遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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ジ「……」
作「……あの、ジャンヌさん? 無言でデュランダルを大上段で構えるのは何故なんですか? 投稿遅れた罰の前振り?」
ジ「何、行われる罰より行うかもしれない恐怖の方が来るだろう? メヌエットに人間、そういうものの方が来ると聞いたのでな」
作「あのドS名探偵、いらんこと教えてくれちゃいますねえ……!」
ジ「というわけでさっさと書け、もう年が明けたんだぞ。ああ安心しろ、振り下ろすとしても死ぬほど痛い程度だ、死にはしない」
作「それ拷問じゃないですかヤダー目がマジだこの人ー!?」
 じゃんぬさんこわい。
 あ、明けましておめでとうございます(遅)



第一話 帰省ってもっと落ち着いた感じじゃなかったっけ(後編)

 どうも、遠山潤です。早速? 巣鴨の実家に帰ろうと思うのですが、ここで一つ重要な問題に気付く。

「ツッコミ不在の恐怖……!!」

「りこりん達は遊び倒すので」

「是非もないネ! 頑張れお兄ちゃん!」

 ちくしょうこんなメンツしかいねえ! そこのバカ二人はボケもツッコミもこなせるけどボケしかしないし、レキは天然だし。

「ご、ご主人様、よろしければリサが……!」

「いやいい、リサはそのままでいてくれ。気持ちだけありがたく受け取っておく」

 アリアみたいに荒んだキャラになったら、メヌに殺されそうだし。凹まなくていいから、それが普通だから。

 

 

「荒ませたのはアンタ達でしょうが!?」

「お姉様、どうしました?」

「アリア、女の子があまり乱暴な言葉使いをするものじゃないわよ?」

「ご、ごめんなさいママ」(ジュンと理子の奴、帰ったらぶっ飛ばす。何となくだけど)

 

 

「ツッコミを任せていた弊害がこんなところで出るとは……」

 これは覚悟を決める(ツッコミやる)しかないのか、と悲壮な決意(大袈裟)を抱いていると、実家の前で何やら見覚えのある男が一人、掃き掃除をしている。

「おう兄貴、遅かったじゃねえか」

 軽装姿でペインティングを消したジーサードだった。

「やっほーサード」

「おっす、さっちゃん!」

「おう、かなめに峰理――待てや、何だその呼び名!?」

「ジー『サード』だからさっちゃんだね、シンプルイズベスト!」

「バッドだよ少しは考えろ! 男に付けるネーミングじゃねえだろ!?」

「女の子なのに銀兵衛って付けられる娘もいるんだよ!? 男女差別だ!」

「そいつが特例なだけだろうが! マイナーをさも常識のように語るな!」

「あ、生贄(ツッコミ役)発見。かなめ、ゴー」

「タイホダーさっちゃん!」

「お前までさっちゃん言うな!? というか言葉の裏に悪意を感じたんだが!?」

 うーん、これは逸材の予感。悪意? 気のせいだろ(真顔)

「おお潤、偉い別嬪さん引き連れて帰ってきたな、羨ましい。で、どの娘を手篭めにしごふぁ!?」

「あらあら、お爺さんったら挨拶もなしに失礼ですよ。お帰り、潤。それと皆さん、いらっしゃい」

「ただいま、婆ちゃん。……爺ちゃん泡吹いてるけど、大丈夫か?」

「これくらいで怪我するほど柔じゃないわよ。さ、お客さんを部屋に案内してあげなさい」

 『秋水』をまともに喰らわせて言うセリフじゃないと思うけど、実際爺ちゃんは無傷である。(俺を除いた)遠山の人達、頑丈すぎねえ?

