あちらのオリ主『佐伯ミクル』さんとの交流、果たして彼女は無事でいられるのか……!?(マテ)
それではどうぞー。
「……」チョコン
「……」
夏の暑さが徐々に遠のいてきた今日この頃。マイバイクの前に武偵校の女子生徒が座っていた。何を言っているか分からないし、どうすればいいのだろう。
どうも、俺です。間違えた、遠山潤です。ゲーセン帰りだから目立つし、スルー安定でいいでしょうか。
え、ダメ? デスヨネー。
「……えーと。お久しぶり、レディ。俺か俺のバイクに何か用?」
「お久しぶりです、お兄さん。……お兄さん?」
「いや同い年だからな?」
「……お兄さん」
「名前忘れてるだろ、佐伯ミクルさん」
「ハッ!?」
「ど、どうしたのかなめちゃん?」
「お兄ちゃんをお兄ちゃん呼びする不届きものが出現した予感が……!」
「つ、つまり……新しい泥棒ネコ!?」
「きっとそうだよ! こうしちゃいられない、お兄ちゃんの元へ――チクショウGPS外されてる!?」
「く、さすが潤ちゃん。追跡を撒くのはお手の物だね……!」
……何かマイシスターがガバイ妹判定してる気がするんだが。
「どうも、ミクルです」
「いや知ってるよ。前に任務で一緒だったし」
やりにくいなあこの娘。考えというより行動がフリーダム過ぎないか。
「はい、一緒でした。だから覚えてますよ、声は」
「名前より印象深い声してんの俺?
じゃあ改めて、遠山潤だ。よろしく、佐伯さん」
というか同じ
「……」
「佐伯さん?」
「……」
「オーイ、佐伯さん?」
「……」
返事がない、無言でこちらを見上げている。
「……ミクルさん」
「はい、ミクルです遠山さん。よろしく」
名前じゃないと反応しないのかよ。というか距離感おかしくねえか、何故近付いてくる。
「で、改めて何か用?」
「乗せてください」
ビシッと後方のバイクを指差す佐伯、もといミクルさん。わー要求がストレート~(困惑顔)
「モノレール近くだぞ」
「太鼓の達○で体力を使いすぎました。道はやっと覚えたけど、歩きたくないです」
「ペース配分って言葉知ってる?」
ウチのメンツはD○Rでぶっ倒れたけどさ。
「というか乗せてもらうために待ってたのかよ。声掛ければ良かったのに」
「待ち伏せすればすれ違いを防げますから。バイクは覚えていましたので」
「なんでバイクは覚えてて名前を忘れるん?」
いやカスタマイズしてるし目立つけどさ、SV1000。
「……とりあえず、乗ってく?」
「お願いします」
ペコリと頭を下げるミクルさん。至近距離だから銀髪のドリルツインテが刺さって地味に痛い。
「……」ジー
「あの、ミクルさん? 準備できたぞ?」
エンジンふかしてる間も、マゼンダの瞳でこっちを見てて落ち着かないんだが。
とりあえず予備のヘルメット(理子がよく同乗するので入れてる奴、フリーサイズ)を渡すのだが、スルーして間近まで迫り、こちらの頭に手を置いてきた。なんぞ。
「遠山さん」
「おう」
「ちっちゃいですね」
「置いてってやろうか」
「嫌です」
じゃあやるなよ。あと俺は男子の平均くらいだからな?
女子に頭をポンポンされると、どういう顔すればいいか分からん。
佐伯ミクル、探偵科所属の二年生。クラスは白雪と同じB組。
ランクはギリギリA、『能力は優れているのだが、どこか抜けていて見落としがある。あと力押しでどうにかしようとする』と、探偵科とは思えない評価を貰っている。
今年の四月に京都武偵校から東京武偵校に転入、元
後ろに乗っている彼女のプロフィールを思い出しながら、バイクを武偵校に向けて飛ばしている。こら急に立つんじゃありません、バランス悪いから。海岸線が綺麗なのは分かるけどさ。
「というかやっと道を覚えたって言ってたけど、方向音痴の気でもあるの?」
「分からなくなったら他人に聞くのを覚えました」ドヤァ
「それ何の自慢にもならんし普通だからな? 現場に出る武偵が道に迷うのはどうなんだよ」
「前の学校で、集合場所から現場に直接行ったことはあります。一人で暴れたら何故か怒られました」
「寧ろ何故独断先行して怒られないと思ったのか」
「先生には「ちょっと東京の武偵校行って色々学んでこい」って追い出されました」
「それが理由で東京武偵校来たの? 先生に言われたから?」
いやまあ武偵校は軍隊とかに近い縦社会だけどさ(←例外というか気にしない奴)。
「言われるままに来たんですけど、先生は私に何を学ばせたかったんでしょう」
「常識じゃねえの」
「武偵校で必要なことは学んでると思います」
「勉強で得るものじゃないんだよなあ」
傍から見てて心配になるくらいフリーダムだし、俺がそう思うくらいだぞ。……誰が服を着た非常識だコノヤロー(言ってないけど合ってる)。
「じゃあ遠山さん、折角だから色々教えてください」
「あ? 俺?」
「報酬はさっきゲーセンで取った『ラーセさん』を差し上げますので」
「報酬でぬいぐるみ出す奴始めてだよ」
SSRはネジの外れた奴が結構いるけど、この娘は抜けてそうで怖いわ。ネジがこっち来い(真顔)
「爆発するよりも早く吹き飛ばせば、爆弾って無力化出来るじゃないですか」
「耐久性によっては触れただけで爆発するからな? この間蹴っ飛ばした奴はマジで危なかったからな?」
「あの程度ならカバーできました」
「安全第一って言葉知ってる?」
「悪霊退散なら」
殲滅科って言葉通りの意味じゃねえからな?
