遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

92 / 111
 前話の感想欄がヒルドル○で埋め尽くされた件。皆さん大好きですね、私も大好きです。


ジークジオン!!(何)


 あ、本編に出てるのはヒルドル○ではなくヴォルフです。主砲がビームになってたりホバー移動できるよう改造されてるので、完全に別物ですね(苦しい言い訳)


『ねーこーねーこー 左右にねーこー♪』

「ん? アリアか、もしもーし」

『ねえジュン、アタシの着信設定が素敵ものになってる気がするんだけど』

「そんなことに直感使ってどうするよ。わざわざ国際電話でかけてきたし、何かあったか?」

『かなめがアンタの動画メールを見てからPCに貼り付いて何か作り続けてるんだけど、どうしてくれるのよ。白雪が心配そうに見てるんだけど』

「創作魂に火が付いたんだろ」

『山火事もビックリな勢いで点けた犯人が何言って「違うこれだとザメ〇だーーー!? MTの理想型には程遠い!?」うっさいわよやるなら叫ばずやれ!!「デラーズ!?」』

「わあ、まるで行き詰まった研究者みたいな叫び」

『他人事みたいに言うな!? こっち関係じゃお兄ちゃんに負けてらんねー! って言い続けてうるっさいのよどうにかしなさい兄!』

「その内満足すれば収まるぞ」

『それまで甘んじて受けろってことか風穴空けるわよ!?』

 その後、メヌによって(精神的に)沈められたとのこと。「貸し一つよ」って電話越しに言われたけど、俺が作ったんじゃないんですけどねえ。


第三話 何ちゅーもん用意してるんだ(後編)

  やっほーみんな、りこりんこと峰理子だよー。

 

 ……え、テンションが普通? いつもはもっとウザい感じ? 失礼しちゃうなー、理子も怒るんだぞ。ぷんぷんがおーだぞ!

 

 ……まあ、テンション低いのは理由がありまして。

 

「ぐええええ……やっぱ魔力消費激しすぎるだろ、この転移術」

 

 ……理子の横で愛しのユーくんが、魔力空っぽ状態でリバースしそうな顔になってたら、ねえ?

 

「ユーくん、流石に魔力少なすぎない?」

 

「うるせえ、色金保有者を前提にした術式を使えるようにしただけなんだからしょうがねえだろ……」

 

 大体元の術式が雑すぎるんだよ、ファッ〇。死にかけてても悪態吐く元気はあるね~。

 

「でも考えたよねー。千里眼を組み合わせることで、『視界に収めた』遠方でも転移できるようにするなんて。アリアんが目ん玉ひん剥いてたし」

 

「『歪曲』の魔眼使いが透視を併用することで、一帯を範囲にしてただろ。原理はそれと同じだよ」

 

 むしろ何故思い付かん、と息を整えながら溜息を吐く。バテるの早いけど回復も早いんだよねーユーくん。あとそんなポンポン思いつくのを基準にするのは、アリアんに酷だと思うよ。

 

 ……ん? バテるのは早いけど回復も早いユーくん……なるほど、ひらめーー

 

「はいどーん」

 

「インモラル!? なんでいきなり『フェアルング』(ミニキャラが飛んでくるバズーカ砲)撃ったし!?」

 

「しょうもないこと考えてる気がしたんでつい」

 

「考えてることがバレてる……いやん、ユーくんのえっちぃ☆ そんなに理子のこと愛してるの?」

 

「哀悼の意は示しておこう」

 

 わー顔が殺る気だー。そういうのもいいけどさ(重症)

 

 ……あ、出てきたミニワド○ディがよしよししてくれてる。優しい……(感動)

 

「頭に乗られて頭を撫でられるとはこれ如何に。

 で、転移中に何か飛んだりしてないよな?」

 

「うん、おっけーおっけー問題ナッシング。さすがユーくん、安定性と精度『は』抜群だね!! この二つは!!」

 

「よーしお前1ミリも褒めてねえし感謝してねえな? 表出ろ、しばき回してやる」

 

「いやここ外なんですがそれは」

 

 あと両手が塞がってる美少女を襲おうとするとか、ユーくんさいてー。

 

「自分で美少女とかただの痛いやつじゃね」

 

「真顔で言われるとさすがにりこりんでも傷付くんですけど!? というか理子はびしょーじょでーす!

