遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

65 / 111
 最近漫画化したラノベを購入した際、友人とその内アニメ化するんじゃないかって話してました。こう思うとラノベのアニメってホント増えましたよねー。
 ただ原作を読む身としては、クール長めでもいいんでば内容を濃くして欲しいなーと。アリアとかアリアとかアリアとか。
 せめてシャーロックのところまでやってや……(遠い目
 



第三話 一人増えてもやることに大差なし(前編

 

「…………」ツーン

「かなめ、いい加減機嫌直せっての」

「ふーんだ、私以外の妹を持つ悪いお兄ちゃんなんて知りませーん」

「分かりやすく機嫌悪くしちゃって……しゃーない、店員さんトリプルアイス、キャラメル味で」

「……そ、そんなので許して貰おうなんて甘いんじゃないかな?」

「アイスだけに?」

「お兄ちゃん意味わかんない」

「知ってる」

 だから急に真顔はやめてくれ。

「別に謝罪じゃなくて、かなめが好きだから買っただけだよ」

「……もうしょうがないなあ。可愛い妹のためを思って買ってくれたのなら、もらってあげる!」

 嬉しそうに舐め始めて何よりだ。あ、どうも遠山潤です。本日は編入前最後の一日ということで兄妹デート(かなめ命名。「とっても背徳的ぃ! 最高にハイってやつだよ!」とのこと)である。

 まあ実体は義妹(仮)の存在が知れて、ご立腹な妹のご機嫌取りだが。あの後「私以外に妹がいるってどういうこと!?」と凄い顔で迫られた。いつの間にか出来てたんだよ(ガチ)。

 あと風雪だが、「私は『上京した兄の帰りを健気に待つ妹キャラ』を目指します!」と言って青森に帰った。ごめん訳が分からないよ。

 まあそれはともかく、デートである。現在俺達は武偵高から離れお台場にある某アイスクリーム屋で糖分補給中だ。ちなみに俺のはストロベリーヨーグルト、バナナ、バニラの三色カップ。どれも甘いの? そりゃそうだよ(真顔)

 で、ここをチョイスした理由なのだが。

「それにしてもすごいねえお兄ちゃん、実物だと迫力が違うよ!」

「そうだな、これが侵攻する姿想像したら逃げたくなるわな」

「「シャンブ○」」

 赤く塗られた全長77.8mの巨大○Aを見上げる。いやすごいんだけどさ、誰だよこれにした奴。前のザ○Ⅱからどうしてこうなった。

「ビットが飛ぶ姿を見るのが待ち遠しいな~……ねえお兄ちゃん」

「んあ? 何よ」

「中にこっそり入って動くようにしちゃダメかな?」

「同じ衝動に駆られたけどやめなさい」

「大丈夫、小型核融合炉なら作れるよ!」

「ガチで動かせそうなもの出すんじゃない」

「えーお兄ちゃんだって似たようなもの造ってるじゃーん」

「『アレ』は表に出すものじゃないからいいんだよ」

「じゃあその技術を聞きだして私ガーベラテトラ!?」

「やめろっての」

 チョップで止めた。ぶーたれるのでアイスをあーんしてやったらニコニコ顔になったけど。そこの店員さん、嫉妬の目で見られても困るわ。

「で、どっか行きたい場所あるのか?」

「お台場の甘味を食い尽くしたい! あと本屋!」

「まだ食うかお前は」

「お兄ちゃんだって余裕でしょ?」

「そりゃいけるけどさ」

「じゃあいこいこ!! 次の甘味が私を待ってるんだよ!」

「袖を引っ張るなっての」

 席から無理矢理立たせられたので文句言うも、腕を組んでニコニコ顔。聞いちゃいねえ。まあ甘味に関しては望むところだけどな。

 その後パンケーキ、パフェ、ケーキなどあらゆる甘味を食い尽くし(行く先々で店員さんが戦慄していた)、合間に本屋も寄って、

「お兄ちゃんお待たせー。いやあ、本屋って目移りしちゃうよね~」

「その気持ちは分かるが、そこまで買うなら通販でいいんじゃねえの」

「お兄ちゃんは同じ量買うなら通販と店舗、どっち使う?」

「店舗」

「ふっふっふ、こういうとこもそっくりだよね~」

「それ喜ぶとこなのか? まあいいか。ほら貸しなさい、会計も済ませてくるから」

「わっほい、お兄ちゃんやさしー♪ そういうとこがモテる理由なのかな?」

「こんなんでモテたら人生苦労しねえだろ」

「女子に囲まれて生活してる癖に言いますか」

「言いますとも。そもそもあそこまで居候が増えたのは俺の意思じゃねえし」

「それ大抵のハーレムもの主人公は同じだと思うよ?」

「……ホントウダ!?」

「ヤッチマッタナー!」

 ドヤ顔の妹に論破されるのは悔しいが、そうか俺って端から見るとそんな感じなのか、そりゃ殺意も持たれるわ(遅)

