作者「――」チーン
ア「……何これ? 完全に死んでるんだけど」
メヌ(以下メ)「お姉様、作者はリアル事情で死んでるだけですわ」
ア「だけって……というかリアル事情は基本話さない方針じゃなかったの?」
メ「それだけ余裕が無いということです。仕事行っては少し休んで寝て、また仕事行くサイクルだそうですよ?」
ア「転生都市とか他の二次創作も書いてたじゃない」
作「ああでもやってないと死にそうだった……」ゲボァ
ア「……ああうん、とりあえずしばき倒すのは勘弁してあげましょうか」
メ「さすがお姉様、優しいですね。私ならトドメを刺しにいきますが」
ア「そこまでやっても得が無いでしょ……ん? 何か書いてあるわね」
『亜種新宿はとうとい』(血文字)
ア「知るか!? やっぱ遊んでたんじゃないの!?」ゲシッ
作「グボァ!?」
お待たせして申し訳ありませんでしたorz
「……どこだここ」
どうも、遠山潤です。GⅢリーグとの決闘から一夜明け、今まで無我夢中に走ってきたのだが……どこへ行くか考えてなかった。西に向かったのは間違いないんだが。
現在時刻は朝の六時。当たり前だが店や家屋のほとんどは閉まっており、コンビニの光が目に入るくらい。とりあえず近くの案内図を見てみると、
「わあお、京都じゃん」
まさかの京都再びである。一晩でどんだけ走ってたんだよ俺、疲れてないから別にいいけどさ。
とりあえず腹も減ったので、コンビニで箱買いしたブラック○ンダーをもっきゅもっきゅしつつ(白雪がいたら確実に注意されるな)、これからどうするべと考えていたら、
「え? 潤義兄様!?」
「……おおう」
コンビニに入ろうとしてた風雪(by私服姿)とエンカウントした。朝早いのねお前さん、というか何をこそこそしてるのよ。
「すいません潤義兄様、妹達の分まで選んでいただいた上に、荷物持ちまでしてもらって……」
「いーよ気にすんな、俺も食いたくなったし」
「丸一箱でまだ足りないのですか……? じゃあ、義兄様の分を多めにしますので」
「いや、自分の分はあるから気にしなくていいぞ? 気にせず食いなさいな」
「……買ってから、カロリーが気になってしまって……」
「姉妹共通の悩みだな」
食った分動けばいいと思うんだがなあと思いつつ、風雪と並んで早朝の街並を歩いていく。
「それにしても、食べ歩き……この発想はありませんでした。少々はしたないですが、これなら周りの目を気にせず食べられます。流石は潤義兄様」
「京都なら団子の食べ歩きはありそうなもんだが」
「? お団子は座って食べるものではないですか?」
やだこの子、育ちがいい。とりあえずエクレアを差し出すと、そのまま食べてクールな顔がふにゃりと笑顔になる。何か餌付けしてる気分。
「しかし、風雪だけじゃなく妹までコンビニスイーツにハマるとは」
「以前義兄様や姉様、粉雪と一緒にコンビニへ寄った時、気になってしまって……こっそり抜け出して買ってみたら、トリコになってしまいました」
「……こっそり抜け出さなくてもいいんじゃねえの?」
「星伽では、こういう場所に近付くのは良く思われないので……」
どんだけだよ星伽の大人達。めんど、いや厳しいって言っても限度があるだろうに。
道理でこんな時間にこっそり出てくる訳だわ。姉妹の分も合わせて大量のスイーツを買ったら、店員さんがギョッとしてたけど。
「風雪、こっちのチーズケーキもいけるぞ」
「はい、いただきます。……潤義兄様、何かお悩みですか?」
チーズケーキをぱくつきながら、風雪は俺の方を見て小首を傾げる。
「あー……分かる?」
「はい、なんとなくですが。いつもの潤義兄様らしくない気がします」
「参考までに、普段の俺はどんな感じよ」
「いつも積極的で、私達を導いてくださる方です」
何だその異様に美化された存在。俺はもっと気まぐれだぞ。
「私からそう見えるだけですよ。今日の潤義兄様は、迷っている様子なので……私で良ければ、相談に乗りますよ?」
「んー……」
申し出はありがたいが、忙しい風雪に言うのもどうかと思う。でも姉と同じく頑固なところがあるし、意地でも聞き出したがるだろうなあ。
「……神社に着いたら、ちょいと聞いてもらえるか?」
「! はい、お任せください! 私がズバッと解決して差し上げます!」
「いや普通に解決してくれよ」
キャラ変わってるぞお前。まあ良く出来た妹(義理候補)だよ。
「私以外の優れた妹など存在しねえ!!」
「ほわ!? ……ほああ、どしたのめーちゃん」
「怨敵がお兄ちゃんに褒められてる気配がしたので」
「寝てても反応するとか、妹センサーすげぇ……」
「24時間365日、お兄ちゃんに関することならどんなことでも感じ取れるのデスフォッグ!?」