「で、サード。お前なんでいるのよ」

「ジジイに奥義(エクセリオン)を教えてもらおうと思ったんだよ。そしたら掃除だの草刈だの押し付けられてよお……」

 メンドクセエ、とか言ってるけどやるんだな。口悪い癖に真面目というか、義理堅いというか。

「……オイ兄貴、何だその生温い目は」

「いや、別に。しかし、『流星(メテオ)』だったか? 『桜花』と似た技を使える奴が、覚える必要あるのかね」

「わかんねえのは覚えたくなる――待て兄貴、何で養子のアンタが『桜花』を知ってるんだ?」

「奥義なら古文書盗み見て全部暗記してる「教えろください」」

 つい先日まで敵だった奴に躊躇なく頭下げやがった。どんだけ奥義欲しいんだよ。

 

 

 時間は飛んで夕飯時。各々の自己紹介も済ませ(リサを俺のメイドと紹介した時、爺ちゃんが固まり、婆ちゃんがめっちゃイイ笑顔だった)、今は爺ちゃんに酌をしつつ愚痴を聞かされている状態だ。オイコラサード、面倒臭いからってさり気なく距離取るな。

「まったく、金一もそうだが休みの時くらい帰ってこんか。婆さんも寂しがってたんだぞ」

「悪かったって。夏休みは色々あったんだよ」

「めんこい子と逢引きしたり、そこの美人さんをメイドにして手篭めにしたりか」

「最後以外は間違っちゃいないけど、人聞き悪過ぎね?」

「んん? 何だ、若いんだしかっこつけようがやることはやっているだろう? 男だったらハーレムだったか? は夢と言う「お爺さん?」……まあ、火遊びも程々にしておけよ」

 掌返しはええなオイ。爺ちゃんこそ相変わらず若いというか、お盛んなようで。そんなんだから婆ちゃんからの折檻が止まらねえんだよ。

 まあ実際、休暇中は教務科から大量の指定依頼があったり、コミ○に女装で参加させられたり、殺し合いのゲームをやったり……うん、改めて思い返してもろくなもんじゃねえな(白目)

「しかし、金叉に隠し子とはなあ……金一だけのはずが、気付けば四人兄妹か。賑やかになったもんだ」

「隠し子とは違うけどな」

 親父が何かして生まれたとは言いがたいし。

「細かいことはいいんじゃよ、家族が増えるのはいいことだ」

「まあ、相手によりけりだけどな。お代わりいる?」

「おう、たっぷりでな。しかし、お前は相変わらず捻くれてるのう」

 いや事実だろ、毒親とかだっているんだし。

 リサを交えて婆ちゃんと料理の話をしているかなめ、金三(ジーサードの和名、婆ちゃんが名付けた)呼びされて赤面しながらもお代わりをもらっているジーサード。二人を爺ちゃんは優しい目で見詰めている。受け入れられて何よりだな。

「よし、今日は新しい家族の祝いだ! 潤、金三、お前らも飲め!」

「はいはい、婆ちゃんがうるさいから軽くな」

「あん? 何だ、この家の全部飲み干しちまってもいいのか?」

 シャレに聞こえんからやめとけ、前に一升瓶ラッパ飲みしたら怒られたんだから(←未成年+アル中の危険性大)。

(ユーくんが穏やかに過ごしている、だと……!? まだめーちゃんから受けたダメージが抜け切ってないの!?)

(念話使ってまで言うことかそれ)

 寧ろお前こそ大人しくしてるのが異様だよ。食いっぷりは変わらんけど。

 

 

「とまあ、しんみりタイムはしゅーりょー!! ゲームの時間じゃー!」

「「いえーい!」」

「いえーい」

「いきなりテンション変わりすぎじゃねえか?」

「いつもの事だから気にすんな。というか理子、人ん家にゲーム持ってくるなよ」

「つーかお邪魔するのに持ち込む許容量を超えてるだろ」

 ダンボール三個分だからな、本人曰く(言い訳が)「これでも厳選した方だよ!」らしいが。荷物を押し付けてくるから、変わりに収納用の亜空間魔術教えたんだが、仇になったか。