 なお、かなめが買ったのは案の定機械工学と巨大ロボに関するものばかりだった。好き過ぎだろマイシスター。

「大丈夫、妹もののラノベと漫画も揃えてるから!」

「思い出したようにブラコン属性を出していくスタイル」

「かなめは自分を曲げないよ!」

「性癖が捻じ曲がってるんですがぞれは」

「まだ手を出してないから無問題! あとはこの『女装大全・極の章』がいい仕事して」

「よし今すぐ戻しなさい」

 あとその『まだ』は永遠に来ないようにしなさい。

「えー、女装大全は理子お姉ちゃんと白雪お姉ちゃんとリサお姉ちゃんの希望だしー」

 増えてる、だと……!? ちくしょう、理子一人ならしばけるけど白雪とリサ相手じゃ無理か!(何)

 とまあ本屋で絶望したりゲーセンで大量にフィギュアをゲットしたら店員に泣きつかれたりしてデートは終了となった。最後にかなめがシャン○ロを動かそうと不法侵入する騒ぎもあったが――大丈夫、ばれなきゃ犯罪じゃない(オイ)

 

 

「お、お兄ちゃんお兄ちゃん!! PCにあったド○Ⅲの設計図はどゆこと!?」

「オイマイシスタープライベートの侵害」

「兄妹だから犯罪に問われないのでノープロブレム!」

「めーちゃんのハッキングスキルは理子が育てた」ドヤァ

「お前今日のおやつ抜きな。昔プラモの説明書でドライ○ンの砲撃バリエーションがあるって読んだから、気まぐれで造っただけだよ」

「いやこれ細部までスッゴイ練られてるじゃん!? 必要な素材と場所があればすぐにでも造り始められるよ!?」

「国家予算に匹敵する費用と年単位の時間が掛かるだろうけどな」

「寧ろそれを設計図とはいえ作ってるユーくんがなんなのか……こういうところは兄妹なんだねえ」

「そう、似たもの兄妹なのですよ!」(* ´ω`*)ムフー

「自慢するとこそこじゃねえでしょうよ」

 

 

 明けて平日の授業明け。いつも通り依頼の掲示板へ向かおうと思ったら呼び出しを受けた。

「今度は何したんだよ潤」

「何もしてねえよ剛、強いて言うなら解体したPCを即席爆弾に改造したくらいだ」

「それは呼び出しを受けても文句言えないと思うよ……?」

 何でだよ、爆発物くらい武偵なら常備してるだろ(ないです)。

 野郎三人で強襲科の訓練棟に向かうと、そこで見たのは。

「あ、やっほーお兄ちゃん! テスト中に会えるなんて嬉しいな、嬉しいな♪」

 編入試験中のかなめが満面の笑みで近付いてきた。片手にMMP―80○シンガン、左手にヒー○ソード(それぞれ人間サイズ)を握って。後ろには相手をさせられたのだろう、一年坊の山が築かれている。あ、間宮さんと火野さん発見。足と頭しか見えねえけど。