 まあそれはともかく、早く行こうよ。時間は有限だし、待たせてるんだからさ」

 

「足止めてるのはお前だけどな」

 

「りこりん何にも聞こえなーい」

 

 呆れて肩を竦められたけど、ちゃんと付いてきてくれるのはユーくんの優しさだよねー。

 

 ーーそうして私は、足を進める。クベール飛行場とは正反対、フランス北西のある郊外にある教会の一角にある『墓地』に。

 

 

「酒は甘いの好きだったよな」

 

「うん、そーそー。対外的にはワインで通してたけど、家族の前では甘いもの全般好きで、食べ過ぎてお医者さんに怒られてたからねー」

 

「お前が甘いの好きなのはそっちの影響かね」

 

「かもねー。あとはお花を置いてっと」

 

「……真冬の時期にひまわりってのも、変な感じだよな」

 

「まあ折角だし、用意したかったのですよ。ちゃんと菊も用意してるからダイジョーブ」

 

 教会の端にある質素な墓石。少し汚れてしまっていたそれを丁寧に磨いていき、その後に二人ーーお父様とお母様の好きだったものを置いていき、黙祷を捧げる。

 

「「…………」」

 

 私達には珍しい、静寂の時間。潤も目を閉じ、祈りを捧げてくれている。

 

 「魔術師に墓参りの習慣なんてねえぞ」って真顔で言ってた潤だけど、いざやる時は凄い礼儀正しいんだよね。埋葬のやり方も覚えてるらしいし。

 

「……ん、オッケー。ねえお父様、お母様。理子ね、新しい友達が出来たんだーー」

 

 屈んで墓石に手を添え、この春からあったことを語り始める。アリアが新しいパートナーになったこと、怨敵のブラドを倒したこと、メヌエットやリサが来て一緒に暮らし始めたことーー

 

「……」

 

 潤は語る私の横で、煙草の一本を取り出して火を点け、墓前に供える。それを見て、喋りながら小さく笑ってしまった。煙草好きのお父様に、一服させてくれたのだろう。

 

 たっぷり三十分、両親への報告を終えて立ち上がる。

 

「……うん、お話終わり。ありがとね潤、付き合ってくれて」

 

「ん? ああ、別に構わんさ。話したいことはあるだろうし、向こうも色々聞きたがってるだろうしな。生者の都合で家族の交流を遮るのも、無粋だろうよ」

 

「……うん、そうだね。そうだよね」

 

 潤の言葉に、私は小さく頷いて横に並ぶ。普段は素っ気ない上さっさと先に行っちゃう癖して、こういう時はちゃんと待ってくれるのがずるいよねえ。

 

 お父様とお母様への『報告』は、私が墓参りをする際の習慣だ。もっとも、イ・ウーから簡単に出られなかったため始めて来たのは去年が初めてで、その時も潤が一緒だったけど。

 

「……正直、去年も思ったんだが。恨み言の一つや二つ、ぶつけると思ったんだがな」

 

「……くふふ、そうかもねー」

 

 遠慮なく、的を射た言葉に私は小さく笑う。ヒルダに助けられるまでの監禁生活は生まれてから一番の地獄だったし、両親が残してくれたのは今近くにある、誰もいない屋敷とロザリアだけだ。

 

「……多分、もっと前に来てたら、口にしてただろうねえ」

 

 どうして一人にしたのか、何も残してくれなかったのか、ブラドなんかに付け入る隙を与えてしまったのか。恨み言なんて、それこそ吐いて捨てるほどある。

 

 でも、それでも。

 

「死人に口なし、なら死者を貶めることはしない……って言ったのは、誰だったかな?」

 

「さあなあ。そんな殊勝な心掛けを持つ奴がいるのかね?」

 

「いるねー、私の半径3m以内に。

 ……まあ、それにさ。たまに『帰って』くるんだし、土産話は楽しい方がいいでしょ?」

 

「……そういうとこは、お前らしいね」

 

 今度は潤が小さく笑い、頭を撫でてくれる。むー子供扱いとは失礼な、同い年だぞー。

 

 でも悔しい、嬉しくなっちゃーー

 

「墓前で下ネタはさすがにやめた方がいいんじゃね」

 

 潤もアリアのこと言えなくなってきてないかな。

 

「あんな直感脳筋タイプと一緒にしないで欲しい」

 

「帰ったらDeath or Killだねこれ」

 

「それどっちも死なない?」

 

 

 

「……よし、ジュンを徹底的にボコるわ」

 

「お姉様、どうしました急にこわーーーーい顔になって」

 

「何でそんなに伸ばすのよ!? いや、急にジュンを殴り倒さなきゃいけない気がして」

 

「いつものことじゃないですか」

 

「……言われてみればそうね」

 

 

 

「まあそんな話は置いといて」

 

「死亡フラグをそんなことで投げられたんですが」

 

「いつものことじゃん、それこそ。

 ……さーて、湿っぽいシーンは終わり! ここからはラブラブちゅっちゅなシーンですよーくふふ、ユーくん防弾制服黒似合ってるねー」

 

「いきなり呼び方が戻ったな。というかお前も同じ恰好だろ」

 

「男の子と女の子が着るのじゃ、印象が全然違うんだよー?