「うるっさいわよ朝っぱらから騒ぐな!!」
「寝起きのアリアんは三倍凶暴……」スヤァ
(起きたら〆てやる)
山上の星伽分社へ到着し、シスターズ(粉雪より下の三人)にこっそり買ったお菓子を渡してのち。俺は風雪が自室として使っている離れに案内され、緑茶片手にコンビニスイーツを堪能している。
「……なるほど、お話は分かりました。とりあえず、義兄様をこんな風にした自称妹のアノ野郎をぶちのめせばいいんですね」
「発想が飛びすぎだろ、落ち着け
また人様に見せられない顔になってるぞ、クール系美人どこいった。あと、あの
「……すいません、取り乱しました。では、義兄様は今、その……女性に対して、人並の反応を示す、のですか?」
赤くなって顔を伏し気味にしつつも、私気になりますな視線を送ってくる風雪。うん、狙ってないのが余計あざと――違う、そうじゃねえ。
「……あーまあ、人並というか、年相応の反応は示してるんじゃないか? メヌの奴は『完全にDTの反応ですね』とか言いやがったが。
式はいくらか戻したけど、まだ完全じゃないし」
「……」ツツツ
そんな遠慮がちに手を伸ばされても。
「……触れたきゃ好きにしていいぞ。理子とか白雪で色々諦めがついたし、こんな俺が見られるのは最初で最後かもしれんしな」
思わず溜息が出てしまう。どうせ避けようとしても、思考が煩雑化してて未来予測がまともに出来んしな。寧ろ素の状態で女に慣れるチャンスと思おう(ヤケクソ)
だが風雪はハッとした顔になり、手を引っ込める。
「……すいません、潤義兄様。危うく欲望に負けて、手を出してしまうところでした」
「俺は許可を出したんだが」
「許しがあるからしていい訳ではありません。気にならないといえば嘘になりますが、義兄様の嫌がることを、私はしたくないです」
風雪は正座のまま一歩下がり、「申し訳ありませんでした」と頭を下げる。欲望丸出しなウチの連中とは大違いだな。
「……配慮はありがたいが、真面目すぎると損するぞ?」
「今は退くべきだと判断したので」
「そうかい」
妹分に気を遣われた事実に礼の言葉が出ず、苦笑になってしまった。いやはや、情けない限りで。
「お気になさらないでください、義兄様が辛い時に支えるのも、
「姉は暴走気味にくっついてきたけどな」
「白雪姉様は普段慎ましい分、ここぞという時に抑えが効かなくなってしまいますから」
オイお姉ちゃん、妹に冷静な分析食らってるぞ。
「潤義兄様。今回の件に関して、私なりに意見を申してもよろしいでしょうか?」
「いや、そんな畏まった言い方せんでいいよ。こっちからお願いしたいくらいだし」
正直、自分の中でも即断即決出来ないのだ。どう付き合うか、あるいは対処するか。それすら迷っている。
「はい、では。とりあえず、あの自称妹とは縁を切った方がいいかと」
「いや極端すぎるだろ」
「すいません、本音が出ました」
「お前がどっかいけ清楚モドキぃ!!?」
「……今日のめーちゃんは荒れてるねえ」
「いつものことでしょ、急におかしくなるのは」
「アリアお姉ちゃん、私の扱いが雑じゃない!?」
「
「なら良し!」
(言っといてなんだけど、それでいいのね)
「コホン、では改めて。……今回味わったものは、義兄様にとって忌むべきものだと思います。ですが、その感覚を抹消すべきではないかと」
「……魔術式による欲求の変換は、やめろってことか?」
「いえ、それは潤義兄様の判断次第です。武偵のお仕事に支障があってはいけませんし、部外者がどうこういうのは間違いですから。
私が言いたいのはこの感覚を無視せず、向き合うべきだということです」
「向き合う、ねえ。……なあ風雪。今までの俺は、無視という形で『逃げてた』のかね?」
「……私からはなんとも。潤義兄様が過去何を思ってそうしたのか、分かりませんから。
ただ、その……向き合っていただければ、それは嬉しいことだと思います。白雪姉様も、何より峰様も」
そして、私も。そう言って、風雪は穏やかに微笑んだ。まるでどんな選択肢でも受け入れる、と言わんばかりに。
「そこで一番が姉じゃなく理子なのか」
「私から見ても、潤義兄様と峰様は一番近しいと思いますよ? ……せ、接吻もされたみたいですし」
「オイマテそれどこで聞いた」
「白雪お姉様がLI○Eで、それはそれは悔しそうに」
何妹にさらっと教えてるんだお姉ちゃん、そもそもアレは医療行為だっつの(ガチ)
「……まあ、アイツは(バカを一緒にやると言う意味で)他の奴等とは違うけどよ」
「ふふ、ご自分では理解出来ない部分もあるのですよ」
「そーいうもんか」
「そういうものです」
笑顔で断言されては返しようがないので、シュークリームに手を伸ばして無言を貫くことにする。風雪からは優しげに見られてしまったが。