「オイ潤、お前いつの間に後輩捕まえて妹プレイなんて高度なものを――」

「そこのツンツン髪の人、私はれっきとしたお兄ちゃんの妹です。イ イ ネ ?」

「アッハイスイマセン殺さないで」

「こらこらかなめ、狙うなら首じゃなくて腹にしなさい。即死は避けれて苦しいんだから」

「助けろよ親友!?」

「自業自得だろ親友」

「あはは……ごめんね武藤君って無神経なところが多々あるからさ」

「さらっと辛口だな親友その二!?」

 亮でも擁護できる範囲を超えてるんだろ。

「えっと、この間会った妹さんでいいんだよね?」

「はい、こんにちは胡散臭いイケメンの人! 私は遠山かなめ、好きな言葉は『近親相姦(兄妹愛)』です!」

 オイ兄妹愛におかしいものを感じたぞ。

「うん、お兄さん大好きな妹さんということはよく分かったよ」

「それだけ分かって貰えれば万事オッケーです!!」

「オイ潤、こんな可愛い妹がいるなんて聞いてねえぞ!? ウチのと代えろ!」

「私はお兄ちゃん以外の兄は認めないので絶対にノウ!! です!!」

「チックショー! なんでそんなに羨ましい環境にいるんだよーーー!!!」

 いや血の涙を流されても。大体お前の妹も美人の部類やん。兄貴をバカにしてる気はするけど。

「というかかなめ、お前ここで何してるんだ? 装備科の試験受けてたんじゃなかったのか」

「えーとね」

「くぉらあ遠山妹!! 試験途中でくっちゃべるとはええ度胸やなあ!! あと遠山兄、呼ばれたならさっさと来いやぁ!!」

 かなめの言葉を遮って蘭豹先生の怒鳴り声とM500の発砲音が響く。なるほど、大体察した。

「試験中に目を付けられて組み手でもやらされてたか」

「そーなんですよお兄ちゃん。せんせー、もう全員倒れちゃったんですけどーー!!」

「見りゃ分かるわ、だから兄貴を呼んだんやろ!! 不知火と遠山、ボサっとしてないで相手せえや!!」

「俺探偵科で妹は装備科志望なんですが」

「ごちゃごちゃ言ってると強襲科の単位無しにすんぞ!!」

 何その理不尽、そんなのまかり――通りそうだな、ここなら。

「あはは、面白い先生だよね~お兄ちゃん」

「あれは理不尽って言うんだよ。何故お前は笑ってられるんだか」

「失うものがあるのは遠山君だけだからじゃないかな」

「亮は無いのに俺だけとかひでー話だ」

 とりあえず今度渡す酒のランクを大幅に下げてやろう。

 で、まずは亮から行くことになった。「真打ちは後で出るものだよ?」って笑顔で言われたけど、それでいいのか強襲科Aランク。

「それじゃあよろしく、妹さん。手加減してくれると嬉しいかな」

「よろしくお願いします、不知火先輩! フェミニズムを存分に発揮してくれると嬉しいな~?」

「あはは、それは無理かな。手加減したら即効でやられちゃいそうだし」

「わあ、先輩大人げなーい」

「……なあ潤、妹ちゃんってそんな強いのか? 不知火だって相当なもんだと思うが」

「少なくとも俺よりは強いぞ」

「あ、喧嘩売らない方がいいな」

 賢明な判断だ。とか言ってたら戦闘が始まった。が、二人とも動かない。片やMMP80、片やUSPを下げて静観の構え。そうして先に動いたのは、かなめの方。

「とりゃ!」

「――!!」

 胴体を狙った弾幕が貼られる、その直前に亮のUSPが火を噴いた。

「わっとと!?」

 武器を狙った正確かつ不意打ちの一撃。かなめは撃った反動を利用して二発の弾丸を回避する。

「おおあっぶなーい。不知火先輩はカウンター型なんですね」

「うーん、初手で通らなかったのは痛いなあ。さすが遠山君の妹、一筋縄ではいかないね」

「ふふん、褒めても手加減しませんよ?」

「それは残念」

 USPを乱射しつつ後退する亮に対し、追撃するかなめ。距離を空けつつカウンター狙いの亮は銃で牽制しつつ近接戦を狙うが、

「ほい!」

「――!?」