「さー、まずはゴエ○ン2をノーミスクリア目指すよー!」

「コイツ労働に対する意欲がまるで感じられね」

「ゴエ○ンは3だろ常考」「お兄ちゃんに一票」

「ご主人様、僭越ながらリサはきらきら道中を推させていただきます」

「オイイ!? 何で全員やる気が欠片もねえんだよ!?」

「私は何も言ってませんが」

「スケッチブックに『敢えて64推し』って書いてるならまとめて扱うわ! というか全員やる気なしか!?」

「失礼な、やる気はありますよさっちゃん! ゲームの方なら!」

「娯楽に浸る気満々じゃねえか! あとさっちゃン呼びすんじゃねえよ!」

「そんなに仕事大好きマンになってるとハゲるよさっちゃん!」

「兆候すらねえよ! かなめもその呼び方やめろや!」

「さっちゃん」

「小声で言うな!」

「サ、さっちゃん様、あまり大声で叫ばれると、喉を痛めるかと」

「今普通に呼ぼうとしたよな!? お前は普通のキャラだって信じてた俺がバカだったよチクショウ!!」

「うるせーぞ金三! 近所迷惑だろうが!」

「ジジイもうるせーよ! あと金三言うな!」

「こりゃ確かにツッコミ役(逸材)だねユーくん!」

「360度全てのボケに対応出来るなこりゃ。ここに金三がいて助かったわ」

「そんな感謝と期待の言葉なんぞいらんわ! つーか兄貴もその呼び方やめろ!」

「あだ名が多いのは慕われてるって証拠だぞ」

「不名誉なもんばっかじゃねえか!」

「じゃあ何がいいんだよ」

「普通に呼「言いにくい」言語も舌滑も一切不自由してねえ癖に……じゃあせめて良さげなのにしろよ、兄貴名付けるの得意だろ」

 抵抗を諦めたか。アリアよりは早いと見るか、引き際を心得ていると見るべきか。しかし、何故あだ名付けが得意だと思われてるのだろうか。

「ふむ……」

「ユーくん、ここはユーくんのネーミングセンスを見せる時ですよ!」

「お兄ちゃんならやってくれるとかなめも信じ」「うるせえ」「アッハイ( ´・ω・`)」

 マイシスターが凹んだ振りしてるが、『名付け』っていうのは重要なことなんだよ、魔術師的に考えて。

「……『ジス』。ジーサードのⅢを『スリー』に読み替えだな。ちと安直だが、どうだ?」

「ジス、か……」

 口の中で何度か「ジス、ジス」と呟いてから、

「……まあ、悪くねえな。じゃあそう呼んでくれや」

 気取った風に言ってるけど、顔がニヤけてるぞ。

「うっうー、了解だよさっちゃん!」

「もう黙れやお前!? ああもうコントローラー貸せ、俺ゴエ○ンやるからな!」

 結局お前もやるのな。

 

 

おまけ1

「もしもーし」

『もしもし、潤ですか? 何やら楽しそうな声がしますけど』

「理子とかがレトロゲーやって騒いでるだけだ、いつも通りだよ。んで眞巳、菊代はどうした?」

『組の人がやらかして『お説教』が忙しいから、代わりに私が』

「その組員さんには黙祷しておこう」

『自業自得ですけどね、あと死んではいないので黙祷はいりませんよ』

(死んだほうがマシだろう目にあってるけどな、多分)

『さて潤、依頼については明日の昼に行いますので、上野の『あそこ』に来てください』

「あのやたら欲張りな感じなネーミングの店ね、りょーかい。大食いが約二名いるけど、大丈夫か?」

『食費の心配をするほど、菊代はお金に困っていませんよ?』

「七桁は流石に心配した方がいいかなあと」

『大喰らいな鬼の集団でもいるんですか……?』

 

 

 

おまけ2

「潤ー、お風呂が湧いたよー。人が多いし、早めに入りなさーい」

「うーい。ほら女子ども、さっさと行ってこい」

「それはモチロン」

「お兄ちゃんも一緒だよネ!」

「んな訳ねーだろ。とりあえず手を離せ、恥じらい死に組」

「恥ずかしいけど」

「見て欲しいのですよユーくん」

「ご、ご主人様のお望みでしたら、リサはいくらでも……」

「知らん、リサも変な妄想してないで入ってきなさい。時間ねえし、二人一組で入れよ」

「「ぶー!!」」「はい……」

「ぶーじゃねえだろ」

「兄貴も大変だな、色んな意味で……」

「もう慣れた」

「それは慣れていいことなのか……?」

「白雪と理子の二人がかりで引きずりこまれそうになった時もあったから、今日はまだマジだ」

「ああ……なるほど」

「似たようなことあったなあみたいな顔してるけど、何かあったのお前」

 

 

おまけ3(女性陣が風呂に行ってから)

