと」

 

「こっちのユーちゃんは気にしなさそうだけどねー」

 

 こっちに向ける瞳は、ユーくんの時に比べて感情が薄いものに感じられる。あとそのミニスカートでおみ足を組んで座る姿、理子的には非常にオッケーです(サムズアップ)

 

「顔が変態臭いですよ、理子。いえ、今更指摘しても無駄なのは分かってますが」

 

「目の前に魅惑のボディーがあったものでつい。あ、今はなんて呼べばいいの?」

 

「……そうですね。今の私を呼ぶなら」

 

「シギ。そう呼んでください、それ以上もそれ以下もありません」

 

 

「……クリフォト・カバラは敷設、マントラは掌握・内蔵……こっちには神道式の空間掌握を記述しておきますか」

 

「ご主人様、昼食が出来ました。よろしければここまでお持ちしますが」

 

「ああリサ、ありがとうございます。すいませんが、お願いしていいですか?」

 

「はい、少々お待ちください」

 

 皆様ごきげんよう、リサ・アヴェ・デュ・アンクです。

 

 潜伏生活を始めて三日、女性となったご主人様ーーシギ様は、日がな椅子に座ったまま、浮かせた魔導書を捲っていき、色々な魔術を部屋の中に何個も書き連ねています。リサもご主人様の手解きを受けたので多少分かりますが、凄い精密な術式だということくらいしかわかりません。

 

 何でも、部屋の中を『工房』にしているのだとか。理子様は逆に、武装等の兵器を準備しておられますね。

 

 忙しい御二方に代わり、身の回りのお世話はすべてリサがやらせていただいています。ご主人様からはお礼を言われますが、寧ろリサとしては嬉しくて、もっと頼っていただきたいくらいです。……口にしたら非常に微妙な顔をされたのですが、何故でしょう(←無自覚で主人をダメにさせようとするメイド)

 

「一つ準備が遅れれば、その分死に繋がります」

 

 そう仰られたご主人様は、睡眠以外の時間をほぼ作業に当てられています。今の状況から、急がなければならないのは分かりますが……

 

「ご主人様、よろしいでしょうか?」

 

「……はい。何でしょう、リサ?」

 顔を上げ、感情の薄い瞳でリサを見るご主人様。

 

 顔立ちどころか性別も変わりましたが、よく視れば根の部分はリサの主であることが分かります。一つのことに熱中してしまうのは、男女いずれのご主人様でも変わりません。

 

「差し出がましいですが、一度休まれてはいかがでしょうか? この三日間、睡眠以外でろくに休まれていませんし」

 

「……たしかに、休憩も入れていませんね。集中は問題ありませんが、そろそろルーチンワークでつまらないミスを引き起こす頃です。

 ありがとうございます、リサ。私は潤よりも集中力が偏るため、止め時が分からなくなってしまうので」

 

「はい、お役に立てたなら何よりです。

 ……ご主人様、失礼します」

 

「……? リサ?」

 

 座ったままのご主人様は、不思議そうな顔でリサに抱きしめられたままになっています。感じられる体温や身体つきも、女性そのものです。改めて、魔術ってすごいですね。それともご主人様がすごいのでしょうか。

 

「どうしました?」

 

「はい。リサを守ってくださるご主人様が少しでも癒されないかと、愚考した次第です」

 

「……そうですか。そう言われると、効果があるかもしれませんね」

 

 ありがとうございます。

 

「ーーっ」

 

 耳元で囁くように礼を言われ、幸福感とくすぐったさでリサの中の何かが競り上がってくるように……あ、獣の耳が出てしまいました。

 

 慌てて離れると、ご主人様は小さく苦笑していました。女性として見せる表情も、リサには非常に魅力的に感じられます。

 

「いえ、メイドとして当然のことをしたまでです!

 それにーー」

 

「それに?」

 

「ご主人様の背中を流すという、今まで出来なかった大任を務められたのですから!!」

 

 今までは男女ということで奥ゆかしいご主人様に断られてしまいましたが、今は同じ女性同士、何ら問題はありません。

 

「そこですか。まあ、実際助かってはいます」

 

「! モーイ、嬉しいです、ご主人様! 他にも必要なことがあれば、何なりとお申し付けください! 添い寝や子守唄など、何でもしますので!」

 

「……ちょっと張り切り過ぎじゃないですか、リサ」

 

 メイドとして主のお世話をするのは義務です。この機会をものにして、ご主人様の身の回りのお世話をより広く、完ぺきにこなします!(決意の顔)

 

 そうして潜伏すること一週間。ご主人様と理子様は準備を重ね、時にセクハラをしようとした理子様が無言で蹴られたり(幸せそうな顔でした)、街の祭りに顔を出したり、忙しいながらも穏やかな、充実した時間を過ごしました。

 ですが、それも終わり。ご主人様の元パートナーである『妖刃』様達が、リサ達を発見しました。

 

 ……リサは、非力なメイドです。だから理子様と皆様、何よりご主人様の無事を祈るばかりです。

 

 

 




あとがき
 はいというわけで、潤、女になるの巻でし(銃声)

 ……えーどうも、ゆっくりいんです。ヘッドショットされましたが、私は元気です(流血)

さて、リサとのちょっとした日常シーンを挟みながら準備を勧めましたが、いかがでしたでしょうか? この準備が無駄となるか、有用となるか。それは次回の決戦で分かるでしょう。

 それでは今回はここまで。読んでくださりありがとうございました。

 感想・評価・お気に入り等、いただければテンションが爆上がりして投稿頻度が早くなるかもしれません(真顔)

 


ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

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  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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