 かなめは持っていたヒートブレードを投げ付ける。虚を突かれた亮はそれでも最小限の動きで避けるが、続けざまにMMPをばら撒きながら迫ってくる。

「ふっ!」

 それに対し亮は敢えて攻撃を受けながら投擲体勢のかなめに向かって発砲するが、

「アハ♪」

 両手にプファイファー・ツェリスカを取り出し、一発目でUSP、二発目で左手に構えていたコンバットナイフを叩き落とした。USPの弾丸は敢えて防弾制服で受けている。

「ふふ、先輩合理的ー♪ でも残念、かなめの武器はM○のだけじゃないのです」

「……ふう、参ったよ。武器を投げられるのは遠山君もよくやるから対処できたけど、まさか両方来るのは予想外だったよ。それに随分エグイ拳銃を使ってるね」

「エグイって何ですかエグイって~。ちょっと大きいけどかなめの愛銃なんですよ?」

「二丁で使うもんじゃねえだろそれ。アリアでも使いたがらないぞ」

「……なあ潤、アレってそんなやばいのか?」

「たまには車両以外の勉強もしろ剛。プファイファー・ツェリスカは象の頭蓋骨くらいならぶち抜けるゲテモノ拳銃だ」

「……お前の妹、やばくねえ?」

「やばくないです~、普通の女の子です~!」ブーブー

 蘭豹先生のM500よりやばい代物両手持ちして何言ってるんだ。

「なんや不知火、下級生相手にあっさり負けおって」

「いやあ先生、確かにあっさりなのは認めますけど、ケガじゃ済まない武装ばっかりなのはちょっと……」

「武器の性能差が戦力の差となった結果だな」

「……まあええやろ、引き際を見極るのも武偵に必要なもんやしな。

 じゃあ次は遠山行けや!」

「先生、ケガじゃ済まない武装って聞いてました?」

「お前ならなんも問題ないやろ。四肢吹っ飛ぼうが心臓止まろうが平然としてそうやし」

「それで動けたら妖怪でしょ」

 魔術なしで心肺停止から蘇る人間とかこええよ、確実に人外の領域だろ。

「おにいちゃーん、早く早くー!」

「はいはい。お前試験中なんだからもうちょい緊張感持てよ」

「え? もう装備科の試験終わってるよ?」

「……蘭豹先生」

「ええやろ別に、聞いたこともない遠山の妹とか気になってしかたないんや。強襲科に向いてないなら無理強いはせんかったけど、本人がノリノリな上に一年坊がこの様やからな。

 だから上のAとかSランクと戦わせはっきりするやろ」

「いつも言ってますけど、『元』Sランクですので」

「ええからやれ! 特別に実家土産の麻花(マーファー)食わせたる!」

「しゃーねえなあ」

 菓子を代価に出されたのなら致し方なし。

「ぶー。お兄ちゃんは私と戦うの嫌?」

「いや、勝てない戦いはしたくないだろ常考」

「え? お兄ちゃんが私に負ける訳ないじゃん」

「あ? 基本スペックで劣ってる上、こっちより武装が豊富な相手にどうやって勝てるんだよ」

「「……はい?」」

「……なんで相手の方が優れているのを主張してるんだ、あいつら?」

「あれだね、自己評価が著しく低いところはそっくりなんだね」

 うるせえ、俺のは間違いなく事実だよ。

 とりあえず俺がUSP二丁を構え、かなめはジャイアン○バズを肩に担ぐ。オイ殺す気か。

「大丈夫、爆発はしないから!」

「そのサイズの砲弾当たるだけで」

「さっさと始めろやあ!!」

 最後まで言わせてください。しかしその願い虚しく開始の轟音が鳴り響く。同時、かなめのバズーカから放たれる砲弾が俺目掛け飛んできて――足元で爆発四散!

「はぁ!?」「え?」

「爆発はしないんじゃなかったのか」

「アレは嘘だ」

 うん知ってた。だから死体の山(生きてます)から離れたんだろうし。

 次いで放たれる一撃を跳躍してかわすと、合わせてかなめが空中疾走で迫ってきた。距離の詰め方がアリアと一緒じゃねえか、おまけにヒートホークも出てきたし。もうなんでもあるなM○の武器。

(当たったら死ぬよなこれ)