 ……は、つまりユーくんが女装すればまた凄いノーデンス!?」

 

「何でも女装に結び付けるんじゃありません」

 

「しかし理子は退かぬ、媚びる、稀に省みる!!」

 

「聖帝も微妙な顔をする宣言だなオイ」

 

「そもそも理子が来年お父様とお母様に報告するのは、ユーくんとラブラブカップルになることだからね! ここで宣言しちゃる!!」

 

「そうか、まあ頑張れよ」

 

「超他人事!?」

 

 去年よりはいいけど、相変わらずスルー気味の返答がムカつく! 激おこだよ!

 

 むー! と唸りながら腕に絡みついてやるけど、はいはいって感じに流されるのがプラスで腹立つぅ!

 

「この堅物どうやって落とせばいいんだろ……」

 

「頑張れ!」

 

「だから他人事ォ!? ぶん殴るよいい加減!」

 

「墓前で暴れるなよ」

 

「ぬぐぐ!」

 平手でぺペペペペと背中を叩いてやるが、普段アリアんに殴られ慣れているため応えた様子はない。ぐぬぬ、その頑丈さが恨めしい……

 

「……あ、忘れてた。

 お父様、お母様、いってきます」

 

 お墓に告げて、理子達は背を向けーー

 

 

『いってらっしゃい、理子』

 

『気を付けてな』

 

 

「ーー!?」

 

 思わず振り返ってしまう。今のはーー

 

「……ユーくん、今のーー」

 

「お前の幻聴じゃねえよ。愛されてるな、理子」

 

「ーーうん……!」

 

 今度こそ振り返らずに、墓場を後にする。目から零れたものは、悲しみじゃなくて嬉しさだね。

 

「お父様、お母様。理子、次こそユーくんを彼氏として紹介するから!」

 

「宣言そっちかよ」

 

 その後、屋敷の様子だけ見て理子達はその場を去っていった。よし、ここを理子達の愛の巣にしよう!(キラキラお目目)

 

「お断りです」

 

「だがそれを断る!」

 

 

 

おまけ

「まーでもさー、去年に比べて理子も強くなったよねー。二年前からの急成長がとまらぬえですなーくふふ」

 

「自分で言うかそれ。まあ盗みにしろ戦闘にしろ適性はあったんだ、寧ろ伸びしろの塊といえるレベル」

 

「それを伸ばしてくれたのはユーくんだけどねー。ブラドに才能がぬえ! って言われたのが嘘みたいですよ」

 

「まだ気にしてんのかお前」

 

「んー別に? 次に顔合わせたら殺すつもりだけど」

 

「殺意の波動に目覚めた理子。……いつも通りか。

 そもそも、ブラドが人に教えるの致命的に下手という問題があったけどな。まさかリュパン家の『盗みの書』すら見ずに『才能がない』と断言してたるのは予想外だわ。

 その辺どう思うよ、娘さん」

 

『お父様にはノーコメントにさせなさい、遠山』

 

「そうかい。まあここまで成長した以上、リュパン四世を名乗っても不足じゃないと思うがね、俺は」

 

「いあいあ、まだ理子は肝心なものを盗めてないから、お父様にはまだまだ及ばないよ」

 

「その心は?」

 

「ユーくんの、心で「いや無理だろ」食い気味に否定!?」

 

『遠山、理子に手を出したらわかっ「シスコン拗らせて邪魔しないでね『お姉ちゃん』」ふぐあっ!?』

 

「姉呼びされるたびにダメージ受けてないかこいつ」

 

 

 




あとがき
 というわけで、墓参り回でした。理子の両親は原作だとちょっと触れただけだったので、折角だから一度行っておくべきだと思ったんですよね。

 さて、今回はおまけ回(みたいなもの)ということで短めです。次回はいい加減ナチスの拠点に殴り込み(させられ)ることにさせるかと。

 それでは今回はここまで。読んでくださりありがとうございました。

 感想・評価・お気に入り等、いただければテンションが爆上がりして投稿頻度が早くなるかもしれません(真顔)

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。