「そーいやジスよ」

「んだよ兄貴。あ、大入り袋盗るんじゃねえ!」

「早い者勝ちだろ。アリアと戦った時HSSになってなかったけどよ、何で使わなかったんだ?」

「……HSSで女は殴れないだろ」

「お前ならそれくらいの課題、クリア出来るだろ。戦った相手に女もいるんだし、アリアが手抜きできない相手なのは分かるだろうし」

「あー……アレだ、HSSで殴れる気がしなかったんだよ」セキメン

「あ(察し)」

「……んだよ兄貴、その目は」

「いや別に。パートナーと義弟にまとめて春が来たのかなーと」

「だ、誰が暴力チビのことを女として見てるんだよ!?」

「語るに落ちてるんですね、分かりま『信じてるもーのーをー♪』おん? もしもーし」

『だあれがゴリラも慄く怪力マッチョ女よ!! 脳筋サイボーグに言われたくないわ!!』

「そこまで言ってねえし、俺に言うなよ。アリアとジスに春が来たなーって言ってただけだし」

『だだだ誰があんなジュンよりもガサツな奴のこと好きになるのよ!?』

「あっ(まさかの両想いである)」

『今変なこと考えたでしょ!?』

「邪推ですよマイパートナー」

(何かフラグが立つことあったっけ……? あれか、川原で殴りあったら友情以外の何かが芽生えたとか?)

 

 

おまけ4

 ピンポーン

「ん? 誰だこんな時間に。はーい、どちら様」

「ワフ」

「うお、ハイマキ? どうした、アリア達に何かあったのか? というか鼻でチャイム鳴らすとか器用だなお前」

「クゥーン……」(縋るような瞳)

「……オイレキ、ハイマキの世話は誰に任せたんだ」

「ハイマキも気分転換が必要かと思い、何も言わず野生に一時帰しました」

「鬼かお前は」

「ドッグフードに屈した罰です」キロッ

「キャイン!?」

「……あー、ハイマキ。番犬としてなら面倒見るが、どうだ?」

「! ワン!」

 この後一晩で犬小屋を作った、俺が。

 

 

 




キャラ紹介
遠山潤
 実家ですわツッコミ役か!? と危機感を抱いていたところ、アリアに代わる逸材の出現に思わずニッコリ。頑張れマイブラザー。
 
 
峰理子
 潤の祖父母に『挨拶』する気満々の一人。
 
 
レキ
 鬼畜飼い主。駄犬にはお仕置き主義。


リサ・アヴェ・デュ・アンク
 潤の祖父母に『挨拶』する気満々の一人。なお、紹介時の騒ぎは潤のトークスキル(言いくるめ)で乗り切った。
 
 
遠山かなめ
 「実家でお兄ちゃんに迫るとか、超背徳的ぃ」とのこと。
 
 
ジーサード
 新たなるツッコミ役(犠牲者)「やめろや!」
 ジス呼びは気に入った模様。
 
 
ハイマキ
 期間限定遠山家番犬。
 

遠山(まがね)・雪津《せつ》
 口調が合ってるのか自信がない老夫婦(マテ

 
あとがき
 入浴シーン? ねえよんなもん!
 はい失礼しました。明けましておめでとうございます、ゆっくりいんです。いつも通りお待たせしておりますスイマセンorz
 さて、期待の新人(ツッコミ役)ジーサードが出てくれました。これなら筆も進みそうで一安心、アリアさんも役目から解放されて一安心です。私もバランスが取れて一安心(マテ)
 ちなみにこの話、前回と合わせて一話分の予定でした。ノートに下書きしたけど、大きく脱線蛇足した結果なんや……予定通りには行かないものですね(いつも通り)
 さて、次回は電話越しの登場だけだったあの人の登場です。皆さんの知っている彼女とはちょっと違うかもしれませんが、生暖かい目で見てくださると何よりです。
 ……もう原作要素なんて欠片も残ってないだろ? 何言ってるんですか、帰省の際にレキとハイマキがいるじゃないですか!(力説)
 感想・誤字訂正・評価・批評・質問・リクエストなど、良ければ付けてくださるとこれ以上なく嬉しいです。モチベにも繋がります(感想乞食)。
 では読んでいただき、ありがとうございました。
 

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

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  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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