 胸中でボヤキつつUSPの連射で狙いを逸らし、同時後退しながら弾切れの二丁を上に投げて懐から新しい二丁を取り出し乱射、床に着陸しつつ拳銃による弾幕を貼る。

「甘いよ!」

 これに対しかなめはヒートホー○を投げ捨て、今度はヒー○ナギナタを回転させて弾幕の嵐を弾いていく。オイマジかよ。

 とはいえ動きは鈍くなるので、再度弾幕を張りつつ銃とマガジンを上に投げ、空中でリロードの完了したUSPで再度発砲。

 計八丁による銃撃の嵐。かなめは自身の身長より引き続きナギナタを回転させて防いでおり、膠着状態が――

突撃(チャージ)!!」

 生まれなかった。ナギナタが回転しながら突っ込んでくるとか、オイマジかよ(二回目)。

 足元のマガジンを蹴り飛ばすも弾かれ、勢いは衰えず。

 迎撃、回避、防御。かなめが迫り来る中、八つの分割した思考を高速で回転させ、俺が取った選択は、

「っそら!」

 袖から出した二本の鉤付き鎖で肩を狙う。無論これも弾かれるが、狙いは当てることではなく、絡めること。

「っと!」

 後方から迫りくる鎖をかなめは振り向かずナギナタで斬り落とす。隙は一瞬、だがそこにサクソニアの鉛玉を連射でお見舞いする。

 かなめの腕力では引き戻すのに僅かながらタイミングが間に合わない、そう予測しての銃撃だったが、

「オソマツ!」

 ナギナタを床に刺し、棒高跳びの要領で避けられてしまう。

「雑技団かお前は」

「いいえ、ニンジャスレイヤーデス」

 ナギナタで突撃する忍者がいてたまるか(偏見)。

「そこまで! これくらいでええやろ」

 再度構えようとしたところ、蘭豹先生から終了の宣言。俺は一息吐いて落とした武器を回収する。げ、鎖の鉤が斬られてるじゃねえか。

「あーあ、お兄ちゃん相手じゃ攻め切れなかったな~」

「結果的にはな。もうちょい長引いたら俺の方がジリ貧だったろ」

「ないない。だってお兄ちゃん、まだ幾らでも手はあるでしょ? なのに武器の性能差があって立ち回りは互角だし~」

「本気で攻め込んでない癖によく言う。別にナギナタぶん回しなんて妙な技使わなくてもいいだろーよ」

「お手玉よろしく拳銃の曲芸してた奴がよー言うわ遠山」

 横から話しかけてきた蘭豹先生は呆れた顔だ。口元は笑ってるけどな。

「試合じゃなく試験なんだし、いきなり殺りにいくのもどうかと思いますけど」

「アホ、試験だからこそ最初から全力で殺りにいくもんやろ。武偵は常在戦場、手抜きなんて以ての他や」

 別に手は抜いてないんだけどな。

「まあええわ、中々ええもん見せてもらえたし不問にしたる。それにしても兄妹揃ってSランク級の腕前とは流石やなあ」

「俺は元Sランクですし、かなめは装備科志望ですけどね」

「チッ、学科選択の自由とかホンマ面倒やな……遠山妹ォ、強襲科の転科も考えとけや!!」

「自由履修なら考えときまーす」

 恫喝にも屈さず笑顔でウインクするかなめに再度舌打ち。まあ先生本人も本気で言ってる訳ではない、惜しいとは考えてるだろうが。

「まあええ、遠山かなめの強襲科試験は暫定だけどSや。教師陣もぶっ飛ばしてるんやしな。お疲れさん、帰ってええで」

「せんせー、装備科の暫定ランクは何ですか?」

「んなもん装備科の担当に聞けや。お前らの試合見てたら忘れたわ」

 堂々と忘れた発言しないで欲しい。それでいいのか武偵校とはいえ教師。

「なあ不知火、女ってこええなあ……」

「遠山君の妹さんが例外なだけだと思うよ? まあ、人は見た目によらないってのは確かだけどな」

 俺の妹はコワカワイイ。

「カワイイとな!?」

 そこだけ反応するんかい。

 

 

おまけ

「おにいちゃーん、装備科の暫定ランク結果出たよー」

「お疲れさん。……あれ、Aランクか。かなめの技術力ならSランクでも不思議じゃないんだが」

「『技術はSランク相当だが、規定を無視した威力への改造と課題にない武装の追加が減点対象としてAランク判定』って言われた。ぶー、時間余って暇だったからグレードアップしてたのに、なんでマイナス扱いされるかなー」

「理子と同じような扱いじゃねえか……」

「えーでもユーくん、PC調査でターゲットの情報を抜き取るついでにクラッキングしてPC壊したら怒られるっておかしくないですかねえ」

「試験中止になるようなことすれば怒られるに決まってるだろ」

 

 

 




登場人物紹介
遠山潤
 実は妹と似たようなものを造っている(しかもメカの方)。本人の能力はかなめより下だが、実戦経験では上のため互角に渡り合う。
 
 
遠山かなめ
 お兄ちゃんとデートして大変ご満悦。なお、後で風雪に「羨ましいでしょ? NDK? NDK?」とメールして悔しがらせたらしい。というかお前ら連絡先交換してるのか。

 
不知火亮
 不意打ち上等反撃スタイル。本当は相手を動揺させてからの一撃が得意なため、今回のような試験では不利で負けを認めた。
 
 
一年坊ズ
 遠山潤の妹と知らずに挑んでボコられた哀れな未来の同級生(あかりとライカ含む)。まあなんだ、大怪我はしてないし頑張れ(雑)
 
 
後書き
 やっとかなめが編入しました。しかし最初っからエンジン全開の暴れまくりである。これ同級生の友人出来るのかなあ……少なくともAA組には警戒されても文句言えませんね、接点どうしよう(白目)
 というわけでどうも、ゆっくりいんです。読み直してからまたもニューステイツの背詰め入れ忘れたのに気付きましたが、石を投げないでください(土下座)
 話としては全く進んでませんが、今回はかなめの話と同時に潤についても話す予定なので、気長にお付き合いいただけると幸いです。
 まあ、次回は未定なんですが(オイ)。ネタはストックしてるけど、また解説回になりそうかなあ……退屈でしたら遠慮なく言ってください、正直作者の自己満足なところはあるので。
 では、今回はここまでで。感想・評価・お気に入り・誤字脱字訂正など一言でも何かいただければとてもありがたいです。
 読んでいただき、ありがとうございました
 

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。