「……まあ。妹分にそこまで言われたなら、ちゃんと考えてみますかね。風雪」
「はい、なんでしょ――ひゃっ?」
「ありがとな」
対面に座る風雪を、包むように抱きしめる。今は感覚がアレになってるが、礼にはなるのかねえ。
「……」
「……かはは、やっぱり慣れねえな」
腕の中で真っ赤になって黙ってしまった風雪を離し、誤魔化し笑いを浮かべたが……何か様子がおかしいな。
「ああ、ダメです潤義兄様、それはずるいです卑怯です素敵すぎます……お姉様より先にお手を出してもらわないと誓っているのに、幸せすぎて私破ってしまいそうです……」
「風雪? おーい風雪? ……ダメだ、トリップしちまった」
こういうところは姉と一緒なのな。あと妙な誓いを聞いた気がするんだが、スルーした方がいいんだろうか。
魔術師にとって情欲とは害の類。
そう思ってきたし、相棒もそうだった。俺達は『家族』だったが、突き詰めれば『一人』であり、そうあるべきだ。そう生きてきたし、欲に触れて死んだ奴を何人も見てきた。
それは武偵になった今でも変わらない。ガキの頃に根付いた価値観はそう変わらないし、恋というものを理解は出来ても共感は出来ない。自分と同等かそれ以上の『大切なもの』なんて持ってしまったら、それこそ致命的なものになりかねない。
……だが、今は違う。アイツ等は最低とも言える俺の在り方を理解し、それでも諦めず慕っている。……そして俺自身、想われるのを悪くないと思っている部分がある。
ならば結末がどうであれ、向き合うべきなんだろう。俺自身のことも、あいつ等のことも。
「ま、結局はきちんと考えて、ほったらかしにせず答えろってことなんだろうな」
理子のヘタレを笑えんねえ。苦笑しながら、俺は星伽の山門をゆっくりと下る。とりあえずは、あいつ等のいる寮に帰るかね。
おまけ1
『潤義兄様に抱きしめられて幸せすぎてどうにかなりそうですお姉様』
『!?!?!?!?!?!?!?!?!?』
おまけ2
「たでーまー」
「あ、お兄ちゃん! おかえりー、遅かった、ね……」
「お、かなめか。ちょうど良かったわ」ジャキィ
「……お兄ちゃん、それはナンデスカ?」
「『フェアルング』っていう自作のバズーカ砲だが」
「いや名前聞いてるんじゃないんですけど!? ナズェワタシニムケテルンデスカ!?」
「理由がないとでも?」ニッコリ
「ちょ、ちょっと待ってお兄ちゃん! 謝る、色々解放しちゃったこと謝るし、理子お姉ちゃんたちを煽ったのも謝るからそれはさすがに――」
「はいドーン」
「うわあい聞いてくれなあ『ヒーホー!』ジャックフロスト!?」
「よし、オチは着いたな」
「帰って早々何してんのよアンタは……」
登場人物紹介
遠山潤
発狂して京都まで来た、三大欲求に悩む絶食系(偽)。妹分に相談した結果、恋愛ルートの可能性が出てきた模様。
余談だが、『フェアルング』の中身からはアレなものかマスコット形のものが出てくる。痛いけどダメージはない。
星伽風雪
悩める潤の相談役。真面目なのに許容量が大きいクールキャラ。ただし自称妹、オメーはダメだ。
潤に抱きしめられた後、しばらく幸せスパイラルでバグっていた模様。男性に対する免疫はほぼない。
遠山かなめ
お兄ちゃんセンサーの精度はバツグン通り越して異常。なお、何回か変なのをぶつけられて許された。
後書き
というわけで皆さんお久しぶりです、今までで一番お待たせしましたorz
今回は潤君再び京都へということで、出張中の風雪とエンカウントしました。別に原作で出たシーンを忘れてたから、今やったとかはないです。ホントですよ?(目逸らし)
次回からは第九章『邂逅と懐郷』編をお送りします。潤の中学時代について色々触れられるかと。前書きの通り、リアルが忙しいので次回がいつになるかは分かりませんが……気長に待っていただけるとありがたいです(汗
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ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?
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読みたい!
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いいから続きを書け
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各ヒロインとのイチャイチャを……
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エッチなのはいいと思います()