所変わって郊外にある喫茶店。ちょっとした隠れ家のそこで、宣言通り勉強会をしているんだが……うん、これやっといて正解だったわ。
「猫と人がいたのなら、前者を最優先するのは普通です」
「否定はしないけど、武偵は人を見捨てたらダメだからな? 両方助けようぜ」
「つまり片方だけなら猫を優先しろと」
「違うそうじゃない」
この佐伯ミクルというお嬢さん、良識は人並みにあるんだが常識が危うい。特に協調性、危機意識がヤヴァイ。
こっちでは探偵科所属なのに、何で協調行動について教わってないんだよ。……いや、
「道に迷わない方法って何かないですか?」
「地図アプリ使えばええやん」
「見ても良く分からないのです」ズイッ
「……ミクルちゃんよ、それ車輌向けのアプリやで」
「……おお。遠山さん、全く分からないので入れてください」
「感心しながらスマホを渡すのやめなさい」
というか個人情報が詰まってるものをポンと渡すんじゃありません。武偵じゃなくても悪用されるのが目に見えるぞ。
とりあえずアプリを入れてからスマホは人に渡すんじゃありません、と注意しておく。
何でこんな常識的なこと言ってるんだろう、本人も分かってるのか分かってないのか曖昧な顔だし。
(これ、マジでどうにかした方が良さそうだなあ)
放置しておくと大惨事になりかねない。下手すれば飴で誘拐される幼児みたいなことになりそうだ、想像できるから笑えねえ。
(……この際だし、色々『教え込んでおく』かね)
ミクルは善悪に対する拘りがあまり強い方じゃないし、ちょうどいいだろう。
「……ばれないようにする『悪い知恵』もいいな」
「? 遠山さん、何か言いました?」
「いんや、ネコり言」
「ネコですと」ガタッ
「いやいないから、ただの返事だから」
「( ´・ω・`)」
「そんな本気で凹まんでも」
本当に大丈夫なのだろうか(二度目)
おまけ
「ねーユーくん」
「なんぞい理子」
「最近さー、みくるんが中々クレバーであくどい感じに仕上がってるんですが。何か心当たりはあーりませんか?」
「一皮剥けたんだろ」
「あくどい感じが明らかに他人の手によるものなんだよなー。あとその表現エロくてイイネ!」
「思春期のエロガキかお前は、いつものことだけど」
おまけ2
「あ、遠山さん」
「おう、ミクオイマテ何故頭に手を置く」
「ちぢめー」ギュウウウ
「いや頭押したくらいでうおおおマテマテマテ力強い、マジで力強い人外の領域!?
いきなりなんだよ!?」
「いっそミニマムサイズになれば可愛くなるかなって」
「マジで訳が分からないよ!?」
この後滅茶苦茶抵抗した。
あとがき
ということで、佐伯ミクルさんコラボ回でした。今後彼女は(悪)知恵を身に付け、一目置かれる存在になるでしょう(色々な意味で)
それと今回、コラボ相手のセーラ様からイラストをいただきました! 遠山潤のイラストです! ドン!
【挿絵表示】
うーん、この軽薄に笑ってる感じ、潤らし(銃声)
……( ゚Д゚)えー、改めてイラストありがとうございます(頭部から流血)
それでは、今回はここまで。感想・評価・誤字訂正、いつも通りお待ちしております!
改めて、コラボをしてくださった五代セーラ様、そして読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました!
ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?
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読みたい!
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いいから続きを書け
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各ヒロインとのイチャイチャを……
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エッチなのはいいと思います()